CIPIC定期講演会を開催しました

 

2020年10月6日にCIPIC定期講演会を開催いたしました。

 

新型コロナウイルス感染症予防の観点から少人数の対面形式の講演と同時に、当該講演の模様をZoomシステムにてCIPIC会員の皆様に配信するハイブリッド形式での開催とさせていただきました。その結果、新たに多くの方々がリモートで参加していただき、CIPIC事務局としては大変喜んでおります。

 

本講演会では、まず、ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所弁護士・弁理士 松永章吾様から「個人使用目的の商標権侵害物品の輸入実態及び現行法下での対策とその限界」と題し、越境ECの発達により増加している小口貨物を利用した模倣品の輸入、特に個人使用目的を偽装した輸入に関する現状分析と背景、法的課題、政府の取組み、EUの状況等についてご説明をしていただきました。特に、個人使用目的の模倣品の輸入の現状については、各種統計や個別商品の事例等を示し具体的に現状や問題点を示していただいたことから、参加していただいた皆様には大変参考になったことと思っております。

 

また、財務省関税局業務課知的財産調査室長 石川陽一様から令和元年及び令和2年上半期における税関による知的財産侵害物品の差止状況を中心に説明を行っていただきました。本年上半期の特徴として、差止件数が1.5万件と対前年比18.7%増となっている一方、差止点数は前年上半期に大量の差止があった反動で53.3%の減少となっており、模倣品輸入の小口化が一層進んでいる現状が説明されました。仕出国では、中国が86.2%と大多数を占めている一方、シンガポールが対前年比10倍超と大きく増加しているのが特徴としてあげられていました。

 

CIPICでは、引き続き皆様により良い情報を提供できるよう、活動を行っていきますので、皆様方の積極的な参加をよろしくお願いいたします。