本試験問題と解答・解説


平成14年度第36回通関士試験解答
  

〔通関書類の作成要領その他通関手続の実務〕(時間1時間30分)

〔記述式〕

輸出申告書の作成問題(第1問)模範解答の補足説明

○解答の補足説明
1.品名及び統計品目番号
設問の輸出貨物は、「乳幼児用の衣類」である。この乳幼児用の衣類は「メリヤス編物又はクロセ編物」を製品にしたものであるので、第61類の「衣類及び衣類付属品」に分類される。
なお、「乳幼児用のもの」かどうかの判断においては、設問の記4により、「乳幼児用衣類の寸法(サイズ)は当該長さの身長を有する人が着るのに適当なサイズを表しているものとする」と言及されていること及び第61類注6(a)により「乳幼児用は身長が86p以下のものをいう。」と規定されていることにより分類を行うこととし、また、「男子用のものか女子用のもの」かの分類基準は、同第61類注9により、「男子・女子用のいずれかわからないものは女子用とする」との規定を考慮して分類の判断をする。
(1)仕入書の第1項の輸出貨物
第1項の輸出貨物は、編物製品の綿100%のポロシャツである。乳児用のものかどうかの判断は、寸法70pであることにより、乳児用のものとして「6111.20−300」に分類する。(第61類注6(a))
(2)仕入書の第2項の輸出貨物
第2項の輸出貨物は、編物製品の綿100%のポロシャツである。乳児用のものかどうかの判断は、寸法80pであることにより、乳児用のものとして「6111.20−300」に分類する。(第61類注6(a))
(3)仕入書の第3項の輸出貨物
第3項の輸出貨物は、編物製品の綿100%のポロシャツである。乳児用のものかどうかは、本品の場合、前記の規定から、寸法が90pであるので、「乳児用のもの以外のもの」となり、男子用か女子用か不明なものであることにより、女子用として「6106.10−100」に分類する。(第61類注6(a)及び注9)
(4)仕入書の第4項の輸出貨物
第4項の輸出貨物は、編物製品の羊毛100%のタイツである。乳児用のものかどうかは、寸法80pであるので乳児用のものとして「6111.10−210」に分類する。(第61類注6(a))

2.申告書中段の記入
上記1.の分類に基づき、輸出申告に記載する本件インボイス貨物の品名及び分類番号は、次のように3欄に分けて記入する。
なお、第3欄目の輸出貨物は、その申告価格が20万円以下のものであるので、統計品目番号欄には「×」印を記入する。
(1)1欄目:インボイス第3項
 女子用ポロシャツ、綿100%の編物製のもの(寸法90p)
 6111.20−300
 NO:600 KG: 250
(2)2欄目:インボイス第1及び2項
 乳幼児用ポロシャツ、綿100%の編物製のもの
 6106.10−100
 NO:600 KG: 250
(3)3欄目:インボイス第1及び2項
 乳幼児用タイツ、羊毛100%の編物製のもの
 ×
 NO:240 KG: 120

3.単位欄の記入
インボイス記載の輸出貨物の正味数量に係る「第1単位」は「NO」で、「第2単位」は「KG」を、上記のように計算して記入する。

4.申告価格等
(1)申告価格
申告書に記入すべき「輸出申告価格」は、関税法施行令第59条の2第2項の規定により、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格(FOB価格)とされている。
また、その価格が外国通貨により表示されている場合における本邦通貨への換算は、関税定率法施行規則第1条の規定により、輸出申告の日(設問では、平成14年10月4日)の属する週の前々週における実勢外国為替相場の当該週間の平均値によることとされている。
このため、設問ではUS$建てであるので、当該輸出申告価格(FOB)に適用される1USドル当たりの換算レートは、別添2により「123.70円」となる。
(2)C&F決済金額の処理
仕入書決済金額がFOB価格以外のものである場合(C&F価格等)において、その輸出申告価格の合計額が100万円を超えるときは、その仕入書価格を「申告価格欄の最下部(第3欄)」に記載してアンダーラインを付けることとされている。
しかし、本設問の貨物の申告価格は、100万円を超えていないので記入しない。
(3)FOB価格の計算
仕入書決済金額はC&F価格であるが、設問のインボイスでは各々の品目の「東京港での本船甲板渡し価格(FOB価格)に、船会社との契約運賃US$900.00が表記されたものである。
従って、各々の品目の金額はFOB価格であるのでインボイス表示金額で円換算の計算をする。

第1欄:仕入書の第3項
 FOB US$3,300×123.7 円 = \ 408,210
第2欄:仕入書の第1項及び第2項
 FOB US$ 1,350+US$1,500=US$2,850 ×123.7 円 = \ 352,545
第3欄:仕入書の第4項
 FOBUS$ 1,440×123.7円 = \ 178,128
品名 統計品目番号 単位 数量 申告価格(F.O.B.)
(1)
Women's Knitted Polo Shirts
(Cotton 100%)
(size 90 cm)
6106.10-100 NO 600   408 210
KG 250   
            
(2)
Babies' Knitted Polo Shirts
(Cotton 100%)

6111.20-300 NO 600   352 545
KG 250  
           
(3)
Babies' Knitted Tights
(Wool 100%)

× NO 240   178 128
KG 120  
           


輸入申告書の作成問題(第2問)模範解答の補足説明

○解答の補足説明
1.申告書上段
「直輸入」するものであるので、申告種別符号「IC」の欄に「×」を記入する。
2.品名、税表番号・統計細分、税表細分
(1)品名
設問の輸入貨物の品名は、「ミルクから得たバター(脂肪分全重量の85%)、
BUTTER (from cow milk), of fat content 85%, by weight 」である。
(2)分類(税表番号・統計細分、税表細分) 設問の輸入貨物は、「ミルクから得たバター(脂肪分全重量の85%)」である。
なお、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法第13条の規定に基づき輸入されるものでなく、関税割当証明書を取得していない。 したがって、税表番号「0405.10」に分類され、統計細分は「129」となり、 税表細分は「−1−〔2〕」となる。
3.正味数量
通関数量は、仕入書数量と同じある。
したがって、4,800pc × 250g/pc = 1,200s
4.輸入申告価格(関税の課税価格相当額)
仕入書価格は、輸入貨物の取引価格CIF EUR12,000に、買手(輸入者)により負担される買付手数料(Buying Commission)EUR700が加算されているが、買付手数料は、輸入貨物の課税価格に算入してはならない(関税定率法第4条第1項第2号イかっこ書(課税価格に算入しない買付手数料))ので、輸入貨物の取引価格CIF EUR12,000により輸入申告価格(関税の課税価格相当額)を計算する。
なお、この場合において、外国通貨により表示された輸入貨物の取引価格CIF EUR12000
の本邦通貨への換算は、輸入申告の日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の週 間平均値として税関長が公示したレートにより行う(関税定率法第4条の7、同法施行規則第1 条)。
申告年月日は、平成14年10月10日であるので、平成14年9月22日〜9月28日の週間における平均値である117円/EURにより換算する。
   CIF EUR12,000 × 117円/EUR = 1,404,000円
5.関税率
設問の輸入貨物の原産地のフランスは、協定税率適用国であり協定税率の適用ができることになるが、実行関税率表の協定税率欄には、協定税率が(   )内に記載されているので、協定税率を適用することができないところから、暫定税率(29.8%+179円/s)を適用する。
6.関税額
関税額は、従価税額と従量税額との合計額となる。
 従価税額  1,404,000円× 29.8%= 418,392円
 従量税額 1,200s×179円/s= 214,800円
 計 633,192円
7.消費税の課税標準(課税価格)
消費税の課税標準(課税価格)は、関税の課税価格(輸入申告価格)に、100円未満の端数を切り捨てた関税額を加算した額である。
8.地方消費税の課税標準(課税価格)
地方消費税の課税標準(課税価格)は、100円未満の端数を切り捨てた消費税額である。
品名 単位 数量 申告価格(CIF) 税率 関税額 減免税条項適用区分
  番号 統計細分 △内国消費税等課税価格 △種別等・税率 △内国消費税等税額
(1) 0405.10 129 KG 1,200 1,404,000 29.8% +
179円/KG
633,192  
-1-[2] 暫×    
BUTTER (from cow milk)
fat content 85 % by weight
    消× 2,037,100 4% 81,480   
    地×   81,400 25% 20,350   
(2)                
        
               
           
貨物の個数・記号・番号
200 Cartons
ZTC
TOKYO
C/No. 1-200
MADE IN FRANCE                          1枚1欄
633,100 関税 1欄
81,400 消費税 1欄
20,300 地方消費税 1欄



〔短答式〕

第1問(関税の確定及び納付)

正解 3

解説
(正=b、c、d)
 b 納税申告した者は、関税の納付前であって、かつ、輸入の許可前に限り、先に提出した輸入(納税)申告書に記載した課税標準又は税額等を補正することにより修正申告することができる。《関税法第7条の14第2項》  
 c 延滞税の額の計算の基礎となる関税額が1万円未満である場合には、延滞税を納付することを要しない。《関税法第12条第3項前段》
 d 税関長は、関税に係る過誤納金を還付すべき場合において、その還付を受けるべき者につき納付することとなった関税があるときは、その還付すべき金額をその関税に充当することができる。《関税法第13条第7項》
(誤=a、e)
 a 本邦に入国する者が、その入国の際に税関に貨物の品名、数量、輸入の予定時期及び予定地等を記載した別送品申告書を提出して確認を受け、その入国後6月以内に輸入する貨物で商業量に達しないもの関税は、専ら税関長の処分により確定する。《関税法第6条の2第1項第2号イ及び同法施行令第3条第1項》
 e 貨物の輸入者(納税義務者)が複数の輸入(納税)申告をした場合においては、各輸入(納税)申告書ごとに関税の納付書を作成して、各納付書ごとに関税を納付することが原則であるが、これら各納付書に記載した関税額を合計したうえで、これに各納付書を添えて一括して納付することができる。《関税法第9条の4》

第2問(納付関税額の計算)

正解 162,700円

解説 
1.特恵税率の適用
原産地である米国は特恵受益国ではないので、米国原産品には特恵税率の適用はない。
2.協定税率の適用
協定税率は、基本税率よりも低い場合に限り適用する。
  基本税率を適用した場合の関税額と、協定税率を適用した場合の関税額を計算し、その関税額を比較して、その関税額の低い方の税率を適用すべき税率と決定して、その決定し た税率による関税額を納付すべき関税額とする。
(1)基本税率を適用した場合の関税額
  A 従価税率を適用した場合の関税額
   1,560,000円×  9.6%=149,760円 → 149,700円
  B 従量税率を適用した場合の関税額
   1,130u×160円/u=180,800円 → 180,800円
  C 基本税率を適用した場合の関税額
   149,700円 < 180,800円 したがって、180,800円
(2)協定税率を適用した場合の関税額
  A 従価税率を適用した場合の関税額 
   1,560,000円×  8.7%=135,720円 → 135,700円
  B 従量税率を適用した場合の関税額
    1,130u×144円/u=162,720円 → 162,700円
  C 協定本税率を適用した場合の関税額
    135,700円 < 162,700円 したがって、162,700円
(3)納付すべき関税額
基本税率の関税額180,800円 > 協定税率の関税額162,700円
    ∴ 162,700円

第3問(輸出通関)

正解 2

解説 
(誤=a、b、e)     
 a 輸出の許可後において積込港を変更しようとする場合には、輸出許可を受けた税関又は保税運送到着地税関に対して数量等変更申請書に輸出許可を添付して提出し、変更承認を受けなければならない《関税法基本通達67−1−12》。 
 b 貨物(国際郵便路線で輸出する貨物を除く。)を輸出しようとする者は、その貨物の種類又は価格の多少にかかわりなく、税関長に輸出申告書を提出してその許可を受けなければならない《関税法第67条、同法施行令第58条》。
 e 外国貨物を外国へ向けて積み戻す場合には、税関長に対して積戻し申告をしてその許可を受けなければならないが、この積戻し申告は、輸出申告書の表題を積戻申告書と訂正したものにより行う《関税法第75条、同法基本通達75−1−1》。
(正=c、d)
 c 輸出申告の撤回は、その輸出申告に係る輸出の許可前に限り認められる《関税法基本通達67−1−10》。
 d 無償の貨物を輸出する者は、当該貨物が有償で輸出されるものとした場合の本邦の輸出港における本船(積込む外国貿易船)甲板渡し価格を輸出申告書に記載して輸出申告しな ければならない《関税法第67条、同法施行令第59条の2第2項》。

第4問(輸入通関)

正解 4

解説
(誤=4)
輸入の許可前における外国貨物の引取り承認申請は、その申請に係る貨物の輸入申告をした後に、関税額相当の担保を提供して輸入許可前引取承認申請書を提出しなければならない《関税法第73条第1項、同法施行令第63条》。
(正=1、2、3、5)
 1 貨物を輸入しようとする者は、当該貨物の課税価格の多少にかかわりなく、税関長に対し当該貨物の品名並びに数量及び課税標準となるべき数量及び価格その他必要な事項を申告し、必要な検査を経て、その許可を受けなければならない《関税法第67条、同法施行令第59条》。
 2 関税関係法令には明文の規定はないが、輸入申告は、輸入者が税関長に対して行う輸入の意思表示であるので、法理論上当然に、税関がこれを受理した時にその効力を生じる《関税法基本通達67−3−1》。
 3 貨物を輸入しようとする者は、貨物を保税地域に搬入する前に行う予備審査制に基づく予備申告を、輸入申告予定日における外国為替相場が公示され、かつ、予備申告に係る 貨物の船荷証券が発行された日以降の日から行うことができる。《財務省通達・平成12年蔵 関第251号》
 5 税関は、輸入申告に際し提出された仕入書により輸入貨物の課税標準を決定することが困難であると認められるとき、又は税関において仕入書を提出することができないと認めたときは、課税標準の決定のため、運賃明細書、保険料明細書、又は包装明細書の提出させることができる。《関税法第68条第2項《課税標準を決定するための書類の提出》

第5問(課税価格の計算)

正解 3,105,000円

解説
1 FOB価格・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,000,000円・・A
2 肩代わり弁済費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2,000,000円・・B買手が、輸入取引の条件として、第三者に対し売手が負っている債務を肩代わり弁済す
る場合には、当該肩代わり弁済する債務額をも含めた額で輸入貨物を購入したことになる
ので、当該肩代わり弁済する債務額を課税価格に算入する。《関税定率法第4条第1項本文、
同法施行令第1条の4本文前段》。
3 輸出港から輸入港までの運賃・・・・・・・・・・・・・・90,000円・・C買手が負担する輸出港から輸入港までの運賃は、課税価格に算入する。《関税定率法第4
条第1項第1号》。
4 輸入港からMの倉庫までの国内運賃・・・・・・・・・・・・不算入
買手が負担する費用であるが、輸入港到着後の費用であり、かつ、関税定率法第4条第1項《限定列挙加算費用》に規定する課税価格に算入すべき費用以外の費用である。
5 輸出港から輸入港までの保険料・・・・・・・・・・・・・15,000円・・D
買手が負担する輸出港から輸入港までの運賃は、課税価格に算入する。《関税定率法第4条第1項第1号》
6 輸入港での検疫費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不算入
買手が負担する費用であるが、輸入港到着後の費用であり、かつ、関税定率法第4条第1項《限定列挙加算費用》に規定する課税価格に算入すべき費用以外の費用である。
7 課税価格(合計) A+B+C+D= 3,105,000円


第6問(課税価格の計算)

正解 66,300,000円

解説
1 販売価格(FOB価格)               
10,000枚×6,600円/枚= 66,000,000円・・A
輸入する貨物は、映画をソフトウェアとして記録したDVD−ROMであって、データ処理機器(電子計算機等)に使用されるソフトウェア【データ処理機器の運用に関係する計算機プログラム、手順、規則又はデータ処理機器に使用されるデー又は命令をいう。】ではないので、仕入書価格に『ソフトウエアの費用』が、「DVD−ROM自体の費用」及び「ソフトウェアのDVD−ROMへ記録する費用等」と明確に区分されている場合であっても、その『ソフトウエアの費用』は、DVD−ROMの課税価格に算入しなければならない。《関税定率法第4条第1項本文、同法基本通達4−5(データ処理機器に使用されるソフトウエアを記録した媒体の課税価格の決定)、GATT(現WTO)評価委員会決定》。

(ポイント)データ処理機器に使用されるソフトウエアを記録した媒体の課税価格
データ処理機器に使用されるソフトウエアを記録した輸入媒体【キャリアメディア】の課税価格には、輸入媒体自体のコスト又は価格が区分されることを条件として、輸入媒体自体のコスト又は価格、データ 又はソフトウエアを輸入媒体に記録する費用等を算入するものとし、データ又はソフトウエアのコスト又は価格は算入してはならない。
データ又は命令【ソフトウエア】には、データ処理機器に組み込まれているもの又
はサウンド、シネマチック及びビデオ・レコーデイングを含まない。
2 輸入港までの運賃及び保険料          300,000円・・B
輸入貨物の輸入港までの運賃及び保険料は、課税価格に算入する。《関税定率法第4条第1項第1号(課税価格に算入する輸入港までの運賃等)》。
3 課税価格(合計) A+B =    66,300,000円


第7問 (関税率表の所属の決定)

正解 2

解説
(正=a、d)
 a 革製のサッカーボールは、競技その他の運動に使用する物品であるので、第95類(運動用具)に分類する。《第95.06項》なお、革製品のカテゴリーの第42類の注1(l)には、第95類の物品を除外する旨が規定されている。
 d 特別な廃棄処理を要求される薬剤で汚染された使用済み注射針は、2002年度改正で新設された第38・25項(化学工業において生ずる残留物、都市廃棄物、下水汚泥等の廃棄物)に入り、医療廃棄物(第3825.30号)に分類する。《なお、第38類注4「都市廃棄物」の欄を参照》
(誤=b、c、e、)
 b 鉄鋼製のボルト、ばね等の汎用性のある物品の分類は、それぞれの該当する項に分類し、機械等の部分品として第16部(機械類及び電気機器等)には分類しない。《第15部注2》
 c 化学的に純粋なぶどう糖は、糖類に分類されることから、第17.02項のその他の糖類に分類し、第29.40項からは除かれる。《第17類注1(b) 》
 e 乗用自動車用のゴム製の空気タイヤは、ゴム製品に分類されることから、第40.11項に分類し、自動車の部分品には分類しない。《第41類注2の除外規定に該当しない》


第8問 (関税率表の所属の決定)

正解 3

解説
(1) 表の左欄と右欄の関係は次のようになる。
  関税率表の類 物  品 関税率表の類
第03類 a 生きているうなぎ
b 生きているかめ
c 生きているたこ
第03.01項
第01.06項
第03.07項
第15類 a 魚の肝油
b ひまし油
c カカオ脂
第15.04項
第15.15項
第18.04項
第27類 a 木 炭
b 石 炭
c 天然ガス
第44.02項
第27.01項
第27.11項
第62類 a 綿製ハンカチ
b 絹製ネクタイ
c 革製ベルト
第62.13項
第62.15項
第42.03項
第90類 a 顕微鏡
b 腕時計
c 松葉つえ
第90.11項
第91.01項
第90.21項
(2) 左欄の類に含まれないものの組合せは、次のとおりとなる。
したがって、これらの組合せを含むことなく、正しい対応関係となっているものの組合せは、3である。
 イ−b 「生きているかめ」は、第3類に入らない動物として第1類の第01・06項に分類される。《第1類注1》
 ロ−c 「カカオ脂」は、ココア及びその調製品として第18・04項に分類される。《第15類注1(b) 》
 ハ−a 「木炭」は、第44・02項の規定から同項に分類される。
 ニ−c 「革製ベルト」は、第42.03項の規定から衣類付属品として同項に分類される。
 ホ−b 「腕時計」は、第91・01項の規定から同項に分類される。

第9問 (関税率表の所属の決定)

正解 2

解説
(処理、加工により分類が変更するもの= a、b、d)
 a 生鮮りんご(第8類)をしぼってジュースにする ⇒ りんごジュース(第20.09項)
 b 大 豆(第12類)の油を取り除きかすにする ⇒ 大豆油かす(第23.04項)
 d 綿織物(第52類)を裁断、縫製しカーテンにする ⇒ 綿製カーテン(第63.03項)(処理、加工により分類が変更しないもの= c、e)
 c 羊の原皮(第41類)のなめし加工 ⇒ 羊のなめした皮(第41.05項)
 e 金の塊(第71類)の整形加工 ⇒ 金の指輪(第71.13項)

第10問(NACCS特例法)

正解 2 

解説    
(正=a、d)
 a 通関業者は、電子情報処理組織を使用して入出力装置から他人の依頼による輸入申告を行う場合には、当該申告の入力内容を紙面又は入出力装置の表示装置(画面)に出力させて通関士に審査させなければならない。《NACCS特例法第5条、同法施行令第7条》。
 d 指定地外検査の許可の申請は、電子情報処理組織を使用して行うことができる申請として指定されていない。《NACCS特例法第3条第1項、同法施行令第2条及び別表》。
(誤=b、c、e)
 b NACCS特例法には、このような趣旨 (「通関士の了承を得れば、通関業者の従業者は入力された輸入申告の内容を通関士に代わって審査することができる。」との趣旨)の規定はない。なお、上記aの解説を参照のこと。
 c NACCS特例法には、このような趣旨(「輸入許可書は、輸入許可情報を通関業者の入出力装置から紙面に出力したものでなければならない。」との趣旨)の規定はない。
 e 輸入品に係る内国消費税の修正申告は、電子情報処理組織を使用して行うことができる。《NACCS特例法第3条第1項、同法施行令第2条及び別表の第42号》。

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