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合格するためには、覚悟を決めて退路を断ち切ることが必要です

~周囲に大口を叩き、自分自身にプレッシャーをかけ続けた半年間でした~

平成24年度・通関士養成講習会、オンライン基礎力UP講座受講(受験1回)
玉谷 智さん

【はじめに】

運良く1回目の受験で合格することができました。
当該資料『私の合格体験記』が講習会の開講前に送付され、ざっと目を通すと平均3、4回目の受験で合格されている方が多数を占めているので、4月~10月までの6ヶ月間の勉強期間で合格しようとすることは浅はかな考えかと、勉強する前に凹んだのを記憶しています。ただ、講習会初日に配られたカリキュラムで、勉強時間は最低300時間と書かれていたのを見たとき、「できないことはない勉強時間ではあるが、これだけの時間を何年も費やしたくない。一発で合格したい」と強く強く思いました。精神論的なことは自分自身あまり好きではないのですが、この試験では「合格」のイメージング、自分自身へのプレッシャーのかけ方は非常に重要かと思います。
 

【勉強方法】

[講義を受ける際のスタンス]

関税協会側から、各講義のスケジュールおよびテキストページに連動する『通関士試験問題・解説集(以下、問題集)』の該当ページが記載されたカリキュラムを頂けるので、問題集の問題を解いてから講義に臨みました。これは9月の講義終了まで一貫として行い、とにかく過去問を通じて出題傾向を捕らえるようにすることが当該試験合格の近道と信じて実施しました。講義はテキストに沿っての解説になりますので、問題ではどういう形で問われるかイメージングしながら傍聴していました。(云わば、講義は常に復習の場です。)私自身の勉強法上、厳しい言い方になるかと思いますが、やり方はどうあれ講義の予習をしないのならば、講習会に出席しないほうがいいと思います。予習をしないで講習会に出る時間があれば、問題集の自習をされたほうが試験対策に有効だと思います。

【関税法等、通関業法】

各講義後、若干時間を空けて問題集を復習し、それでも間違えてしまう箇所は問題形式的な自作ノートを作り、違った角度から出題傾向のシミュレーションをし、なぜそのような解答になるのか部分的ではなく全体的なイメージを掴むようにしました。加えて、同協会の「オンライン基礎力UP講座(以下、オンライ ン)」にも登録し、問題を通じて知識を習得しました。
関税法等は4月~7月までに勉強を完了させ、通関業法は8月だけで完了させました。
月毎の勉強内容・時間は、

  • 4月;約40時間(週平均10時間)
  • 5月;約50時間(週平均12~13時間)
  • 6月;約55時間(週平均13時間)
  • 7月*;約50時間(週平均11~12時間)
  • 8月*;約40時間(週平均12~13時間)

です。但し、7月・8月の勉強時間には後述で記載しますが、通関実務の勉強時間を含んでおりません。

【通関実務】

当該カテゴリーの最大の難所である輸出入申告の問題は、6月の最終週から始めました。私が言うまでもございませんが、この通関実務という科目は前述の関税法等、通関業法とは全くの別世界です。

関税協会から配布される図書教材『ゼロからの申告書(以下、ゼロ申)』を最初に取り組んだ時は全く理解ができず、この勉強期間で最も挫けそうになった瞬間でした。加えて品目分類や計算問題もこのカテゴリーに含まれ、この申告・品目・計算が絶妙にリンクしてくるので、勉強期間の中で最も辛いと感じる日々でした。でも、ここで諦めてはいけません。

申告書問題は、『ゼロ申』の問題を何度も繰り返し解きました。(最終的に、問題によっては10回近く取り組んだものもあり、当該問題集は30問用意されていますが、平均して各問題3~5回は取り組んだと思います。)

品目分類には単語帳カードを活用し、例えば、表に題目としてXX類と設定し、該当しそうな品目を7~8個記載。裏に該当するもの・しないものの「○×」を記載しました(×の場合はどの分類になるかも記載)。

計算問題は『問題集』や「オンライン」、関税協会から提供される図書教材『通関士試験の指針』に掲載されている例題を繰り返し行いました。(『問題集』と「オンライン」の計算問題は、最終的に10回近く取り組んだと思います。)
通関実務の勉強時間は、
7月;約30時間、8月;約40時間(過去の模試問題に取り組んだ時間も含む)です。
 

【本試験へ向けての演習】

8月中旬以降の休日や、ある程度勉強時間を確保できる平日では、過去の試験問題で本試験での体力配分・時間配分等をイメージしながら、9月は「オンライン模試」を含めて専ら試験問題の演習をしました。また、8月末に行われた『全国通関模試』の受験では、「C」評価の判定で合格基準に達しました。しかし、通関実務で獲得した20点の配分で、実務のカテゴリーの中では点数を稼がねばならない計算問題で1点しか取れなかったので、ここを本試験までにスポット補強しました。結果的に本試験では自己採点だと18点ギリギリで、点数配分としては輸出入申告書問題で思うように点が稼げなかったものの(おそらく8点)、計算問題でフォロー(おそらく4点)できたことにより、合格を掴むことができたと自己分析しています。因みに、9月の勉強時間は約100時間です。

よって、4月~9月の総計勉強時間は400時間程度です。
 

【本試験でのテクニック】

途中に休憩時間が挟まれるにせよ9:30~15:30までの長丁場の試験なので、3科目目の通関実務に如何に自分のピークをもっていくかを考えました。通関業法、関税法等は気を抜く訳ではありませんが、途中退出してクールダウンに努めました。

通関実務の問題を解くにあたっては、輸出入申告書の問題は後回しにし、3問目~17問目を先に取り組みました。ここでの時間配分は3問目~17問目を30分以内とし、1問目~2問目の輸出入申告書の問題に50分強、残りの10分を見直しの時間にしようと計画しましたが、プラン通りにはいかないもので、見直しが一切できませんでした。

今回の試験での輸入申告書問題は、異なる通貨から換算及び数量按分といった、これまでの過去問とは一線を画す問題(難易度ではH23年度の方が難しいと思いますが・・・)で、非常に時間を費やす羽目となり、自己採点では全て申告価格を間違え、何度も計算を繰り返していくうちに品目の順番を1箇所逆にする(2点ロス)という目もあてられない状況に陥っていました。幸いにも合格していたから良かったものの、仮に合格ラインに達していなくて「5分でも見直しを行い、書き間違えの箇所を修正していれば・・・」という状況にならず、本当に良かったと感じています。ですので、見直しの時間は是非とも確保して頂きたいと思います。

【最後に】

本試験を1回しか受けていないので必ずしもそうではないかもしれませんが、3科目目の輸出入申告書の問題のどちらか、加えて選択式問題のいくつかは、試験場でその問題に向き合ったとき、常に新たなジャンル・切り口の問題が出題されていると、過去に受験した経験のある方でも感じるのではないかと思われます。即ち、この3科目目で安全圏の点数(23.24点以上)を確保するには過去問+αの対策が必要になるのではないかと思います(私自身、+αの部分に関しては対策・勉強共に不十分でした)。

従って、輸出入申告書のどちらかの問題で次元が違う問題と感じたら、そこで時間を注ぎ込むのではなく、「他の計算問題や択一式問題で必ず点を取って6割を確保する」と切り替えることが大切ではないかと思います。

また、冒頭の自分自身へのプレッシャーのかけ方として、これは人其々の性格なのであまり参考にならないと思いますが、周りの近い同僚や友人・家族には「この試験、オレは落ちる気がしない」等といった大口を叩き、自分自身を追い詰めていきました。仮に不合格となったら自分自身の立場は奈落の底に落ちると分かってはいましたが、この試験に合格するためには覚悟を決め退路を断ち切ることが必要と感じ、自分自身にプレッシャーをかけ続けていました。

最後に、通関士試験に望むにあたり、関税協会殿には勉強量の目安や試験対策へのフォローをして頂き感謝しています。関税協会殿のおかげで、やるべき事はやれました。そして、半年間土日も含め、勉強をする環境整備に全面協力してくれた妻・息子に本当に感謝し、家族の絆も更に深まったと感じています(絆が深まったと思っているのは私だけかもしれませんが・・・)。

【参考;使用した教材】
  1. 講習用テキスト      ・・・1巡
  2. 通関士試験問題・解説集  ・・・平均3巡(計算問題や申告問題は10巡ぐらい)
  3. オンライン基礎力UP講座     ・・・平均3巡(計算問題は7~8巡ぐらい)
  4. ゼロからの申告書       ・・・平均3~5巡(難易度の高いものは10巡ぐらい)
  5. 通関士試験の指針     ・・・1巡(計算問題は3巡ぐらい)
  6. 品目分類カード      ・・・自作
  7. 自作ノート