2008年5月9日更新
●WTO

■メキシコの貿易政策に関する検討(WTO)■



   本年2月11日と13日の両日、メキシコの貿易政策を検討するための「貿易政策検討機関」の会合が開かれ、その議事録が4月中旬に公表された。
   WTOでの各国の貿易政策に関する検討は、「WTO設立に関するマラケシュ協定」の附属書三に基づいて行われるもので、「すべての加盟国が、多角的貿易協定及び複数国間貿易協定(適用がある場合に限る。)に基づく規則、規律及び約束の遵守の状況を改善し、もって、加盟国の貿易政策及び貿易慣行について一層の透明性を確保し並びに理解を深めることにより、多角的貿易体制が一層円滑に機能することに資する」ことをその目的としている。
   検討の頻度については、多角的貿易体制の機能に及ぼす影響力(世界貿易に占める貿易額)に基づき設定される。最大の影響力を有する4カ国(現在は、米国、EU,日本、中国)については2年毎、次の16カ国については4年毎、その他の加盟国については原則として6年毎に行われる。
   メキシコに関しては、2002年以来6年ぶりの検討となる。

   メキシコの貿易政策面について、特に各国から問題点として指摘されたのは、適用関税率(MFN税率)について、16.5%から11.2%への自主的な引き下げが行われたことについては高く評価されたが、このため実効税率と譲許税率の間に大幅な乖離が生じていること、一部品目の関税評価に関して税関による査定が行われていること、税関手続が煩瑣で、非効率的であること、関税割当制度の運用に問題があること、アンチ・ダンピング措置が多用されていること(特に中国より)、等が挙げられた。

   これに対し、メキシコは、関税率の問題に関してはドーハ・ラウンドで問題点の解消を図るべく積極的に対応しているとした。
   関税割当については、WTOでの譲許を上回る割当枠を設定しており、粉ミルクの割当を除けば、先入先出方式による割当に移行したとの説明がなされた。
   税関の手続上の問題に関しては、2007年12月、税制面の再検討の結果、税関の業務は通関関係に限定されることとなり、これにより透明性、効率性、迅速性の面の改善が期待されること、また問題点として一部加盟国から指摘された事後調査に関しては、別の機関に移管されているとの回答がなされた。
   関税評価に関しては、税関の査定額と輸入者の税関申告額の差異により発生する関税額の不足分(見込み)は、貨物を引き取るためにはそれに相当する額の担保を積むことが必要となるが、この手続についても改善され、この担保は3ヶ月以内に解除されることとなっていること、また、税関の査定によって、輸入者の申告価額が拒絶されるわけではなく、また税関の査定額が課税標準となるものでもない。
   この措置は、アンダーインボイスを防止するための措置であり、現在見直し中であるとした。
   中国から特に指摘のあったダンピング問題については、中国のWTO加盟交渉の際の中国とメキシコの合意を反映したもので、暫定的なものであり、今後WTOのルールとの整合性を図るべく、再検討中であるとの説明がなされた。

   最後に加盟国より、多角的貿易制度におけるメキシコの建設的な役割、並びにドーハ・ラウンドへの同国の多大な貢献に対し、謝意が表され、さらに2006年までにメキシコが行った関税の一方的な引下げを高く評価する旨の発言があった。



(WTOのプレス・リリース:  PRESS/TPRB/295、及びWT/TPR/M/195等)



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