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欧州委員会が2019年版通商防衛報告書を発表(EU)

EU

欧州委員会は、2020年5月4日「2019年版通商防衛報告書」を発表した。通商防衛措置としてはダンピング防止関税、補助金相殺関税、セーフガード措置についての2019年中の発動状況等がまとめられている。

 

2019年の防衛措置の新規調査開始件数は16件(前年は10件)で、措置が発動された件数は12件(前年は6件)に達した。既に発動されていた防衛措置に関しては、レビューの結果18件が失効し、前年に比べその件数は11件増加した。2019年末現在で発動されている措置の件数は140件となり、前年を5%下回った。その内訳は、ダンピング防止関税121件、相殺関税16件、セーフガード措置(緊急関税)3件である。

 

防衛措置の発動相手国の中で最も件数が多いのは中国で、ダンピング防止関税と相殺関税を併せると93件に上る。ロシア10件、インド7件、米国6件が続く。

雇用面への効果は2019年発動の防衛措置によって23,000の雇用が増え、これまでの防衛措置による効果と併せると直接的な効果は343,000の雇用に及んでいる。

 

セーフガード措置の発動については、2018年の米国政府による鉄鋼製品への追加関税の適用に対して、欧州委員会は2019年に入ってすべての国から輸入される鉄鋼製品に対してセーフガード措置を発動した。この措置は、すでに危機的な状況にあった欧州連合の鉄鋼生産者が輸入急増によって更に苦境に陥ることを防止するためのもので、2019年に調査開始されたダンピング防止関税や相殺関税の件数の半分は鉄鋼製品に関係している。

 

また、第三国を経由させる迂回輸出に関する調査件数も増加した。欧州委員会は、迂回輸出に関する調査を4件について開始し、この中の最も大きな調査としては中国から輸入される食器や台所用品に関する調査が含まれ、迂回輸出を行っていた30社以上の企業に対して適用関税を引き上げた。

 

さらに、一般特恵関税(GSP)適用との関係で、カンボジア及びミヤンマーから輸入されるインディカ米に対してセーフガード措置を発動した。GSPとの関係でセーフガード措置が発動されたのは初めてで、2019年1月にGSP税率の適用を停止し、一般の税率を適用した。この措置は今後3年間で段階的に軽減される。

 

一方、欧州連合(EU)からの輸入に対して外国政府が執った防衛措置は2019年には175件に達した。欧州委員会は、EUからの輸出を不公正な形で制限しようとする諸外国の調査に対しては断固とした対応をとる方針で、2019年にはスペイン産オリーブ油に対する米国のダンピング防止措置やベルギー、ドイツ等の冷凍フライドポテトに対するコロンビアのダンピング防止措置について世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関(DSB)に訴えた。

 

(出典:2020年5月4日付け欧州委員会のプレスリリース等)