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米国製自動車に対する中国のダンピング防止税等はWTOルールに違反―WTOパネル報告―(WTO)

●WTO

中国が賦課した米国製自動車に対するダンピング防止税等について、5月23日、世界貿易機関(WTO)の紛争解決小委員会(パネル)の報告書が出され、一部を除き、米国が申し立てた事項が認められ、中国のダンピング防止税等の適用はWTOのルールに違反するとされました。

 

本件の係争は、2011年12月に中国が排気量2,500cc以上の米国製自動車(SUVを含む)に対して車種によっては20%を超えるダンピング防止税及び相殺関税を課したことに端を発しています(その内訳は、ダンピング防止税2.0%~21.5%、相殺関税6.2%~12.9%)。

 

2012年7月5日、米国は中国側の措置を不服としてWTOの紛争解決手続に基づき中国側に協議を申し入れましたが、協議は不調に終わり、2012年9月17日パネルの設置を求め、同年10月23日に開かれた紛争解決機関においてパネルの設置が決定されました。

 

パネル報告では、中国の措置の実質面に関して、中国産業への損害が正しく決定されていないこと、中国市場での米国輸出の価格に及ぼす影響が正しく分析されていないこと、調査対象とされなかった米国の輸出者に対する価格差等の計算が事実に基づいて行われていないこと等が上げられ、また手続面に関しては、価格差の計算を含め重要な事実が米国企業に対して開示されなかったこと、秘密情報を含む場合に求められる一定の情報の提供(「要約」の提供)が行われなかったこと等があげられています。

 

中国政府は、パネル報告に先立つ2013年12月に米国製自動車に対するダンピング防止税及び相殺関税の賦課を停止することを表明し、米国政府の発表では、現在は賦課されている証拠は見つからないとされています。

 

通商代表部(USTR)のフロマン代表は、パネル報告を受けて、本件は米国にとって重大な勝利であると述べるとともに、中国が本件措置を停止したことに関連して中国がとった停止措置はWTOへ提訴した直接的な成果であるとしつつ、中国が本件措置を停止したとしても、米国は中国のダンピング防止税や相殺関税の誤った適用について深く憂慮していることには変わりはないとし、これまで3度にわたって同じような事案をWTOに申し立て、いずれの事案についても米国側が勝訴したと付言しています。

 

(出典:5月23日付けのWTO及びUSTRのプレスリリースより)