本試験問題と解答・解説


平成21年度第43回通関士試験問題
  

〔通関書類の作成要領その他通関手続の実務〕(時間1時間30分)

【選 択 式 ・ 計 算 式】 ―― 第1問5点 第2問10点 ――

第1問 輸出申告

 別紙1の仕入書及び下記事項により、「はさみその他の物品」の輸出申告を輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)を使用して行う場合について、別紙2の輸出申告事項登録画面の統計品目番号欄((a)〜(e))に入力すべき統計品目番号を、別冊の「輸出統計品目表」(抜すい)を参照して、下の選択肢の中から選び、その番号をマークしなさい。


                             記
  1. 統計品目番号が同一であるものがある場合は、これらを一欄にまとめる。
  2. 統計品目番号が異なるものであっても、それぞれの申告価格が20万円以下である場合には、これらを一括して一欄にまとめる。
    なお、この場合に入力すべき統計品目番号は、これらの品目のうち申告価格が最も大きいものの統計品目番号とし、10桁目は「X」とする。
  3. 輸出申告事項登録は、申告価格(上記1によりまとめられたものについては、その合計額)の大きいものから順に入力するものとし、上記2により一括して一欄にまとめたものについては、最後の欄に入力するものとする。
  4. 別紙1の仕入書に記載されているKitchen knivesは固定刃のものである。
  5. 別紙1の仕入書に記載されている価格には、東京港における本船甲板渡し価格(FOB価格)の10%に相当する額の海上運賃及び保険料が加算されている。
  6. 別紙1の仕入書に記載されている米ドル建価格の本邦通貨への換算は、別紙3の「実勢外国為替相場の週間平均値」を参照して行う。
  7. 申告年月日は、平成21年9月25日とする。

@ 8211921001 A 821192100X B 8211929003 C 821192900X D 8211930005
E 821193000X F 821210000X G 8212200006 H 821220000X I 8212900006
J 8213000003 K 8214100005 L 8214200002 M 8214900002 N 821490000X


別紙1 仕入書


別紙2 輸出申告事項登録画面


別紙3 実勢外国為替相場の週間平均値
     (1米ドルに対する円相場)
期     間 週間平均値
平成21. 8.30 〜 平成21. 9. 5
平成21. 9. 6 〜 平成21. 9.12
平成21. 9.13 〜 平成21. 9.19
平成21. 9.20 〜 平成21. 9.26
¥95.00
¥94.00
¥97.00
¥96.50

別冊 輸出統計品目表(抜すい)



第2問 輸入(納税)申告

 別紙1の仕入書及び下記事項により、米国から「亜鉛及びその製品」を輸入する場合の輸入(納税)申告を輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)を使用して行う場合について、以下の問いに答えなさい。
(1) 別紙2の輸入申告事項登録画面の品目番号欄((a)〜(e))に入力すべき品目番号を、別冊の「実行関税率表」(抜すい)を参照して、下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。
(2) 別紙2の輸入申告事項登録画面の課税価格の右欄((f)〜(j))に入力すべき申告価格(関税定率法第4条から第4条の8まで(課税価格の計算方法)の規定により計算される課税価格に相当する価格)の額をマークしなさい。

  1. 品目番号が同一であるものがある場合は、これらを一欄にまとめる。
  2. 品目番号が異なるものであっても、それぞれの申告価格が20万円以下である場合には、これらを一括して一欄にまとめる。
    なお、この場合に入力すべき品目番号は、これらの品目のうち申告価格が最も大きいものの品目番号とし、10桁目は「X」とする。
  3. 品目番号欄((a)〜(e))には、申告価格(上記1によりまとめられたものについては、その合計額)の大きいものから順に入力するものとし、上記2により一括して一欄にまとめたものについては、最後の欄に入力するものとする。
  4. 課税価格の右欄((f)〜(j))には、別紙1の仕入書に記載された価格に下記6の仲介料及び下記7の技術指導の対価のうち申告価格に加算すべきものを加算した額を本邦通貨へ換算した後の価格を記載することとする。なお、1円未満の端数がある場合は、これを切り捨てる。
  5. 別紙1の仕入書に記載されている米ドル建価格の本邦通貨への換算は、別紙3の「実勢外国為替相場の週間平均値」を参照して行う。
  6. 輸入者(買手)は、別紙1の仕入書価格の他に、その仕入書価格の1%の仲介料を支払っている。なお、仲介料はこの輸入取引を成立させるための仲介業務を行った者に対して輸入者が支払うものである。
  7. 輸入者は、別紙1の仕入書に記載されている物品を輸入した後に、米国に所在する輸出者(売手)以外の者による技術指導の下で当該物品に加工を施す。輸入者は、当該技術指導の対価として当該物品1kgにつき0.1米ドルを当該輸出者以外の者に対して支払う。
  8. 申告年月日は、平成21年10月1日とする。

@ 7901110103 A 790111020† B 7901110302 C 7901120102 D 790112020†
E 7901120301 F 7901200101 G 7901200215 H 7902000002 I 7903100004
J 7903900001 K 7904000005 L 790400000X M 7907001001 N 790700100X


別紙1 仕入書


別紙2 輸入申告事項登録画面


別紙3 実勢外国為替相場の週間平均値
      (1米ドルに対する円相場)        
期     間 週間平均値
平成21. 9. 6 〜 平成21. 9.12
平成21. 9.13 〜 平成21. 9.19
平成21. 9.20 〜 平成21. 9.26
平成21. 9.27 〜 平成21.10. 3
¥94.00
¥97.00
¥96.50
¥99.00

別冊 実行関税率表(抜すい)


【選 択 式】 ―― 各問題1点 ――

第3問 次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  1. 輸出の許可を受けた貨物の全部について、船積み後にその輸出が取止めになり当該貨物を国内に引き取る場合には、輸入手続が必要である。
  2. 輸出の許可を受けた貨物の全部について、船積み前にその輸出が取止めになり当該貨物を国内に引き取る場合には、その国内引取りについて輸入貿易管理令の規定に基づく経済産業大臣の輸入の承認は必要としない。
  3. 輸出申告書に記載すべき貨物の価格は、無償で輸出される貨物にあっては当該貨物が有償で輸出されるものとした場合の本邦の輸出港における本船甲板渡し価格とされているが、これが明らかでない場合にはその記載を省略することができる。
  4. 仮に陸揚げされた貨物を外国に向けて送り出す場合には、関税法第70条(証明文は確認)の規定は適用されない。
  5. 保税工場において外国貨物を原材料として製造した製品を外国に向けて送り出す場合には、当該製品に係る積戻しの手続を要しない。

第4問 次の記述は、輸入通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  1. 課税価格が20万円を超える輸入郵便物であっても、当該郵便物が寄贈物品である場合には、関税法第67条の規定に基づく輸入申告を必要としない。
  2. 保税展示場に入れられた外国貨物であって当該保税展示場の許可の期間満了後も当該保税展示場にあるため関税が徴収されたものを国内に引き取る場合には、当該貨物について関税法第67条の規定に基づく輸入申告を必要としない。
  3. 外国から本邦に到着した貨物であって本邦にある外国の大使館に属する公用品として本邦に引き取られるものは、関税法第67条の規定に基づく輸入申告を必要としない。
  4. 本邦に入港する船舶に乗船していた船員が当該船舶で使用していた外国貨物である船用品を本邦に引き取り、使用又は消費する場合には、当該船用品について関税法第67条の規定に基づく輸入申告を必要としない。
  5. 保税工場における保税作業に外国貨物と内国貨物とを使用した場合において、これによってできた製品を国内に引き取るときは、当該製品について関税法第67条の規定に基づく輸入申告を必要としない。

第5問 次の記述は、課税価格に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  1. 輸入貨物の課税価格は、他に適当な方法がない場合には、本邦において生産された当該輸入貨物と類似の貨物の国内販売価格に基づいて計算することができる。
  2. 輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要した運賃の額を買手が船社に対して支払っている場合であっても、当該運送が特殊な事情の下において行われたときは、当該運賃の額は当該輸入貨物の課税価格に含まれない。
  3. 過去の輸入取引に係る違約金を売手が買手に対して支払うこととされている場合において、輸入貨物につき買手が売手に対して支払うべき価格から当該違約金の額が控除されているときは、その控除されている額は当該輸入貨物の課税価格に含まれる。
  4. 輸入貨物の輸入取引に関し買手による当該輸入貨物の使用についての制限がある場合であっても、当該制限が当該輸入貨物の取引価格に実質的な影響を与えていないと認められるものであるときは、当該制限があることは関税定率法第4条第1項(課税価格の決定の原則)の規定により課税価格を決定できないとする事情に該当しない。
  5. 輸入申告の時までに輸入貨物に損傷があったと認められる場合の当該輸入貨物の課税価格は、当該損傷がなかったものとした場合に計算される課税価格から、その損傷があったことによる減価に相当する額を控除して得られる価格である。

第6問 次の記述は、関税率表の所属の決定に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  1. ココアを含有する調製食料品は、ココアの含有量にかかわらず、第18類(ココア及びその調製品)に分類される。
  2. 第22.02項において「アルコールを含有しない飲料」とは、アルコール分が1%未満の飲料をいう。
  3. 化学的に単一のメタン及びプロパンは、第29類(有機化学品)には分類されない。
  4. 第11部(紡織用繊維及びその製品)において「製品にしたもの」には、長方形(正方形を含む。)以外の形状に裁断した物品が含まれる。
  5. 第85.41項において「ダイオード、トランジスターその他これらに類する半導体デバイス」とは、その働きが電界の作用に基づく抵抗率の変動により行われる半導体デバイスをいう。

第7問 次の記述は、包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定(以下「アセアン包括協定」という。)における関税についての特別の規定による便益に係る税率(以下「アセアン税率」という。)の適用を受けるための原産地証明書に関するものであるが、その記述の正しいものはどれが。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
  1. アセアン包括協定に基づきタイ原産品とされる貨物に係るアセアン包括協定に基づく原産地証明書は、アセアン包括協定及び経済上の連携に関する日本国とタイ王国との間の協定(以下「タイ協定」という。)において当該貨物に係る品目別規則が同じ場合であっても、タイ協定に基づく原産地証明書で代用することはできない。
  2. アセアン包括協定に基づく原産地証明書は、特例輸入者に限り、アセアン包括協定に基づく原産品である旨を記載し、かつ、署名したインボイスで代用することができる。
  3. 課税価格の総額が20万円以下の貨物については、アセアン包括協定に基づく原産地証明書の提出を必要としない。
  4. アセアン包括協定に基づく原産地証明書は、輸入申告の際に提出しなければならない。
  5. アセアン包括協定に基づきタイ原産品とされる貨物についてアセアン税率の適用を受けるためには、アセアン加盟国以外の第三国を経由した場合であっても、輸入申告の際にアセアン包括協定に基づきタイ原産品とされる貨物であることを証明した原産地証明書のみを提出すればよい。


【計 算 式】 ―― 各問題1点 ――

第8問
 下表の経緯で特例申告書の提出後に修正申告を行い、当該修正申告により納付すべき関税額として5,079,500円を納付することとなった場合において、当該関税額に併せて納付すべき延滞税の額を計算し、その額をマークしなさい。
なお、延滞税の税率は、2008年(閏年)にあっては年4.7%とし、2009年にあっては年4.5%として計算しなさい。
2008年8月20日 輸入(引取)申告及び輸入許可の日
8月21日 保税地域から貨物を搬出した日
9月16日 特例申告書の提出及び納税の日
2009年2月  2日 修正申告をする旨を税関に申し出た日
2月12日 修正申告及び納税の日

第9問 下表のとおり、オーバーコート及びベルトについて1申告書で輸入(納税)申告をしたが、納税後、いずれの品目にも適用税率に誤りがあることが判明し、関税法第7条の15の規定に基づき更正の請求を行う場合において、関税更正請求書に記載すべき当該請求により減少する関税額を計算し、その額をマークしなさい。
[第1欄]
品名 オーバーコート
課税価格 43,542,741円
当初申告において適用した関税率 12.8%
正しい関税率 9.1%
[第2欄]
品名 ベルト
課税価格 20,434,200円
当初申告において適用した関税率 12.5%
正しい関税率 4.8%

第10問  次の取引内容に係る輸入貨物(冷蔵野菜30,000kg)の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
  1. 輸入者M(買手)は、冷蔵野菜を輸入するため、A国の輸出者X(売手)との間で年間における冷蔵野菜の売買に係る基本契約を締結した。
  2. 当該基本契約には、次の事項が規定されている。
    Mは、基本契約締結後速やかに、契約期間(1年間)における冷蔵野菜の購入予定数量をXに通知する旨
    MとXとの間の冷蔵野菜の売買単価は60円/kg(CFR条件)とする旨
    Mは、基本契約締結後速やかに、購入予定数量1kg当たり20円をA国の生産者Yに前払いする旨
    Xは、MがYに前払いした額を控除して、M宛ての仕入書を作成する旨
  3. Mは、上記2イの購入予定数量が250,000kgである旨をXに通知し、5,000,000円をYに支払った。
  4. 今般、Mは、購入予定数量のうち30,000kgの冷蔵野菜をXから輸入した。当該冷蔵野菜の仕入書価格は1,200,000円(CFR条件)であり、Mはその額をXに支払った。
  5. Mは、本邦に到着した当該冷蔵野菜について、その輸入(納税)申告に先立ち公認検査機関に検品を依頼したところ、鮮度不良により変質していることが判明した。なお、当該公認検査機関が作成した証明書において当該変質による減価に相当する額は540,000円とされており、当該変質はMとXの双方にとって事前に予想していないものであった。
  6. Mは、当該冷蔵野菜の本邦への運送に関して保険を付していない。
  7. M、X及びYの間には、それぞれ特殊関係はない。

第11問 次の取引内容に係る輸入貨物(機械3台)の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
  1. 輸入者M(買手)は、機械を輸入するため、A国の輸出者X(売手)との間で当該機械に係る売買契約を締結した。
  2. 当該売買契約には、次の事項が規定されている。
    A国の工場渡し単価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1,200,000円/台
    XがMに当該機械を引き渡す前にMがXに対して当該機械の代金を一括して支払う場合には、上記イの工場渡し単価から5%の値引きが与えられる旨
    当該機械の輸入後にXがMの本邦工場において当該機械の据付けを行い、当該機械の代金とは別に、当該据付けに係る費用(100,000円/台)をMがXに支払う旨
  3. 今般、Mは、上記売買契約に基づき、Xから機械3台を輸入する。
  4. Mは、Xから当該機械3台の引渡しを受ける前に当該機械の代金を一括してXに支払う。
  5. Mは、当該機械の代金及び据付けに係る費用とは別に、当該機械3台の輸入に関し、次に掲げる費用を負担する。
    Xの工場からA国の輸出港までの運送に係る運賃及び保険料・・・・・・・・・・・・・・・40,000円
    A国の輸出港における船積みの費用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45,000円
    A国の輸出港から本邦の輸入港までの運送に係る運賃、保険料その他運送関連費用
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150,000円
    本邦の輸入港における船卸しの費用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50,000円
    本邦の輸入港からMの工場までの運送に係る運賃及び保険料・・・・・・・・・・・・・・60,000円
  6. Xは、Mが当該機械の輸入の許可を受けてから3日後に、Mの本邦工場において当該機械3台の据付けを行う。Mは当該据付けに係る費用をXに支払う。
  7. MとXとの間には、特殊関係はない。

第12問 次の取引内容に係る輸入貨物(缶詰50,000個)の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
  1. 輸入者M(買手)は、A国の輸出者X(売手)から缶詰を継続して輸入している。
  2. 今般、MがXとの間で締結した缶詰に係る売買契約には、次の事項が規定されている。
    FOB単価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70円/個
    売買契約数量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50,000 個
    今回の取引で取引数量の累計が300,000個を超えることとなるため、今回の売買に係る貨物を含めてこれまでの売買に係るすべての貨物について2%の数量値引きを適用する旨
    Xは、上記ハの数量値引きの総額を今回の取引に係る売買価格から控除してM宛ての仕入書を作成する旨
    Mは、売買契約締結後、当該缶詰に係る仕入書価格の20%に相当する額をXの日本支店に支払い、当該缶詰の引渡し後に残額をXに支払う旨
  3. Mは、当該売買契約に基づき、Xから缶詰50,000個を輸入する。
  4. 上記2のイからニまでに掲げる事項について、次のとおり仕入書に記載されている。

    ・ 缶詰のFBO価格 3,500,000円
    ・ 数量値引きの総額 434,000円

    3,066,000円
  5. Mは、当該仕入書に従ってX及びXの日本支社に支払いを行う。
  6. Mは、X及びXの日本支社への支払いとは別に、A国の輸出港から本邦の輸入港までの運送に係る運賃、保険料その他運送関連費用の総額として150,000円を負担する。
  7. MとXとの間及びMとXの日本支社との間には、それぞれ特殊関係はない。

【択 一 式】 ―― 各問題1点 ――

第13問 次の記述は、課税価格に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
  1. 輸入貨物について売手が輸出の際に負担した輸出国における税関手続費用の額が当該輸入貨物の仕入書価格に含まれている場合であっても、当該費用の額が明らかとなっているときは、当該費用の額は当該輸入貨物の課税価格に含まれない。
  2. 輸入貨物を輸入港まで運送するために使用するコンテナーについて、買手が運賃とは別に当該コンテナーの賃借料を船会社に支払う場合には、当該コンテナーの賃借料の額は当該輸入貨物の課税価格に含まれない。
  3. 輸入取引に係る契約において船舶により輸入港まで運送されることとされていた貨物について、当該貨物の製作の遅延により当該貨物の本邦への到着が遅延するおそれが生じたため航空機によって当該貨物が運送されることとなった場合において、運送方法の変更に伴う費用の一部を輸入者が負担するときは、輸入者が負担する費用の額は当該貨物の課税価格に含まれない。
  4. 海外テレビドラマを記録したDVD-ROMを輸入取引により輸入する場合において、当該DVD-ROMに記録されているソフトウェアとしてのドラマ自体に係る価格とDVD-ROM自体に係る価格とが仕入書にそれぞれ記載されているときは、当該ドラマ自体に係る価格は当該DVD-ROMの課税価格に含まれない。
  5. 輸入貨物に係る輸入取引に関し輸入貨物の買手が特定の数量の他の貨物を売手から購入することを条件として売手が値引きをして当該輸入貨物の価格を設定している場合には、当該値引きに係る額が明らかであっても、関税定率法第4条第1項(課税価格の決定の原則)の規定により当該輸入貨物の課税価格を決定することができない。

第14問 下表のB欄に掲げるイからハまでの3つの物品のうち、同表のA欄に掲げる関税率表の類番号に含まれないものの正しい組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、該当するものがない場合には、「0」をマークしなさい。
A 欄 B 欄
第12類(採油用の種及び果実、各種の種及び果実、工業用又は医薬用の植物並びにわら及び飼料用植物) イ   生鮮のとうもろこし(殻粒のあるもの)
ロ   いってない落花生
ハ   いってないごま
第23類(食品工業において生ずる残留物及びくず並びに調製飼料) イ   魚粉(食用に適しないもの)
ロ   大豆油かす
ハ   不活性酵母
第25類(塩、硫黄、土石類、プラスター、石灰及びセメント) イ   海水
ロ   木炭
ハ   天然黒鉛
第35類(たんぱく系物質、変性でん粉、膠着剤及び酵素) イ   乾燥した卵黄
ロ   カゼイン
ハ  ゼラチン
第42類(革製品及び動物用装着具並びに旅行用具、ハンドバッグその他これらに類する容器並びに腸の製品) イ   紡織用繊維製の犬用の引き綱
ロ   革製の手袋
ハ   革製のスポーツ用履物
a-イ、 b-ハ、 c-ロ、 d-イ、 e-ハ
a-ロ、 b-ハ、 c-ハ、 d-ロ、 e-イ
a-イ、 b-ロ、 c-イ、 d-ロ、 e-イ
a-ハ、 b-イ、 c-イ、 d-ハ、 e-ロ
a-ロ、 b-イ、 c-ロ、 d-イ、 e-ハ

第15問 次の記述は、関税法第7条第3項(申告)に規定する教示に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれが。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
  1. 架空の貨物については、関税率表適用上の所属区分についての教示に係る照会(以下「事前照会」という。)の対象とはされていない。
  2. 文書により行われる事前照会は、原則として、税関の本関において受け付けるが、照会者が遠隔の地にある者等の場合には、署所でも受け付けることができることとされている。
  3. 文書により事前照会が行われた貨物の内容及び当該事前照会に対する回答の内容は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に定める不開示情報に該当すると考えられる部分や守秘義務に抵触すると考えられる部分を除き、回答後原則として公開することとされている。
  4. 文書により事前照会をした者は、当該事前照会に対する回答について再検討を希望する場合であっても、その旨の意見を申し出ることはできないこととされている。
  5. 口頭による事前照会に対する回答は、輸入(納税)申告の際に尊重されないこととされている。

第16問 以下の表Aはえびの様々な状態(食用に適したもの)を、表Bは関税率表の類番号をそれぞれ示したものであるが、表Aのa〜eの物品とこれらの物品が属する表Bのイ〜ホの関税率表の類番号とがすべて正しく対応しているものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、該当するものがない場合には、「0」をマークしなさい。
表A
a  単に殻を除いたえび(冷凍のもの) 
b  水煮による調理をした殻を除いたえび(冷凍のもの)
c  水煮による調理をした殻付きのえび(冷凍のもの)
d  生きているえび
e  えびの天ぷら(えびの重量が全重量の30%を占め、揚げたもの)
表B
第1類(動物(生きているものに限る。))
第3類(魚並びに甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物)
第16類(肉、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物の調製品)
第19類(穀物、穀粉、でん粉又はミルクの調製品及びベーカリー製品)
第21類(各種の調製食料品)
a-ロ、 b-ハ、 c-ハ、 d-ロ、 e-ハ
a-ロ、 b-ロ、 c-ハ、 d-イ、 e-ニ
a-ハ、 b-ロ、 c-ロ、 d-イ、 e-ホ
a-ロ、 b-ハ、 c-ロ、 d-ロ、 e-ハ
a-ハ、 b-ハ、 c-ロ、 d-イ、 e-ニ

第17問 次の記述は、特恵関税制度における原産地の意義に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
  1. 一の特恵受益国等において収穫された植物性生産品は、当該特恵受益国等の原産品である。
  2. 一の特恵受益国等において生まれ、かつ、成育した生きている動物は、当該特恵受益国等の原産品である。
  3. 一の特恵受益国等の船舶により公海並びに本邦の排他的経済水域の海域及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物は、当該特恵受益国等の原産品である。
  4. 一の特恵受益国等において収集された使用済みの物品で原料又は材料の回収用のみに適するものは、当該特恵受益国等の原産品である。
  5. A国で収穫された関税率表第8類に属する果実を原料として特恵受益国等であるB国で生産された同表第20.09項に属する当該果実のジュースは、B国の原産品である。


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