ホーム海外トピックス › EUが「貿易・投資障壁に関する年次報告書」を発表(EU)

海外トピックス

教育セミナー・研修

社内研修にも活用できる企業別研修も承っております。

Jtrade

貿易統計Web検索システム ジェイ・トレード

FAX&COPYサービス

統計品目番号を記して申し込めば、後はFAXを待つだけ!

貿易統計
データ提供サービス

貿易統計データを表計算ソフトに取り込み二次加工が容易に!

EUが「貿易・投資障壁に関する年次報告書」を発表(EU)

EU

欧州委員会は2020年6月18日、2019年版の「貿易・投資障壁に関する年次報告書」を発表した。この報告書は、2008年の経済危機以降毎年発表され、欧州の企業に影響する貿易障壁、貿易交渉等による障壁の撤廃等の成果が分析されている。

 

今回の分析対象となった貿易・投資障壁は58か国・地域の438の障壁で、その内容は輸入禁止、国境での違法な課税、煩瑣な国内手続きや差別的な規制等、WTOのルールや二国間協定に抵触するものが含まれる。

 

これらの障壁の中で最も数が多いのは中国で、38障壁が記録されている。ロシアが2番目(31)、さらにインドネシア(25)、米国(24)、インドとトルコ(各23)と続く。そのほか10以上の障壁がある国としてブラジル(19)、韓国(19)、豪州(14)、アルジェリア(12)、タイ(12)、メキシコ(11)、エジプト(10)、マレーシア(10)が挙げられている。438障壁のうち、52%(229)は国境措置で、非関税障壁や規制に関する国内政策による措置は43%(188)を占めている。国境措置の数が50%を超えたのは今回が初めてとされる。
また2019年に新たに導入された障壁は43をかぞえ、国・地域の数は22に上る。保護主義的な措置が依然としてとられており、このような動きがより強くなっていると分析している。新たに障壁を導入した国で最も障壁の数が多かったのは中国で、アルジェリア、モロッコ、レバノン、トルコ、サウジアラビア等の地中海諸国や中東地域の国がこれに続いている。これら地中海諸国と中東地域での新規障壁数は全体の60%(24)に上る。

 

2019年に新たに導入された障壁は特に工業部門を直撃するものが多く、その影響は欧州の輸出額の85%に達する。情報通信技術、自動車、エレクトロニクスの部門が最も強く影響を受けた。また、新たな障壁の65%は国境措置で、非関税障壁や規制に関する国内政策による措置は28%で、新規の障壁についても国境措置が目立って多い。中国に関してはサイバーセキュリティ関係の審査制度、個人情報の越境移転やデータセキュリティに関する行政措置、テレコムネットワーク分野への市場アクセス等の項目が新たな障壁として挙げられている。

 

一方、2019年に解決に向かった貿易・投資障壁は、22の国・地域の40の障壁で、全面的、部分的に撤廃された。措置の撤廃等の影響を受けた欧州の輸出額は少なくとも194億ユーロ(約2兆3,500億円)に上り、80億ユーロ(約1兆円)の輸出増をもたらしたと試算されている。具体的な国とその障壁数を挙げると、サウジアラビア(5)、エジプト、シンガポール及びロシア(各3)、豪州、カナダ、中国、日本、韓国、メキシコ、エクアドル、アラブ首長国連邦(各2)であった。日本に関してはBSEや鳥インフルエンザを理由とした牛肉等酪農品の輸入に対する措置が挙げられている。

 

なお、今回の発表において欧州委員会は貿易分野での執行面の強化の必要性から、近く主席貿易執行官(Chief Trade Enforcement Officer)を任命することを予定しており、外国の貿易制限措置等に対して、より迅速、且つ効果的に対処するため執行分野を一元化させることにも触れている。

 

(出典:2020年6月18日発表の欧州委員会のプレスリリース、2019年版の貿易・投資障壁報告書)