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米国の対中制裁措置に関してWTOパネルが報告書を発表(WTO)

●WTO

2020年9月15日、世界貿易機関(WTO)の紛争解決小委員会(パネル)は、米国が課している中国への25%の追加関税に関する検討結果(報告書)を発表した。パネルはその報告書の中で、米国はその措置を正当化するだけの十分な理由を示しておらず、中国に限った措置はWTOの加盟国間での差別を禁止している最恵国待遇の原則に違反しており、また追加関税の適用は譲許税率を超えない税率を適用しなければならないとの加盟国の義務にも違反していると結論付けた。その上で、米国はWTOのルールの下でその主張を立証しないのであれば、中国の利益が無効化され、あるいは害されていると考えられ、米国に対してWTOの協定に基づく義務に合致した措置を執るよう勧告した。

 

中国が訴えた今回の紛争は、2018年7月に発動された340億ドル相当の中国からの輸入品及び2018年9月に発動された2,000億ドル相当の中国からの輸入品への25%の追加関税を対象としている。

 

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、同日、中国による米国の技術や知的財産の窃取に対して米国が執った措置がWTOのルールに違反するとのパネルの報告書内容を批判し、WTOは中国の不当な慣行を阻止するには十分に機能しているとはいえない。パネルの決定は、中国が行っている不当な行為に対してWTOは何らの救済措置をも提供することができないことを示している。このような不公正な貿易慣行に対して自衛することは認められなければならず、中国は米国を犠牲にしてWTOを利用してはならない。また、重要なことは、米中間で結ばれた歴史的な「第一段階の合意」において米国の技術の窃取を防止するため中国が新たな、執行可能な約束をしており、この合意については今回のパネルの報告内容は何等の効力をも有しないことであるとコメントした。

 

中国外務省の報道官は、2020年9月16日の定例記者会見で今回のパネルの報告書についてコメントし、中国はWTOを中核とした多角的貿易システムを強く支持し、WTOのルールや決定を尊重している。米国がパネルの決定及びルールに基づく多角的貿易システムを尊重し、具体的な措置をとるよう期待していると述べた。

 

パネルの報告書に対して不服があれば60日以内に異議を申し立てることができ、この場合裁判の最終審に当たる上級委員会で審理される。上級委員会では3人の委員で審理が行われることとなっているが、現在委員の欠員により上級委員会での審理が進んでいない状況にある。

 

(出典:2020年9月15日付けのWTO及びUSTRのプレスリリース等より)