ホーム海外トピックス › 2021年版「外国貿易障壁報告書(NTE)」を発表(USTR)

海外トピックス

研修・セミナー

社内研修にも活用できる企業別研修も承っております。

Jtrade

貿易統計Web検索システム ジェイ・トレード

FAX&COPYサービス

統計品目番号を記して申し込めば、後はFAXを待つだけ!

貿易統計
データ提供サービス

貿易統計データを表計算ソフトに取り込み二次加工が容易に!

2021年版「外国貿易障壁報告書(NTE)」を発表(USTR)

USTR

米通商代表部(USTR)は2021年3月31日、バイデン政権になって初めての2021年版「外国貿易障壁報告書(NTE)」を発表した。この報告書は、米通商法に基づきUSTRが大統領、議会に提出することを義務付けているもので、1985年以降毎年発表されている。

 

報告書では、米国の物品やサービスの輸出に対する外国の重要な貿易上の障壁が国・地域別に網羅的に記載されている。取り上げられている国・地域の数は65で、米国の物品貿易の99%、サービス貿易の87%がカバーされている。

 

貿易障壁は、①関税、輸入管理、通関上の障壁等の輸入政策、②技術的障壁、③衛生・植物検疫措置、④補助金、⑤政府調達、⑥知的財産権の保護、⑦サービス貿易上の障壁、⑧デジタル貿易・電子商取引上の障壁、⑨投資、⑩競争政策、⑪その他、の11の分野に分けて整理されている。
USTRは、報告書の発表に際して重要な障壁の事例として特に次の4分野を取り上げている。
まず、農産品分野について、特に非科学的な根拠に基づく規制措置、バイオ技術を使った産品に対する不明朗な承認手続き、煩瑣な輸入ライセンスや証明要件、一般的な名称を使った農産品の規制措置等が挙げられている。

 

デジタル貿易の分野では、インド、中国、韓国、ベトナム、トルコ等での制限的なデータ政策、ロシアでの現地ソフトウェアの事前インストールの要件、インドネシアのデジタル製品への関税賦課、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、欧州連合(EU)、メキシコ、ウクライナ、ベトナムでのオンラインによるストリーミング・サービス提供にかかる国内コンテンツ要件、オーストリア、インド、イタリア、スペイン、トルコ、英国での差別的な課税措置等が指摘されている。

 

過剰生産能力の問題として、鉄鋼、アルミニウム、太陽電池を含む一部の分野で恒常的に蔓延っている問題が取り上げられ、中国の国家主導による対応により経済的に合理性のない状況を発生させ、さらに「中国製造2025」等による特定分野への巨額の支援措置により他の分野でも過剰生産能力が発生する可能性があると指摘している。
さらに「貿易の技術的障壁」については、米国のハイテク製品やサービス、農業等への障壁として欧州連合の化学品分野での不透明な規制や中国の情報技術面での基準、インドやブラジル等の通信装置やテクノロジー分野での試験方法や認証上のルール等が障壁として問題視されている。

 

日本に関する記述でもそれぞれの分野で障壁が指摘されているが、関税に関しては、日本の関税率の水準は農産品以外については相対的に低い(2019年時点で平均2.5%)としつつも、化学品、魚介類、木製品、宝飾品等の関税について一部高い税率があり、米国の輸出の妨げになっているとしている。農産品に関しては、高い関税(2019年時点で平均15.5%)や非関税障壁が存在するにもかかわらず、2019年の輸出額は120億ドル近くに達し、米国の農産品については単一の輸出市場としては4番目の大きな市場となっていると述べている。

 

関税に関しては特に魚介類、皮革製品、履物に対する関税、輸入クォータ、関税割当制度が問題視されている。非関税障壁の分野では、米穀、小麦、豚肉の輸入制度に加え、通関制度も取り上げられている。通関に関しては関税の無税枠を現行の1万円(約90ドル)から800ドルに引き上げ、これによって書類作成の負担を軽減し、物流の促進に繋げるよう求めている。さらに、事前教示制度を拡大し、透明性や予測性を高める必要があるとも指摘している。以上のほか、日本郵政(株)と他の民間企業との間での通関上の扱いの違いについても言及している。

 

知的財産の分野では、税関との関係では模倣品等の個人輸入の問題を取り上げ、個人が模倣品等を持ち込んでも、その数量や回数について何ら制限が設けられていない点を問題とし、そのため商標法の改正が必要であると指摘している。さらの郵便による個人輸入についても例外を認めないよう求めている。

 

(出典:2021年3月31日付けのUSTRのプレスリリース及び「2021年版外国貿易障壁報告書」)