本試験問題と解答・解説


平成20年度第42回通関士試験解答  
〔関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び
 外国為替及び外国貿易法(第6章に係る部分に限る。)〕
(時間 1時間40分)


【選択式】
第1問(関税の納期限)
正 解

イ−F提出期限、ロ−C許可を受けた、ハ−M翌月の末日、ニ−I提出した日、ホ−@1月

参照条文
  1 関税法第7条の2第2項
  2 同法第9条第2項第2号及び第5号

第2問(過少申告加算税)
正 解

イ−F修正申告、ロ−D更正、ハ−A100分の10、ニ−H正当な理由、ホ−N予知

参照条文 関税法第12条の2第1項、第2項及び第4項

第3問(仕入書の記載事項)
正 解

イ−E仕出人、ロ−C検査、ハ−K品名、ニ−F仕向人、ホ−B契約の条件

参照条文
  1 関税法第68条(輸出申告又は輸入申告に際しての提出書類)第1項
  2 同法施行令第60条(仕入書の記載事項等)

第4問(違約品等を再輸出する場合の保税地域への搬入期間延長の承認申請手続)
正 解

イ−E数量、ロ−N予定時期、ハ−L輸入地、ニ−M輸入の許可書、ホ−F税関の証明書

参照条文 関税定率法施行令第56条の2(保税地域への搬入期間の延長の承認申請手続)

第5問(輸入してはならない貨物)
正 解

イ−H疎明、ロ−D経済産業大臣、ハ−L認定手続、ニ−M没収、ホ−A回路配置利用権

参照条文 
  1 関税法第69条の13(輸入してはならない貨物に係る申立て手続等)第1項
  2 同法第69条の12(輸入してはならない貨物に係る認定手続)第4項
  3 同法第69条の2(輸出してはならない貨物)第1項第3号

第6問(用語の意義)
正 解  1、4

解 説
(正=1、4)
1 「附帯税」とは、本来の関税に附帯し、かつ、これを計算の基礎として納付すべきことが定められている関税のうち延滞税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税をいうこととされている。《関税法第2第1項第4号の2》
4 保税蔵置場において外国貨物の一部を分析のための見本として消費する行為は、その消費する者がその消費の時に当該貨物を輸入するものとみなされる。《同法第2条第3項》

(誤=2、3、5)
2 「特定委託輸出申告」とは、特定委託輸出者が、輸出しようとする貨物を保税地域等に入れないでする輸出申告をいうこととされている。《同法第67条の3第2項》
3 「特定保税運送者」とは、認定通関業者又は国際運送貨物取扱業者であって、あらかじめいずれかの税関長の承認を受けた者をいうこととされている。《同法第63条の2第1項》
5 「特殊船舶」とは、本邦と外国との間を往来する船舶で外国貿易船以外のもの(外国の軍艦並びに海上における保安取締り及び海難救助に従事する公用船を除く。)をいうこととされている。《同法第15条の3第1項、同法施行令第13条の3》

第7問(納税申告の特例(特例輸入者))
正 解  1、4

解 説
(正=1、4)
1 特例輸入者の承認を受けようとする者は、特例申告貨物の輸入に関する業務について、その者又はその代理人等が関税法その他の法令を遵守するための事項として、税関との間における連絡体制及び法令に違反する事態が生じた場合における対処のための措置に関する事項を規定しなければならない。《関税法第7条の5第3号、同法施行規則第1条の2第1号ホ、第2号ホ》
4 特例輸入者が行う輸入申告及び特例申告におけるペーパーレス化の一環として、特例輸入者が特例申告貨物に係る輸入申告に際して、税関長が必要と認める場合を除き、仕入書を提出することを要しない。《同法第68条第1項ただし書》

(誤=2、3、5)
2 申告納税方式が適用される貨物を業として輸入する特例輸入者には、特例申告貨物以外の貨物を輸入した場合における記帳義務(関税法第94条第1項)と、特例申告貨物を輸入した場合の記帳義務(関税法第7条の9)とがある。
   したがって、特例輸入者が特例申告貨物以外の貨物を輸入した場合には、当該貨物の品名、数量及び価格その他必要な事項を記載した帳簿を備え付けなければならない。《同法第94条第1項、同法施行令第83条第1項》
3 特例輸入者であっても、特例申告貨物以外の外国貨物を輸入申告の後輸入の許可前に引き取ろうとする場合には、当該外国貨物に係る関税額に相当する担保を必ず提供しなければならない。《同法第73条第1項》 
5 税関長は、特例輸入者の承認を受けようとする者が承認の申請の日前3年間において(5年間ではない。)関税を滞納した者である場合には、特例輸入者の承認をしないことができる。《同法第7条の5第1項第1号ホ》

第8問(他法令の輸出入規制の解除の証明又は確認)
正 解  1、5

解 説
(正=1、5)
1 仮に陸揚げされた外国貨物を外国へ積み戻す場合において、当該貨物が外国為替及び外国貿易法第48条第1項(輸出の許可等)の規定による経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならないものであるときは、税関長に対して積戻し申告をしてその許可を受けなければならない。《関税法第75条》
   そして、経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならない仮陸揚貨物を外国へ積み戻す場合には、税関長に対する積戻し申告の際に、経済産業大臣の輸出の許可を受けていることを税関に証明しなければならならない。《同法第75条において準用する第70条第1項》
5 特例申告貨物を輸入する場合であっても、当該特例申告貨物が他の法令の規定により輸入に関して許可、承認等を必要とするものであるときは、輸入(引取)申告の際に、当該許可、承認等を受けている旨を税関に証明しなければならない。《同法第70条第1項》

(誤=2、3、4)
2 輸入貿易管理令には、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律第2条第1項(定義)に規定する特定有害廃棄物等は、輸入する場合において経済産業大臣の輸入割当てを受けなければならない貨物として定められていない。《輸入貿易管理令第3条第1項、輸入公表第1》
   なお、特定有害廃棄物等を輸入しようとする者は、税関長に対する輸入申告の際に経済産業大臣の輸入の承認を受けていることを税関に証明しなければならない。《特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律第8条第1項、関税法第70条第1項、輸入貿易管理令第4条第2号、輸入公表ニのニ第2》
3 他の法令の規定により輸入に関して検査又は条件の具備を必要とする貨物については、税関による当該貨物の検査、審査の際に、他の法令の規定による検査の完了又は条件の具備を税関に証明し、その確認を受けなければならない(輸入申告の際にその確認を受けるのではない。)。《同法第70条第2項》
4 経済産業大臣から権限委任を受けて税関長が輸入の承認をした貨物を輸入する場合においても、当該貨物を輸入しようとする者は、税関長に対する輸入申告の際、輸入貿易管理令に規定する輸入の承認を受けていることを税関に証明しなければならない。《同法第70条第1項》
   (この場合においては、税関長は、経済産業大臣から権限委任を受けて経済産業大臣として輸入貿易管理令の規定により輸入の承認を行い、財務大臣の指揮監督を受ける税関長として関税法第67条(輸入の許可)の規定により輸入の申告を受け、関税法第70条第1項(他の法令の輸入規制の解除の証明)に規定する他の法令の輸入規制の解除の証明の確認を行うのである。)

第9問(保税蔵置場)
正 解  1、3

解 説
(正=1、3)
1 保税蔵置場にある外国貨物で、取締り上、課税上問題がないと認められる数量のものは、これを見本として一時持ち出すことが認められているが、見本の一時持ち出しについては、税関長の許可が必要とされている。《関税法第32条》
3 保税蔵置場において、設問にある「外国貨物についての見本の展示等」のような行為をしようとする者は、税関長の許可を受けなければならないこととされている。《同法第49条において準用する第40条第2項》

(誤=2、4、5)
2 保税蔵置場において貨物を管理する者には、「外国貨物の転売」に関する税関長への届出義務はない。
4 輸出の許可を受けた貨物は、「外国貨物」である。
    保税蔵置場において貨物を管理する者は、その管理する外国貨物についての帳簿を設け、所定の事項を記載しなければならないこととされている。《同法34条の2》
5 保税蔵置場に外国貨物を置くことができる期間は、当該貨物を最初に保税蔵置場に置くことが承認された日から2年とされており、他の保税蔵置場に置かれていた期間が通算される。《同法第43条の2第1項》
   制限なく長期間にわたって外国貨物のままで置くことを認めると、関税の徴収に支障を生じることになるので、蔵置期間に制限が設けられている。

第10問(関税の軽減又は免除)
正 解  2、4、5

解 説
(正=2、4、5)
2 修繕のため本邦から輸出された貨物がその輸出の許可の日から1年以内に輸入される場合は、減税の要件に該当し、関税の軽減を受けることができる。《関税定率法第11条》
4 特定用途免税貨物が、その輸入の許可の日から2年以内に用途外使用に供するため譲渡された場合には、当該譲渡をした者から、当該免除を受けた関税が直ちに徴収される。《同法第15条第2項》
5 外交官用貨物として輸入した旅行用バッグについては、無条件免税が適用されるので、当該貨物をその輸入の許可の日から2年以内に売却したとしても、当該免除を受けた関税は徴収されない。《同法第16条第1項》

(誤=1、3)
1 輸入の許可を受けた貨物がいったん保税地域から引き取られた場合には、当該貨物が災害等により滅失又は損傷したとしても、関税の払戻しを受けることができない。《同法第10条第2項》
3 本邦から輸出された貨物で、その輸出の許可の際の性質及び形状が変わっていないものについては、その再輸入期間についての制限がないので、その輸入の許可の日から1年以内に再輸入されるものであるかどうかを問わず、無条件免税の適用を受けることができる。《同法第14条第10号》

第11問(課税価格決定の原則)
正 解  2、5

解 説
(正しいもの=2、5)
2 輸入貨物に係る輸入取引に関して買手により負担される買付手数料は課税価格に算入されない。
《関税定率法第4条第1項第2号イ》
5 売手と買手との間に特殊関係がある場合であっても、当該特殊関係にあることが当該輸入貨物の取引価格に影響を与えていないときは、関税定率法第4条1項の規定により課税価格の決定ができる。《同法第4条2項第4号》

(誤り=1、3、4)
1 課税価格となる取引価格とは、買い手により売り手に対し又は売手のために、輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われる価格に、その含まれていない限度において運賃等の額を加えた価格である。設問には後段の内容がない。《同法第4条第1項本文》
3 買手により売手に無償提供した、輸入貨物に組み込まれている部分品の費用は課税価格に算入される《同法第4条1項第3号イ》
4 買手により売手に無償提供した輸入貨物の生産のための必要な技術で、本邦で開発されたものは課税価格に算入されないが日本国籍を有していても海外で開発されたものは課税価格に算入される。《同法第4条1項第3号ニ、同令第1条の5第2項》

第12問(外為法及び輸出貿易管理令)
正 解  2、5

解 説
(正=2、5)
2 経済産業大臣は、輸出の許可を受けないで貨物を輸出した者に対して、3年以内の期間を限り、輸出を行うことを禁止することができる。《外国為替及び外国貿易法第53条第1項》
5 輸出貿易管理令別表第2の33の項に掲げるうなぎの稚魚について総価額5万円以下のものを輸出する場合には、特例に該当し輸出の承認を要しない。《輸出貿易管理令第4条第3項、同令別表第7第3号》

(誤=1、3、4)
1 輸出貿易管理令別表第2の43の項に掲げる貨物であっても、経済産業大臣が告示で定めるもの(ワシントン条約該当貨物等)についての承認の権限は、経済産業大臣から税関長に委任されていない。《同令第11条第1号かっこ書、経済産業大臣告示》
3 本邦の公共的機関から外国の公共的機関に友好を目的として寄贈される貨物を輸出する場合であっても、いわゆる輸出禁制貨物、ワシントン条約該当貨物等は特例の適用除外とされているので、輸出の承認を要する。《同令第4条第2項本文ただし書、同項第2号イ》
4 輸出貿易管理令別表第2の20の項に掲げる核燃料物質を輸出する場合には、同令第1条の輸出の許可を受けたものであっても、法目的(国内需要の確保)が異なるので、輸出の承認を併せて受けなければならない。《同令第2条第1号、輸出貿易管理規則第1条第1項第3号》

第13問(輸出してはならない貨物)
正 解  4、5

解 説
(正=4、5)
4 税関長は、輸出差止申立てを受理した場合において、当該申立てに係る貨物についての認定手続が終了するまでの間、当該貨物が輸出されないことにより当該貨物を輸出しようとする者が被るおそれがある損害の賠償を担保するため必要があると認めるときは、当該申立てをした者に対し、期限を定めて、相当と認める額の金銭をその指定する供託所に供託すべき旨を命ずることができる。《関税法第69条の6第1項》
5 税関長は、育成者権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続において、その認定をするために必要があると認めるときは、農林水産大臣に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。《同法第69条の8第1項) 》

(誤=1、2、3)
1 税関長は「輸出されようとする貨物」及び「積戻しされようとする貨物」のうちに商標権を侵害する物品が含まれている場合には、当該物品について認定手続を執らなければならないが、荷繰りの都合等により、我が国の保税地域に一時的に仮陸揚げされた貨物が外国に向けて送り出されるときは、税関手続の簡易化を図る見地から、関税法では、仮陸揚げした貨物の外国貿易船等への積み込みとして取り扱い、外国貨物の「積戻し」としては取り扱わないところから、認定手続をとる必要はない。《同法第69条の3第1項、同法第2条第1項第2号、同法第75条かっこ書》
2 関税法には、設問のような趣旨の規定はない。
   不正競争差止請求権者は、税関長が輸出してはならない貨物に該当する不正競争防止法第2条第1項第3号に規定する形態模倣品について行う認定手続において、税関長に対して証拠を提出して意見を述べることができるが、その際に経済産業大臣の意見書を提出しなければならない義務は課されていない。《同法第69条の3第1項後段、同法施行令第62条の2第1項》)。
   なお、不正競争差止請求権者が税関長に対して経済産業大臣の意見書を提出しなければならないのは、不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する周知表示の混同を惹起する物品について認定手続を執るべきことを申し立てる場合である。《同法第69条の4第1項後段》
3 輸出差止申立てが税関長に受理された申立人は、当該差止申立てに係る貨物の認定手続の際に、税関長に対し、当該貨物を点検する機会を与えるよう申請することができるが、見本の検査を申請することはできない。(輸入差止申立てが税関長に受理された申立人は、前記点検機会の申請のほか、当該差止申立てに係る貨物の認定手続の際に、税関長に対し、見本の検査を承認するよう申請できる。輸出差止と輸入差止とを混同しないことが肝要である。)《同法第69条の4第4項、同法第69条の13第4項、同法第69条の16第1項》

第14問(輸出通関)
正 解  4、5

解 説
(正=4、5)
4 外国に売却する本邦籍の船舶を引渡しのために本邦から外国に向けて回航する(送り出す)行為は、輸出であるので、輸出申告をして、必要な検査を経て、輸出の許可を受けなければならない。《関税法第2条第1項第2号、同法第67条》
5 輸出申告に際し輸出申告書に記載すべき貨物の数量は、財務大臣が貨物の種類ごとに定める単位による当該貨物の正味の数量である。《同法第67条、同法施行令第58条第1号、第59条の2第1項》

(誤=1、2、3)
1 荷繰りの都合等により、我が国の保税地域に一時的に仮陸揚げされた貨物が外国に向けて送り出されるときは、税関手続の簡易化を図る見地から、関税法では、仮陸揚げした貨物の外国貿易船等への積み込みとして取り扱い、外国貨物の「積戻し」としては取り扱わないところから、積戻し申告をする必要はない。
   なお、仮に陸揚げされた外国貨物を外国へ積み戻す場合において、国際テロの防止を図る観点から、当該貨物が外国為替及び外国貿易法第48条第1項(輸出の許可等)の規定による経済産業大臣の輸出の許可を受けなければならないものであるときは、税関長に対して積戻し申告をしてその許可を受けなければならない。《同法第75条かっこ書》
2 無償で輸出される貨物については、当該貨物が有償で輸出されるとした場合における本邦の輸出港での本船甲板渡し価格を輸出申告書に記載しなければならない(輸出申告書の申告価格欄に無償又は0と記載するのではない)。《同法第67条、同法施行令第58条第1号、第59条の2第2項前段
3 輸出される貨物の輸出申告価格は、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格である(保険が付されている場合であっても、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格に当該保険料を加算した額を、輸出申告価格としてはならない。)《同法第67条、同法施行令第58条第1号、第59条の2第2項前段)》

第15問(締約国原産地証明書(タイ協定原産地証明書))
正 解  1、4、5

解 説
(正=1、4、5)
1 タイ協定に基づく原産地証明書は、災害その他やむを得ない理由による場合を除き、その証明に係る貨物の輸入申告の日において、その発給の日から1年以上を経過したものであってはならない。《関税法第68条第2項、同法施行令第61条第6項》
4 タイ協定に基づく原産地証明書は、タイ王国において当該原産地証明書の発給につき権限を有する機関が発給したものでなければならない。《同法第68条第2項、同法施行令第61条第4項前段》
5 課税価格の総額が20万円以下の貨物についてタイ協定に規定するタイ税率の適用を受けようとする場合には、タイ協定に基づく原産地証明書を税関に提出する必要はない。《同法第68条第2項、同法施行令第61条第1項第2号イかっこ書》

(誤=2、3)
2 関税法には設問のような規定はない。タイ協定に基づく原産地証明書は、災害その他やむを得ない理由による場合を除き、その証明に係る貨物の輸入申告の日において、その発給の日から1年以上を経過したものであってはならない。《関税法第68条第2項、同法施行令第61条第6項》
3 関税法には設問のような規定はない。タイ協定に基づく原産地証明書は、タイ王国において当該原産地証明書の発給につき権限を有する機関が発給したものでなければならない。《同法第68条第2項、同法施行令第61条第4項前段》

【択一式】
第16問(納税申告の特例(特例申告))
正 解  4

解 説
(誤=4)
4 2008年4月の関税法の一部改正により、関税定率法第10条第1項(変質、損傷等の場合の減税又は戻し税等)の規定の適用を受ける貨物についても、特例申告をすることができることになった。《関税法第7条の2第4項》

(正=1、2、3、5)
1 2008年4月の関税法の一部改正により、税関長は、関税等の保全のために必要があると認めるときは、特例輸入者又は特例委託輸入者に対し、金額及び期間を指定して、その輸入する特定申告貨物に係る関税につき担保の提供を命ずることができることになった。《同法第7条の8》
2 特例申告を行う場合には、特例申告貨物で輸入の許可を受けたものについて特例申告書を作成し、当該許可の日の属する月の翌月末日までに、当該特例申告貨物の輸入地を所轄する税関長に提出しなければならない。《同法第7条の2第2項》
3 期限内特例申告書を提出すべきであった特例輸入者又は特例委託輸入者であって、その特例申告に係る特例申告書をその提出期限までに提出していない者は、その提出期限後においても、関税法第7条の16第2項の規定による税関長の決定があるまでは、その期限内特例申告書に記載すべきものとされている事項を記載した特例申告書を、当該特例申告に係る貨物の輸入地を所轄する税関長に提出することができる。《同法第7条の4》
5 関税法第7条の2第1項(特例輸入者の承認)の規定による特例輸入者の承認が失効した場合において、当該承認を受けていた者又はその相続人は、その失効前に輸入の許可を受けた特例申告貨物に係る特例申告の義務を免れることはできない。《同法第7条の10》

第17問(課税価格決定の原則)
正 解  0

解 説
(正=0)

(誤=1、2、3、4、5)
1 輸入後における輸入貨物の整備の費用が明らかでない場合は、整備の費用が控除できないだけで、関税定率法第4条第1項の規定による課税価格の決定はできる。《関税定率法施行令第1条の4》
2 輸出国における国内運賃は輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃として課税価格に算入される。《同法第4条第1項第1号》
3 輸入貨物に係る買手により負担される費用で当該輸入貨物の包装に要する費用は、支払先に関係なく、課税価格に算入される。《同法第4条第1項第2号ハ》
4 輸入貨物に係る商標権の使用に伴う対価は、@輸入貨物に関連し、かつ、A輸入取引の条件となっている場合は課税価格に算入される。設問では、輸入貨物に係る商標権の使用に伴う対価は、輸入後の本邦における再販売の条件となっており、再販売しない場合は対価の支払いはないことから、輸入取引の条件となっているとは判断されず、課税価格に算入されない。《同法第4条第1項第4号》
5 輸入貨物の取引価格が、当該輸入貨物以外の貨物の取引数量又は取引価格に依存して決定されるべき旨の条件が付されている場合は、関税定率法第4条第1項の規定によリ課税価格を決定できないが、当該輸入貨物の取引数量に依存して決定されるいわゆる数量値引きは商取引上一般的なことであり、関税定率法第4条第1項の規定により課税価格の決定ができる。《同法第4条第1項本文、第4条第2項第2号》

第18問(輸入貿易管理令)
正 解  2

解 説
(正=2)
2 経済産業大臣は、外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため必要があると認めるときは、輸入割当てに当たり、輸入の期間、貨物の原産地、船積地域等について条件を付することができる。《輸入貿易管理令第11条第1項》

(誤=1、3、4、5)
1 税関は、通関に際し、貨物を輸入しようとする者が輸入の承認を受けていること又はこれを受けることを要しないことを確認したときは、経済産業大臣が告示で定める貨物(輸入公表に係る貨物等)に限り、経済産業大臣に通知しなければならない。《同令第15条、輸入貿易管理規則第4条、経済産業大臣告示》
3 輸入割当てを受けるべき貨物については、輸入割当てを受けた後輸入の承認を受けなければならない。《輸入貿易管理令第9条第1項》
4 本邦に入国する者が別送して輸入する職業用具であっても、特例の除外貨物(一時的に出国して入国する者が輸入するワシントン条約該当貨物等)については、輸入の承認を要する。《同令第14条ただし書、経済産業大臣告示》
5 輸入割当証明書の有効期間は、原則として、その交付の日から4か月である。《輸入貿易管理規則第2条第4項》

第19問(コンテナー特例法)
正 解  4

解 説
(正=4)
4 免税コンテナー修理用の部分品を免税コンテナーの修理の用に供したときは、当該部分品の管理者は、必要な事項を記載した届出書をその修理の場所の所在地を所轄する税関長に提出しなければならない。《コンテナー特例法施行令第4条》

(誤=1、2、3、5)
1 免税コンテナーは、その輸入の許可の日から3月以内に再輸出した場合には、その免除を受けた関税及び消費税が徴収されない。(輸入の許可の日から6月以内に再輸出した場合ではない。)《同法第4条、第5条第1項第2号》
2 免税コンテナーの再輸出期間は、当該免税コンテナーが置かれている場所を所轄する税関長の承認を受けた場合には、3月を超え税関長が指定する期間まで延長するこができる。(免税コンテナーの再輸出期間の延長は、税関長への届出ではできない。)《同法第4条本文、同法施行令第5条》
3 貨物を詰めて輸入された免税コンテナーは、あらかじめ当該免税コンテナーの輸入地を所轄する税関長又は当該国内運送が開始される場所の所在地を所轄する税関長に届出書を提出した場合には、再輸出期間内において、1回に限り、国内使用をすることができる(再輸出期間内において、何回でも国内使用ができるのではない。)《同法第8条、同法施行令第10条》
5 免税コンテナーについて管理者が変わることとなったときは、その変更前の管理者は、変更後の管理者に対し、再輸出期間その他必要な事項を書面により通知しなければならない(当該免税コンテナーの輸入地を所轄する税関長にその旨を届け出ることを要しない。)。《同法第7条、同法施行令第9条》

第20問(特恵関税の適用の停止)
正 解  5

解 説
(正=5)
5 報復関税は、特恵関税が適用される物品については、特恵税率による関税のほかに課されるものであるので、当該物品について特恵関税の適用が停止されることはない。《関税定率法第6条第1項、関税暫定措置法第8項の5第1項》

(誤=1、2、3、4)
1 鉱工業産品に係る特恵関税の適用の停止は、特恵関税を適用する限度額等を月別に管理する方式(シーリング方式)によるほか、特恵関税の適用による物品の輸入により国内産業が損害を受けたときに特恵関税の適用を停止する方式(緊急特恵停止措置)による。《関税暫定措置法第8条の3、第8項の4》
2 限度額等により特恵関税を適用する品目については、特恵関税の適用による輸入額等が当該限度額等を超えることとなった月の翌月15日の翌日から特恵関税の適用が停止される。《同法第8条の4第1項》
3 限度額等により特恵関税を適用する品目で、一の特恵受益国等を原産地とするものの特恵関税の適用による輸入額等が当該限度額等の5分の1を超えることとなった場合には、当該品目について、その超えることとなった月の翌月15日の翌日から特恵関税の適用が停止される。《同法第8条の4第1項後段》
4 農水産品については、すべて特恵関税の適用による物品の輸入により国内産業が損害を受けたときに特恵関税の適用を停止する方式(緊急特恵停止措置)が適用される。《同法第8条の3第1項》

第21問(関税率表の解釈に関する通則)
正 解  5

解 説
(正=5)
5 関税率表の適用に当たっては、項の所属を決定した後、項のうちのいずれの号に物品が属するかは、号の規定及びこれに関係する号の注の規定に従い、かつ、通則1から5までの原則を準用して決定するものとし、同一の水準にある号のみを比較することができる。部又は類の注の規定が号の規定又はこれに関係する号の注の規定と矛盾しない場合には、部又は類の注の規定も適用する。≪通則6≫

(誤=1、2、3、4)
1 部、類及び節の表題は単に参照上の便宜のために設けたもので、関税率表の適用に当たっては、物品の所属は、項の規定及びこれに関係する部又は類の注の規定に従って決定される。この通則は、物品の所属を決定するための基本原則である。≪通則1≫
2 各項に記載するいずれかの物品には、完成した物品で、提示の際に組み立ててないもの及び分解してあるものを含むほか、未完成の物品で、完成した物品としての重要な特性を提示の際に有するものも含むとされている。但し、第1類(動物)から第38類(化学工業生産品)までに分類されるものには、これら物品の範囲及び性質に鑑み、通常この規定は適用されない。≪通則2(a)≫
3 このような趣旨の規定はない。物品が二以上の材料又は物質から成り、二以上の項に属するとみられる場合には、設問にいう「それらの項の規定を比較することなく、その物品に重要な特性を与えている材料又は構成要素から成るものとしてその所属を決定する。」のではなく、最も特殊な限定をして記載をしている項が、これよりも一般的な記載をしている項に優先する等、通則3(a)から(c)の規定に従って所属を決定する。
4 通則1から3までの原則によりその所属を決定することができないような特殊な物品についても関税率表のいずれかの項に所属を決定しなければならない。この場合、提示された物品は、当該物品に最も類似する同種物品と同一の項に属することになる。≪通則4≫

第22問(適用法令)
正 解  0

解 説
(正=0)

(誤=1、2、3、4、5)
1 特定保税運送に係る外国貨物で、その発送の日の翌日から起算して7日以内に運送先に到着しないものについては、当該貨物が発送された日に適用される法令が適用される(その発送の日の翌日から起算して7日を経過した日に適用される法令でない。)。《関税法第5条第1号》
2 特例申告貨物の法令適用の日は、(特例申告された日ではなく)輸入(引取)許可の日(例外的に輸入(引取)申告の日)である。設問のように特例申告の日とすると法令適用の日は許可の日の属する月の翌月末日となり、申告貨物は既に内国貨物として国内流通又は消費されているのに、その日を法令適用の日とするのは不合理だからである。《同法第5条第1号》
   (注)特例申告貨物の適用法令の日
   特例申告貨物のうち、関税法第67条の2第1項第2号(特例輸入者が行う輸入申告の時期の特例)の規定により本邦に到着する前に(保税地域等に入れる前に)輸入申告して輸入の許可を受けたものについては、その輸入の許可の日に適用される法令が適用される。《同法第5条第1号》
    しかし、特例申告貨物のうち、関税法第67条の2第1項第2号(特例輸入者が行う輸入申告の時期の特例)かっこ書の規定により保税地域に入れた後に輸入申告したものについては、その輸入の申告の日に適用される法令が適用される。《同法第5条本文》
3 保税蔵置場にある外国貨物で、あらかじめ税関長の承認を受けることなく滅却されたものについては、その滅却の時に事実上の輸入が行われたことになり、課税物件が確定することになるので、その滅却の日に適用される法令が適用される(当該外国貨物を保税蔵置場に入れた日に適用される法令ではない。)。《同法第5条第1号》
4 保税蔵置場に置かれた外国貨物で、輸入申告がされた後輸入の許可がされる前に当該外国貨物に適用される法令の改正があったものについては、輸入の許可の日に適用される法令が適用される(当該輸入申告の日において適用される法令ではなく、改正後の法令が適用される。)。《同法第5条第2号》
    これは、保税蔵置場では長期において外国貨物を蔵置することができるので、税率の引上げ等が見込まれる場合には、法令の改正前に輸入申告し、関税を納付せず、長期間蔵置した上有利な直前の税率により輸入することが可能となるので、改正後の税率を適用し、一般の輸入との均衡を保つ必要があることから執られている措置である。
5 一括して保税運送の承認を受けた外国貨物で、指定された運送の期間内に運送先に到着しないものについては、当該承認に係る外国貨物が発送された日に適用される法令が適用される。《関税法第5条第1号》

第23問(延滞税)
正 解=  1

解 説
(誤=1)

1 延滞税の額に千円未満の端数がある場合においては、千円未満の端数を切り捨てるのではなく、百円未満の端数を切り捨てる。《関税法第12条第4項》
   (注)延滞税が徴収されない場合の額と端数処理の場合の額は異なる。延滞税が徴収されない額は千円未満であり、延滞税の額の端数の切捨ては百円未満である。

(正=2、3、4、5)
2 関税法第2条の3第1項の規定により関税を納付すべき期限を延長した場合には、その関税に係る延滞税のうちその延長した期間に対応する部分の金額は、免除する。《同法第12条第9項》
延滞税は、関税の納付遅延に対し関税の期限内納付の促進、納税者の負担の公平を図る見地から設けられている一種の債務不履行に対する遅延利息ともいうべきものであるので、設問のような災害による期間に対応する部分の金額の免除はやむをえないものである。
3 延滞税を課される場合において、納税義務者がその未納又は徴収に係る関税額の一部を納付したときは、その納付の日の翌日以後の期間に係る延滞税の額の計算の基礎となる関税額は、その未納又は徴収に係る関税額からその一部納付に係る関税額を控除した額による。《同法第12条第2項》
   つまり、延滞税の額の計算の基礎となる関税額は、未納となって残っている関税額である。
4 特例申告貨物につき納付すべき関税(納付すべき期限が延長された関税を除く。)の法定納期限は、特例申告書の提出期限(輸入の許可を受けた日の属する月の翌月末日)である。《同法第12条第8項第1号》
5 やむを得ない理由により税額等に誤りがあったため法定納期限後に未納に係る関税額が確定し、かつ、その事情につき税関長の確認があったときは、その税額に係る延滞税については、その法定納期限の翌日から当該修正申告をした日までの日数に対応する部分の金額を免除する。《同法第12条第6項》
    これは、その誤ったことについて納税者に故意又は重大な過失がないと認められた場合の救済措置である。

第24問(関税法上の罰則)
正 解  4

解 説
(誤=4)
4 設問にある通関業者の偽りその他不正の行為(不正に関税を免れようとした仕入書の改ざんに気づきながら、やむを得ず依頼どおりに税関に申告をした行為)により関税を免れることとなった場合における当該行為をした通関業者は、関税を免れる等の罪に問われることがある。《関税法第110条第2項》
  通関業者は、他人の依頼により通関業務を行う者であるので、本来の納税義務者ではないが、その通関手続上に占める重要な役割にかんがみ、設問に掲げるような場合には、ほ脱犯として処罰されることがある。

(正=1、2、3、5)
1 設問にある「積込みの事実を証する書類」を税関に提出しなかった者は、関税法で定められている書類の提出義務に違反したことにより、1年以下の懲役に処せられる場合がある。《同法第114条の2第3号》
2 設問に掲げる場合には、犯人が得た利益を剥奪し、犯罪によって利得させないようにするため、「・・・その犯罪が行われた時の価格に相当する金額」を犯人から追徴することとされている。《同法第118条第2項》
3 無申告で外国貨物を保税展示場に入れ、税関長の承認を受けないで外国貨物を展示した者は、関税法で定められている所定の手続を履行する義務に違反したことにより、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる場合がある。《同法第115条の2第10号》
5 設問にある「税関職員の質問に対して偽った回答」をした通関業者は、1年以下の懲役に処せられる場合がある。《同法第114条の2第10号》
  この罰則は、税関職員が関税法第105条の規定による権限の実施効果の確保を図るとともに、その職務の執行を妨害する等の行為を間接的に防止するために設けられているものである。

第25問(輸出申告の特例)
正 解  0

解 説
(誤=なし)

(正=1、2、3、4、5)
1 特定輸出申告は、あらかじめいずれかの税関長から特定輸出者の承認を受けた輸出者に限り行うことができる輸出申告である。《関税法第67条の3第2項》
   (注)特定委託輸出申告
   輸出貨物の通関手続を認定通関業者に委託した「特定委託輸出者」が行う輸出申告は、「特定輸出申告」ではなく、「特定委託輸出申告」であることに注意する。《同法第67条の3第2項》
2 あらかじめいずれかの税関長の承認を受けた特定輸出者は、当該特定輸出者の承認を受けた税関長以外の税関長に対しても特定輸出申告を行うことができる。《同法第67条の3第2項》
3 特定輸出貨物(関税法第67条の3第2項(輸出申告の特例)に規定する特定輸出申告を行い税関長の輸出の許可を受けた貨物)については、保税地域以外の場所に置こうとする場合であっても、税関長の許可を受けることを要しない。《同法第30条第1項第5号》
   これは、当該貨物を保税地域以外の場所に置こうとする特定輸出者が輸出に関する業務を適正に遂行することができる者として税関長から承認され、法令遵守が担保されているからである。
4 2008年4月の関税法の一部改正により、税関手続の簡素化、特定輸出申告制度の利用拡大を図るために、関税暫定措置法第8条(加工又は組立てのため輸出された貨物を原材料とした製品の減税)の規定の適用を受けるために輸出される貨物についても特定輸出申告又は特定委託輸出申告をすることができることとされた。《同法第67条の3第3項》
5 特定輸出貨物は、法令を遵守する体制を整えている者により運送され、貨物のセキュリティ管理が図られているので、その置かれている場所から外国貿易船までの運送について保税運送の承認を要しないこととされている。《同法第63条第1項かっこ書》

第26問(特定保税運送)
正 解  0

解 説
(正=なし)
(誤=1、2、3、4、5)
1 「法令遵守規則」の制定は、特定保税運送者の承認の要件の一つとされているにすぎない。
  このため、特定保税運送者となるためには、所定の手続を経て、あらかじめいずれかの税関長の承認を受けなければならないこととされている。《同法第63条の2第1項》
2 設問に掲げられている懲役の刑は、「禁錮以上の刑」に当たる。「禁錮以上の刑」に処せられた場合には、どのような法令の規定に違反する行為をしたかどうかは問わない(犯罪行為が当該法人の業務に関係しないものであるかどうかは問わない)こととされている。《同法第63条の4第1号ハ》
  このため、特定保税運送者の承認を受けようとする法人の役員が懲役の刑に処せられた場合は、特定保税運送者の欠格事由に該当することになる。《同法第63条の4第1号ニ》
3 特定保税運送者の承認を受けることができる者は、設問に掲げられている「特定保税承認者」のほか、次に掲げる者とされている。《同法第63条の2第1項、同法施行令第55条の2》
   (1) 認定通関業者
   (2) 国際運送貨物取扱業者(関税法施行令で定める要件に該当する者)
            @ 保税工場の許可の特例の承認を受けた者
            A 保税蔵置場、保税工場の被許可者
            B 指定保税地域、総合保税地域の貨物管理者
            C 航空会社、船会社、フォワーダー、トラック業者、海貨業者
4 特定保税運送に関する業務を他の運送業者に委託することは、関税法において禁止されているわけではない。
  関税法では、特定保税運送に関する業務等及び国際運送貨物の運送又は管理に関する業務の一部を他の者に委託している場合のあることを前提に、そのような場合にあっては、「法令遵守規則」に、当該他の者が行う業務の運営についての管理及び指導に関する事項を規定しなければならないこととされている。《関税法第63条の4第3号、同法施行規則第7条の4第1号ニ》
5 特定保税運送に係る外国貨物が所定の期間内に運送先に到着しない場合の関税の徴収は、特定保税運送者(「外国貨物の所有者」ではない。)から行われることとされている。《同法第65条第2項》

第27問(認定通関業者)
正 解  4

解 説
(正=4)
4 税関長は、関税法第79条の4第1項(認定の取消し)の規定により認定通関業者の認定を取り消した場合には、その旨及びその理由を記載した書面によりその認定を受けていた者に通知しなければならない。《関税法施行令第69条の2》

(誤=1、2、3、5)
1 税関長は、通関業者から通関業務その他の輸出及び輸入に関する業務を適正かつ確実に遂行することができるとして認定申請のあった場合には、関税法第79条第3項に規定する認定の要件に適合する通関業者について、認定通関業者として認定する(認定申請のない通関業者に対して税関長が一方的に認定通関業者として認定することはない。)《同法第79条第1項、第2項、第3項》
2 通関業の許可を受けて3年を経過している通関業者であっても、法令遵守規則を定めていることだけでは、認定通関業者の認定を受けることはできず、関税法第79条第3項第1号に規定する認定の基準に適合し、同条同項第2号に規定する通関業務の遂行能力を有し、かつ、同条同項第3号に規定する法令遵守規則を定めている場合において、はじめて認定通関業者の認定を受けることができる。《同法第79条第3項》
3 関税法第79条の2(規則等に関する改善措置)の規定による税関長の求めに応じなかったため認定通関業者の認定を取り消された通関業者は、認定を取り消された日から3年を経過しなければ、認定通関業者の認定を受けることができない。《同法第79条第3項第1号イ》
5 関税法には設問の趣旨のような規定はない。
    関税法第67条の2第1項(輸出申告の時期)の適用を受けないことを希望する旨の申出を行うべき者は、特定委託輸出者であって、認定通関業者ではない。《同法第67条の3第1項》
    認定通関業者が特定委託輸出者の委託を受けて関税法第67条の2第1項(輸出申告の時期)の適用を受けないことを希望する旨の申出を行ったとしても、その意思表示の効力は、直接に特定委託輸出者に対して生ずる。《民法第99条》

第28問(課税物件の確定の時期)
正 解  4

解 説
(正=4)
4 留置された貨物で、売却されたものの課税物件の確定の時期は、その売却の時である。これは買受人が買い受けた時に実質上輸入と同視すべき状態になることに着目し、その売却の時とされている。《関税法第4条第1項本文》

(誤=1、2、3、5)
1 税関長の承認を受けて総合保税地域に置かれた外国貨物の課税物件の確定の時期は、(当該承認の申請がされた時ではなく)外国貨物を置くことの承認がされた時である。《同法第4条第1項第1号》
2 保税展示場に入れられた外国貨物であって、当該保税展示場において当該外国貨物を加工して得た製品の課税物件の確定の時期は、(その加工の時ではなく)加工・製造原材料である外国貨物を当該保税展示場に入れることの承認がされた時である。《同法第4条第1項第3号の2》
3 関税法第63条第1項後段(保税運送)の規定により一括して保税運送の承認を受けて運送された外国貨物で、運送先に到着する前に亡失したものの課税物件の確定の時期は、(その運送が承認された時ではなく)発送された時である。《同法第4条第1項第5号》
5 輸入申告をした後輸入の許可を受ける前に国内に引き取られた貨物の課税物件の確定の時期は、(その引取りの時ではなく)輸入の意思が確定する輸入申告の時である。《同法第4条第1項本文》

第29問(輸入通関)
正 解  0

解 説
(正=0)

(誤=1、2、3、4、5)
1 特例委託輸入者は、特例申告貨物の輸入申告を行う際に必ず当該貨物に課されるべき関税等に相当する担保を提供するのではなく、税関長が、当該貨物の関税等の保全のために必要があると認めて金額及び期間を指定して、関税等につき担保の提供を命じた場合に限り、当該貨物に課されるべき関税等の額に相当する額の担保を提供しなければならない。《関税法第7条の8》
2 関税法第23条第2項(内国貨物船(機)用品の積込み)の規定により税関長の承認を受けて外国貿易船に積み込んだ内国貨物である船用品を国内に引き取る場合は、内国貨物の国内への引取りであるので、輸入申告をすることを要しない。《同法第2条第1項第1号、第67条》
3 関税及び消費税の免除を受けて輸入しようとするコンテナーについては、税関長へ積卸コンテナー一覧表を提出することにより関税法第67条に規定する輸入の申告があったものとみなされる。(輸入の許可があったとみなされるのでない。)《コンテナー特例法施行令第2条》
4 関税法には設問のような趣旨の規定はない。
簡易申告制度においては、法令を遵守する体制を整えている者による制度利用の利便を考慮し、あらかじめいずれかの税関長の承認を受けた者(関税法第7条の2)であれば、いずれの税関長に対して特例申告貨物に係る輸入申告を行うことができることとされている。
5 本邦に主たる事務所を有しない法人によって選任された税関事務管理人は、当該法人が行うべきものとされている税関関係手続、税関から発せられる通知書(例えば、更正通知書)の受領、還付金の受領等の事務を委任された者であるので、自ら輸入者として輸入申告をすることはできない。(当該法人が貨物を輸入する場合において、当該貨物の輸入申告を、当該法人が自ら輸入申告をするか税関事務管理人又は通関業者に代理申告させるかは、当該法人の任意である。)《関税法第95条第1項、同法第67条》

第30問(不当廉売関税)
正 解  5

解 説
(誤=5)
5 暫定的な関税の額が不当廉売関税の額より少ない場合であっても、不当廉売関税を遡及して課することができる不当廉売関税の額は、当該暫定的な関税の額が限度とされる。《関税定率法第8条第2項第1号》

(正=1、2、3、4)
1 政府は、不当廉売関税に関する調査が開始された日から60日を経過する日以後であれば、その調査の完了前においても、十分な証拠により、不当廉売された貨物の輸入の事実及び本邦の産業に与える実質的な損害等の事実を推定することができ、当該本邦の産業を保護するため必要があるときは、暫定的な関税を課することができる。《同法第8条第9項》
2 暫定的な関税は、正常価格と推定される価格と不当廉売価格と推定される価格との差額に相当する額と同額以下とされている。《同法第8条第9項第1号》
3 政府は、暫定措置がとられた貨物につき、当該貨物の輸出を取り止める旨の約束を受諾したときは、当該暫定措置を解除することになっている。《同法第8条第10項》
4 政府は、暫定措置がとられ、かつ、暫定措置がとられていた期間内に輸入された貨物については、その輸入が本邦の産業に実質的な損害を与えたと認められる場合には、不当廉売関税を遡及して課することができる。《同法第8条第2項第1号》


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