2010年12月20日更新
●EU/貿易統計

■欧州統計局発表の2010年10月の貿易統計■

   −ユーロ圏の対外貿易収支は52億ユーロの黒字−


   12月17日に欧州統計局から発表された2010年10月の欧州連合(EU)の貿易統計によれば、ユーロ圏16カ国(EA16)の貿易収支は、52億ユーロの黒字を記録し、前年同月の黒字幅(48億ユーロ)を上回り、前月9月につづき10月も黒字を計上した。10月の輸出入額は、前月9月に比べ、輸出は0.1%減少したのに対して、輸入は1.3%の減少となった。
   
   一方、EUの全加盟国(EU27)の10月の貿易収支は、74億ユーロの赤字となり、前年同月の64億ユーロの赤字幅を上回った。ただ、前月9月の赤字幅(118億ユーロ)に比べるとその赤字は大幅に減少している。EU27の輸出入の前月との比較を見ると、輸出は0.1%増、輸入は3.0%減となった。

   EU27カ国について、主要貿易相手国との貿易(2010年1月〜9月)を見ると、いずれについても増加したが、特に輸出が大きく伸びた国は、ブラジル(+53%)、中国(+39%)、トルコ(+36%)で、また輸入が大きく伸びた国は、ロシア(+37%)、中国(+30%)、インド(+28%)となっている。(カッコ内の%は対前年同月比)

   更に、黒字幅が拡大した貿易相手国(2010年1月〜9月)は、米国(+528億ユーロ)、スイス(+138億ユーロ)、トルコ(+131億ユーロ)で、逆に赤字幅が拡大した相手国は、中国(−1,222億ユーロ)、ロシア(−521億ユーロ)、ノルウェー(−268億ユーロ)、韓国(−89億ユーロ)となった。日本については、その赤字幅(−159億ユーロ)は前年同期とほぼ同水準となっている。

   加盟国の貿易収支(2010年1月〜9月)については、黒字が大きかった国は、ドイツ(+1,135億ユーロ)、アイルランド(+318億ユーロ)、オランダ(+306億ユーロ)、ベルギー(+141億ユーロ)の順となっており、赤字が大きかった国は、英国(−848億ユーロ)、フランス(−463億ユーロ)、スペイン(−390億ユーロ)、イタリア(−192億ユーロ)、ギリシャ(−177億ユーロ)、ポルトガル(−146億ユーロ)の順となっている。


        1.  ユーロ圏16カ国                                                                             (単位:  10億ユーロ)
  2009.10 2010.10 2009.9 2010.9 2009.1〜10 2010.1〜10
輸 出 115.4 138.7
( 20% )
112.2 137.3
( 22%)
1,054.0
1,259.3
( 19% )
輸 入 110.6 133.5
( 21% )
110.8 134.7
( 22% )
1,038.4
1,255.9
( 21% )
バランス 4.8 5.2 1.4 2.6 15.6 3.4



     2.  EU加盟国27カ国                                                                           (単位:  10億ユーロ)
  2009.10 2010.10 2009.9 2010.9 2009.1〜10 2010.1〜10
輸 出 98.0 120.6
( 23% )
94.2 119.9
( 27% )
900.4 1102.7
( 22% )
輸 入 104.4 128.1
( 23% )
104.7 131.8
( 26% )
993.0 1,219.4
( 23% )
バランス -6.4 -7.4 -10.5 -11.8 -92.7 -116.7

   表1、表2の( )内の%は、対前年同月比又は対前年同期比を示す。


ユーロ圏16カ国:ベルギー、ドイツ、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、イタリア、サイプラス、ルクセンブルグ、マルタ、オランド、オーストリア、ポルトガル、スロベニア、フィンランド、スロバキア

  (出典: 12月17日の欧州委員会統計局のプレスリリースより )




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