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●EU
欧州委員会は、2月18日、英国が本年3月30日に合意なしで欧州連合を離脱する場合に備えて税関分野においても準備を加速するよう業界等に呼びかけるキャンペーンを開始したことを発表した。
英国の欧州連合からの離脱に備えた対応については、昨年来、欧州理事会や欧州委員会等は様々な形で準備作業を開始するよう呼びかけているが、今回改めてキャンペーンが開始されたことは、今後の動きに流動的な側面もあるが、英国の「合意なき離脱」がある程度現実味を帯びたものと受け取られていることを反映したものといえよう。
現状では、利害関係者や各国の関係当局は、次の2通りのシナリオを前提にその準備を進める。
・欧州連合と英国との離脱協定が本年3月30日までに成立した場合:欧州連合の諸法令は21か月間の移行期間を経て2021年1月1日に英国について効力を失う(移行期間の1乃至2年間の延長は一度認められる)。
・この離脱協定が本年3月30日までに成立しない場合:移行期間はなく、欧州連合の諸法令は同日英国について効力を失う。
仮に、後者の「合意なき離脱」の場合には、欧州連合と英国の間での貨物の移動は、通関面では欧州連合にとっては第三国との輸出又は輸入として扱われ、英国からの輸出品や輸入品には欧州連合の規則等で定められている手続きや管理等が適用され、関税、付加価値税(VAT)、物品税等が欧州連合への輸入時に課される。一方欧州連合から英国への輸出の際にはVATは免除される。
今回打ち出されたキャンペーンは、欧州連合の業界、特に中小規模の企業に対してその意識を高めることをねらいとしたもので、欧州委員会は、関係業界に対して、原産地ルール等の税関手続きやルールを処理する上で必要となる専門的な能力等を高めること、英国製品がサプライチェーンに関係している場合には税関での認可や登録等について準備することその他今後の対応について税関に照会等することを呼び掛けている。
(出典:2019年2月18日の欧州委員会のプレスリリース)