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努力は、自分を裏切らない!

講習会を休まず、ひたすら予習・復習を繰り返す

平成27年度・通関士養成講習会受講(受験1回)
渡辺 昇さん

【はじめに】

私は還暦を迎えた昨年初めに通関士受験を決め、日本関税協会の通関士養成講習会に参加、初めての受験ながら幸運にも合格することができました。

【受験の動機】

一昨年の暮れに日本に帰国するまでのおよそ20年間、民間企業の駐在員としてタイ、中国を中心に海外調達業務を担当していました。帰国後、還暦を機に自分自身の社会人人生のけじめとして、貿易関連で唯一の国家資格である通関士にチャレンジすることを決めました。

【学習開始に当たり】

学習を開始するに当たり、自分の保有能力(弱点ばかりでしたが)をチェックし、それらを克服するための対策を講じました。
対策を講じる際のポイントは、無いものねだりはしない「徹底したプラス思考」でした。

自分の保有能力:

  1. 記憶力:若い頃に比べ、著しく低下している
  2. 集中力:長時間維持できない
  3. 理解力:難しい日本語、特に法令は、数回読んでも理解できない
    <対策>
    ① まず、記憶力、集中力、理解力の低下は、60才を過ぎたら当然と認める。
    ② 記憶力の衰えを恨むのではなく、「忘れるのは当たり前=年齢相応の現象」ととらえ、忘れても、忘れても、何度でもテキストを読み返そうと誓いました。まさに、「七転び八起き」の精神です。
    ③ そのために、合格に必要とされる最低学習時間は400時間と聞いていたので、1.5倍相当の600時間を学習目標と決めました。
     
  4. 基礎体力:毎日夜8時を過ぎると睡魔に襲われ、頭に入らない
    <対策>
    ① 夜眠くなる分、早起きは苦にならないので、朝4時半起床、平日は5時の始発で出勤し、電車内を含め、会社の始業前2時間を学習に充てました。
    ② 会社休日は用事のない限り、図書館を利用しました。図書館は、老若男女様々な目的を持った受験生が集まるので、共に机を並べて学習することで励みになりました。
     
  5. 残存余命:この世に残された時間は、後わずかしかない
    <対策>
    ① 「自分の人生には、もう後がない」と考え、受験初年度でしたが「最初で、最後の受験」と決め、「来年があるさ」といった自分への甘えを断ちました。
    ② 受験勉強は半年間の長丁場になるので、途中で何度か倦怠期が訪れます。そんな時に受験を決心した当時の初心に立ち返ることのできる、自分なりの「リセットスイッチ」を持つことをお勧めします。
    ③ 心が折れそうになった時のもう一つの特効薬は、先輩方の合格体験記でした。先輩諸氏の苦労、学習の工夫等体験談を読ませていただきながら、「辛いのは自分一人ではない」と、何度も背中を押していただきました。
【学習方法】
  1. 学習開始直後に驚いたことは、学習範囲の広さ、覚える知識量の多さでした。講習会開始早々の4月から関税品目分類を記憶するようにと、講師の方から宿題をいただきましたが、このアドバイスは大変助かりました。学習後半期になると覚える量が累積され、精神的に圧倒されそうになるので、関税品目分類のような単純に記憶していく分野は早期に取り組まれると好いでしょう。
  2. 学習のサイクルは、「テキストの予習 → 講習会参加 → 宿題および過去問 → 正誤チェック → 不正解問題箇所をテキスト、法令集でおさらい」(その際、カラーペンで誤り箇所を線引きしておくと受験間近になって自分の弱点が分かり、限りある学習時間を弱点征服に集中でき、役立ちます)、このサイクルを繰り返す。
  3. 「通関業法」を馬鹿にしない
    通関業法は学習範囲も狭く、記憶中心で、つい優先順位を後回しにしがちです。
    でも、要注意!!
    過去年度の試験問題は、テキストや過去問題集で事前に繰返し学習しているので、合格点を取れるのはある意味で当たり前です。しかし、本番の試験問題は初めて目にするので、思った以上に難しく感じるものです。自分の場合も、最初の試験科目「通関業法」で予想していた得点が取れず、焦りました。試験最初の科目でつまずくと、残り科目への集中力にも影響するので、この科目は着実に得点できるよう事前準備を怠らないように。
【使用した参考書、ホームページ等】
  1. 関税協会テキスト 4冊
    過去問で間違えたテキストの該当箇所をマーカーペンで塗りつぶす。間違う問題は何度も間違えるので、その箇所を異なる色のマーカーペンで再度塗りつぶす。これを繰り返すことで自分の弱点が分かり、試験直前期の復習分野を絞ることができました。
  2. 通関士試験問題・解説集
    間違えた問題、および本当は理解できていないのにたまたま正解した問題(これをきちんと理解することが重要!)をチェックしておき、これらを中心に3~5回繰り返しました。
  3. ゼロからの申告書
    受験生を最後まで悩ませる「通関実務」攻略のための、私が知る限り最良のテキストだと思います。「通関実務」は時間との勝負でもあるので、短時間で正解を導き出せるよう、作業ステップを標準化して何度も繰り返して下さい。
  4. 通関士試験補修シリーズドリル 3冊(計算問題、関税評価、通関手続)
    特に、「計算問題」および「関税評価」の2冊には、3回取り組みました。
  5. まるわかりノート
  6. 受講生専用サイトの「質問倉庫データベース」
    共に学ぶ仲間の疑問や悩み、そしてそれらに対する講師の方々の回答、アドバイスを共有でき、大変参考になりました。
  7. 税関ホームページ掲載の「事前教示回答事例」「関税定率法基本通達」等の情報
    「通関実務」科目の「関税評価」関連知識習得のため、必要箇所をコピーし、活用しました。

 

【受験後の感想】

試験の合否には、確かに「時の運」が存在すると思います。
ただ、コントロール不能な運、不運を極力少なくし、確実に合格のボーダーラインに自分の実力を近付けていけるのは、「日々の学習努力の積み重ね」しかないと思います。
今回、「通関実務」の輸入申告書課税価格問題で迷いに迷い、結果時間切れで白紙提出となりました。
受験直後、試験会場を後にしながら、「やっぱり年寄りの挑戦は、無謀だった」と、悄然とした気持ちで帰宅したことを覚えています。
しかし、それでも合格できたということは、輸入申告書以外の設問でリカバーできたことになります。
輸出申告書、計算問題、品目分類等その他の問題も、自分にとっては決して易しくはありませんでしたが、試験範囲を偏りなく学習し、弱点分野を極力作らない努力の結果であったと思います。
「努力は、決して自分を裏切らない!」
是非この言葉を信じ、そして常に自分を信じて、日々の学習努力を継続なさって下さい。
 

【最後に】

最後になりましたが、六か月という長期間、様々な誘惑を振り切り学習を継続させるには、周囲の方々の理解と協力が不可欠でした。
常時学習に集中できるよう、公私に亘る細かな気配りと激励の言葉をかけ続けてくれた妻、会社の同僚、そして日本関税協会の皆様に、この場をお借りして心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました!!