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航空貨物の事前スクリーニング(ACAS)のためのパイロット・プログラムを正式決定(CBP)(2012/10/31)

 

●CBP(米税関・国境保護局)

米税関・国境保護局(CBP)は、10月24日、航空貨物の事前スクリーニング(ACAS)のパイロット・プログラムを正式に開始するとして、その概要を連邦官報に公表しました。このパイロット・プログラムは、航空貨物を取り扱う関連企業が、航空貨物のデータを事前にCBP及びTSA(運輸保安局)に送付することを内容とするもので、その目的はCBP等の取締機関が、セキュリティの観点から、米国向けの航空貨物の中からハイリスク貨物を選別、特定することであるとされています。

                                            

米国向けの輸入貨物等に関する貨物情報の事前提出は2002年修正通商法 (第343条(a))のなかで、セキュリティ確保等の観点から、輸送方法(空路、海路、鉄道、道路)の如何を問わず、貨物が米国に持ち込まれる前に、もしくは貨物が米国から搬出される前に、一定の貨物情報を電子的にCBPに提出することが義務付けられたことに始まります。

 

その後2003年12月5日、CBPは上記通商法の規定を実施するための規則を連邦官報で公告し、その中で航空機を使って米国に持ち込まれる貨物についての要件(19 CFR 122.48a)が定められ、商業貨物を積んで米国に到来する航空機に関して、北米、中米、赤道以北の南米、カリブ海諸国、バミューダの場合には当該航空機が米国に向けて出発するまでに、その他の国、地域の場合には当該航空機が米国に到着する4時間前までに、一定の貨物情報を電子的にCBPに送付することが義務付けられました。

 

2010年10月、イェメンから米国に向かった航空機を使ってテロリストが爆発物を米国に持ち込もうとしたことが発覚し、これを受け、セキュリティ強化のためには、貨物情報の提出の時期を見直すことが必要と判断され、ハイリスク貨物を特定するためにはいかなる場合であっても貨物が出発地において航空機に積み込まれる前にその貨物情報を入手することが必要であるとして、上記の規則が見直されることとなりました。この見直しに当たっては、CBPとTSAは民間の関連企業に自主的に参加してもらい、サプライ・チェーンのできるだけ初期の段階で貨物情報を入手できるようにするための措置が検討されました。2012年3月の時点で、このプラグラムによって処理された取引の件数は1,400万件に達するとされています。

 

今回正式に実施されることとなるパイロット・プログラムにおいては、できるだけ多くの航空貨物に関係する企業の参加を求めるとともに、貨物情報の提出時期は貨物が米国向け、または米国を経由する航空機に積み込まれる前の最も早い段階とされ、また提出を要する情報の種類も、関税規則で定められている17項目ではなく、参加が見込まれる企業のいずれもが取引の初期の段階で入手する情報であって、CBPがリスク判定を行ううえで不可欠と判断された6項目の情報に絞り込まれています(具体的には、航空運送状番号、貨物の総数(最小の包装単位による)、総重量、品名、荷送人の名前とアドレス、荷受人の名前とアドレスの6項目の情報)。

 

このプログラムへの参加の条件は、
①国家戦略目標局(NTC)によって危険が特定された場合にその危険な状態を除去すること、
②提出したデータについてNTCからの照会があれば完全な形の正確な情報を追加的に速やかに提供すること、
③「積み込みの禁止(Do Not Load)」の指示が出された場合にはそれに従うこと、
④CBPが必要に応じて開催する会合等に参加してパイロット・プログラムの問題点等について連絡し、検討すること、があげられています。
なお、参加申し込みは2012年11月23日までとなっています。現段階では、ACASへの参加は任意で、航空貨物のサプライ・チェーンに係わるすべての事業体(航空旅客や航空貨物のキャリアー、航空貨物取扱事業者や運送業者等)に開放され、参加事業体等の規模や所在地、取り扱う貨物の種類等を問わないとされています。このパイロット・プログラムの条件に違反した場合であっても、罰則等の制裁的な措置は適用されません。

 

パイロット・プログラムは、10月24日から6か月間実施される予定となっていますが、必要と判断されればこの期間が延長される可能性もあります。プログラム終了後、その結果を分析、評価した上で、提出を求めるデータの種類、データの提出のタイミング等を含め、正式なファイナル・ルールの作成が予定されています。

 

(出典:10月24日付けの連邦官報Vol.77, No.206CBPの同日付けプレスリリース等より)