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●White House(米大統領府)
米通商代表部(USTR)は2022年6月11日、キャサリン・タイUSTR代表の主催でインド太平洋経済枠組み(the Indo-Pacific Economic Partnership for Prosperity : IPEF)に関する非公式会合がパリで開催されたことを発表した。
参加国は、当初の13か国(米国、豪州、ブルネイ、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)に加え、その後参加を表明したフィジーが初期メンバーの一員として加わった。
タイUSTR代表は、IPEFの柱の1つである貿易分野の交渉について経済活動や投資を活性化し、持続可能で、包括的な経済成長を促進し、インド太平洋地域における労働者や消費者に利益をもたらす強靭で、包摂的で、持続可能な成果を目指すと述べた。
IPEFは2022年5月23日、バイデン米大統領が訪問中の東京でその交渉開始を表明した構想で、①貿易、②サプライチェーン、③クリーンエネルギー、脱炭素化、インフラ、④税・腐敗防止の4つの柱で構成される。この構想にはこれまでの自由貿易協定とは異なり関税交渉は含まれていない。
米政府内では、貿易分野についてはUSTRが、それ以外の3つの分野については商務省が主導する。
貿易分野では経済活動や投資の活性化、持続可能で包括的な経済成長の促進のため、ハイ・スタンダードで、包摂的、自由かつ公正な貿易を目指し、デジタル経済、新たな技術、透明性、良き規制慣行、企業の説明責任、貿易の円滑化等に関係する広範囲にわたる課題に取り組む。特にデジタル経済分野での協力に関しては、グローバル市場におけるその際立った役割を踏まえ、クロスボーダーのデータフローやデータのローカリゼイションに関する基準を含むコネクティビティや信頼性の構築、オンライン・プライバシー、人工知能の差別的、非倫理的な使用等のデジタル上の課題等が挙げられる。
サプライチェーンに関しては、これまでに例を見ないコミットメントを求める。より強靭で、十分に統合されたサプライチェーン構築のために透明性、多様性、安全性、持続可能性を向上させる。特に、危機対応、事業継続、ロジスティックスの効率化、主要原材料等、半導体、重要鉱物、クリーンエネルギー技術へのアクセスの確保を図る。
3点目の脱炭素化等の項目でもこれまでに前例のない対応を求める。パリ協定の目標等に沿って、脱炭素化、気候の影響に対する強靭化等のためクリーンエネルギー技術の開発、展開等を支援する。
最後の税・腐敗防止では、この地域での租税回避や腐敗を抑制するため、強固な税制、マネーローンダリングの防止、贈収賄防止について制度化し、公正な経済を促進する。
(出典:2022年5月23日のホワイトハウス発表、6月11日のUSTRのプレスリリース等)