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USTRが知財侵害に関する2021年版「スペシャル301条報告書」を発表(USTR)

USTR

米通商代表部(USTR)は2021年4月30日、諸外国の知的財産の保護や執行に関する課題等をまとめた2021年版「スペシャル301条報告書」を発表した。この報告書は、通商法第182条(1988年包括通商競争法等により修正)の規定に基づいて毎年USTRが取りまとめて発表しているもので、「外国貿易障壁報告書(NTE)」が大統領、議会に提出(毎年3月末)された後30日以内に発表される。

 

報告書では、外国の知的財産の保護・執行に関して、米国の貿易に悪影響をもたらしているとされる国を「優先国」、「優先監視国」及び「監視国」に指定し、課題の是正のための協議、調査等の開始をUSTRに義務付けている。「優先国」は最も厳しい対応を求める国で、その国の知的財産に関する政策や慣行等によって米国の産品に深刻な悪影響をもたらしているとされる国を指す。今回の報告書では「優先国」に指定された国はない。「優先監視国」と「監視国」は知的財産上の保護・執行面で懸念される課題があるとされる国で、二国間等で協議し是正を求める。特に「優先監視国」については問題点の是正のための「アクション・プラン」の作成も求められる。

 

今回「優先監視国」としてはアルゼンチン、チリ、中国、インド、インドネシア、ロシア、サウジアラビア、ウクライナ及びベネズエラの9か国が指定され、「監視国」としてはブラジル、カナダ、メキシコ、タイ、トルコ、ベトナム等23か国が指定された。

 

2021年版で特に注目されるのは、中国の知的財産上の問題、COVID-19対策と模倣品対策、欧州連合(EU)が進める地理的表示の保護方針の影響や課題である。

 

中国に関しては2020年7月にトランプ政権下で合意された米中間の「第1段階の合意」を取り上げ、中国の取り組みが不十分だとしている。中国はこれまでも知的財産に関連した法的措置をとってきているが、これらの措置は実施を伴うものでなければならず、しかも根本的な変革には十分なものとはいえないとし、その上でバイデン政権下でも中国が約束した事項に関してその実施状況を注意深く監視するとしている。バイデン大統領は4月28日の議会演説で中国への対応に関して、「米国の技術と知的財産権の窃取など、米国の産業や労働者を弱体化させる不公正な貿易慣行に立ち向かう」と宣言している。

 

模倣品問題に関しては水際措置や刑事罰に係る問題、オンライン上での侵害行為等について依然として世界的に懸念されるとし、特にCOVID-19のパンデミックに便乗してマスク等の個人用防護具やテストキット等の模倣品が中国から大量に流入していることを深刻な問題として取り上げている。

 

EUが進めている地理的表示の保護についても排他的として強い懸念を表明し、米国の輸出品に使われる一般名称化した表示(パルメザンやフェタチーズ等)やこれまでに登録されている商標を使って販売される商品について外国市場へのアクセスが確保されるよう対策を強く進めるとの方針を明確にしている。

 

(出典:2021年4月30日付USTRのプレスリリース、2021年版「スペシャル301条報告書」)