本試験問題と解答・解説


平成19年度第41回通関士試験解答  
〔通関書類の作成要領その他通関手続の実務〕(時間1時間30分)


 【申告書】
第1問 輸出申告―「家庭用電気機器等」
正 解  (a)@、(b)D 、(c)C、(d)M、(e)F

解 説
1.各貨物の統計品目番号の決定
(1) 仕入書第1項「Vacuum Cleaners,…」:8508.11-0004
  真空式掃除機で出力1,500ワット以下で2リットルのダストバッグを有するものは、第85.08項の「真空式掃除機」に該当し、電動装置を自蔵したものであるので「−電動装置を自蔵するもの」のうち、第8508.11号の「−−出力が1,500ワット以下のもの(…)」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用品目コード「4」となる。
(2) 仕入書第2項「Electro-thermic Hair dryers」:8516.31-0003
  電熱式のヘアドライヤーは、第85.16項の「…、電熱式の調髪用機器(例えば、ヘアドライヤー、…)…」に該当し、「−電熱式の調髪用機器…」のうち、第8516.31号の「−−ヘアドライヤー」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用品目コードは「3」となる。
(3) 仕入書第3項「Microwave Ovens」:8516.50-0005
  マイクロ波オーブンは、第85.16項の「…その他の家庭において使用する種類の電熱機器…」に該当し、第8516.50号の「−マイクロ波オーブン」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用品目コードは「5」となる。
(4) 仕入書第4項「Shavers with electric moter」:8510.10-0001
  電動式のかみそりは、電動装置を自蔵したものであるので第85.10項の「かみそり、…(電動装置を自蔵するものに限る。)」に該当し、第8510.10号の「−かみそり」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用品目コードは「1」となる。
(5) 仕入書第5項「Juicers with electric moter」:8509.40-1003
  電動式のジューサーは、電動装置を自蔵したものであるので第85.09項の「家庭用電気機器(電動装置を自蔵するものに限るものとし、…)」に該当し、第8509.40号の 「−食物用のグラインダー、…」の「−−ジューサー…」に分類され、細分番号は「100」、NACCS用品目コードは「3」となる。
(6) 仕入書第6項「Toothbrushes with electric moter」:8509.80-0003
  電動式の歯ブラシは、第85.09項の「家庭用電気機器(電動装置を自蔵するものに限るものとし、…)」に該当し、食物のグラインダー等ではないので第8509.80号の「−その他の機器」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用品目コードは「3」となる。
(7) 仕入書第7項「Parts for Vacuum cleaners」:8508.70-0001
  真空式掃除機の部分品は、第85.08項の「真空式掃除機」に該当し、第8508.70号の「−部分品」に分類し、細分番号は「000」、NACCS用品目コードは「1」となる。

2.同一統計品目番号のまとめ
上記1から、仕入書各項の統計品目番号は全て異なるので同一のもののまとめはない。

3.大額貨物/少額品目の判断
登録画面作成注意事項の記2により、品目番号が異なるもので申告価格が20万円以下のものについては、これらを申告価格が最も大きいものの品目番号に一括して一欄にまとめ、10桁目のNACCS用品目コードを「X」としなければならない。
このため、上記1及び2により、品目番号を決定した各品目について、申告価格が20万円以下となるかどうかを判断しなければならない。
登録画面作成注意事項の記5により、FOB価格の10%に相当する額の海上運賃及び保険料が加算されているので、少額品目の基準価格である20万円をCIF価格に換算し、それを適用為替レートで除して得られる米ドル建価格が判断基準価格となる。

(1) 判断基準価格の算出
少額品目の基準価格(FOB価格):200,000円
海上運賃及び保険料:200,000円×10%【=0.1】=20,000円
CIF価格(円):200,000円+20,000円=220,000円
CIF価格(US$):220,000円÷120.50円/US$(※)=US$1,825.72
(※)適用為替レート
   申告年月日が「平成19年10月1日」であるので、その日の属する週「平成19.9.30〜平成19.10.6」の前々週「平成19.9.16〜平成19.9.22」の週間平均値「120.50円」を適用する。
  したがって、US$1,825.72が判断基準価格となり、この価格より各統計品目番号の仕入書価格が小さければ少額品目と判断することができる。
(2)判断結果
 本設問では、8516.31-0003(仕入書第2項:US$1,650.00)、8509.80-0003(仕入書第6項:US$1,800.00)及び8508.70-0001(仕入書第7項:US$1,580.00)が少額品目となる。登録画面作成注意事項の記2に従い、申告価格の大きい8509.80-0003にまとめ、10桁目を「X」とすると、統計品目番号は8509.80-000X、仕入書価格はUS$5,030.00となる。

4.申告欄の決定及び各品目の選択肢番号の決定
 上記3までにより統計品目番号を決定したならば、申告欄及び各品目の選択肢番号を決定する。申告欄は、登録画面作成注意事項の記3により、申告価格の大きいものから順に決定し、少額品目を一欄にまとめたものについては最後の欄とする。
 ここで、仕入書価格(CIF価格)には、登録画面作成注意事項の記5により、FOB価格の10%に相当する額の海上運賃及び保険料が含まれているが、この海上運賃等はどの品目の仕入書価格にも同率で加算されているため、仕入書価格のまま申告価格の大小を判断してもかまわない。(仕入書価格のまま判断したからといって、申告価格を計算して判断した場合と比べて申告欄が異なることはない。)
 各統計品目番号の仕入書価格が大きい順に並べると次のようになり、申告欄もこの順番となるので、それに従って各統計品目番号の選択肢の番号を解答する。

 (1) US$19,920.00:8516.50-0005 → 第1欄 (a) @8516500005
 (2) US$14,300.00:8508.11-0004 → 第2欄 (b) D8508110004
 (3) US$11,040.00:8510.10-0001 → 第3欄 (c) C8510100001
 (4) US$ 3,600.00:8509.40-1003 → 第4欄 (d) M8509401003
 (5) US$ 5,030.00:8509.80-000X → 第5欄 (e) F850980000X

【参考】申告価格の計算
 輸出申告価格は、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格(FOB価格)である。《関税法施行令第59条の2第2項》
 また、その価格が外国通貨(米ドル:US$)により表示されている場合における本邦通貨への換算は、当該輸出貨物に係る輸出申告の日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の週間平均値をもって行う。《同法施行令第59条の2第4項、関税定率法第4条の7及び同法施行規則第1条》
  申告年月日が「平成19年10月1日」であるので、その日の属する週「平成19.9.30〜平成19.10.6」の前々週「平成19.9.16〜平成19.9.22」の週間平均値「120.50円」を適用する。
 なお、決済金額がCiF価格であるので、これをFOB価格へ換算する必要があり、登録画面作成注意事項の記5に基づき、仕入書の価格には東京港における本船甲板渡し価格の10%に相当する海上運賃及び保険料が加算されているとの設定から計算する。

 FOB価格の計算の仕方:
CIF=FOB+FOB×10%=FOB×1.1  ∴FOB=CIF÷1.1
1 登録画面第1欄 (a):仕入書第3項
CIF US$19,920.00
FOB 円=CIF US$19,920.00÷1.1×120.50円/US$=2,182,145円
2 登録画面第2欄 (b):仕入書第1項
CIF US$14,300.00
FOB 円=CIF US$14,300.00÷1.1×120.50円/US$=1,566,500円
3 登録画面第3欄 (c):仕入書第4項
CIF US$11,040.00
FOB 円=CIF US$11,040.00÷1.1×120.50円/US$=1,209,381円
4 登録画面第4欄 (d):仕入書第5項
CIF US$3,600.00
FOB 円=CIF US$3,600.00÷1.1×120.50円/US$=394,363円
5 登録画面第5欄 (e):仕入書第2項、第6項及び第7項
(異なる統計品目番号の少額合算)
次の計算のように、異なる統計品目番号ごとの輸出貨物の申告価格は各々20万円以下のものである。
(1) 仕入書第2項の貨物の申告価格の計算
CIF US$1,650.00
FOB 円=CIF US$1,650.00÷1.1×120.50円/US$=180,750円
(2) 仕入書第6項の貨物の申告価格の計算
CIF US$1,800.00
FOB 円=CIF US$1,800.00÷1.1×120.50円/US$=197,181円
(3) 仕入書第7項の貨物の申告価格の計算
CIF US$1,580.00
FOB 円=CIF US$1,580.00÷1.1×120.50円/US$=173,081円
これらを合算して第5欄にまとめる。
CIF US$(1,650.00+1,800.00+1,580.00)=US$5,030.00
FOB 円=CIF US$5,030.00÷1.1×120.50円/US$=551,013円

第2問 輸入(納税)申告−「化粧品類」
正 解  
(a)E、(b)K、(c)H、(d)@、(e)D
(f)3929350、(g)1849106、(h)1802878、(i)1609749、(j)357237

解 説
1.各輸入貨物の品目分類
(1) 仕入書第1項「Toilet powders 50g/pc」:3304.91-0103(協定:無税)
おしろいは、第33.04項の「美容用、メーキャップ用…の調製品」に該当し、「その他のもの」のうち第3304.91号の「パウダー(固形にしたものを含む。)」の「−おしろい」に分類され、統計細分番号は「010」、NACCS用品目コードは「3」となる。
(2) 仕入書第2項「Shampoos 40ml/pc」:3305.10-0002(協定:無税)
シャンプーは、第33.05項の「頭髪用の調製品」に該当し、第3305.10号の「シャンプー」に分類され、統計細分番号は「000」、NACCS用品目コードは「2」となる。
(3) 仕入書第3項「Foundation creams 220g/pc」:3304.99-0113(協定無税)
化粧下は、第33.04項の「美容用、メーキャップ用等の調製品」に該当し、「その他のもの」のうち第3304.99号の「その他のもの」の「−クリームその他油、脂又はろうをもととした調整品」の「――化粧下」に分類され、統計細分番号は「011」、NACCS用品目コードは「3」となる。
(4) 仕入書第4項「After-shave preparations 150ml/pc」:3307.10-0005(協定:4.8%)
ひげそり後用の調製品は、第33.07項の「ひげそり前用、…又はひげそり後用の調製 品、…」に該当し、第3307.10号の「ひげそり前用、…又はひげそり後用の調製品」に分類され、統計細分番号は「000」、NACCS用品目コードは「5」となる。
(5) 仕入書第5項「Dentifrices 150g/pc 」:3306.10-0000(基本:無税)
歯磨きは、第33.06項の「口腔衛生用の調整品…」に該当し、第3306.10号の「歯磨き」に分類され、統計細分番号は「000」、NACCS用品目コードは「0」となる。
(6) 仕入書第6項「Hair cream 150g/pc」:3305.90-0102(協定:無税)
ヘアクリームは、第33.05項の「頭髪用の調製品」に該当し、第3305.90号の「その他のもの」の「−香髪油、クリーム、…」に分類され、統計細分番号は「010」、NACCS用品目コードは「2」となる。
(7) 仕入書第7項「Pomade 120g/pc」:3305.90-0102(協定:無税)
ポマードは、第33.05項の「頭髪用の調製品」に該当し、第3305.90号の「その他のもの」の「−香髪油、クリーム、ポマード…」に分類され、統計細分番号は「010」、NACCS用品目コードは「2」となる。

2.同一品目番号となる品目の合算
 上記1から、仕入書第6項「Hair cream 150g/pc」と仕入書第7項「Pomade 120g/pc」とは、同一の品目番号(3305.90-0102)になるので、登録画面作成注意事項の記2により、合算して一欄にまとめる。合算後の当該品目の仕入書価格は、「US$12,536.00」となる(下記の4−(5)参照)。

3.大額品目/少額品目の判断
 登録画面作成注意事項の記2により、品目番号が異なるもので申告価格が20万円以下のものについては、これらを申告価格が最も大きいものの品目番号に一括して一欄にまとめ、10桁目のNACCS用品目コードを「X」としなければならない。
 このため、上記1及び2により、品目番号を決定した各品目について、申告価格が20万円以下となるかどうかを判断しなければならない。
 登録画面作成注意事項の記6により、G/W1kgにつき2.10米ドルの海上運賃及び保険料が加算されており、登録画面作成注意事項の記7により、価格按分することとされているので、少額品目の基準価格である20万円をFOB価格に換算して、それを適用為替レートで除して得られる米ドル建価格が判断基準価格となる。
(注)輸入者(買手)が本邦の商社に支払う通関手続手数料
関税定率法第4条第1項各号(課税価格に算入すべき限定列挙加算費用)に規定する課税価格に算入すべき限定列挙加算費用に該当しないので、輸入貨物の課税価格に算入してはならない。
(1) 判断基準価格の算出
本設問における判断基準価格は、次の算式によって求めることができる。

判断基準価格= ( a / b ) × ( c / d )
a = FOB価格総額
b = 輸入申告価格総額
c = 少額貨物基準価格20万円
d = 輸入申告の日の適用為替レート
                   
少額品目の基準価格(申告価格):200,000円
FOB価格総額:US$74,358.00
運賃及び保険料:G/W2,800kgs × US$2.10/kg = US$5,880.00
輸入申告価格総額:US$74,358.00 + US$5,880.00  = US$80,238.00
FOB価格(US$):
( US$74,358.00 / US$80,238.00 ) × ( 200,000円 / 119.00円/US$ (※)) = US$1,557.50
(※)適用為替レート

申告年月日が「平成19年10月7日」であるので、その日の属する週「平成19.10.7〜平成19.10.13」の前々週「平成19.9.23〜平成19.9.29」の週間平均値「119.00円」を適用する。
したがって、US$1,557.50が判断基準価格となり、この価格より各統計品目番号の仕入書価格が小さければ少額品目と判断することができる。
(2) 判断結果
本設問では、3305.10-0002(仕入書第2項:US$1,270.00)及び3306.10-0000(仕入書第5項:US$1,512.00)が少額品目となる。登録画面作成注意事項の記2に従い、申告価格の大きい3306.10-0000にまとめ、10桁目を「X」とすると、統計品目番号は3306.10-000X、仕入書価はUS$2,782.00となる。
 (注)  登録画面作成注意事項2においては、申告価格が最も大きいものである品目番号のものに一括して一欄にまとめる。」とだけされていて、「適用する関税率」については考慮しなくてもよいとされているので、適用する関税率(3305.10-0002:協定税率・無税、3306.10-0000:基本税率・無税)に関係なく、申告価格が最も大きい品目番号3306.10-0000に一括して一欄にまとめる。
  なお、この一括方法は、関税法基本通達67-4-17(関税率表等の分類の特例扱い)−(1)に規定するいずれの一括方法にも該当しない。

4.各品目の申告価格の算出

 登録画面作成注意事項の記6により、輸入者は、仕入書価格の外に本邦輸入港到着までの運賃及び保険料をG/W1kgにつき2.10米ドルを本邦において支払うことになっている。
また、登録画面作成注意事項の記7により、上記の仕入書価格に加算する運賃及び保険料の各輸入貨物の申告価格への振り分けは、価格按分とされている。
  このため、各輸入貨物の申告価格は、次の算式により算出する。
各輸入貨物の仕入書価格 ×  輸入申告価格総額 US$80,238.00  × 119.00円/US$
  FOB価格総額  US$74,358.00
(1) 3304.91-0103:仕入書第1項
US$30,600.00×US$ 80,238.00/US$74,358.00×119.00円/US$=3,929,350円
(2) 3304.99-0113:仕入書第3項
US$14,400.00×US$ 80,238.00/US$74,358.00×119.00円/US$=1,849,106円
(3) 3307.10-0005:仕入書第4項
US$14,040.00×US$ 80,238.00/US$74,358.00×119.00円/US$=1,802,878円
(4) 3306.10-000X:仕入書第5項
US$ 2,782.00×US$ 80,238.00/US$74,358.00×119.00円/US$=357,237円
(5) 3305.90-0102:仕入書第6項
US$12,536.00×US$ 80,238.00/US$74,358.00×119.00円/US$=1,609,749円

5.申告欄の決定及び各品目の選択肢番号の決定
 上記5により、各品目の申告価格の算出をし、申告欄及び各品目の選択肢番号を決定する。申告欄は、登録画面作成注意事項の記3により、申告価格の大きいものから順に決定し、少額品目を一欄にまとめたものについては最後の欄とする。
 各品目番号の申告価格が大きい順に並べると次のようになり、申告欄もこの順番となるので、それに従って各品目番号の選択肢の番号を解答する。
(1) 3,929,350円:3304.91-0103 → 第1欄 (a) @3304910103
(f) 3929350
(2) 1,849,106円:3304.99-0113 → 第2欄 (b) D3304990113
(g) 1849106
(3) 1,802,878円:3307.10-0005 → 第3欄 (c) C3307100005
(h) 1802878
(4) 1,609,749円:3305.90-0102 → 第4欄 (d) M3305900102
(i) 1609749
(5) 357,237円:3306.10-000X → 第5欄 (e) F330610000X
(j) 357237

第3問 輸入(納税)申告−「調整食料品」
正 解 
(a)C、(b)A、(c)@、(d)F、(e)L
(f)2336625、(g)1892962、(h)1109157、(i)257071、(j)397409

解 説
1.各輸入貨物の品目分類
(1) 仕入書第1項「French dressing 250ml/pc」:2103.90-1203(協定:10.5%)
  フレンチドレッシングは、第21.03項の「ソース、…」に該当し、第2103.90号の「その他のもの」のうち「1 ソース」の「(2)フレンチドレッシング…」に分類され、統計細分番号は「120」、NACCS用品目コードは「3」となる。
(2) 仕入書第2項「Soya sauce 200ml/pc」:2103.10-0005(協定:7.2%)
醤油は、第21.03項の「ソース…」に該当し、第2103.10号の「醤油」に分類され、統計細分番号は「000」、NACCS用品目コードは「5」となる。
(3) 仕入書第3項「Mustard flour,…」:2103.30-1001(協定:9%)
マスタードの粉で小売用の容器入りにしたものは、第21.03項の「ソース、…、マスタードの粉…」に該当し、第2103.30号の「マスタードの粉…」の「1 小売用の容器入りにしたもの」に分類され、統計細分番号は「100」、NACCS用品目コードは「1」となる。
(4) 仕入書第4項「Instant curry 400g/pc」:2103.90-2102(協定:7.2%)
インスタントカレーは、第21.03項の「ソース、ソース用の調製品、混合調味料、・・・」に該当し、第2103.90号の「その他のもの」のうち「2 その他のもの」の「(1)インスタントカレー…」に分類され、統計細分番号は「210」、NACCS用品目コードは「2」となる。
(5) 仕入書第5項「Worcester sauce 1.8l/pc 」:2103.90-1306(協定:7.2%)
ウォーセスターソースは、第21.03項の「ソース、…」に該当し、第2103.90号の「その他のもの」のうち「1 ソース」の「(3)その他のもの」に分類され、統計細分番号は「130」、NACCS用品目コードは「6」となる。
(6) 仕入書第6項「Salad dressing 250ml/pc」:2103.90-1203(協定:10.5%)
サラダドレッシングは、第21.03項の「ソース、…」に該当し、第2103.90号の「その他のもの」の「1 ソース」の「(2)フレンチドレッシング及びサラダドレッシング」に分類され、統計細分番号は「120」、NACCS用品目コードは「3」となる。
(7) 仕入書第7項「Tomato sauce 180g/pc」:2103.20-0901(協定:17%)
トマトソースは、第21.03項の「ソース、…」に該当し、第2103.20号の「トマトケチャップその他のトマトソース」の「2 その他のトマトソース」に分類され、統計細分番号は「090」、NACCS用品目コードは「1」となる。

2.同一品目番号となる品目の合算
 上記1から、仕入書第1項「French dressing 250ml/pc」と仕入書第6項「Salad dressing 250ml/pc」とは、同一の品目番号(2103.90-1203)になるので、登録画面作成注意事項の記2により、合算して一欄にまとめます。合算後の当該品目の仕入書価格は、「US$15,800.00」となる(下記の4−(1)参照)。

3.大額品目/少額品目の判断
 登録画面作成注意事項の記2により、品目番号が異なるもので申告価格が20万円以下のものについては、これらを申告価格が最も大きいものの品目番号に一括して一欄にまとめ、10桁目のNACCS用品目コードを「X」としなければならない。
 このため、上記1及び2により、品目番号を決定した各品目について、申告価格が20万円以下となるかどうかを判断しなければならない。
 登録画面作成注意事項の記6により、G/W1kgにつき2.20米ドルの運賃及び保険料が加算されており、登録画面作成注意事項の記7により、価格按分することとされているので、少額品目の基準価格である20万円をFOB価格に換算して、それを適用為替レートで除して得られる米ドル建価格が判断基準価格となる。
(1) 判断基準価格の算出
本設問における判断基準価格は、次の算式によって求めることができる。

判断基準価格= ( a / b ) × ( c / d )
a = FOB価格総額
b = 輸入申告価格総額
c = 少額貨物基準価格20万円
d = 輸入申告の日の適用為替レート

少額品目の基準価格(申告価格):200,000円
FOB価格総額:US$40,654.00
運賃及び保険料:G/W4,200kgs×US$2.20/kg=US$9,240.00
輸入申告価格総額:US$40,654.00+US$9,240.00=US$49,894.00

FOB価格(US$):
( US$40,654.00 / US$49,894.00 ) × ( 200,000円 / 120.50円/US$ (※)) = US$1,352.37
(※)適用為替レート
申告年月日が「平成19年10月1日」であるので、その日の属する週「平成19.9.30〜平成19.10.6」の前々週「平成19.9.16〜平成19.9.22」の週間平均値「120.50円」を適用する。
したがって、US$1,352.37が判断基準価格となり、この価格より各統計品目番号の仕入書価格が小さければ少額品目と判断することができる。
(2) 判断結果
  本設問では、2103.10-0005(仕入書第2項:US$1,344.00)及び2103.20-0901(仕入書第7項:US$1,350.00)が少額品目となります。登録画面作成注意事項の記2に従い、申告価格の大きい2103.20-0901にまとめ、10桁目を「X」とすると、統計品目番号は2103.20-090X、仕入書価格はUS$2,694.00となる。
 (注)登録画面作成注意事項2においては、申告価格が最も大きいものである品目番号のものに一括して一欄にまとめる。」とだけされていて、「適用する関税率」については考慮しなくてもよいとされているで、適用する関税率(2103.10-0005:協定税率・7.2%、2103.20-0901:協定税率・17%)に関係なく、申告価格が最も大きい品目番号2103.20-0901に一括して一欄にまとめる。
  なお、結果として、関税法基本通達67-4-17(関税率表等の分類の特例扱い)−(1)−イ(適用される関税率が最も高い品目に一括)に規定する一括方法となる。

4.各品目の申告価格の算出
 登録画面作成注意事項の記6により、輸入者は、仕入書価格の外に本邦輸入港到着までの運賃及び保険料をG/W1kgにつき2.10米ドルを本邦において支払うことになっている。
また、登録画面作成注意事項の記7により、上記の仕入書価格に加算する運賃及び保険料の各輸入貨物の申告価格への振り分けは、価格按分とされている。
 このため、各輸入貨物の申告価格は、次の算式により算出する。
 各輸入貨物の仕入書価格 × 輸入申告価格総額 US$49,894.00 × 120.50円/US$
  FOB価格総額   US$40,654.00
(1) 2103.90-1203:仕入書第1項
US$15,800.00×US$49,894.00/US$40,654.00×120.50円/US$=2,336,625円
 (2) 2103.30-1001:仕入書第3項
  US$ 7,500.00×US$49,894.00/US$40,654.00×120.50円/US$=1,109,157円
 (3) 2103.90-2102:仕入書第4項
  US$ 1,860.00×US$49,894.00/US$40,654.00×120.50円/US$= 275,071円
 (4) 2103.90-1306:仕入書第5項
  US$12,800.00×US$49,894.00/US$40,654.00×120.50円/US$=1,892,962円
 (5) 2103.20-090X:仕入書第6項
  US$ 2,694.00×US$49,894.00/US$40,654.00×120.50円/US$= 398,409円

5.申告欄の決定及び各品目の選択肢番号の決定
 上記4により、各品目の申告価格の算出をし、申告欄及び各品目の選択肢番号を決定する。申告欄は、登録画面作成注意事項の記3により、申告価格の大きいものから順に決定し、少額品目を一欄にまとめたものについては最後の欄とする。
 各品目番号の申告価格が大きい順に並べると次のようになり、申告欄もこの順番となるので、それに従って各品目番号の選択肢の番号を解答する。
(1) 2,336,625円:2103.90-1203 → 第1欄 (a) C2103901203
(f) 2336625
(2) 1,892,962円:2103.90-1306 → 第2欄 (b) A2103901306
(g) 1892962
(3) 1,109,157円:2103.30-1001 → 第3欄 (c) @2103301001
(h) 1109157
(4) 275,071円:2103.90-2102 → 第4欄 (d) F2103902102
(i) 275071
(5) 398,409円:2103.20-090X → 第5欄 (e) L210320090X
(j) 398409

 【選択式】
第4問(課税価格の決定)
正 解  2、4、5

解 説
(正=2、4、5)
2 課税価格に算入される運賃は、輸入港到着までの国際輸送に係る運賃である。したがって、輸入貨物の仕入書価格に当該輸入貨物が本邦の輸入港に到着した後の国内運送に要する運賃が含まれていて、その含まれている国内運送に要する運賃の額を明らかにすることができるときは、当該運賃の額を控除して課税価格を計算する。《関税定率法第4条第1項、同法施行令第1条の4第2号》
4 航空機により運送されてきた無償の見本である輸入貨物の課税価格を航空機運送に係る運賃及び保険料によって計算した場合において、その課税価格(運賃及び保険料ではない)が20万円以下となったときに限り、航空機以外の通常の運送方法による運賃及び保険料の額に基づいて、当該輸入貨物の課税価格を計算する。《同法第4条の6第1項、同法施行令第1条の12第1項》
5 航空機により運送されてきた取替えのため無償で輸入される貨物については、航空機運送に係る運賃及び保険料によって計算した課税価格が20万円を超える場合であって も、常に航空機以外の通常の運送方法による運賃及び保険料の額に基づいて、当該貨物の課税価格を計算する。《同法第4条の6第1項後段、同法施行令第1条の12第2項第7号》

(誤=1、3)
1 輸入貨物の課税価格に含まれる運賃は、当該輸入貨物が本邦の輸入港に到着するまでの国際輸送に要した運賃である。したがって、輸出国内における運送に要した運賃、輸出国から積出港までの途中経由国内の運送に要した運賃及び積出港からおいて本邦の輸入港に到着するまでの国際輸送に要した運賃は、当該輸入貨物の課税価格に算入する(含まれる)が、輸入港到着後の国内運送に要した明らかな国内運賃は、当該輸入貨物の課税価格に算入しない(含まれない)。《同法第4条第1項第1号、同法施行令第1条の4第2号》
3 輸入貨物の仕入書価格に本邦の輸入港に到着した後の国内運送に要する運賃が含まれている場合において、その含まれている国内運送に要する運賃の額を明らかにすることができないときは、その明らかにすることができない国内運送に要する運賃の額を含んだ仕入書価格をもって課税価格を計算する(国内運送に要する運賃の額を明らかにすることができないからといって、国内運送に通常要すると認められる運賃の額を控除して課税価格を計算してはならない。)。(同法施行令第1条の4、第1項第2号)。

第5問(関税率表の所属の決定)
正 解  2、4、5

解 説
(正=2、4、5)
2 二以上の機械を結合して一の複合機械を構成するもの及び二以上の補完的又は選択的な機能を有する機械は、文脈により別に解釈される場合を除くほか、主たる機能に基づいてその所属が決定される。《第16部注3》
4 モニター及びプロジェクターは、単独で提示される場合には、第84.71項には分類されず、第85.28項の規定により同項に分類される。《第84類注5(D)(D)》
5 二以上の用途に供する機械は、主たる用途が特定でき、かつ、当該主たる用途がいずれかの項で定められている場合には、当該主たる用途に基づいてその所属が決定される。
 《第84類注7》

(誤=1、3)
1 革製品及びコンポジションレザー製品並びに毛皮製品で、機械類その他の技術的用途に供する種類のものは、第16部から除外され、それぞれの該当する項に分類される。《第16部注1(b)、第42.05項:革製品及びコンポジションレザー製品、第43.03項:毛皮製品》
3 プリンター、複写機及びファクシミリは、単独で提示される場合には、第84.71項に分類されずに、第84.43項の規定により同項に分類される。《第84類注5(D)(@)》

 【計算式】
第6問(過少申告加算税の計算)
正 解  49,000円

解 説
1.修正申告により納付すべき関税額(増差関税額)の算出
 (1) 修正申告前の関税額(納付済みの関税額)
    10,674,320円
       ▼ 千円未満の端数切捨て
    10,674,000円  × 適用関税率8.4% =   896,616円
                                                                            ▼ 百円未満の端数切捨て
                                           896,600円
 (2) 修正申告後の関税額(本来納付すべき関税額)
    12,812,935円
       ▼ 千円未満の端数切捨て
    12,812,000円  × 適用関税率10.9% =  1,396,508円
                                                                             ▼ 百円未満の端数切捨て
                                            1,396,500円
 (3) 修正申告により納付すべき後の関税額(追加納付すべき増差関税額)
      本来の納付すべき関税額1,396,500円 − 納付済み関税額896,600円
    =追加納付すべき増差関税額499,900円

2.修正申告により納付する増差関税額に対する過少申告加算税額の算出
 (1) 過少申告加算税額を算出する場合の基準額
   当初申告税額と500,000円とを比較して、いずれか多い額を基準額とする。
      当初申告税額896,600円 > 500,000円
       当初申告税額896,600円の方が多いので、896,600円を基準額とする。
 (2) 修正申告によって納付する増差税額499,900円に対する過少申告加算税額
@ 10%の基本過少申告加算税
           499,900円
           ▼ 1万円未満の端数処理
              490,000円 × 10%  =  49,000円
A 5%の加重過少申告加算税
  修正申告により納付する増差税額が、基準額の896,600円を超える場合には、その超える部分の額(増差税額と基準額との差額)に、5%の加重過少申告加算税が課される。
   修正申告による増差税額499,900円 < 基準額896,600円
  修正申告により納付する増差税額が、基準額の896,600円を超えないので、5%の加重過少申告加算税が課されない。
B 修正申告によって納付する増差税額499,900円に対する過少申告加算税額
      @ 49,000円  + A 0円 = 49,000円

第7問(課税価格の計算)
正 解  9,755,000円

解 説 (注)(  )内の数字は、設問の番号。
1 特殊機械の仕入書価格 CIF8,000,000円(2)…………………………………算入
2 当該特殊機械の1年間の保証費 500,000円(3−イ)…………………………算入
本来であれば、1年間の保証付き特殊機械の価格に含まれるべき保証費を、売手と買手との取決めにより、売手の在日代理店に別途支払うものであるので、特殊機械の課税価格に算入しなければならない。《関税定率法第4条第1項本文、同法基本通達4−2の4−(1)》
3 当該特殊機械のMの工場への据付作業費(3−ロ)……………………………不算入
  輸入貨物の輸入申告の時の属する日(輸入申告の日)以後に行われる特殊機械の据付費用は、関税定率法第4条1項各号(課税価格に算入すべき費用)ではないので、特殊機械の課税価格に算入してはならない。《同法施行令第1条の4第1項第1号》
4 金型の生産費及び輸出運賃保険料 900,000+40,000円(4−ニなお書、4−ロ)……………算入
  輸入貨物である特殊機械の生産のために使用された金型は、本来であれば売手が自ら有償で調達するものであるので、金型を有償で調達した場合には当該調達費用を輸出販売原価に算入した上で輸入取引価格を設定する。このため、売手が自ら有償で金型を調達することなく、買手から無償で金型の提供を受けた場合には、その輸入取引価格は、無償提供を受けた金型(特殊関係者から取得した場合は生産費)の提供費用相当額(金型の生産費及び輸出のための費用)だけ低額になっている。
  今回の事例において買手は、無償提供した金型を含めて輸入貨物を購入したことになるので、当該金型の生産費及び輸出のための費用は当該輸入貨物の課税価格に算入しなければならない。
  なお、課税価格に含める額について、Mと特殊関係にあるKから購入した価格の85万円とKによる生産費の90万円のいずれかとするかについては、通達において買手が、当該物品を自己と特殊関係にある生産者から取得した場合には、当該物品の生産費によることとされている。したがって90万円を算入することとなる。《同法第4条第1項第3号ロ、同法基本通達4−12−(5)イ、ハ》
5 消費された機械油及び機械油の運賃保険料 300,000円+15,000円(4−ハ、4−ニ)………算入
  輸入貨物の生産の過程で消費された機械油は、本来であれば売手が自ら有償で調達するものであるので、機械油を有償で調達した場合には当該調達費用を輸出販売原価に算入した上で輸入取引価格を設定する。このため、売手が自ら有償で機械油を調達することなく、買手から無償で機械油の提供を受けた場合には、その輸入取引価格は、無償提供を受けた機械油の提供費用相当額(機械油の取得費用及び売手に提供するための運賃保険料費用)だけ低額になっている。
  今回の事例において買手は、無償提供した機械油を含めて輸入貨物を購入したことになるので、当該機械油の取得費用及び、売手に提供するための運賃保険料費用は、当該輸入貨物の課税価格に算入しなければならない。《同法第4条第1項第3号ハ、同法基本通達4−12(3)、(5)ハ》
7 8,000,000+500,000+900,000+40,000+300,000+15,000=9,755,000

第8問(課税価格の計算)
正 解 円 5,400,000円

解 説 (注)(  )内の数字は、設問の番号。
1 特殊事務用機器 CIF5,000,000円(2−イ)……………………………………算入
2 整備費 (1年目) (2−ニ)………………………………………………………不算入
当該整備費は、現実支払い価格及び限定列挙された加算要素に該当しないため、当該輸入貨物の課税価格に算入してはならない。《同法第4条第1項本文、及び同項各号》
3 前払値引き 100,000円(3)………………………………………………………控除
  当該10%の前払値引きは、値引き後の価格が輸入取引価格であるので、5,000,000円から100,000円を控除した4,900,000円が、現実支払価格である。《同法第4条第1項本文》
4 為替変動調整金 500,000円(3)…………………………………………………算入
  売手と買手との売買契約に、為替相場の変動分を調整する旨の取り決めがある場合は、当該為替変動に係る調整後の価格が、輸入取引価格である。
  本件の場合、売手から仕入書に為替変動調整金500,000円が請求されているので、当該為替変動調整金500,000円を含めて輸入貨物を購入したことになり、当該為替変動調整金500,000円を、課税価格に算入しなければならない。《同法第4条第1項本文、同法基本通達4−2(3)ニ》
5 5,000,000−100,000+500,000=5,400,000

第9問(課税価格の計算)
正 解 円 6,180,000円

解 説 (注)(  )内の数字は、設問の番号。
1 仕入書価格 CIF3,000,000円(2)………………………………………………算入
2 当該婦人服の生地及び生地提供に要した運賃及び保険料 1,500,000円及び300,000円(3−イ、3−ハ)…………………………………………………………………………………算入
 輸入貨物である婦人服の生産のために無償提供された生地は、本来であれば売手が自ら有償で調達するものであり、その場合には当該調達費用を輸出販売原価に算入した上で輸入取引価格を設定する。このため、売手が自ら有償で生地を調達することなく、買手から無償で生地の提供を受けた場合には、その輸入取引価格は、無償提供を受けた生地の提供費用相当額(生地の購入費用及び売手に届けるための運賃保険の費用)だけ低額になっている。
  今回の事例において買手は、無償提供した生地を含めて輸入貨物を購入したことになるので、当該生地購入費用及び、売手に届けるための運賃保険の費用は当該輸入貨物の課税価格に算入しなければならない。《同法第4条第1項第3号イ、同法基本通達4−12(5)ハ》
3 Zに対する買付手数料 30,000円(3−ロ)………………………………………算入
  加算要素から除かれる買付手数料は「当該輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される買付け手数料」である。
  第三国 から無償提供される原材料に係る買付手数料は、輸入取引に係るものではなく、かつ、本来であれば売手が自ら有償で生地を調達するものであり、その場合には当該調達費用を、輸出販売原価に算入した上で輸入取引価格を設定する。このため、売手が自ら有償で生地を調達することなく、買手から無償で生地の提供を受けた場合には、その輸入取引価格は、無償提供を受けた生地の提供費用相当額(生地の取得費用、売手に提供するための運賃保険料費用及び買付手数料)だけ低額になっている。
  したがって、Zに対する買付手数料は、当該婦人服の課税価格に算入しなければならない。《同法第4条第1項第3号イ》
4 A国において作成した当該輸入服のデザイン1,200,000円(3−ニ)……………算入
  輸入貨物の生産に関して無償提供された、本邦以外(A国;輸出国)において作成した当該輸入服のデザインの費用は、当該婦人服の課税価格に算入しなければならない。《同法第4条第1項第3号ニ、同法施行令第1条の5第2項》デザイナーの国籍は問わない。あくまでも開発した場所が、本邦か否かで判断する。
5 運賃特例に係る海上運賃(4)150,000円…………………………………………算入
  輸入取引に係る契約において航空機による運送以外の運送方法により運送されることとされていた婦人服が、生産遅れにより本邦への到着が遅延するおそれが生じたので、航空運送にかえ当該運賃を売手が負担したものであるため、輸入者の責めに帰することができない理由による、航空運送貨物に係る課税価格の決定の特例に該当する。従って、輸入者が当初手配した海上運賃及び保険料の見積額の150,000円を課税価格に算入する。《同法第4条の6第1項後段、同法施行令第1条の12第2項第6号》これは輸入者の責めに帰さない費用負担を救済するものである。
6 3,000,000+1,500,000+30,0000+1,200,000+150,000=6,180,000

 【択一式】
第10問(課税価格の決定)
正 解  0

解 説
(正=なし、誤=1、2、3、4、5)
1 賃貸借契約に基づいて輸入される貨物は、契約の中に購入できる条項が入っていたとしても、賃貸借契約に変わりはなく、当該購入条項の価格は輸入取引価格ではないので、当該価格を基に関税定率法第4条第1項の規定により、当該輸入貨物の課税価格を計算することはできない。《関税定率法第4条第1項本文、同法基本通達4−1の2(1)》
2 加算要素である、輸入港に到着するまでの運送に係る保険料は、現実支払価格に、含まれてない限度において、その額がある場合に加算されるもので、見積もり保険料は加算してはいけない。《同法第4条第1項本文》
3 輸入貨物の輸入取引の条件として支払われる当該輸入貨物に係る権利の使用に伴う対価のうち、当該輸入貨物の課税価格に算入されるのは、設問に掲げられている当該輸入貨物に係る特許権等の使用に伴う対価に限られたもののみでなく、特別の技術による生産方式その他のロイヤルティ又はライセンス料の支払いの対象となるものも含まれる。《同法第4条第1項第4号、同法施行令第1条の5第3項》
4 買手による輸入貨物の使用について、我が国の法令により制限が課されている場合であっても当該輸入貨物の取引価格を、課税価格とすることができる。《同法第4条第2項第1号》これは、輸入者は我が国の法令を守る義務があるので課税価格の決定を困難とする制限には該当しないとするものである。
5 輸入貨物に係る輸入取引が延払条件付取引である場合であっても、当該延払条件付取引であることが、当該輸入貨物の課税価格の決定を困難とする条件が当該輸入貨物の輸入取引に付されている場合に該当するものではない。
  延払金利の額が明らかな場合は当該金利を控除し、延払金利の額が明らかでない場合は当該金利を控除せず、課税価格の決定の原則により課税価格を計算する。《同法第4条第2項各号、同法施行令第1条4ただし書、同第4号》これは輸入取引価格を最優先する法の主旨にによるものである。

第11問(関税率表の所属の決定)
正 解  4
(正=(A−c、B−a、C−c、D−a、E−c))

解 説
 表の右欄と左欄との関係は、次頁の表とおりである。
 表の左欄に含まれないものの組合せは、次のとおりである。
A−a インスタントコーヒーは、コーヒーの調製品として第21.01項に分類される。 《第2101.11号−210、第2101.12号―121》
A−b 野菜ジュースは、第20.09項の規定により同項に分類される。
B−b エチルアルコールは、化学的に純粋なものであっても第29類には分類されず、アルコール分が80%以上のものは第22.07項、アルコール分が80%未満のものは22.08項に分類される。《第29類注2(b)》
B−c プロパンは、第29類からり除外され、ガス状炭化水素として第27.11項に分類される。《第29類注2(c)》
C−a 木製人形は、第44類の木製品から除外され、人形として第95.03項に分類される。《第44類注1(p)》
C−b 木製テーブルは、第44類の木製品から除外され、その他の家具として第94.03項に分類される。《第44類注1(o)》
D−b 電話機は、第85.17項の規定により同項に分類される。
D−c 電気導体は、第85.44項の規定により同項に分類される。
E−a エアコンディショナーは、第84.15項の規定により同項に分類される。
E−b 電気洗濯機は、家庭用又は営業用の洗濯機にかかわらず、第84.50項の規定により同項に分類される。
 したがって、これらの組合せを含んでいないものが正しい組合せ4である。

関税率表の類 物品 関税率表の項
A 第22類(飲料、アルコール及び食酢) a インスタントコーヒー 第21.01項
b 野菜ジュース 第20.09項
c 鉱水(ミネラルウォーター) 第22.02項
B 第29類(有機化学品) a ビタミンA 第29.36項
b エチルアルコール 第22.07,第22.08項
c プロパン 第27.11項
C 第44類(木材及びその製品並びに木炭) a 木製人形 第95.03項
b 木製テーブル 第94.03項
c 木製建具 第44.18項
D 第84類(機械類及びそ の部分品等) a 冷蔵庫 第84.18項
b 電話機 第85.17項
c 電気導体 第85.44項
E 第85類(電気機器及びその部分品等) a エアコンディショナー 第84.15項
b 電気洗濯機 第84.50項
c ビデオの再生用の機器 第85.21項

第12問(関税率表の所属の決定)
正 解  5

解 説
(正=5)
5 第95.03項のがん具には、意匠、形状又は構成材料から専ら動物用と認められるペット用がん具は含まれず、材質に応じてそれぞれの該当する項に属する。《第95類注5》

(誤=1、2、3、4)
1 第84.86項のフラットパネルディスプレイの製造に専ら又は主として使用する機器には、陰極線管製造用のものを含まないとされている。《第84類注9(B)》
2 第85.42項の集積回路とは、モノリシック集積回路、ハイブリッド集積回路及びマルチチップ集積回路をいうと規定されているが、超小型組立は当該規定に含まれていない。《第85類注8(b)(@)〜(B)》
3 第85.42項のマルチチップ集積回路は、絶縁基板が一以上であるかないか、リードフレームがあるかないかを問わないものとし、その他の能動又は受動回路素子を含まないとされている。《第85類注8(b)(B)》
4 武器用望遠照準器は、第93類の武器及び附属品等から除外(第93.05項の武器の部分品には分類されない。)され、光学機器として第90類に属し、第9013.10号の規定により同号に分類される。《第93類注1(d)、第90類注4》

第13問(関税率表の所属の決定)
正 解  1

解 説
(正=1)
1 第38.25項の都市廃棄物には、都市廃棄物から分別された個々の物質又は物品(プラスチック、ゴム、紙、ガラスなどのくず)で、関税率表の他の項に属するものを含まないとされている。《第38類注4(a)》

(誤=2、3、4、5)
2 化学品と食用品その他の栄養価を有する物質との混合物で食料品の調製に使用する種類のものは、主として第21.06項の調製食料品に分類される。《第38類注1(b)》
3 歯科用に特に焼き又は細かく粉砕したプラスターは、第30類の医薬用品に分類されず、第25.20項の規定により同項に分類される。《第30類注1(b)》
4 抗生物質は、第30類の医薬用品に分類されず、第29.41項の規定により同項に分類される。
5 航空用エンジンは、第88.03項の航空機の部分品に分類されず、第8407.10号の規定により同号に分類される。《第17部注2(c)》


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