2008年5月1日更新
●USTR

■優先監視国に中国、ロシア等9カ国を指定(UTSR発表)■


              −2008年版スペシャル301条報告書−


   4月25日、米通商代表部(USTR)は、スペシャル301条に基づく年次報告書を発表した。
   301条は、「1988年包括通商・競争力法」によって、貿易相手国の不公正な慣行を包括的に調査して対抗措置をとるための制度として創設されたもので、この内、知的財産の分野に特化した部分はスペシャル301条と呼ばれている。

   1974年通商法では、USTRが議会及び大統領に対して「外国貿易障壁報告書(NTE)」を提出することを義務付けており、通常毎年3月末に提出される。スペシャル301条では、このNTEの提出後、30日以内に、貿易相手国における知的財産権の保護の状況について報告書を公表するよう定めている。
   スペシャル301条報告書では、知的財産権保護について問題のある国等を、深刻さの度合いに応じ「優先国」、「優先監視国」、「監視国」の3つのカテゴリーに区分している。なかでも特に「優先国」は、適切で効果的な知的財産権の保護を行っておらず、誠意を持って交渉に応じていないとされた国である。
    この指定を受けると、USTRによる調査が行われ、被指定国との協議が不調に終われば、制裁措置が発動される可能性がある(これまでに、制裁としてウクライナへの一般特恵関税の適用が停止されたことがある)。
   また、「優先監視国」及び「監視国」に指定されることは、知的財産権の保護や執行面で特別の問題があることを示している。
   なお、このほか「306条監視国」もあり、これは「優先国」に指定されていた国で、協議等が進行中の国を指す。

   2008年の報告書では、「優先国」に指定された国はなく、「優先監視国」、「監視国」および「306条監視国」として、合わせて46カ国が指定されている。具体的には、以下の通りである。

   ■ 「優先監視国」(9カ国): 中国、ロシア、アルゼンチン、チリ、インド、イスラエル、パキスタン、タイ及びベネズエラ

   ■ 「監視国」(36カ国): アルジェリア、ベラルーシ、ボリビア、ブラジル、カナダ、コロンビア、コスタリカ、チェコ共和国、ドミニカ共和国、エクアドル、エジプト、ギリシャ、グアテマラ、ハンガリー、インドネシア、イタリア、ジャマイカ、クウェート、レバノン、マレーシア、メキシコ、ノルウェー、ペルー、フィリピン、ポーランド、韓国、ルーマニア、サウジ・アラビア、スペイン、台湾、タジキスタン、トルコ、トルクメニスタン、ウクライナ、ウズベキスタン、ベトナム

   ■ 「306条監視国」(1カ国): パラグアイ

   報告書では、中国について、中央及び地域レベルを問わず、同国の知的財産関係の制度面での強化の必要性が強調され、特に著しい著作権侵害行為や商標の模倣行為が依然深刻な状況にあることが詳細に分析されている。
   また、ロシアについては、違法な光学メディアの製造、販売やインターネットを使った海賊行為を問題とし、ロシアのWTO加盟にはこうした問題点を解決することが特に重要であることが強調されている。

    USTRシュワブ代表は、
「海賊や模倣業者は、単にアイディアを盗むだけではない。彼らは、雇用機会をも窃取している。さらに国民の健康や安全をも脅かしている」とし、米国政府は、引き続き侵害者との闘いを強化すると公約した。


(出典: USTRのプレス・リリース、「2008 SPECIAL 301 REPORT」)




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