本試験問題と解答・解説


平成22年度第44回通関士試験解答  
〔通関書類の作成要領その他通関手続の実務〕(時間1時間30分)


【申告書】
第1問 輸出申告−「コーヒー、香辛料及び各種の調製食料品」
正 解  (a)B、(b)K、(c)I、(d)A、(e) M

解 説
1.各貨物の統計品目番号の決定
 設問の「コーヒー、香辛料及び各種の調製食料品」は、別冊の「輸出統計品目表」(すい)に掲げられている範囲である第9類(第09.01項〜第09.10項)及び第21類(第21.01項〜第21.06項)に分類することとされている。しかし、設問にある選択肢では、第21類の場合、第21.01項〜第21.04項までを選択した統計品目番号であり、最終的にはその範囲に分類して、解答の番号を選択する。
(1)仕入書第1項:Roasted coffee(not decaffeinated) →0901.21-0004
 いつたコーヒー(カフェインを除いてないもの)は、第09.01項の「コーヒー(いつてあるかないか又はカフェインを除いてあるかないかを問わない。)…」に該当し、「いつたものでカフェインを除いてないもの」であるので、「−いつたコーヒー(いつたものに限る。)」のうち、第0901.21号の「−−カフェインを除いてないもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「4」となる。
(2)仕入書第2項:Fruits of the genus capsicum(dried and crushed) →0904.20-0006
 とうがらし属の果実(乾燥し、粉砕したもの)【とうがらし】は、第09.04項の「とうがらし属…の果実(乾燥し、破砕し又は粉砕したものに限る。)…」に該当し、第0904.20号の「−とうがらし属…の果実(乾燥し、破砕し又は粉砕したものに限る。)」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「6」となる。
(3)仕入書第3項:Instant coffee →2101.11-1003
 インスタントコーヒーは、第21.01項の「コーヒー…のエキス、エッセンス及び濃縮物並びにこれらをもととした調製品…」に該当し、第2101.11号の「−− エキス、エッセンス及び濃縮物」の「−−− インスタントコーヒー」に分類され、細分番号は「100」、NACCS用コードは「3」となる。
(4)仕入書第4項:Vanilla →0905.00-0003
 バニラ豆は、第09.05項(第0905.00号)の「バニラ豆」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「3」となる。
(5)仕入書第5項:Fruits of the genus Pimenta(50% by weight) & cinamon(50% by weight) mixed
 powder(dried) →0910.91-0000
 ピメンタ属の果実〔第09.04項〕(重量比50%)とけい皮〔第09.06項〕(重量比50%)を混合した粉(乾燥したもの)は、第9類注1(b)により「異なる項の二以上の物品の混合物は、第09.10項に属する。」との規定から、第09.10項の「しようが、…その他の香辛料」のうち、「−その他の香辛料」に該当し、第0910.91号の「−−この類の注1(b)の混合物」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「0」となる。
(6)仕入書第6項:Soya sauce →2103.10-0005
 醤油は、第21.03項の「ソース、ソースの調製品、混合調味料…」に該当し、第2103.10号の「−醤油」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「5」となる。
(7)仕入書第7項:Ginger(60% by weight) & saffron(40% by weight) mixed powder(dried)
 →0910.10-0004
 しようが〔第09.10項〕(重量比60%)とサフラン〔第09.10項〕(重量比40%)を混合した粉(乾燥したもの)は、第9類注1(a)により「同一の項の二以上の物品の混合物は、その項に属する。」との規定から第09.10項に該当し、その分類に当たって、混合されたしようがの重量比が60%と最大であることから第0910.10号の「−しようが」に分類され、細分番号は「000」、NACCS 用コードは「4」となる。

2.同一統計品目番号のまとめ
 上記1.から、統計品目番号が同一となるものはない。

3.大額貨物/少額貨物の判断及び少額合算
 登録画面作成注意事項(以下「注意事項」という。)の記2により、品目番号が異なるものごとの申告価格が20万円以下の場合については、これらを申告価格が最も大きいものの統計品目番号に一括して一欄にまとめ、10桁目のNACCS用品目コードを「X」とする。
 このため、上記1.により、品目番号を決定した各品目について、申告価格が20万円以下となるかどうか判断するため、判断基準価格を計算する。
 注意事項の記4により、申告価格の算出に当たって、別紙1の仕入書に記載されているそれぞれの品目の価格に加算し、又は減算すべき費用がある場合の当該費用の申告価格への振り分けは価格按分とすることとなる。決済金額CIF New York US$34,210.00の明細項目については、TokyoからNew Yorkまでの運賃・保険料US$2,488.00が減算すべき費用であり、内陸運送料・諸チャージUS$622.00は加算すべき費用であることにより算入することになるので、申告価格(FOB価格)は、内陸運送料・諸チャージ込みの仕入書価格であるため、判断基準価格は、少額貨物の基準価格(20万円)を仕入書価格の増額割合(申告価格÷仕入書価格)で割って、それを適用レートで除し、米ドル価格を算出する。
 これが判断基準価格である。
(1)判断基準価格の計算
  少額貨物の基準価格:200,000円
  仕入書価格(Ex-works):US$31,100.00
  内陸運送料・諸チャージ:US$622.00
  内陸運送料・諸チャージ込み仕入書価格(=申告価格):US$31,722.00
  仕入書価格の増額割合:内陸運送料・諸チャージ込み仕入書価格(申告価格)÷仕入書価格
                   =US$31,722.00÷US$31,100.00=1.02
  内陸運送料・諸チャージが含まない場合の少額扱価格(円)
    200,000円÷1.02=196,078円
  内陸運送料・諸チャージが含まない場合の少額扱価格(US$) ⇒ 判断基準価格
    196,078円÷99.00円/US$(*)=US$1,980.58
  (*)適用為替レート:下記【参考】を参照
 したがって、US$1,980.58が判断基準価格となり、この価格より各統計品目番号ごとの仕入書価格が小さければ少額貨物と判断することができる。
(2)判断結果
 本設問では、0905.00-0003(仕入書第4項:US$1,600.00)と2103.10-0005(仕入書第6項:US$1,800.00)及び0910.10-0004(仕入書第7項:US$1,500.00)が少額貨物となる。
 なお、注意事項の記2に従い、申告価格の大きい2103.10-0005にまとめ、10桁目を「X」とすると、統計品目番号は2103.10-000X、仕入書価格はUS$4,900.00となる。

4.申告欄の決定及び各品目の選択肢番号の決定
 上記3.までにより、統計品目番号を決定したならば、申告欄への記入順序を決定する。
 申告欄の順序は、注意事項の記3により、申告価格の大きいものから順に入力し、少額貨物を一欄にまとめたものについては、最後の欄とする。
 ここで、仕入書決済価格(CIF価格)には、注意事項の記4により、「別紙1の仕入書に記載されているそれぞれの品目の価格に加算し、又は減算すべき費用がある場合の当該費用の申告価格への振り分けは価格按分とする」との記述から、上記3のように、申告価格は、仕入書価格(Ex-works)へ「内陸運送料・諸チャージ」のみ加算することとなり、この費用は、どの品目にも同率で加算されることから、仕入書価格のまま申告価格の大小を判断してもかまわない。
 各統計品目番号ごとの仕入書価格を大きい順に並べると、次のようになり、申告欄への入力もこの順番となるので、それに従って、各統計品目番号の選択肢の番号を解答する。

   @ US$9,100.00 : 0904.20-0006 → 第1欄(a) B0904200006
   A US$8,100.00 : 2101.11-1003 → 第2欄(b) K2101111003
   B US$7,000.00 : 0910.91-0000 → 第3欄(c) I0910910000
   C US$2,000.00 : 0901.21-0004 → 第4欄(d) A0901210004
   D US$4,900.00 : 2103.10-000X → 第5欄(e) M210310000X
【参考】輸出申告価格の計算
 輸出申告価格は、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格(FOB価格)である。(関税法施行令第59条の2第2項)
 また、その価格が外国通貨により表示されている場合における本邦通貨への換算は、当該輸出貨物に係る輸出申告の日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の週間平均値をもって行う。(関税法施行令第59条の2第4項、関税定率法第4条の7、同法施行規則第1条)
 輸出申告年月日は、平成22年10月1日であるので、その日の属する週「平成22年9月26日〜 10月2日」の前々週「平成22年9月12日〜 9月18日」における平均値「99.00円」を適用する。
 なお、決済金額はCIF価格であるが、各品目の仕入書価格はEx-worksUS$であって、これに一括加算されている運賃及び保険料については不算入とし、また、内陸運送料・諸チャージについては算入として、各品目の申告価格(FOB価格)を算出することになるので、次のように計算する。

   FOB(US$)= 各品目の仕入書価格(Ex-works)×(仕入書総価格(Ex-works)
           +内陸運送料・諸チャージ)÷ 仕入書総価格(Ex-works)
   FOB(円)=各品目の仕入書価格(Ex-works)× 1.02 × 99.00円/US$

1.登録画面第1欄(a): 仕入書第2項
   仕入書価格(Ex-works)=US$9,100.00
   → FOB(US$)=US$9,100.00×1.02×99.00円/US$=918,918円
2.登録画面第2欄(b): 仕入書第3項
   仕入書価格(Ex-works)=US$8,100.00
   → FOB(US$)= US$8,100.00×1.02×99.00円/US$=817,938円
3.登録画面第3欄(c):仕入書第5項
   仕入書価格(Ex-works)=US$7,000.00
   → FOB(US$)=US$7,000.00×1.02×99.00 円/US$=706,860円
4.登録画面第4欄(d):仕入書第1項
   仕入書価格(Ex-works)=US$2,000.00
   → FOB(US$)=US$2,000.00×1.02×99.00 円/US$=201,960円
5.登録画面第5欄(e): 仕入書第4項、第6項及び第7項(異なる統計品目番号の少額合算)
 次の計算のように、異なる統計品目番号ごとの貨物の申告価格は20万円以下のものである。
(1)第4項の貨物の申告価格の計算
   仕入書価格(Ex-works)=US$1,600.00
   → FOB(US$)=US$1,600.000×1.02×99.00円/US$=161,568円
(2)第6項の貨物の申告価格の計算
仕入書価格(Ex-works)=US$1,800.00
→ FOB(US$)=US$1,800.00×1.02×99.00円/US$=181,764円
(3)第7項の貨物の申告価格の計算
仕入書価格(Ex-works)=US$1,500.00
→ FOB(US$)=US$1,500.00×1.02×99.00円/US$=151,470円
 これらを合算して第5欄にまとめる。
   仕入書価格(Ex-works)= US$1,600.00+US$1,800.00+US$1,500.00=US$4,900.00
   → FOB(US$)=US$4,900.00×1.02×99.00円/US$=494,802円

第2問 輸入(納税)申告−「大豆等」
正 解  (a)E、(b)A、(c)F、(d)D、(e)J、
(f)01560000、(g)01492400、(h)01294800、(i)00374400、(j)00520000


解 説
1.各貨物の品目番号
 設問の輸入貨物「大豆等」は、別冊の「実行関税率表」(抜すい)に掲げられている第12類(第12.01項〜第12.12項)に分類される。しかし、設問にある選択肢は第12.01項〜第12.11項までの範囲に限定されているので、これを踏まえて各品目ごとの品目分類を、次のように行う。
(1)仕入書第1項:Dried soya beans of black, not broken →1201.00-0905(基本無税)
 乾燥した黒大豆で乾燥したものは、第12.01項(第1201.00号)の「大豆(割つてあるかないかを問わない。)」に分類され、「of black」のもので「−その他のもの」に該当し、細分番号は「090」、NACCS用コードは「5」となる。
(2)仕入書第2項:Flours of dried soya beans of yellowish white, non-defatted
 →1208.10-0003(協定4.2%)
 乾燥した黄色系の大豆の粉で脱脂してないものは、第12.08項の「採油用の…種の粉…」に該当し、第1208.10号「大豆のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「3」となる。
(3)仕入書第3項:Dried shea nuts(karite nuts), not broken →1207.99-0906(基本無税)
 乾燥したシャナットは、第12類注1「第12.07項には、…シャナットを含むものとし、…」により、第12.07項の「その他の採油用の種…」に該当し、「その他のもの」のうち、第1207.99号の「その他のもの」の「−その他のもの」に分類され、細分番号は「090」、NACCS用コードは「6」となる。
(4)仕入書第4項:Dried rosemary →1211.90-9904(協定2.5%)
 乾燥したローズマリーは、第12類注4「第12.11項には、…ローズマリー…を含む。」により、第12.11項の「主として…香料用…植物…(…乾燥したものに限るものとし、…)」に該当し、第1211.90号の「4 その他のもの」のうち、「−その他のもの」に分類され、細分番号は「990」、NACCS用コードは「4」となる。
(5)仕入書第5項:Meals of dried sesamum seeds, non-defatted →1208.90-0000(協定4.2%)
 乾燥したごまのミールで脱脂してないものは、第12.08項の「採油用の種‥‥‥の粉及びミール」に該当し、第1208.90号の「その他のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS 用コードは「0」となる。
(6)仕入書第6項:Dried job's tears →1211.90-9204(協定3%)
 乾燥したはとむぎは、第12.11項の「主として…香料用、医療用…植物…(…乾燥したものに限るものとし、…)」に該当し、第1211.90号の「その他のもの」のうち「4 その他のもの」の「−はとむぎ」に該当し、細分番号は「920」、NACCS用コードは「4」となる。
(7)仕入書第7項:Powders of dried ginseng roots →1211.20-0001(協定4.3%)
 乾燥したおたねにんじんの粉は、第12.11項の「主として…香料用、医療用…植物…(…乾燥したものに限るものとし、…粉状にしたものであるかないかを問わない。)」に該当し、第1211.20号の「おたねにんじん」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「1」となる。
(8)仕入書第8項:Meals of dried cotton seeds, non-defatted →1208.90-0000(協定4.2%)
 乾燥した綿実のミールで脱脂してないものは、第12.08項の「採油用の種…の粉…」に該当し、第1208.90号「その他のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「0」となる。

2.同一品目番号のまとめ
 上記1.から、仕入書第5項「Meals of dried sesamum seeds, non-defatted」及び第8項「Meals of dried cotton seeds, non-fatted」は、同一の品目番号(1208.90-0000)となるので、登録画面作成注意事項(以下「注意事項」という。)の記1から、これらを合算して一欄にまとめる。合算後の仕入書価格は「US$12,450.00」となる。

3.大額貨物/少額貨物の判断及び少額合算
 本設問の仕入書価格は、米ドル建のCIF価格であり、注意事項の記6から記8までの別払費用を考察すると、申告価格は、この仕入書価格に、輸出国における輸入貨物の保管料のみを加算することになる。ここで、少額判断価格の算出は、下記枠内のように、CIF価格と申告価格との割合を20万円に乗ずることにより求められる。すなわち、申告価格のUP割合で20万円を除すことで、UP分を含まない判断基準価格が算出される。
 なお、本設問の「商標を使用する対価」は、輸入貨物を使用して(国内)生産した商品の日本国内における販売において商標を使用する費用であるので、当該輸入貨物の現実支払価格を構成しないものであることから申告価格に算入しない。
 また、運送に関する割増料については、輸出者が自己負担するものであるので、申告価格に算入しない。(関税定率法基本通達4−8(6)イ)

輸入貨物の保管料 US$ 2,016.00 輸出国での費用であり算入
商標使用対価 輸入申告後の費用であり不算入
運送の割増料 輸出者の費用であり不算入
申告価格総額 US$ 52,416.00 (CIF)US$ 50,400.00+(保管料)US$ 2,016.00
適用為替レート 100.00円/US$ 平成22.9.12 〜平成22.9.18
少額判断基準額 US$ 1,923.07   (CIF)US$ 50,400.00   ×   200,000円 
(申告価格)US$ 52,416.00    100.00円/US$

 すなわち、仕入書価格がUS$1,923.07以下であれば、少額貨物と判断できる。
 本問では、仕入書価格がUS$1,923.07以下の貨物は、次の貨物である。
  @ 仕入書第4項の貨物 1211.90-9904(協定2.5%)(US$1,500.00)
  A 仕入書第6項の貨物 1211.90-9204(協定3.0%)(US$1,700.00)
  B 仕入書第7項の貨物 1211.20-0001(協定4.3%)(US$1,800.00)
 なお、仕入書第8項(US$1,200.00)は、上記2.により、仕入書第5項(US$12,450.00)と同一の品目番号となるため少額貨物とならない。
 本設問では、少額貨物については、注意事項の記2により、一括して一欄にまとめ、10桁目を「X」とすることになっている。
 本設問では、合算方法の指示はないが、申告価格の最も大きいもの及び関税率が最も高いものともに「1211.20-0001(協定4.3%)(US$1,800.00)」となり、この品目番号に一括して合算する。合算後の品目番号は「1211.20-000X」、仕入書価格は「US$5,000.00」となる。

4.各品目番号の申告価格
 本設問の仕入書価格はCIF価格であり、これに輸出地の保管料を加算したものが申告価格となるので、各品目番号ごとに次の算式により申告価格を計算する。
  申告価格=各貨物のCIF 価格×(申告価格総額÷CIF 総額)×適用為替レート
        =各貨物のCIF 価格×1.04 ×100円/US$
(1)1201.00-0905 = 1,492,400円(仕入書第1項)
(2)1208.10-0003 = 1,560,000円(仕入書第2項)
(3)1207.99-0906 =  374,400円(仕入書第3項)
(4)1208.90-0000 = 1,294,800円(仕入書第5項及び第8項)
(5)1211.20-000X =  520,000円(仕入書第6項、第4項及び第7項)

5.申告欄の決定
 注意事項の記3に従って申告欄を決定すると、(a)から(e)の選択肢番号及び(f)から(j)の申告価格は、次のようになる。

申告欄 仕入書 解答欄 選択肢番号 解答欄 申告価格
第1欄 (a) E 1208100003 (f) 1,560,000円 
第2欄 (b) A 1201000905 (g) 1,492,400円 
第3欄 5・8 (c) F 1208900000 (h) 1,294,800円 
第4欄 (d) D 1207990906 (i) 374,400円 
第5欄 6・4・7 (e) J 121120000X (j) 520,000円 

【選択式】
第3問(輸出通関)
正 解  2、3、4

解 説
(正=2、3、4)
 無償で輸出される貨物については、当該貨物が有償で輸出されるものとした場合の価格とする。(関税法施行令59条の2第2項かっこ書)
 申告価格の総額が10万円以下の貨物について輸出申告する場合には、外国為替及び外国貿易法又は輸出貿易管理令に規定する輸出の許可又は承認を必要とする場合を除き、仕入書の提出を要しない。(関税法第68条第1項ただし書、同法施行令第60条第3項第2号)
 船舶により輸出される貨物の輸出申告書に記載すべき価格は、当該貨物の本邦の輸出港における本船甲板渡し価格とされている。(関税法施行令第58条第1号、第59条の2第2項)

(誤=1、5)
 本邦の船舶が公海上で採捕した水産物は「内国貨物」であり、内国貨物を外国に送り出すことは「輸出」に当たり、輸出申告を要する。(関税法第2条第1項第4号、同第2号、同法第67条)
 輸出の許可後に積込港が変更になった場合には、あらためて輸出申告を行う必要はなく、「船名・積込港変更申請書」に当該輸出許可書を添付して提出することにより行うことができる。(関税法基本通達67−1−12)

第4問(輸入通関)
正 解  1、2、4

解 説
(正=1、2、4)
 関税法施行令第4条第1項第2号において規定
 輸出の許可を受けた貨物は「外国貨物」であり(関税法第2条第1項第3号)、当該貨物を積載予定船舶に積み込んだ後、国内に引き取ることは「輸入」に当たる。(同項第1号)したがって、当該貨物は、輸入申告をしなければならない。(関税法基本通達67−1−14(1))
 貨物が外国貿易船に積み込まれた状態で輸入申告をすることにつき税関長の承認を受けた場合における輸入申告は、関税法第15条の規定により報告すべき積荷に関する事項が税関に報告され、又は当該事項を記載した書面が税関に提出された後でなければすることができない。(関税法第67条の2第2項)

(誤=3、5)
 同一の仕入書に記載された貨物については、それを分割して輸入申告することができる。(関税法基本通達68−3−3)
 保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうとする者は、税関長の許可(「輸入申告」ではない。)を受けなければならない。(関税法第32条)

第5問(課税価格)
正 解  2、5

解 説
(正=2、5)
 記述は関税定率法基本通達4−12(5)イ本文の規定による。
 記述は同通達4−12(5)イなお書(ロ)の規定による。

(誤=1、3、4)
 同通達4−12(5)イ本文の規定により、同法第4条第1項第3号イからハまでに掲げる物品に要する費用は、買手が当該物品を自己と特殊関係にある者から取得した場合には、当該物品の生産費によるものとされている。
 同通達4−12(5)ニ本文の規定により、設問の運送費用を買手が負担した場合は、買手が提供した金型の費用の額に含めることとされているが、当該運送費用を売手が負担した場合は含める必要はない。
 同法基本通達4−12(5)イなお書の(ハ)の規定により、設問にある設計の費用を含む額とするとされている。

第6問(関税率表の解釈に関する通則3(b))
正 解  2、4

解 説
 通則3(b)の小売用のセットにした物品の規定は、次の3要件を具備した物品に適用される。
(a) 異なる項に属するとみられる二以上の異なった物品から成るもの
(b) ある特定の必要性を満たすため又はある特定の活動を行うため、共に包装された産品又は製品から成るもの
(c) 再包装しないで、使用者に直接販売するのに適した状態に包装されている物品設問のうち、通則3(b)の小売用のセットにした物品に該当するものは、次のとおりで、当該物品に重要な特性を与えている構成要素から成るものとしてその所属を決定する。
(通則3(b)の小売用セットにした物品に該当するもの=2、4)
 理髪用セットで、電気式バリカン(85.10)、くし(96.15)、はさみ(82.13)、ブラシ(96.03)及び織物製タオル(63.02)から成り、革製のケース(42.02)に収められたものは、上記3要件を満たし、当該セットで電気式バリカンが重要な特性を与えている物品と考えられることから第85.10項に属する。
 製図用キットで、定規(90.17)、計算盤(90.17)、製図用コンパス(90.17)、鉛筆(96.09)及び鉛筆削り(82.14)から成り、プラスチックシート製のケース(42.02)に収められたものは、上記3要件を満たし、当該キットで定規、計算盤及び製図用コンパスが重要な特性を与えている物品と考えられることから第90.17 項に属する。
【参考】
(通則3(b)の小売用セットにした物品に該当しないもの=1、3、5)
 6本のフォンデューフォークから成り、紙箱に納められたもの
 シュリンプの缶詰(16.05)、レバーパテの缶詰(16.02)、チーズの缶詰(04.06)、薄切りベーコンの缶詰(16.02)及びカクテルソーセージの缶詰(16.01)から成り、紙箱に収められたもの
 蒸留酒の瓶詰(22.08)及びぶどう酒の瓶詰(22.04)から成り、紙箱に納められたもの
 これらの物品は、小売用のセットにした物品(例えば、贈答用品の形)であっても、1.フォンデューフォークは、すべて同じ項に属し、3.シュリンプ等の缶詰及び5.蒸留酒とぶどう酒との瓶詰めセットは、ある特定の必要性を満たすためにともに包装されたものでないことから、通則3(b)にいう小売用のセットにした物品の規定が適用されない。
第7問(スイス協定)
正 解  1、4

解 説
(正=1、4)
 20万円以下の貨物について、関税法施行令第61条第1項第2号イで原産地証明書の提出不要を規定している。又、同号ロで運送要件証明書の提出不要を規定している。
 同令第60条第3項かっこ書で規定している。

(誤=2、3、5)
 スイス協定に基づく締約国原産地証明書及び運送要件証明書は、その証明に係る貨物の輸入申告の際に提出しなければならないとされている(関税法施行令第61条第4項)ほか、郵便物については輸出入の簡易検査その他郵便物に係る審査の際(同項)、保税蔵置場又は総合保税地域に置くことの承認を受ける場合にはその承認申請の際に税関長に提出しなければならない(同令第36条の3第3項)とされている。
 税関長が貨物の種類又は形状により原産地が明らかであると認めた貨物について、スイス協定に基づく運送要件証明書の提出を必要としないとの規定はない。
 スイス協定に基づく運送要件証明書については、有効期間が設けられていない。

【計算式】
第8問(延滞税額の計算)
正 解  22,800円

解 説
(留意事項)
@  延滞税は、未納関税額に対して、その法定納期限の翌日から当該未納関税額を納付する日までの日数(延滞期間)に応じて課される。(関税法第12条第1項)
A  納期限が延長された関税の法定納期限は当該延長された期限である。(同法第12条第8項第2号)
 延滞日数は、延長された期限の翌日から未納関税額を納付する日までの日数である。
B  未納関税額の納期限は、未納関税額についての修正申告を行った日である。問題にある未納関税額はその納期限から2月を超えて納付したものではないので、14.6%の延滞税率を適用する延滞日数はない。

(計算)
1.延滞日数
 法定納期限(平成22年6月30日)の翌日から未納関税額の納付日(平成22年7月31日)までの31日である。
 延滞税率4.3%の適用延滞日数‥‥‥平成22年7月1日〜 31日の31日
2.納付すべき延滞税額
  6,279,900 円
     ↓ 端数処理(10,000円未満切捨て)
  6,270,000 円×4.3%÷ 365日×31日=22,898円
                            ↓ 端数処理(100円未満切捨て)
                           22,800円

第9問(修正申告により納付すべき不足関税額の計算)
正 解  56,700円

解 説
1. まず、商品A及びBについての当初納税申告をして過少に納付した関税額を計算する。続いて、それぞれの商品についての本来納付すべきだった正しい関税額を計算する。いずれの場合も、課税標準(課税価格)の端数処理に留意するとともに、2品目についての関税額の合計額についての端数処理を済ませておく。そして、本来納付すべきだった正しい関税額から当初納税申告をして過少に納付した関税額を控除したものが、修正申告により納付すべき不足関税額となる。

2.当初納税申告により過少に納付した関税額
 @ 商品A
    336,521円
      ↓ 端数処理(1,000円未満切捨て)
    336,000円×4.3%= 14,448円
 A 商品B
   1,299,369円 
      ↓ 端数処理(1,000円未満切捨て)
   1,299,000円×6.4%= 83,136円
 B 納税申告により納付した関税額
     14,448円+83,136円=97,584円
                     ↓ 端数処理(100円未満切捨て)
                    97,500円 ‥‥‥(@)

3.本来納付すべきだった正しい関税額
 @ 商品A
    336,521円
      ↓ 端数処理(1,000円未満切捨て)
    336,000円×5.3%= 17,808円
 A 商品B
   1,299,369円
      ↓ 端数処理(1,000円未満切捨て)
   1,299,000円×10.5%= 136,395円
 B 本来納付すべきだった関税額
     17,808円+136,395円=154,203円
                      ↓ 端数処理(100円未満切捨て)
                     154,200円 ‥‥‥(A)

4.修正申告により納付すべき不足関税額
  (A)−(@)=154,200円− 97,500円=56,700円

第10問(課税価格の計算)
正 解  2,465,000円

解 説
 課税価格は、買手から売手に対し又は売手のために行われた又は行われるべき支払の総額(現実支払価格)に、その含まれていない限度において加算要素の額を加えた額とされている。
1.輸入貨物(特殊機械5台)の現実支払価格
 設問内の2−イからハ及び5の記述から保証契約付きのA国の工場渡し価格が現実支払価格となる。すなわち、5の記述にある保証の費用は、関税定率法基本通達4−2の4(3)に規定するところにより、当該輸入貨物についての支払いの総額(現実支払価格)に含まれる。

   400,000円×5台+70,000円×5台=2,350,000円

2.加算要素
 Mは、当該特殊機械の代金及び保証の費用とは別に、当該特殊機械5台の輸入に関し次に掲げる費用を負担することになっているが、以下のとおり、そのうちのイ及びロの費用は加算要素に該当する。これにより、加算要素の合計額は115,000円となる。
 輸出港までの運賃及び運送関連費用‥‥‥25,000円
 輸出港から輸入港までの運賃、保険料その他当該運送に関連する費用‥‥‥90,000 円
 特殊機械の操作方法の研修に係る費用及び当該研修に参加する社員5人の渡航費用は、研修の委託に係る費用であって輸入貨物(特殊機械)についての支払いではなく、また、加算要素にも該当しない。(同法第4条第1項)

3.課税価格は「現実支払価格+加算要素」であり、2,350,000円+115,000円=2,465,000円となる。

第11問(課税価格の計算)
正 解  2,180,000円

解 説
 課税価格は、買手から売手に対し又は売手のために行われた又は行われるべき支払の総額(現実支払価格)に、その含まれていない限度において加算要素の額を加えた額とされている。
 ところで、DDP条件による輸入貨物についての支払の総額には、現実支払価格に含まないこととされている費用等の額が含まれていることから、関税定率法施行令第1条の4の規定により、その額が明らかなものは、その額を控除したものが現実支払価格となる。
1.輸入貨物(履物1,000足)の現実支払価格
 設問内の5に記載のとおり、売買価格(総額)には、次に掲げる費用等が含まれている。そのうち、ロからニに掲げる費用等は「輸入貨物の輸入港到着後の運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用」に該当し、また、ホに掲げる関税等は「本邦において当該輸入貨物に課される関税その他の課徴金」に該当し、いずれもその額が明らかなことから、関税定率法施行令第1条の4の規定により、これらの費用の額は売買価格(総額)から控除して現実支払価格を算出する。
 なお、イに掲げる費用は輸入港に到着するまでの費用であり、もともと課税価格に含まれる性格のものであることから、控除することはできない。

2,500,000円− 50,000円− 30,000円− 60,000円− 300,000円=2,060,000円

イ Xの工場から本邦の輸入港までの運賃及び運送関連費用‥‥‥150,000円
ロ 輸入港における船卸しの費用‥‥‥50,000円
ハ 輸入港における倉庫保管料‥‥‥30,000円
ニ 輸入港からM指定の引渡場所までの運賃及び保険料‥‥‥60,000円
ホ 本邦において課される関税、消費税及び地方消費税‥‥‥300,000円

2.加算要素
 Mは、設問内の6に記載のとおり、当該輸入貨物である履物1,000足の売買価格とは別に、当該輸入貨物の輸入に関し次に掲げる費用を負担することになっているが、いずれも関税定率法第4条第1項第2号ハに規定する「当該輸入貨物の包装に要する費用」であり、加算要素に該当する。これにより、加算要素の合計額は120,000円となる。
イ A国における包装に係る材料費‥‥‥80,000円
ロ 上記の包装に係る人件費‥‥‥40,000円

3.課税価格は「現実支払価格+加算要素」であり、2,060,000円+120,000円=2,180,000円となる。

第12問(課税価格の計算)
正 解  2,060,000円

解 説
 課税価格は、買手から売手に対し又は売手のために行われた又は行われるべき支払の総額(現実支払価格)に、その含まれていない限度において加算要素の額を加えた額とされている。
1.輸入貨物(Tシャツ6,000枚)の現実支払価格
設問内の2の記述からA国の工場渡し価格が現実支払価格となる。

   300円×6,000枚=1,800,000円

2.加算要素
 Mは、設問内の2から9までに記載のとおり、当該輸入貨物であるTシャツ6,000枚の売買価格とは別に、当該輸入貨物の輸入に関し次に掲げる費用を負担することになっている。
 イ及びロに掲げる費用はTシャツ製造の材料の提供に係る費用で、その合計額は950,000円であるが、これをXに80万円で販売していることから、その差額の150,000円は値引きに当たり、当該値引き額は加算要素に該当する。
 次に、ホに掲げる本邦の輸入港までの運賃、保険料その他運送関連費用は加算要素に該当する。これにより、加算要素の合計額は260,000円となる。
 なお、MがXに無償で提供するハに掲げる絵柄については、本邦で開発されたものの提供であることから、加算要素に該当しない。
 さらに、ニに掲げるMの社員の渡航費用及び滞在費については、渡航目的が輸入貨物の製造工程の視察とのことであるので、同法基本通達4−2の3(3)に規定するところの製造作業への参加等の労働力の提供による間接支払のような現実支払価格を構成するものに当たらず、また、加算要素にも該当しない。
イ Xに提供したTシャツの生地の購入代金‥‥‥900,000円
ロ 上記の生地をXに提供するための運賃‥‥‥50,000円
 なお、Mは上記のTシャツの生地を800,000円でXに販売し、当該金額を受領することとなっている。
ハ B国のデザイン会社Zが本邦で作成した絵柄の購入代金‥‥‥40,000円
ニ 製造工程視察のための、自社の社員のA国への渡航費及び滞在費‥‥‥130,000円
ホ A国の工場から本邦の輸入港までの運賃、保険料その他運送関連費用‥‥‥110,000円

3.課税価格は「現実支払価格+加算要素」であり、1,800,000円+260,000円=2,060,000円となる。

【択一式】
第13問(関税の加算税)
正 解  3

解 説
(正=3)
 過少申告加算税は、その額を計算する基礎となる増差税額が1万円未満である場合には、課されない(関税法第12条の2第5項において準用する同法第12条第3項)。

(誤=1、2、4、5)
 納税申告をした後に修正申告をし、又は、税関長による増額更正を受けた場合には、当該修正申告又は増額更正により納付すべき増差税額(不足税額)を基礎として、これに10%(「15%」ではない。)の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税が課される(同法第12条の2第1項)。
 計算した過少申告加算税の額が5,000円未満(「1万円未満」ではない。)である場合は、過少申告加算税は徴収されない(同法第12条の2第5項において準用する第12条第4項)。
 納付すべき税額の計算の基礎となるべき事実について隠ぺい又は仮装して納税申告をしていたときは、当該納税義務者に対し、過少申告加算税に代えて(「加えて」ではない。)重加算税が課される(同法第12条の4第1項)。
 修正申告が税関の調査によって更正があることを予知してされたものでなく、納税義務者により自発的になされた場合には、過少申告加算税は課されないが、予知してなされた場合には当該加算税が課される(同法第12条の2第4項)。

第14問(課税価格)
正 解  3

解 説
(正=3)
 記述は関税定率法施行令第1条の5第1項及び同法基本通達4−8(8)イの規定による。

(誤=1、2、4、5)
 「輸入港に到着する」とは、同法基本通達4−8(2)の規定により、単に輸入港の港域に到達することを意味するのではなく、輸入貨物の船卸し等ができる状態になることをいうとされている。
 同通達4−8(4)イの規定により、加算要素とされる保険料は、輸入貨物の輸入港までの運送に関して実際に要した保険料をいい、輸入貨物に保険が付されていない場合は、通常必要とされる保険料を見積もることとはならない。
 同通達4−8(5)イの規定により、輸入貨物の輸入港到着までの「その他当該運送に関連する費用」とされている。
 同通達4−8(3)イなお書の規定により、実際に支払われた当該最低運賃とされている。

第15問(関税率表の所属の決定)
正 解  2
 第42.02項の規定は、品名が煩瑣な表現のため前段部分と後段部分に分けると理解しやすい。前段部分の「旅行用バッグ…、刃物用ケースその他これらに類する容器」については、材質が革、コンポジションレザー…、バルカナイズドファイバー若しくは板紙から製造し又は全部若しくは大部分をこれらの材料若しくは紙で被覆したものに限定されている。しかし、後段部分の「トランク、…けん銃用のホルスターその他これらに類する容器」については、材質が限定されていない。
 したがって、選択肢5.革製の旅行バッグは、前段部分の規定により、また1.板紙製のトランク、3.紡織用繊維製の眼鏡ケース及び4.木製の携帯用化粧道具入れは、後段部分の規定により、それぞれ第42.02項に属する。
 しかし、選択肢2.銀製のシガレットケースは、第42類注2(B)の規定により同類から除外され、貴金属製の身辺用細貨類として第71類(第71.13項)に属する。

【参考】
第42類
 注2(B)第42.02項又は第42.03項の製品には、取付具又は装飾物を構成する部分品として貴金属若しくは貴金属を張った金属、天然若しくは養殖の真珠又は天然、合成若しくは再生の貴石若しくは半貴石を使用したもの(当該部分品が当該製品に重要な特性を与えていないものに限る。)を含む。当該部分品が当該製品に重要な特性を与えている場合には、当該製品は、第71類に属する。

第16問(関税率表の所属の決定)
正 解  3
 A欄及びB欄の関係は、次のとおりである。

A欄 B欄
品  名 所属する類
(項)
品  名 所属する類
(項)
関係する注
牛の舌(冷凍したもので、食用に適するもの) 第2類
(第02.06項)
牛の胃(冷凍したもので、食用に適するもの) 第5類
(第05.04項)
第2類注1(b)
乾燥した豆(さやを除いたもの)の粉 第11類
(第11.06項)
冷凍した豆(水煮による調理をしたもの) 第7類
(第07.10項)
第7類注3(d)
羊毛製メリヤス編みの中古のショール(ばら積みで提示されるもの) 第63類
(第63.09項)
羊毛製メリヤス編みの中古の帽子(サック入りで提示されるもの) 第63類
(第63.09項)
第61類注2(b)
第63 類注3
第65類注1(a)
フィラメント電球 第85類
(第85.39項)
シャンデリア 第94類
(第94.05項)
第85類注1(e)
第94類注1(f)
人形用の長靴(ゴム製) 第95類
(第95.03項)
幼児用の長靴(ゴム製) 第64類
(第64.01又は64.02項)
第64類注1(f)

 これらの関係より、設問3.羊毛製メリヤス編みの中古のショール(ばら積みで提示されるもの)及び羊毛製メリヤス編みの中古の帽子(サック入りで提示されるもの)は、いずれも同じ類(第63類)に属する。

第17問(一般特恵関税制度における原産品)
正 解  3

解 説
(正=3)
 一の特恵受益国において動物(生きているものに限る。)から得られた物品は、当該一の特恵受益国の完全生産品とされ、当該国の原産品である(関税暫定措置法施行令第26条第1項第1号、同法施行規則第8条第4号)。

(誤=1、2、4、5)
 一の特恵受益国において生まれ、かつ、成育した動物(生きているものに限る。)が、当該一の特恵受益国の原産品となるので、オーストラリアで成育したものは原産品とはならない(同法施行令第26条第1項第1号、同法施行規則第8条第3号)。
 一の特恵受益国の船舶(船長及び高級船員がすべて当該特恵受益国の国民で構成されている必要がある。)により公海並びに本邦及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物が当該国の原産品となるので、日本人が船長である船舶が採捕した水産物は、当該一の特恵受益国の原産品とはならない(同法施行令第26条第1項第1号、同法施行規則第8条第6号、同法基本通達8の2−3の(2)ニ)。
 オーストラリア籍船舶が採捕した魚(関税定率法別表第3類)を原料又は材料として加工された魚肉ソーセージ(同法別表第16.01項)は、「実質的な変更」をもたらすような加工がおこなわれたこととなるが、当該魚肉ソーセージが関税暫定措置法施行規則第9条に規定する同施行規則の別表の番号第16類の(2)に該当することから、当該魚肉ソーセージが一の特恵受益国の原産品である魚から製造(加工を含む。)されたものでない場合には、当該一の特恵受益国の原産品とはならない(同法施行令第26条第1項第2号、同施行規則第9条かっこ書)。
 オーストラリアで収穫された小麦(関税定率法別表第10.01項)を用いて製造されたマカロニ(同法別表第19.02項)は、「実質的な変更」をもたらすような製造が行われたこととなるが、当該マカロニは、関税暫定措置法施行規則第9条に規定する同施行規則の別表の番号第19.02項に該当することから、一の特恵受益国の原産品である小麦を用いて製造されたマカロニでないと、当該一の特恵受益国の原産品とはならない(同法施行令第26条第1項第2号、同施行規則第9条かっこ書)。


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