本試験問題と解答・解説


平成15年度第37回通関士試験問題
  

〔通関書類の作成要領その他通関手続の実務〕(時間1時間30分)

〔記述式〕

第1問 輸出申告書の作成

別紙の仕入書及び下記事項により、「食品調理用機器」の輸出申告書を作成しなさい。
なお、答案用輸出申告書への記入は、既に記入済の欄、斜線で抹消してある欄及び※印の欄以外の箇所について行うこととし、和文又は英文で記入しなさい。

1 統計品目番号は、別添1の「輸出統計品目表」(抜すい)を参照して記入する。

2 統計品目番号が同一となるものがあるときはこれらをまとめることとし、統計品目番号が異なるものの価格が20万円以下のものであるものについては、さらにこれらを一括して、代表品名により、輸出申告書の一欄に記入する。
なお、20万円以下のものを一括した場合には「統計品目番号」欄に×印を、また、「単位」欄及び「数量」欄については、単位が同一のものについて、正味数量に係るものを記入する。

3 別紙の仕入書に記載されている「FOR RESTAURANT PURPOSES」は業務用のものであることを、「FOR DOMESTIC PURPOSES」は家庭用のものであることを指し、これらの表示については、「品名」欄に記載することを要しない。

4 別紙の仕入書に記載されている米ドル建価格の本邦通貨への換算は、別添2の「実勢外国為替相場の週間平均値」を参照して行う。

5 この申告書の申告年月日は、平成15年10月10日とする。

6 この申告書の審査を行った通関士は、「財務太郎」とする。

7 押印を必要とする箇所には、「印」を記入する。

(別紙)

INVOICE


     Seller                        Invoice No. and Date
     ZAIMU TRADING CO., LTD.             ZTC-0930  Sep.30th,2003
     1-1, 3-chome,Kasumigaseki           Reference No. 
     Chiyoda-ku, Tokyo, JAPAN             Order No.SKT 03-1005
 Buyer
  U.S.MACHINERY IMPORT CO.,LTD.
   17IN NORTH STREET,LONGBEACH
   CA., U.S.A.
 Country of Origin:JAPAN
 L/C No.      Date
  TOKLC-0729   Sep.14th,2003
 Vessel or   On or about
  NIHON MARU Oct.15th,2003      
 Issuing Bank
  CALIFORNIA BANK
 From          Via
  Tokyo,JAPAN
 To
  Longbeach,U.S.A.
 Other Payment Terms
  
Marks and Nos. Description of Goods Quantity
Nos
Unit Price
(per SQFT)
Amount
<UMI> 1 MACHINERY FOR RESTAURANT PURPOSES
 ELECTRIC STORAGE WATER HEATERS
  Net weight 30kgs/NO.
10 US$1,800.00 US$18,000.00
 ELECTRIC ESPRESSO
 COFFEE MAKERS
   Net weight 35kgs/NO.
5 US$2,200.00 US$11,000.00
SKT03-1005 2 MACHINERY FOR
DOMESTIC PURPOSES
 MICROWAVE OVENS
   Net weight 6kgs/NO.
15 US$80.00 US$1,200.00
 TOASTERS
    Net weight 6kgs/NO.
30 US$24.50 US$735.00
LONGBEACH   Ocean Freight US$855.00
C/T NO.1-60      
MADE IN JAPAN   
  

 Total : 60 Cartons                        C&F LONGBEACH US$31,790.00

                                  ZAIMU TRADING CO.,LTD.
                                   (signature)
別添1 輸出統計品目表(抜すい)

   *** 割 愛 ***


別添2 実勢外国為替相場の週間平均値
     (1米ドルに対する円相場)
期   間 週間平均値
平成15.9.7 〜 平成15.9.13
平成15.9.14 〜 平成15.9.20
平成15.9.21 〜 平成15.9.27
平成15.9.28 〜 平成15.10.4
¥125.00
¥126.00
¥128.00
¥130.00

第2問 輸入(納税)申告書の作成

別紙の仕入書及び下記事項により、「メントール」を直輸入する場合の輸入(納税)申告書を作成しなさい。
なお、答案用輸入(納税)申告書への記入は、既に記入済の欄、斜線で抹消してある欄及び※印の欄以外の箇所について行うこととし、和文又は英文で記入しなさい。

1 申告書中段の番号、統計細分、税表細分及び税率は、別添1の「実行関税率表」(抜すい)を参照して記入する。

2 別紙の仕入書に記載されている英ポンド(GBP)建価格の本邦通貨への換算は、別添2の「実勢外国為替相場の週間平均値」を参照して行う。

3 本邦到着までの運賃は、G/W1kgにつき1.1英ポンド(GBP)が本邦において支払われる。

4 英国は、協定税率適用国である。

5 メントールには、消費税4%及び地方消費税(消費税額の25%)が課されるものとする。

6 この申告書の申告年月日は、平成15年10月2日とする。

7 この申告書の審査を行った通関士は、「財務太郎」とする。

8 押印を必要とする箇所には、「印」を記入する。


(別紙)

INVOICE


     Seller                             Invoice No. and Date
     GB CHEMICAL LTD.                         0308115 Aug.21st,2003
     UK-1527 BIG HOUSE                    Reference No.
     LONDON U.K.                             03-08115
 Buyer
  ZAIMU CORPORATION
  1-1, 3-Chome Kasumigaseki
  Chiyoda-ku Tokyo, JAPAN.
 Country of Origin:
  United Kingdom
 Vessel or   On or about
  TOKYO MARU   Aug.25th,20031      
 L/C No.  Date
  AZ-1289    Aug.6th,2003
 From          Via
  Liverpool,U.K.
 Issuing Bank
  ABC Bank Ltd.  
 To
  Tokyo,JAPAN
 Other Payment Terms
 
Marks and Nos. Description of Goods Quantity Unit Price Amount
<ZC>  
TOKYO Per kg C&I GBP
NO.1-35 MENTHOL N/W 350.0KGS 25.0 8,750.00
MADE IN U.K. (35Pail G/W 400.0KGS)

                                           Total : C&I GBP   8,750.00
B/L No.TOK-123459
                                 GB CHEMICAL LTD.

                              (Signature) 
別添1 実行関税率表(抜すい)

   *** 割 愛 ***

別添2 実勢外国為替相場の週間平均値
      (1英ボンド(GBP)に対する円相場)
期   間 週間平均値
平成15.9.7 〜 平成15.9.13
平成15.9.14 〜 平成15.9.20
平成15.9.21 〜 平成15.9.27
平成15.9.28 〜 平成15.10.4
¥191.00
¥190.00
¥193.00
¥192.80

〔短答式〕

第1問 次の記述は、関税等の確定及び納付に関するものであるが、その記述の正しいものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 修正申告により納付することとなった関税と併せて納付する延滞税は、賦課課税方式によりその税額が確定する。
b 関税は、納付すべき金額を超過しない記名式持参人払式小切手をもって納付することができる。
c 一品目で関税及び内国消費税が課されるものについては、関税額と内国消費税額を合計して納付書に記載して差し支えない。
d 税関長により更正がされた場合には、当該更正により関税額が確定する。
e 延滞税の額が 1,000円以下である場合には、延滞税を納付する必要はない。

  1. a、b
  2. a、c
  3. b、d
  4. c、e
  5. d、e

第2問 税関長の承認を受けて総合保税地域に置かれた外国貨物で課税価格が1,568,569円のものを、下表の経緯で輸入する場合に、当該外国貨物について納付すべき関税額を計算し、その額をマークしなさい。
なお、下表の関税率改正の施行日は、平成15年4月1日とする。
輸入(納税)
申告の日
輸入の許可前における貨物の
引取りの承認の申請及びその
承認の日
輸入許可の日 関税率改正の内容
改正前 改正後
平成15年3月20日 平成15年3月25日 平成15年4月2日 12% 6.8%

第3問
 次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 貨物の価格が1万円以下のものについては、輸出申告することなく輸出することができる。
  2. 輸出通関に係る包括事前審査制度の有効期間は、5年間である。
  3. コンテナーに詰めたまま輸出申告することが認められた貨物については、輸出申告書に当該貨物の記号及び番号を記載する必要はない。
  4. 保税工場において外国貨物を原料として製造した貨物を外国に向けて送り出す場合には、関税法第67条(輸出又は輸入の許可)の規定が準用される。
  5. 輸出の許可後において貨物を積み込もうとする船舶を変更する場合には、改めて輸出申告を行わなければならない。

第4問 次の記述は、輸入通関に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 本邦において販売する物品を郵便物として輸入しようとする場合には、輸入申告が必要である。
  2. 不当廉売関税が課される貨物については、関税定率法別表の税率による関税は課されない。
  3. 輸入申告において申告すべき数量は、当該貨物の包装材込みの貨物の総重量とされている。
  4. 輸入の許可前において貨物を引き取ろうとする者が、行政機関の休日又はこれ以外の日の税関の執務時間外において、当該引取りに係る税関長の承認を受けようとする場合には、必要な手数料を納付して臨時開庁の承認を受けなければならない。
  5. 輸入貨物を保税地域に搬入する前に行う予備審査制に基づく予備申告は、当該予備申告に係る貨物が本邦に到着した後でなければ行うことができない。

第5問 次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。

  1. 輸入者M(買手)は、輸出者X(売手)から小売用化粧箱に入った菓子を輸入する。
  2. XがMに送付した仕入書の価格は1,000,000円(FOB条件)である。
  3. Mは、Xが当該小売用化粧箱の製造に必要な意匠の使用に伴う対価について、当該輸入貨物の輸入取引の条件として100,000円を支払っている。
    なお、当該対価については、上記2の仕入書価格には含まれていない。
  4. Mは、上記のほか、当該輸入貨物に係る次の費用を負担している。
    • イ Xの所在国の仲介者Aに支払った仲介手数料 ・・100,000円
    • ロ 輸出港から輸入港までの運賃 ・・・・・・・・・ 50,000円
    • ハ 輸入港からMの倉庫までの国内運賃 ・・・・・・ 40,000円
    • ニ 輸出港からMの倉庫まで一括して締結した保険契約に係る保険料 ・・・ 30,000円
  5. MとXとの間には、特殊関係はない。

第6問 本邦所在の法人Mは、H国に所在する輸出者Xから洋服を輸入している。MとXとの間の売買契約は、当該洋服が輸入港に到着してからMの指定する引渡場所においてMに引き渡すまでのすべての手続きをXの責任によって行うこととするDDP(Delivered Duty Paid)条件で締結されている。本件売買に関して、以下の場合における課税価格を計算し、その額をマークしなさい。

  1. DDP条件の売買価格は1,100,000円である。
  2. 輸入港到着までの運賃及び保険料は50,000円である。
  3. 輸入港からMの指定する引渡場所までの運賃及び保険料は30,000円である。
  4. 当該洋服の生産に必要な原材料はMがXに無償で提供したもので、それに要した費用は250,000円であり、上記1のDDP条件での売買価格には含まれていない。
  5. この課税価格を基に算出される関税、消費税及び地方消費税の総額は170,000円とする。
  6. MとXとの間には、特殊関係はない。

第7問 次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。

  1. 輸入者M(買手)は、輸出者X(売手)から、機械を仕入書価格(CIF条件)3,000,000円で輸入する。MとXとの間の契約では、Mが当該機械を3,500,000円以上の価格で本邦で顧客に販売できた場合には、当該販売価格と3,500,000円との差額の半額をXに送金することとなっている。
  2. Mは、当該機械を本邦の顧客に3,800,000円で販売することができた。
  3. Mは、当該機械を輸入するに当たり、仕入書価格とは別に、次の費用を負担している。
    • イ 当該貨物が本邦に到着する以前に要した第三国での積替費用 ・・・・・・ 200,000円
    • ロ 輸入港からMの倉庫までの国内運賃 ・・・・・ 150,000円
    • ハ 輸入許可後における当該機械の組立て及び調整の費用 ・・・・・・・・・・ 100,000円
    • ニ 当該機械に係る特許権の所有者である第三者に対して支払う当該特許権の使用料で、当該支払いが輸入取引の条件となっていると認められるもの ・・・・・ 300,000円
  4. MとXとの間には、特殊関係はない。

第8問 下表のA欄に掲げる物品とB欄に掲げる物品が同じ類に属するものの正しい組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。
   A欄 B欄
革製の手袋 毛糸製の手袋
プラスチック製のおもちゃの人形 木製のおもちゃの人形
デジタルカメラ フィルム式光学カメラ
生きている牛 冷凍した牛の肉
手のこぎり 電動式のこぎり
窒素ガス 液体窒素
  1. a、b
  2. b、c
  3. b、f
  4. c、d
  5. e、f

第9問 自動車に用いられる以下の物品について、関税率表において自動車の部分品及び附属品として、第87類(鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び附属品)に属するものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 自動車用のフロントガラス
b 自動車用のエンジン
c 自動車用のハンドル
d 自動車用のエアコン
e 自動車用のバンパー
  1. a、b
  2. a、c
  3. b、d
  4. c、e
  5. d、e

第10問 次の記述は、関税率表の部又は類の注に関するものであるが、その記述の正しいものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 関税率表第1類には、哺乳類、鳥類、魚、爬虫類、甲殻類及びその他の水棲無脊椎動物を含む生きた動物を含む。
b フェルトにゴムを染み込ませたものであっても、フェルトの重量が全重量の50%を超えるものは、紡織用繊維及びその製品として関税率表第11部に分類される。
c 竹で作られた組物は、木製品として関税率表第44類に分類される。
d 電気絶縁をした銅線は、関税率表第85類(電気機器及びその部分品)に分類される。
e 整形外科用機器は、機械として関税率表第84類に分類される。
  1. a、b
  2. a、c
  3. b、d
  4. c、e
  5. d、e


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