本試験問題と解答・解説


平成14年度第36回通関士試験問題
  

〔関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(第6章に係る部分に限る。)〕(時間 1時間45分)

【記述式】

第1問 次の記述は、特例申告に関するものであるが、(   )内に正しい語句を記入しなさい。

  1. 特例申告とは、あらかじめ税関長の( (1) )を受けている輸入者が、申告納税方式を適用し( (2) )に輸入しているものとして税関長の( (3) )を受けた貨物について、法令遵守の確保を条件に、当該貨物に係る( (4) )申告を、当該貨物の( (5) )申告に併せて行うことなく、当該貨物の( (5) )の許可後、当該許可の日の属する月の( (6) )までに行うことをいい、( (4) )申告の前に貨物を引き取ることを可能とする制度である。税関長の( (1) )を受けようとする者は、( (3) )を受けようとする貨物の品名その他必要な事項を記載した申請書を税関長に提出しなければならない。
  2. 当該申請書の提出を受けた税関長は、申請者が関税法その他の国税に関する法律の規定に違反して( (7) )に処せられ、又は関税法若しくは国税犯則取締法の規定により( (8) )処分を受け、それぞれ、その( (7) )の執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなった日又はその( (8) )の旨を履行した日から( (9) )を経過していない者であるときは、( (1) )をしないことができることになっており、( (1) )をしないこととしたときは、その旨及びその( (10) )を書面により申請者に通知しなければならない。

 

第2問 次の記述は、関税の納付に関するものであるが、(   )内に正しい語句を記入しなさい。

  1. 関税の納付は、主として輸入者のする( (1) )により( (2) )する税額に相当する金銭に( (3) )を添えて、これを( (4) )や国税の収納を行う( (4) )の代理店、又はその関税の収納を行う税関職員に対してしなければならない。ただし、証券をもつてする歳入納付に関する法律の定める要件を満たせば、金銭に代えて証券で納付することもできる。( (1) )をした者は、原則としてその( (1) )に係る書面に記載された納付すべき税額に相当する関税を、当該( (1) )に係る貨物を( (5) )までに国に納付しなければならない。ただし、その関税の額の全部又は一部に相当する額の( (6) )を提供したときは、当該提供された( (6) )の額を超えない範囲内において、その納付すべき期限を( (7) )に限り延長することができる。
  2. また、関税額の( (2) )に際し( (8) )方式が適用されるときは、郵便物、公売された収容貨物等を除き、税関長が( (9) )を行うので、輸入者は、当該( (9) )に基づいて関税の納付をしなければならない。なお、税関長が行う( (9) )は、納付すべき税額、納期限及び納付場所を記載した( (10) )を送達して行われる。

 

第3問 次の記述は、輸入申告に関するものであるが、(   )内に正しい語句を記入しなさい。

  1. 貨物を輸入しようとする者は、当該貨物の品名並びに数量及び価格その他必要な事項を税関長に申告し、貨物につき( (1) )を経て、その許可を受けなければならない。また、輸入申告は、その申告に係る貨物を原則として( (2) )又は関税法第30条第1項第2号(許可を受けて保税地域外に置く外国貨物)の規定により税関長の( (3) )に入れた後に行わなければならない。ただし、これらの場所に入れないで輸入申告をすることにつき、税関長の承認を受けたときは、この限りでなく、その場合における輸入申告は、入港手続に従って当該承認を受けた貨物に係る( (4) )が税関に提出された後に行うものとされている。
  2. 輸入申告に際しては、原則として( (5) )を税関に提出する義務がある。さらに、( (5) )により輸入貨物の( (6) )を決定することが困難であると認められるときは、税関は、輸入者に対して、( (7) )その他( (6) )の決定のために必要な書類で政令で定めるものを提出させることができる。
  3. また、関税関係法令以外の法令の規定により輸入に関して許可、承認その他の行政機関の( (8) )又はこれに準ずるものを必要とする貨物については、輸入申告の際、当該許可、承認等を受けている旨を税関に( (9) )しなければならず、当該( (9) )がされない貨物については、( (10) )を受けることができない。

 

第4問 次の記述は、関税定率法第8条(不当廉売関税)の規定に関するものであるが、(   )内に正しい語句を記入しなさい。

  1. 関税定率法第8条に規定する「不当廉売」とは、貨物を、( (1) )における( (2) )に向けられる当該貨物と( (3) )の貨物の通常の商取引における価格その他これに準ずるものとして政令で定める価格(以下「正常価格」という。)より( (4) )で輸出のために販売することをいう。
  2. 不当廉売された貨物の( (5) )が本邦の( (6) )に実質的な( (7) )を与え、若しくは与えるおそれがあり、又は本邦の( (6) )の確立を実質的に妨げる事実がある場合において、当該本邦の( (6) )を( (8) )するため必要があると認められるときは、貨物、当該貨物の供給者又は供給国及び( (9) )を指定し、当該指定された供給者又は供給国に係る当該指定された貨物で当該指定された( (9) )内に( (5) )されるものにつき、関税定率法別表の税率による関税のほか、当該貨物の正常価格と不当廉売価格との( (10) )に相当する額と同額以下の関税(不当廉売関税)を課することができる。

 

第5問 次の記述は、関税定率法第11条(加工又は修繕のため輸出された貨物の減税)の規定に関するものであるが、(   )内に正しい語句を記入しなさい。

  1. 加工又は修繕のため( (1) )から輸出され、その( (2) )の日から( (3) )以内に輸入される貨物については、当該輸入貨物に係る( (4) )の額に、当該貨物が( (2) )の際の( (5) )及び形状により輸入されるものとした場合の( (6) )の当該輸入貨物の( (6) )に対する割合を乗じて算出した額の範囲内において、その( (4) )を軽減することができる。
    なお、この場合において、( (7) )のため輸出された貨物については、( (1) )において当該( (7) )をすることが( (8) )であると認められるものに限り、( (4) )の軽減を受けることができる。
    また、貨物が、( (2) )の日から( (3) )を超えて輸入されることにつき、やむを得ないと認められる理由がある場合において、当該貨物の( (9) )を所轄する税関長の( (10) )を受けたときは、当該税関長が指定する期間内に当該貨物を輸入すれば、関税の軽減を受けることができる。

 

 

【短答式】

第1問 次の行為のうち、関税法又は関税定率法上の輸出に該当するものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 仮に陸揚げした貨物を外国に向けて送り出す行為
  2. 本邦の船舶が外国の領海で採捕した水産物を洋上から直接当該外国に陸揚げして売却する行為
  3. 外国の船舶が本邦の排他的経済水域の海域で採捕した水産物を洋上から直接本邦に向けて送り出す行為
  4. 外国貿易船に内国貨物である重油を船用品として積み込む行為
  5. 国際郵便路線により本邦に送付され税関の検査を受けた郵便物を、名宛人の居所が不明のため郵政官署が外国に向けて返送する行為

 

第2問 次の記述は、関税に係る納税義務に関するものであるが、その記述の正しいものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 関税は、関税法又は関税定率法その他関税に関する法律に別段の規定がある場合を除き、貨物を輸入する者が納める義務がある。
b 保税運送の承認を受けて運送された外国貨物が、災害により亡失したため税関長が指定した期間内に運送先に到着しないときは、当該承認を受けた者が当該外国貨物の関税に係る納税の義務を負う。
c 関税暫定措置法第8条の7(軽減税率の適用手続)に規定する軽減税率の適用を受けた貨物を、その輸入の許可の日から2年以内に当該軽減税率の適用を受けた用途以外の用途に供したときは、当該輸入の許可を受けた者が軽減された関税を納める義務を負う。
d 輸入の許可を受けて引き取られた貨物について、納付された関税に不足額があった場合において、当該許可の際当該貨物の輸入者とされた者の住所及び居所が明らかでなく、当該貨物の通関業務を取り扱った通関業者が、その通関業務の委託を受けた者を明らかにすることができなかったときは、当該通関業者は、その輸入者と連帯して当該関税を納める義務を負う。
e 保税蔵置場にある外国貨物が、当該保税蔵置場の管理が不十分であったことにより亡失したときは、当該保税蔵置場の許可を受けた者が当該外国貨物の関税について納税義務を負う。

  1. a、b、d
  2. a、b、e
  3. a、d、e
  4. a、c、e
  5. b、d、e

 

第3問 次の記述は、関税の確定及び納付に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 国内引取りされる予定の外国貨物が、輸入される前に開港に停泊中の外国貿易船の船上で消費されたときは、当該外国貨物に係る関税の額は、税関長の処分により確定する。
  2. 保税工場外における保税作業の許可を受けて指定場所に出されている貨物が、指定期間を経過してもなおその指定場所に置かれているときは、当該貨物に係る関税の額は、賦課課税方式により確定する。
  3. 修正申告は、先に行った納税申告に係る税額につき更正があった場合において、その更正後の税額に不足額があるときは、税関長の更正があるまでは行うことができる。
  4. 決定とは、納税申告が必要とされている貨物について、その輸入の時までに納税申告がない場合に、税関長が、その調査により当該貨物に係る税額等を決定する処分である。
  5. 輸入の許可前引取り承認を受けて引き取られた貨物に係る税額等の税関長の通知に係る関税の納期限は、当該貨物の輸入の許可の日である。

 

第4問 次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の誤っているものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 輸出申告された貨物に原産地が表示されていないときは、輸出の許可を受けることはできない。
b 輸出申告書に記載すべきこととされている事項について、税関長は、貨物の種類又は価格を勘案し、記載の必要がないと認める事項の記載を省略させることができる。
c 貨物を外国貿易船に積み込んだ状態で輸出申告することにつきあらかじめ税関長の承認を受けた場合には、当該貨物について税関の検査は免除される。
d 輸出申告書に記載すべき貨物の数量は、当該貨物の輸出取引において使用された単位による当該貨物の正味の数量である。
e 貨物を輸出しようとする者は、通常輸出申告書に添付されている当該貨物に係る仕入書に署名した仕出人である。

  1. a、b、c
  2. a、c、d
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e

 

第5問 次の記述は、輸出通関に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 輸出申告の際に税関に提出する仕入書には、当該申告に係る貨物の価格の決定に関係がある契約の条件を記載しなければならない。
  2. 貨物を郵便により外国に向け送る場合には、輸出申告を要しないので、当該貨物については、関税法第70条(証明又は確認)の規定は適用されない。
  3. 輸出申告は、原則としてその申告に係る貨物を保税地域に入れた後にしなければならない。
  4. 本邦の船舶が本邦の排他的経済水域の海域で採捕した水産物を洋上から直接外国に向けて送り出す場合には、輸出申告を要する。
  5. 関税法第70条第1項又は第2項(証明又は確認)の規定が適用されない貨物のうち輸出申告価格の総額が100万円以下の貨物を輸出しようとする場合には、輸出申告に際し仕入書の提出を要しない。

 

第6問 次の記述は、輸入通関に関するものであるが、その記述の正しいものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 税関長の承認を受けて船用品として外国貿易船に積み込んだ内国貨物を、当該外国貿易船で使用しないこととなったため、本邦に引き取る場合には、輸入申告を要しない。
b 課税価格の合計額が20万円以下の輸入貨物(携帯品及び別送品を除く。)に対する関税の率は、原則として関税定率法第3条の3(少額輸入貨物に対する簡易税率)に規定する簡易税率による。
c 国際郵便路線を利用して小包が輸入される場合には、税関職員による必要な検査が行われる。
d 保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうとする場合には、輸入申告を要しない。
e 輸入に関して植物防疫法などの関税関係法令以外の法令の規定に基づく検査が行われ、当該検査に合格している貨物を輸入しようとする場合には、当該貨物に対する税関の検査は免除される。

  1. a、b、c
  2. a、b、e
  3. a、c、d
  4. b、c、d
  5. c、d、e

 

第7問 次の記述は、輸入申告に際し税関に提出する仕入書に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 仕入書は、当該輸入申告に係る貨物の仕出国において作成されたものでなければならない。
  2. 仕入書は、当該輸入申告に係る貨物の仕出人が署名したものでなければならない。
  3. 仕入書は、税関長がその省略を認めた場合を除き、当該輸入申告に係る貨物の原産地を記載したものでなければならない。
  4. 仕入書は、税関長がその省略を認めた場合を除き、当該輸入申告に係る貨物の記号及び番号を記載したものでなければならない。
  5. 仕入書は、その作成の年月日を記載したものでなければならないが、その作成後、6月を超えたものであっても差し支えない。

 

第8問 次の記述は、原産地を偽った表示がされている外国貨物に関するものであるが、その記述の正しいものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 原産地を偽った表示がされている外国貨物については、保税蔵置場に置くことの承認を受けることができない。
b 原産地を偽った表示がされている外国貨物については、輸入の許可前における貨物の引取りの承認を受けることができない。
c 包装容器に原産地を偽った表示がされている外国貨物については、貨物自体に真正な原産地が表示されている場合であっても、輸入の許可を受けることができない。
d 原産地を偽った表示がされている外国貨物については、税関長が指定した場所で当該偽った表示の抹消又は訂正を行わなければならない。
e 原産地を偽った表示がされている外国貨物については、当該貨物の輸入申告をした者が指定された期間内に当該偽った表示を消し、若しくは訂正し、又は当該貨物を積み戻さないときは、税関長により留置される。

  1. a、b、c
  2. a、b、d
  3. a、d、e
  4. b、c、e
  5. c、d、e

 

第9問 次の記述は、保税地域に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 保税蔵置場の許可を受けた者について分割があった場合において、あらかじめ税関長の承認を受けたときは、分割により当該保税蔵置場の業務を承継した法人は、当該分割をした法人の当該許可に基づく地位を承継することができる。
  2. 保税工場における保税作業において、関税法第59条第2項(外国貨物と内国貨物との混用)の規定に基づき、税関長の承認を受けて、外国貨物と内国貨物とを混じて使用したときは、これによってできた製品は、すべて外国から本邦に到着した外国貨物とみなされる。
  3. 総合保税地域において外国貨物が亡失し、当該外国貨物に係る関税が徴収される場合において、当該総合保税地域の許可を受けた法人が当該外国貨物を管理していなかったときは、当該法人は、当該関税を納める義務を負わない。
  4. 保税蔵置場の許可を受けた者が破産の宣告を受けたため当該許可が失効した場合において、その失効の際、当該保税蔵置場に外国貨物があるときは、直ちにその関税が徴収される。
  5. 国際博覧会のために許可された保税展示場にある外国貨物が亡失したときは、当該保税展示場の許可を受けた者からではなく、当該国際博覧会の主催者から直ちにその関税を徴収する。

 

第10問 次の記述は、保税地域に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 指定保税地域において、外国貨物について簡単な加工を行おうとするときは、あらかじめその旨を税関に届け出なければならない。
  2. 保税蔵置場から輸入の許可を受けた貨物を出した場合には、関税法第34条の2(記帳義務)に規定する帳簿に所定の事項を記載しなければならない。
  3. 保税展示場においては、実費を超えない対価を徴収して外国貨物を観覧又は使用に供することができる。
  4. 保税蔵置場にある外国貨物を廃棄しようとするときは、税関長の承認を受けなければならない。
  5. 税関長の許可を受けて保税地域以外の場所に置かれている外国貨物については、税関長の許可を受けて見本の展示、簡単な加工その他これらに類する行為を行うことができる。

 

第11問 次に掲げる関税の免除を受けた物品のうち、その輸入の許可の日から2年以内に関税の免除を受けた用途以外の用途に供した場合において、その免除を受けた関税が徴収されるものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 関税定率法第14条(無条件免税)の規定の適用を受けた注文の取集めのための見本
b 関税定率法第15条第1項(特定用途免税)の規定の適用を受けた国際親善のため外国の姉妹都市から本邦の市に寄贈された装飾用の織物
c 関税定率法第16条第1項(外交官用貨物等の免税)の規定の適用を受けて大使館が公用品として輸入した葉巻たばこ
d 関税定率法第16条第1項(外交官用貨物等の免税)の規定の適用を受けて領事館の領事が自用品として輸入した革製のかばん
e 関税暫定措置法第4条(航空機部分品等の免税)の規定の適用を受けた人工衛星の打上げに使用する本邦で製作が困難な装置

  1. a、b、e
  2. a、c、d
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. b、c、e

 

第12問 次の記述は、関税定率法第20条(違約品等の再輸出又は廃棄の場合の戻し税等)の規定に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 通信販売により購入し輸入された個人用物品の品質等が、輸入者の予期しなかったものである貨物については、当該貨物が輸出される場合に限り、関税の払戻しを受けることができる。
  2. 輸入の許可の日から3月以内に保税地域又は税関長が指定した場所に入れられた貨物に限り、関税の払戻しを受けることができる。
  3. 輸入後において輸入の時の性質及び形状に変更が加えられた貨物についても、関税の払戻しを受けることができる。
  4. 保税地域への搬入期間延長の承認申請書は、輸入地を所轄する税関長又は搬入を予定する保税地域の所在地を所轄する税関長のどちらにでも提出することができる。
  5. 輸入した貨物の品質又は数量等が契約の内容と相違するため、輸入者が当該貨物を第三者に販売する目的で輸出する場合であっても、関税の払戻しを受けることができる。

 

第13問 次の記述は、関税暫定措置法第8条の2(特恵関税等)に規定する特恵関税制度に関するものであるが、その記述の正しいものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 原産地である特恵受益国から本邦へ向けての運送の途上において、他の国又は地域において運送上の理由による積替えがされた場合には、特恵関税は適用されない。
b 国際郵便路線により輸入する物品及び本邦に入国する者が携帯し又は別送して輸入する物品については、特恵関税は適用されない。
c 輸入申告の際に提出する原産地証明書は、税関長の承認を受けた場合を除き、その証明に係る物品についての輸入申告の日において、その発給の日から1年以上を経過したものであってはならない。
d 原産地証明書をその証明に係る物品についての輸入申告の際に提出しなければならない場合であっても、その際に提出することができないことについて、当該物品につき輸入の許可前における貨物の引取りの承認を受けることを条件として税関長の承認を受けたときは、その提出を要しない。
e 一の特恵受益国の船舶により本邦の排他的経済水域の海域で採捕された水産物は、当該特恵受益国において完全に生産された物品である。

  1. a、b、d
  2. a、b、e
  3. a、c、e
  4. b、c、d
  5. c、d、e

 

第14問 次の記述は、課税価格の計算に関するものであるが、その記述の正しいものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 輸入貨物と同種の貨物の取引価格による方法が適用できる場合であっても、輸入者が要請するときは、これに先立って当該輸入貨物の製造原価に基づき計算する方法が適用される。
b 輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃は、原則として課税価格に算入される。
c 輸入取引に関連して買手が負担した特殊な包装に要した費用は、課税価格に算入される。
d 輸入貨物の輸入取引に関する買付手数料は、それをいずれかの者が負担するかにかかわりなく、課税価格に算入されない。
e 買手が売手に対して輸出した輸出貨物の代金と輸入貨物の代金が相殺されている場合には、当該相殺されている代金は、課税価格に算入される。

  1. a、b、d
  2. a、c、e
  3. a、d、e
  4. b、c、d
  5. b、c、e

 

第15問 次に掲げる課税価格の決定方法について、その適用順序の優先する順に左から正しく並んでいるものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 輸入貨物の製造原価に通常の利潤及び一般経費等を加える方法
b 輸入貨物の取引価格による方法
c 輸入貨物と類似の貨物の取引価格による方法
d 輸入貨物と同種の貨物の取引価格による方法

  1. a → c → d → b
  2. b → a → d → c
  3. b → c → d → a
  4. b → d → c → a
  5. c → b → a → d

 

第16問 次の記述は、「関税率表の解釈に関する通則」に関するものであるが、輸入される物品が二以上の項に属するとみられる場合に適用される物品の所属の決定方法について、最も適切なものを三つ選んで、それらを適用順序の優先する順に左から正しく並べたものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 属するとみられる項のうち、数字上の配列において最初となる項に分類する。
b 属するとみられる項のうち、数字上の配列において最後となる項に分類する。
c 物品が異なる構成要素で作られている場合、属するとみられる項のうち、当該物品に最も多く使われている構成要素から成る物品の所属する項に分類する。
d 物品が異なる構成要素で作られている場合、属するとみられる項のうち、当該物品に最も重要な特性を与えている構成要素から成る物品の所属する項に分類する。
e 属するとみられる項のうち、最も一般的な限定をしている項に分類する。
f 属するとみられる項のうち、最も特殊な限定をしている項に分類する。

  1. a → d → f
  2. b → c → e
  3. d → f → b
  4. e → c → a
  5. f → d → b

 

第17問 次の記述は、輸出貿易管理令に規定する輸出の許可又は承認に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 本邦の大使館に送付する公用の貨物を輸出する場合には、その貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の許可を要しない。
  2. 仮に陸揚げした貨物であって、本邦以外の地域を仕向地とする船荷証券により運送されたものを輸出する場合には、その貨物の種類にかかわらず経済産業大臣の輸出の許可を要しない。
  3. 冷凍のあさりをアメリカ合衆国に輸出する場合には、経済産業大臣の輸出の承認を受けなければならない。
  4. 一時的に出国する者が携帯して象牙(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約附属書Tに掲げる種に属する動物に該当)を輸出する場合には、経済産業大臣の輸出の承認を受けなければならない。
  5. イラク向けの貨物を輸出する場合には、特定の種類の貨物を除き、経済産業大臣の輸出の承認を受けなければならない。

 

第18問 次の記述は、輸入貿易管理令に規定する輸入の承認に関するものであるが、その記述の正しいものの組合せはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

a 輸入の承認の有効期間は、輸入貿易管理令第5条第2項(輸入の承認の有効期間の延長)の規定により特に定められた場合を除き、その承認をした日から4月である。
b 仮に陸揚げしようとする貨物は、経済産業大臣の輸入の承認を要しない。
c 輸入貿易管理令第4条第1項(輸入の承認)の規定による経済産業大臣の権限のうち、税関長に委任されているのは、無償の貨物に係る承認のみである。
d 輸入承認証の交付を受けた者は、当該輸入承認証を必要としなくなったときは、遅滞なく経済産業大臣に返還しなければならない。
e 輸入割当てを受けるべき貨物を輸入しようとする者は、当該輸入貨物に係る経済産業大臣の輸入の承認を受けた後でなければ、当該承認に係る貨物について、輸入割当てを受けることができない。

  1. a、b
  2. a、d
  3. b、c
  4. c、e
  5. d、e

 

第19問 次の記述は、関税法第8章(不服申立て)に規定する不服申立てに関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 税関長が行った関税の滞納処分に不服がある者は、異議申立てをすることができる。
  2. 関税法の規定による税関職員の処分は、当該職員の属する税関の税関長がした処分とみなされるので、異議申立てをすることができる。
  3. 税関長の処分につき異議申立てをした場合において、当該処分についての財務大臣に対する審査請求をすることができる期間は、当該異議申立てについての決定があったことを知った日の翌日から起算して2月以内である。
  4. 財務大臣に対する審査請求が関税の確定に関する処分に関するものであるときは、関税等不服審査会に諮問することとされている。
  5. 税関長の行った関税の確定又は徴収に関する処分の取消しの訴訟は、原則として当該処分についての審査請求の裁決を経た後でなければ、提起することができない。

 

第20問 次の記述は、電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律(以下「特例法」という。)及び同法施行令に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。

  1. 電子情報処理組織を使用して行われた輸入申告に対する処分の通知は、国際貨物業務を行う者の入出力装置により当該処分の通知が画面又は紙面に出力された時点で到達したものと推定される。
  2. 通関業者は、電子情報処理組織を使用して輸入申告を行う場合、あらかじめ税関長に届け出た入出力装置で行わなければならない。
  3. 通関業務の料金の計算又は請求に関する業務は、特例法に規定する「国際貨物業務」に含まれる。
  4. 電子情報処理組織を使用して輸入申告を行う者は、関税等に関する法令において書面に記載すべきこととされている事項と同一の事項を入出力装置から入力しなければならず、入力する事項の省略は認められていない。
  5. 特例法において「関税等」とは、関税及び輸入する物品に対して課される内国消費税のみをいう。

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