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EUと米国が報復措置の適用を一時停止することに合意―エアバス社とボーイング社への補助金を巡るWTO紛争―(EU)

EU

2021年3月5日の欧州委員会の発表によれば、欧州連合(EU)と米国は、エアバス社及びボーイング社の大型旅客機への補助金を巡るWTO紛争の結果として双方が適用している報復関税を4か月間停止することで合意した。

 

WTO紛争解決上級委員会によって、米国はEUからの輸出品75億ドル相当に対する報復措置を、またEUは米国からの輸出品40億ドル相当に対する報復措置をそれぞれ適用することが認められているが、今回の合意によって双方が報復措置の適用を停止する。それぞれの国内での手続きが完了すればその後4か月間にわたって有効となる。

 

EUと米国の大型旅客機への補助金を巡るWTO紛争は2004年から始まったもので、WTOでは最も長く争われてきた紛争である。EUはエアバスについて、また米国はボーイングについてそれぞれWTOのルールに違反して補助金を支給しているとしてWTOは双方に是正措置をとるよう求めていた。

 

2018年WTO紛争解決上級委員会は、EU及びその加盟国がWTOの決定を完全な形で履行していないとし、2019年10月米国が75億ドル相当の報復措置をEUに対してとることを認め、同年10月8日米国はEUからの輸出品に対して関税引上げによる報復措置をとった。一方、WTOは2019年3月、ボーイング社への補助金支給について米国はWTOルールを遵守する措置をとっていないとし、2020年10月EUが米国に対して40億ドル相当の報復措置をとることを認め、2020年11月9日EUは報復措置をとることを決定した。

 

今回のEU・米国間の合意で、関税引上げによる報復措置が停止され、長期間にわたった紛争が解決に向かうこととなる。双方は共同声明で、航空機を巡る紛争に関して、包括的で、永続的な解決を目指すと述べ、今後交渉によって解決を図る分野として、将来の旅客機分野での支援についての規律、未解決となっている支援措置、モニタリング、執行措置、さらには中国のような非市場経済国がこの分野へ新規参入することによってもたらされる貿易歪曲的な慣行や課題への対応を挙げている。

 

大型旅客機を巡るWTO紛争には、当時EU加盟国であった英国も関係しており、2021年3月4日、米国と英国は別途共同声明を出し、大型旅客機の紛争に係る報復関税を4か月間停止することを発表した。英国は2021年1月1日に米国への報復関税の適用をすでに停止しており、米国は2021年3月4日から報復関税を4か月間停止する。両国も今後本件の最終的な解決を目指して交渉することとなる。

 
(出典:2021年3月5日付けの欧州委員会のプレスリリース等)
 
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