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アルゼンチンの輸入制限措置に対してWTOパネル設置を要請(USTR)(2012/12/21)
●USTR(米国通商代表部)
2012年12月6日、米国は、アルゼンチンが米国からの輸入品に対して広範な輸入制限措置をとっていることについて、これを世界貿易機関(WTO)で審査するためパネル(小委員会)を設置するよう求めたことを明らかにしました。米通商代表部(USTR)の発表では、アルゼンチンの取っている輸入制限措置には不透明で、恣意的な要件が含まれ、米国の輸出品を不当に制限しており、さらに米国からの輸入の見返りに、一定額の輸出を約束することを要件とするなど、米国からの輸出が阻害されているとしています。
なお、パネル要請に先立って行われる米国とアルゼンチンとの二国間協議は本年9月20日と21日の両日開かれましたが、不調に終わっています。
このアルゼンチンの措置に対しては、欧州連合(EU)、メキシコ、日本もWTOのパネルの設置を要請しました。
USTRの発表によれば、アルゼンチンは2008年以降、非自動輸入ライセンス制度の対象となる品目の範囲を拡大し、税目数で約600税目(アルゼンチンの関税率表の8桁ベースでの税目数)に及んでいるとしています。さらに、本年2月にはすべての輸入品について追加的なライセンスの要件を設けたとされています(すべての輸入品についての事前届出及び事前承認制度の導入)。米国がこの制度によって大きな影響を受ける品目の主なものとしては、ラップトップ、家電製品、エアコン、トラクター、機械器具、乗用車と同部品、農産品、プラスチック製品、化学品、タイヤ、履物、繊維品、衣類、かばん類、自転車、紙製品等があげられています。また、この非自動輸入ライセンス制度に関連して、輸出入均衡要件が非公式な形で導入され、輸入許可を受けようとする業者は、輸入しようとする商品の価額と同額又はそれ以上の額の物品の輸出、アルゼンチンへの投資、輸入品価格の引下げ、利益の本国送金の自制といった措置に同意することが必要とされているとしています。
米国は、以上の措置は、WTOの義務に抵触するとし、具体的には1994年ガット第XI条1(輸入制限の禁止)、輸入許可手続に関する協定等に違反しているとしています。
本件は、12月17日のWTO紛争解決機関において審議され、米国、欧州連合及び日本は、アルゼンチンの取っている輸入措置はWTO協定に抵触するとして、特にその中でも非自動輸入ライセンス制度、事前届出及び事前承認制度(DJAI)及び輸出入均衡要件、の3点が強調され、本件を解決するためパネルの設置を求めるとしました。これに対して、アルゼンチンは二国間での協議において本件を解決したいと述べるとともに、アルゼンチンの措置はWTOの協定に抵触するものではなく、ライセンス制度は決して貿易を制限することにはならないと反論し、パネルの設置に反対しました。紛争解決機関の決定は、コンセンサス方式(ネガティブ・コンセンサス方式)で行われるため、今回の会合ではパネルの設置は見送られましたが、次回の会合において再度パネル設置の要請が出されればアルゼンチンは当該要請を拒否できなくなります
(出典:12月6日付けUSTRのプレスリリース、同日付けのEUのプレスリリース及び12月17日付けのWTOのプレスリリースより)




