平成20年度第42回通関士試験解答 〔通関書類の作成要領その他通関手続の実務〕(時間1時間30分) |
【申告書】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第1問 輸出申告−「ゴム製空気タイヤとインナーチューブ」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 (a)E、(b)G 、(c)J、(d)L、(e)A 解 説 1.各貨物の統計品目番号の決定 設問の「ゴム製空気タイヤとインナーチューブ(すべて新品のもの)」は、輸出統計品目表第40類「ゴム及びその製品」中の「第40.11項〜第40.13項」に分類する。 したがって、この範囲の統計品目番号の選択肢から解答の番号を選択する。 (1) 仕入書第1項「Tyres for passenger cars」:4011.10-0004 乗用自動車用タイヤは、第40.11項の「ゴム製の空気タイヤ(新品のものに限る。)」に該当し、第4011.10号の「−乗用自動車(・・・)に使用する種類のもの」に分類する。 (2) 仕入書第2項「Tyres for bicycles 」:4011.50-0006 自転車用タイヤは、第40.11項の「ゴム製の空気タイヤ(新品のものに限る。)」に該当し、第4011.50号の「−自転車に使用する種類のもの」に分類する。 (3) 仕入書第3項:「Tyres for motorcycles」:4011.40-0001 モーターサイクル用タイヤは、第40.11項「ゴム製の空気タイヤ(新品のものに限る。)」に該当し、第4011.40号の「−モーターサイクルに使用する種類のもの」に分類する。 (4) 仕入書第4項:「Tyres for racing cars」:4011.10-0004 レーシングカー用タイヤは、第40.11項の「ゴム製の空気タイヤ(新品のものに限る。)」に該当し、第4011.10号の「−乗用自動車(・・・及びレーシングカー用を含む。)に使用する種類のもの」に分類する。 (5) 仕入書第5項「Tyres for lorries」:4011.20-0001 貨物自動車用タイヤは、第40.11項の「ゴム製の空気タイヤ(新品のものに限る。)」に該当し、第4011.20号の「−バス又は貨物自動車に使用する種類のもの」に分類する。 (6) 仕入書第6項「Inner tubes for station wagons」:4013.10-0000 ステーションワゴン用インナーチューブは、第40.13項の「ゴム製のインナーチューブ」に該当し、第4013.10号の「−乗用自動車(ステーションワゴン・・・を含む。)・・・に使用する種類のもの」に分類する。 (7) 仕入書第7項:「Inner tubes for motorcycles」:4013.90-0004 モーターサイクル用インナーチューブは、第40.13項の「ゴム製のインナーチューブ」に該当し、第4013.90号の「−その他のもの」に分類する。 (8) 仕入書第8項:「Inner tubes for bicycles」:4013.20-0004 自転車用インナーチューブは、第40.13項の「ゴム製のインナーチューブ」に該当し、第4013.20号の「−自転車に使用する種類のもの」に分類する。 2.同一統計品目番号のまとめ 上記1より仕入書第1項「Tyres for passenger cars」及び第4項「Tyres for racing cars」は、同一統計品目番号(4011.10-0004)になるので、登録画面作成注意事項(以下「注意事項」という。) の記1より合算して一欄にまとめる。 合算後の当該統計品目番号の価格は「US$31,390.00」となる。 3.大額貨物/少額品目の判断 注意事項の記2により、統計品目番号が異なるものごとの申告価格が20万円以下の場合には、これらを申告価格が最も大きいものの統計品目番号に一括して一欄にまとめ、10桁目を「]」とする。 このため、上記1及び2により、統計品目番号を決定した各品目について、申告価格が20万円以下となるかどうか判断するため、判断基準価格を計算する。 注意事項の記5により、仕入書貨物のCIF価格の設定は、FOB価格の10%に相当する額の海上運賃及び保険料が含まれていることから、少額貨物の基準価格である20万円をCIF価格に換算して、それを適用レートで除して得られる米ドル価格が判断基準価格となる。 (1) 判断基準価格の計算 少額貨物の基準価格(FOB価格) : 200,000円 海上運賃及び保険料 : 200,000円 × 10% = 20,000円 CIF価格(円) : 200,000円 + 20,000円 = 220,000円 CIF価格(US$) : 220,000円 ÷ 104.00円/US$(*) = US$2,115.38 (※)適用為替レート 申告日が「平成20年10月1日」であるので、その日の属する週「平成20.9.28〜平成20.10.4」の前々週「平成20.9.14〜平成20.9.20」の週間平均値「104.00円」を適用する。 したがって、判断基準価格はUS$2,115.38となり、この価格より各統計品目番号の仕入書価格が小さければ少額貨物と判断することができる。 (2) 判断結果 本設問では、4011.40-0002(仕入書第3項:US$2,100.00)、4013.90-0004(仕入書第7項:US$1,900.00)及び4013.20-0004(仕入書第8項:US$2,080.00)が少額貨物となるので、注意事項の記2に従い、申告価格の最も大きい4011.40-0002にまとめる。 合算後の統計品目番号は「4011.40-000X」、仕入書価格は「US$6,080.00」となる。 4.申告欄の決定及び各品目の選択肢番号の決定 上記3までにより、統計品目番号を決定したならば、申告欄への記入順序を決定する。申告欄の順序は、注意事項の記3により、申告価格の大きいものから順に決定し、少額貨物を一欄にまとめたものについては、最後の欄とする。 ここで、仕入書価格(CIF価格)には、注意事項の記5により、FOB価格の10%に相当する海上運賃及び保険料が含まれているが、この両者は、どの品目にも同率で加算されているため、仕入書価格のまま申告価格の大小を判断してもかまわない。 統計品目番号ごとの仕入書価格を大きい順に並べると、次のようになり、申告欄への記入もこの順番となるので、それにしたがって、各統計品目番号の選択肢の番号を解答する。 @ US$31,390.00 : 4011.10-0004 → 第1欄(a) E4011100004 A US$27,500.00 : 4013.10-0000 → 第2欄(b) G4013100000 B US$10,800.00 : 4011.20-0001 → 第3欄(c) J4011200001 C US$ 2,250.00 : 4011.50-0006 → 第4欄(d) L4011500006 D US$ 6,080.00 : 4011.40-000X → 第5欄(e) A401140000X 【参考】輸出申告価格の計算 輸出申告価格は、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格(FOB価格)である。《関税法施行令第59条の2第2項》 また、その価格が外国通貨により表示されている場合における本邦通貨への換算は、当該輸出貨物に係る輸出申告の日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の週間平均値をもって行う。 《関税法施行令第59条の2第4項、関税定率法第4条の7及び同法施行規則第1条》 輸出申告年月日は、平成20年10月1日であるので、その日の属する週「平成20年9月28日〜10月4日」の前々週「平成20年9月14日〜9月20日」における週間平均値「104.00円」を適用する。 なお、仕入書価額がCIF価格であるので、これをFOB価格へ換算する必要があり、作成注意事項の記5に基づき、「仕入書に記載されている価格には、東京港における本船甲板渡し価格の10%に相当する海上運賃及び保険料が加算されている」との設定から算出する。 CIF = FOB + FOB × 10% = FOB × 1.1 ∴FOB = CIF ÷ 1.1 1 登録画面第1欄(a) : 仕入書第1項及び第4項(同一統計品目番号の合算) CIF US$ = US$15,000 + US$16,390 = US$31,390 → FOB円 = CIF US$31,390.00 ÷ 1.1 × 104.00円/US$ = 2,967,781円 2 登録画面第2欄(b) : 仕入書第6項 CIF US$ = US$27,500.00 → FOB円 = CIF US$27,500.00 ÷ 1.1 × 104.00円/US$ = 2,600,000円 3 登録画面第3欄(C) : 仕入書第5項 CIF US$10,800.00 → FOB円=CIF US$10,800.00 ÷ 1.1×104.00円/US$ = 1,021,090円 4 登録画面第4欄(d) : 仕入書第2項 CIF US$=US$2,250.00 → FOB円 = CIF US$2,250.00 ÷ 1.1 × 104.00円/US$ = 212,726円 5 登録画面第5欄(e) : 仕入書第3項、第7項及び第8項(少額合算) 次の計算のように、異なる統計品目番号ごとの貨物の申告価格は20万円以下のものである。 (1)第3項の貨物の申告価格の計算 CIF US$2,100.00 → FOB円 = CIF US$2,100.00 ÷ 1.1 × 104.00円/US$ = 198,545円 (2)第7項の貨物の申告価格の計算 CIF US$1,900.00 → FOB US$ = CIF US$1,900.00 ÷ 1.1 × 104.00円/US$ = 179,636円 (3)第8項の貨物の申告価格の計算 CIF US$2,080.00 → FOB US$ = CIF US$2,080.00 ÷ 1.1 × 104.00円/US$ = 196,653円 これらを合算して一欄にまとめる。 (CIF US$2,100.00 + CIF US$1,900.00 + 2,080.00) = US$6,080.00 → FOB円 = CIF US$6,080.00 ÷ 1.1 × 104.00/US$ = 574,836円 |
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第2問 輸入(納税)申告−「ランプその他の照明器具とその部分品」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 (a)M、(b)J、(c)H、(d)G、(e)B (f)2962641、(g)2147745、(h)1637927、(i)0376262、(j)0357279 解 説 1.各貨物の品目番号 本問題の輸入貨物は、与えられた実行関税率表(抜すい)から判断し、すべて第94.05項に分類する。 (1)仕入書第1項 : Electric table lamps → 9405.20-0000 (基本:無税) 電気式の卓上用ランプは、第9405.20号の「卓上用…の電気式ランプ」に分類する。 (2)仕入書第2項 : Non-electric table lamps of plastics → 9405.50-0904(基本:無税) プラスチック製の非電気式卓上用ランプは、第9405.50号の「非電気式のランプその他の証明器具」の「−その他のもの」に分類する。 (3)仕入書第3項 : Illuminated signs of glass → 9405.60-0105(基本:無税) ガラス製のイルミネーションサインは、第9405.60号の「イルミネーションサイン・・・」の「1 ガラス製・・・のもの」の「−ガラス製のもの」に分類する。 (4)仕入書第4項 : Lighting sets for Christmas trees → 9405.30-0004(基本:無税) クリスマスツリーに使用する照明セットは、第9405.30号の「クリスマスツリーに使用する種類の照明セット」に分類する。 (5)仕入書第5項 : Parts for lighting fittings of plastics → 9405.92-0005(協定:3.9%) プラスチック製の照明器具の部分品は、「部分品」のうち、第9405.92号の「プラスチック製のもの」に分類する。 (6)仕入書第6項 : Parts for lighting fittings of glass → 9405.91-0006(基本:無税) ガラス製の照明器具の部分品は、「部分品」のうち、第9405.91号の「ガラス製のもの」に分類する。 (7)仕入書第7項:Illuminated signs of plastic → 9405.60-0400(協定:4.8%) プラスチック製のイルミネーションサインは、第9405.60号の「イルミネーションサイン、・・・」の「2 その他のもの」に分類する。 2.大額/少額貨物の判断及び小額合算 本問の仕入書価格は、米ドル建のFOB価格であり、仕入書価格に本邦到着までの海上運賃、保険料及びデザイナーに支払うデザイン料が加算され、価格按分することとなっているので、申告価格が20万円のときの仕入書価格を算出し、適用為替レートで除することで判断基準価格を求めることができる。
すなわち、仕入書価格がUS$1,475.03以下であれば、少額貨物と判断できる。 本問では、少額貨物については、登録画面の作成注意事項の記2により、関税が有税である品目と無税である品目とに分けて、有税である品目については関税率が最も高いものの品目番号に一括した上で10桁目を「]」とし、無税である品目については申告価格が最も大きいものの品目番号に一括した上で10桁目を「]」とすることになっている。 (1)関税が有税である品目「9405.92-0005 <協定税率:3.9%>(仕入書第5項:US$1,275.00)」と「9405.60-0400 <協定税率:4.8%>(仕入書第7項:US$1,360.00)」が少額貨物となるので、適用する関税率が高い「9405.60-0400 <協定税率:4.8%>(仕入書第7項:US$1,360.00)」に一括して合算する。 合算後の品目番号は「9405.60-040X 」、仕入書価格は「US$2,635.00」となる。 (2)関税が無税である品目「9405.50-0904 (仕入書第2項:US$1,400.00)」と「9405.91-0006(仕入書第6項:US$1,375.00)」が少額貨物となるので、申告価格が大きい「9405.50-0904 (仕入書第2項:US$1,400.00)」に一括して合算する。 合算後の品目番号は「9405.50-090X」、仕入書価格は「US$2,775.00」となる。 3.各品目番号の申告価格 本問の仕入書価格はFOB価格であり、海上運賃、保険料及びデザイン料が加算され、これらを仕入書価格によって按分するとされていることから、次の算式により申告価格を計算する。 申告価格 = 各貨物のFOB価格 ×(申告価格総額/FOB価格総額)× 適用為替レート (1)9405.20-0000 = 2,147,745円 (仕入書第1項) (2)9405.50-090X = 376,262円 (仕入書第2項及び第6項) (3)9408.60-0105 = 2,962,641円 (仕入書第3項) (4)9405.30-0004 = 1,637,927円 (仕入書第4項) (5)9405.60-040X = 375,279円 (仕入書第7項及び第5項) 4.申告欄の決定 登録画面作成注意事項の記3により申告欄を決定すると、(a) から (e)の選択肢番号及び(f)から(j)の申告価格は、次のようになる。
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【選択式】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第3問(関税率表の所属の決定) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 1、3、4、5 解 説 (正=1、3、4、5) 1 フェルトにプラスチック又はゴムを染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層したもので、紡織用繊維の重量が全重量の50%以下の物品は、第56.02項のフェルト(染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層したものであるかないかを問わない。)に分類されず、プラスチック又はゴムの製品として第39類又は第40類に分類される。≪第56類注3及び(a)≫ 3 第61類(衣類および衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る。))の衣類については、正面で左を右の上にして閉じるものは男子用の衣類とみなし、正面で右を左の上にして閉じるものは女子用の衣類とみなすとされている。 ただし、衣類の裁断により男子用の衣類であるか女子用の衣類であるかを明らかに判別することができるものには、この規定を適用しない。≪第61類注9≫ 4 整形外科用の履物は、第64類(履物及びゲートルその他これに類する物品並びにこれらの部分品)には分類されず、整形外科用機器として第90.21項に分類される。≪第64類注1(e)≫ 5 鉛を詰めた護身用のつえは、第66.02項のつえには分類されず、その他の武器として第93.04項に分類される。≪第66類注1(b)≫ (誤=2) 2 金属糸又はガラス繊維の糸によりししゅうした物品で紡織用繊維の織物類の基布が見えるもの及び紡織用繊維その他の材料の薄片、ビーズ又は装飾品を縫い付けてアプリケにした製品は、ししゅう布(モチーフを含む。)として第58.10項に分類される。≪第58類注6≫ |
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第4問(関税の確定納付) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 2、4、5 解 説 (正=2、4、5) 2 申告納税方式においては、納付すべき関税額が原則として納税者の申告によって確定することになっている。しかしこの申告が無い場合には第二義的にその納付すべき税額が税関長の処分によって確定する仕組みになっている。《関税法第7条の16第2項》 4 先に行った納税申告に係る税額につき更正があった場合において、その更正後の税額に不足額があるときは、税関長の更正があるまでは、修正申告を行うことができることとされている。《関税法第7条の14第1項第1号》 5 賦課課税方式とは、輸入貨物について納付すべき税額が専ら税関長の処分によって確定する方式である。専ら税関長処分により税額が確定する賦課課税方式の対象は、輸入者が一般に税関手続が不慣れな入国者の携帯品や郵便物のようにその輸入形態の特殊性から本来自主申告に馴染まないものなどがある。《関税法第6条の2第1項第2号》 (誤=1、3) 1 納付書は、税関職員が作成したものではなく、納税者が記載するものとされている。《関税法施行規則別紙第2号書式備考2》 なお、税関職員が作成するのは納税告知書(入国者の携帯品等)である。《同規則別紙第1号書式備考4》 3 輸入の許可後における修正申告は、輸入許可書に記載された課税標準又は税額を補正することにより行うことができない。課税標準又は税額を補正することにより修正申告を行うことができるのは、関税の許可前である。《関税法第7条の14第2項》 |
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第5問(課税価格の決定) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解= 1、2 解 説 (正しいもの=1、2) 1 輸入貨物の再販売できる地域の制限は、課税価格の決定を困難とする条件には該当しない。《関税定率法第4条第2項第1号かっこ書》 2 売手が買手に対して負っている債務の額を、輸入貨物の取引価格から控除し、その残額が仕入書価格である場合は、当該仕入書価格を現実支払い価格として課税価格を計算することはできない。《同法第4条第1項本文》 (誤=3、4、5) 3 輸入貨物に保険が付保されてない場合は、加算すべき保険料はない。税関長の公示レートを使用する場合は、保険を付保していて支払い保険料が不明のときである。《同法第4条第1項第1号》 4 寄贈物品に係る運賃特例は、課税価格が10万円以下のものの場合である。《同令第1条の12第2項第1号》 5 外貨建貨物代金の換算は、前払い等に関係なく、輸入申告日における税関長が公示する外国為替相場による。《同法第4条の7第1項》 |
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第6問(輸出申告) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解= 1、4、5 解 説 (正=1、4、5) 1 無償で輸出される貨物については、当該貨物が有償で輸出されるとした場合における本邦の輸出港での本船甲板渡し価格を輸出申告書に記載しなければならない。《関税法第67条、同法施行令第58条第1号、第59条の2第2項前段》 4 輸出通関手続の簡素化のため、輸出しようとする貨物が関税法第70条第1項又は第2項(証明又は確認)に規定する貨物以外の貨物であって、かつ、その輸出申告価格の総額が100万円以下である場合には、輸出申告に際し仕入書の提出を要しない。《同法第68条第1項ただし書、同法施行令第60条第3項第1号》 5 輸出申告に係る貨物の検査は、輸入申告をした者が税関長の指定した場所以外の場所において検査を受けることについて税関長の許可を受けた場合《同法第69条第9条》を除き、税関長が指定した場所で行うこととされている。 これは、貨物の検査を能率的に行うためである。《同法第69条第1項》 (誤=2、3) 2 輸出者は、輸出の許可を受けた貨物が輸出されないこととなったことその他の事由により当該貨物が輸出の許可を受けている必要がなくなったときは、輸出許可を受けた税関長に対して、輸出取止め再輸入申告をして輸入の許可を受けなければならない。《同法第2条第1項第1号、第67条、同法基本通達67−1−14》 3 輸出申告は、その申告に係る貨物が置かれている場所(他所蔵置場所を含む。)の所在地を所轄する税関長に対して輸出申告をしなければならない《同法第67条第1項》。 (注) 特定輸出者が行う特定輸出申告又は特定委託輸出者が行う特定委託輸出申告は、その申告に係る貨物が置かれている場所又は当該貨物を外国貿易船若しくは外国貿易機に積み込もうとする開港、税関空港若しくは不開港の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。《同法第67条の3第2項》 |
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第7問(他法令の輸出規制の解除の証明又は確認) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解= 1、5 解 説 (正=1、5) 1 保税工場において製造された外国貨物を外国に積み戻す場合には、その積み戻す者は、税関長に対して積戻し申告をして、貨物につき必要な検査を経て、その許可を受けなければならないが、この積戻し申告においても他の法令に規定する輸出規制の解除を税関に証明しなければならない。《関税法第75条において準用する第67条、第70条》 5 税関長は、郵便事業株式会社から通知された郵便により輸出される貨物の提示を受けたときは、国際郵便を利用して不正な貨物が輸出入されることを防止するため、当該貨物について税関職員に必要な検査をさせる(関法第76条第1項ただし書)が、この税関職員による検査が行われる貨物に限り、関税法第70条(証明又は確認)の規定が準用される。《同法第76条第4項前段》 (誤=2、3、4) 2 経済産業大臣から権限委任を受けて税関長が輸出の承認をした貨物を輸出する場合においても、税関長に対する輸出申告の際、輸出貿易管理令に規定する輸出の承認を受けていることを税関に証明しなければならない。《同法第70条第1項》 3 他の法令の規定により輸出に関して許可を必要とする貨物(外国為替及び外国貿易法第48条第1項に規定する輸出の許可を必要とするものを除く。)のうち、輸出通関手続の簡素化のため、輸出申告価格の総額が(20万円以下のものではなく)10万円以下のものを輸出しようとする場合には、仕入書の提出を必要としない。《同法第68条第1項ただし書、同法施行令第60条第3項第2号》 4 他の法令の規定により輸出に関して許可を必要とする貨物を輸出しようとする場合には、税関長に対する輸出申告の際に、当該許可を受けていることを税関に証明しなければならない。《同法第70条第1項》 |
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【計算式】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第8問(修正申告による関税額の計算) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 002300 解 説 1 修正前の関税額 A 123,653円 B 25,321円 計 148,974円 ▼ 端数処理 ( 100円未満切捨て ) 148,900円 ・・・・・@ 2 修正後の関税額 A 123,653円 B 27,550円 計 151,203円 ▼ 端数処理 ( 100円未満切捨て ) 151,200円 ・・・・・A 3 納付すべき関税額 A−@ = 151,200円−148,900円 = 2,300円 |
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第9問(総合保税地域に置かれた外国貨物の関税額の計算) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 021400 解 説 適用すべき税率は、輸入申告の日に適用される税率(12.6%)である。 (注)輸入申告の後、輸入許可前における貨物の引取承認を受けて引き取られる貨物であっても、税率改正の日が当該承認の日の後であるときは、適用税率は改正前の税率である。 課税価格 170,895円 ▼ 端数処理 ( 1,000円未満切捨て ) 170,000円 関税額 170,000円 × 12.6% = 21,420円 ▼ 端数処理 ( 100円未満切捨て ) 21,400円 |
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第10問(課税価格の計算) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 5090000 解 説 (注) ( )内の数字は、設問の番号。 1 課税価格に算入されるもの。 (1)CIF価格(2−イ)・・・4,800,000円 (2)調味料を提供するために要した運賃及び保険料(2−ロ = 4)・・・15,000円 (3)当初予定を上回った原材料の差額(3−ハ)・・・250,000円 (4)運賃の追加料金の半額(2−ニ = 5)・・・25,000円 2 課税価格に算入されないもの。 Mが]に提供した有償調味料(300,000円)及び、売手が負担した追加運賃の残りの半額(25,000円)は既にCIF価格に含まれていると考え、課税価格に算入されない。 3 1(1)〜(4)の合計額 = 5,090,000円 |
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第11問(課税価格の計算) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 1058000円 解 説 (注) ( )内の数字は、設問の番号。 1 解説課税価格に算入されるもの。 (1) 本邦に輸入する4,000個の取引価格(2−イ=3)4,000個×250円/個・・・1,000,000円 (2) 4,000個の販売手数料(2−ハ=3)4,000×250×15%・・・15,000円 (3) 輸入貨物に対応する金型の生産費並びに金型の提供した運賃及び保険料(3、4−イ、ロ) (42,000円+6,000円)×4,000個÷24,000個・・・8,000円 (4) 輸入港までの運賃及び保険料(4−ニ)・・・35,000円 2 B国の販売支店に送るものは輸入されないので、4,000個の課税価格に影響を与えない。 3 1(1)〜(4)の合計額 = 1,058,000円 |
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第12問(課税価格の計算) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 1450700 解 説 (注) ( )内の数字は、設問の番号。 1 解説課税価格に算入されるもの。 (1) 輸入される椅子490脚の取引価格(1、3)3,000円/脚×0.8×490脚・・・1,176,000円(値引き額控除) (2) 輸出用梱包費用(4−イ)・・・49,000円 (3) 輸出国内の運賃及び保険料(4−ロ)・・・30,000円 (4) 輸出港の一時保管料(4−ハ)・・・15,000円 (5) 輸入港までの運賃及び保険料(4−ニ)・・・120,000円 (6) ]に支払う再販売価格の2%(売手帰属収益)(5)300脚×6,000円/脚×2%+190脚×6,500円/脚×2%・・・60,700円 2 1(1)〜(6)の合計額 = 1,450,700円 |
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【択一式】 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
第13問(輸出申告) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 5 解 説 (誤=5) 5 輸出貨物の本船扱い(輸出貨物を他の貨物と混載することなく外国貿易船に積み込んだ状態で輸出申告をすること)は、輸出貨物の性質、形状及び積付けの状況等からみて、税関が関税法第67条(輸出の許可)に規定する貨物の検査を行うのに支障がなく、かつ、保税地域に搬入することが不適当と認められる場合に限って承認されるので、本船扱いの承認を受けたからといって、税関の検査が免除されることはない。《関税法第67条第1項ただし書、同法施行令第59条の4第1号》 (正=1、2、3、4) 1 過去3年以内に輸出に関し関税に関する法令の規定に違反して処罰された者は、輸出しようとする貨物をコンテナーに詰め込んだ状態で輸出申告し、輸出の許可を受けることができない。《同法基本通達67−1−20−(1)−イ−@》 なお、このコンテナー扱いを認めるためには、検査を実施するのに支障がなく、輸出者が新規に貨物を輸出する場合でないこと、複数輸出者にかかる貨物が同一コンテナーに詰め込まれるものでないこと等、通達に規定されたいくつかの条件を充たす必要がある。 2 他の輸出者に係る貨物と同一のコンテナーに詰め込まれた貨物については、当該コンテナーに詰め込んだ状態で輸出申告し、輸出の許可を受けることができない。《同法基本通達67−1−20−(1)−ハ) 3 輸出貨物の本船扱いは、輸出貨物の性質、形状及び積付けの状況等からみて、税関が関税法第67条(輸出の許可)に規定する貨物の検査を行うのに支障がなく、かつ、保税地域に搬入することが不適当と認められる場合に限って承認される。(この承本船扱いの承認要件が充足される限り、関税法の規定に違反して処罰された者であっても、本船扱いの承認を受けることができる。)。《同法第67条第1項ただし書、同法施行令第59条の4第1号》 4 特定輸出申告に係る貨物については、当該貨物をコンテナーに詰め込んだ状態で輸出申告し、輸出の許可を受けるための税関官署への申出を行う必要はない(貨物をコンテナーに詰めたまま当該貨物に特定輸出申告をしようとする場合には、輸出貨物のコンテナー扱いは適用されない。)。《同法基本通達67の3−1−6》 |
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第14問(課税価格) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 3 解 説 (正=3) 3 輸入貨物に係る特許権の使用の対価は、輸入取引の条件として買手により特許権者に支払われる場合は、特許権者の居住地に関わりなく課税価格に算入される。《関税定率法第4条第1項第4号》 (誤=1、2、4、5) 1 輸入貨物が売買に基づいて外国から本邦に輸出されたものである場合は、輸入取引価格があるので売手の居住地に関わりなく、当該取引価格を課税価格とすることができる。《同法基本通達4−1》 2 売手に支払う現実支払価格の中に含まれる販売手数料が明らかであっても、当該販売手数料は現実支払い価格から控除できる費用に該当しないため課税価格に算入される。《同令第1条の4》 4 買手が売手に支払う配当金は、現実支払い価格を構成せず、かつ限定列挙された加算要素にも該当しないため課税価格に算入されない。《同法第4条第1項本文、各号》 5 輸入貨物と同種の貨物の取引価格により課税価格を計算する場合の同種の貨物は、当該輸入貨物と同一の生産国で生産されたものに限られている。《同法第4条の2かっこ書》 |
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第15問(関税率表の所属の決定) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 4 解 説 (正=A−b、B−b、C−a、D−c、E−c) (1)表の右欄の物品のうち、左欄の類に含まれるものは、次のとおりである。 A−a 牛の舌(食用に適した冷凍のもの)は、食用のくず肉として第02.06項に分類される。 A−c 牛の肝臓(食用に適した冷凍のもの)は、食用のくず肉として第02.06項に分類される。 B−a トマト(生鮮のもの)は、野菜として第07.02項に分類される。 B−c きゅうり(生鮮のもの)は、野菜として第07.07項に分類される。 C−b しょうが(生鮮のもの)は、香辛料として第09.10項に分類される。 C−c 月桂樹の葉(乾燥したもの)は、香辛料として第09.10項に分類される。 D−a シャンプーは、頭髪用の調製品として第33.05項に分類される。 D−b デンタルフロスは、歯間清掃用の糸として第33.06項に分類される。 E−a 加硫したゴム(硬質ゴムを除く。)製の手袋は、ゴム製の衣類及び衣類附属品として第40.15項に分類される。 E−b 天然ゴムのラテックスは、天然ゴムの一次製品として第40.01項に分類される。 したがって、これらの組合せを含んでいないものが正しい組合せである。 (2)表の右欄と左欄との関係は、次のとおりである。
(3)表の右欄の物品のうち、左欄の類に含まれないものは次のとおりである。 A−b 牛の胃(食用に適した冷凍のもの)は、第2類(肉及び食用のくず肉)から除外され、動物の胃(冷凍したもの)として第05.04項に分類される。≪第2類注1(b)≫ B−b すいか(生鮮のもの)は、メロンの類として第08.07項に分類される。≪項の規定≫ C−a にんにく(生鮮のもの)は、野菜として第07.03項に分類される。≪項の規定≫ D−c 固形せっけんは、せっけんとして第34.01項に分類される。≪第33類注1(b)、項の規定≫ E−c ゴム製の水泳帽は、その他の帽子として第65.06項に分類される。≪第40類注2(c)≫ |
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第16問(関税率表の所属の決定) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 4 解 説 (正=4) 4 幼児用自転車のうち、二輪車以外のものは車輪付がん具として第95.03項に分類されるが、二輪車のものは自転車として第87.12項に分類される。≪第95類注1(o)≫ (誤=1、2、3、5) 1 第51.01項の羊毛とは、羊又は子羊の天然繊維をいうと規定されており、カシミヤやぎの毛は、繊獣毛として規定されている。≪第51類注1(a)及び(b)≫ 2 第61.11項の乳児用の衣類及び衣類附属品とは、身長が86センチメートル以下の乳幼児のものをいうものとし、乳児用のおむつを含むと規定されている。≪第61類注6(a)≫ 3 第71類の貴金属とは、銀、金及び白金を含むと規定されている。≪第71類注4(A)≫ 5 第97.03項の鋳像には、大量生産した複製品及び芸術家でない者が製作した商業的性格を有する製品を含まないと規定されている。≪第97類注3≫ |
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第17問(関税率表の所属の決定) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正 解 3 解 説 (正=3) 3 スイートコーンは、第10.05項のとうもろこしには含まれず、野菜として第7類に含まれる。≪第10類注2≫ (誤=1、2、4、5) 1 巡回サーカス用の馬は、第01.01項の生きている馬には含まれず、巡回サーカス用の設備として第95.08項に含まれる。≪第1類注1(c)≫ 2 この表において、かば(象、せいうち等)のきば、さい角及びすべての動物の歯は、アイボリーとすると規定されている。≪第5類注3≫ 4 オリーブは、第12.07項のその他の採油用の種及び果実には含まれず、野菜として第7類に含まれる。≪第12類注1≫ 5 蒸留水は、第22.01項の水には含まれず、その他の無機化合物として第2853.00号に含まれる。≪第22類注1(c)≫ |