ホーム海外トピックス › バイデン政権が新通商政策を発表(USTR)

海外トピックス

研修・セミナー

社内研修にも活用できる企業別研修も承っております。

Jtrade

貿易統計Web検索システム ジェイ・トレード

FAX&COPYサービス

統計品目番号を記して申し込めば、後はFAXを待つだけ!

貿易統計
データ提供サービス

貿易統計データを表計算ソフトに取り込み二次加工が容易に!

バイデン政権が新通商政策を発表(USTR)

USTR

2021年3月1日、米通商代表部(USTR)は、バイデン政権になって最初の「2021年通商政策課題と2020年年次報告書」を発表した。この報告書は、通商法の規定により毎年議会への提出が義務付けられている。

 

新たな通商政策では、COVID-19のパンデミックからの回復と「より良い復興(Build Back Better)」を目指す方針が打ち出され、その上で包括的な経済成長を促進し、米国の普遍的価値を反映させた公正な国際貿易システムを目指すとしている。

 

通商政策上の優先事項とされる主な項目は次の通り。

 

・COVID-19のパンデミックへの取組みと経済の回復:ワクチンの製造、配布を増やし、すべての米国民にできるだけ早くワクチンを接種する。そのためにも国内の製造能力の拡大等のための長期投資を支援する。また、第一線で働く労働者が必要とする個人防護具等が容易に入手できるようにし、国民の健康を保護するために必要な医療用機器等のサプライチェーンの回復を図る。

 

・労働者中心の通商政策:「より良い復興」には通商政策の果たす役割は極めて重要である。そのため、労働者の権利を保護し、経済上のセキュリティを強化する強固で、法的強制力のある労働基準を貿易協定に含め、また米国の同盟国とは協働して強制労働や労働者の搾取と闘う。

 

・持続可能な環境、気候変動対策:環境面、気候面の対策に二国間、多国間で取り組む。このためには強固な環境基準を交渉し、実施することが必要である。温暖化ガスの排出を削減し、2050年までにネットで排出量ゼロを達成するため、技術革新を促し、再生可能エネルギーの強固なサプライチェーンを目指す。また、炭素国境調整の導入を検討する。

 

・人種間の平等を進め、行政サービスが十分行き届いていない社会を支援:通商政策を進めるに当たっては、様々な人種の実態を十分把握し、有色人社会に及ぼす影響についての理解を深め、これを勘案して取り組む。

 

・中国の威圧的で、不公正な経済、貿易慣行への包括的な戦略による取組み:中国の威圧的で不公正な貿易慣行が米国の労働者に害をもたらし、米国の技術優位を脅かし、サプライチェーンの復元力を弱め、国家利益を蝕んでいる。米国の労働者やビジネスに害をもたらす様々な中国の不公正な貿易慣行に対してあらゆる活用可能なツールを使って対処する。新疆ウイグル自治区等でのウイグル族その他の人種又は宗教上のマイノリティをターゲットとした中国政府の強制労働プログラムに見られる幅広い人権侵害に最優先で取り組む。また同盟国と協働して過剰供給によってもたらされた世界的な市場の歪みの是正に取り組む。重要なセクターとしては中国の影響が最も大きい鉄鋼、アルミをはじめ、光ファイバー、太陽光パネル等のセクターがある。

 

・友好国や同盟国との連携:世界での米国のリーダーシップの回復と連携関係や同盟関係の修復が優先課題である。また、WTOのオコンジョイウェアラ新事務局長、同じ考え方を有する貿易相手国と共に、世界貿易システム上の課題の解決を図るためWTOのルールや手続きの改革に取り組む。

 

・米国の農業、酪農、漁業関係者、食品製造業者を擁護:前政権下で大きな戦略もなく、ばらばらに執られてきた貿易措置のため米国の農業社会の負担は大きくなった。現政権では、包括的で、すべての生産者のための効果的な措置の導入を目指す。世界における市場機会を拡大し、貿易ルールの執行を通じこの分野の生産者を守る。

 

(出典:2021年3月1日、USTR発表の「2021 President’s Trade Agenda and 2020 Annual Report」)