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日本の対韓輸出規制問題、インドのICT製品への関税引上げ等に関してWTO・DSBがパネルの設置を決定(WTO)

●WTO

2020年7月29日に開かれた世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関(DSB)会合で、4つの案件について裁判の第一審に当たる紛争解決小委員会(パネル)を設置することが決定された。この中には日本の輸出管理制度に対する韓国からのパネル設置の要請及びインドの情報通信技術(ICT)製品への関税引上げに対する日本からのパネル設置要請の2件が含まれる。

 

韓国政府からのパネル設置要請は今回が2度目(最初の要請は2020年6月29日のDSB会合で合意されなかった)のもので、韓国代表は日本からの韓国向けの半導体材料3品目の輸出やその関連技術に対して日本が追加要件を課したため日本からの輸入が著しく制限されたとし、日本の措置は物品・サービス貿易、貿易関連投資措置及び知的財産権に関するWTOの協定に違反するものであると主張し、パネルの設置を求めた。

 

これに対して、日本代表は韓国の2度目のパネル設置要請を極めて遺憾とし、日本の措置は、民生・軍事用のいずれにも使用できる物品への輸出管理に関する国際的な慣行に合致したもので、新たな要件に基づいて韓国への輸出を継続しており、今後も継続する意向であること、韓国の企業はこの措置によってなんらの被害も受けていないこと、韓国の主張は大量破壊兵器を含む武器やセンシティブな軍事技術の不拡散についての国際的に確立されている根本的な前提に挑戦するものであること、本件を解決するためには、紛争解決方法によるのではなく、対話を通じて解決をはかるのが最良の方法であること等を述べ、反論した。

 

米国代表は、国家の核心的な安全保障を守るために何が必要かを判断するのは日本のみである。パネルが過去において下した判断に間違いがあったため国家安全保障を理由とした係争案件が増えており、これまで70年間にわたってWTOが賢明にも避けてきた国家安全保障の問題にWTOが巻き込まれるおそれがあると述べた。
DSBは最終的にはパネルを設置することに合意し、米国、英国、台湾、欧州連合(EU)、インド、中国等13の国・地域がパネルにおいて意見等を述べることができる第三国としての権利を留保した。

 

また、日本がインドのICT関連の物品の関税上の扱いについてパネルの設置を要請した件に関してもDSBにおいてその設置が決定された。

 

日本政府はインドがICT関連の製品についてWTOで約束している譲許税率を超えた関税率を適用しているとし、本件に関して同じような理由からパネルの設置を求めている台湾やEUと一本化してパネルの設置を求めた。

 

これに対してインドは日本の要請を遺憾とし、日本の指摘は拡大情報技術協定(ITA-II)に基づくもので、インドはこれには署名していないこと、関税率表を新たな統一システム(HS)に転換させる際に誤りがあったことによるものであると述べた。また日本、台湾及びEUの要請内容には大きな違いがあり、これを一本化して単一のパネルで取り上げることには同意できないとした。

 

最終的には、日本が要請したパネルは設置されることが決定し、台湾等からの要請とは切り離して設置されることとなった。EU、台湾、米国、タイ、シンガポール、中国、韓国等14の国・地域が第三国としての権利を留保した。

 

(出典:2020年7月29日付けのWTO事務局のプレスリリース)