本試験問題と解答・解説


平成13年度第35回通関士試験解答
  

〔通関業法関係〕(時間45分)

〔解答と解説〕

〔記述式〕

第1問
(通関業の目的及び通関業務)
正解
1 適正な運営
2 申告納付
3 通関(引取り)
4 迅速
5 代行
6 許可制
7 法的(法律的)
8 行政不服審査
9 異議申立て
10 審査請求

関係条項
 通関業法第1条(目的)、第2条(定義)及び第3条(通関業の許可)

第2問(記帳、届出、報告等)
正解
1 帳簿
2 収入
3 閉鎖
4 作成
5 3年間
6 税関官署(財務大臣)
7 財務大臣(税関官署)
8 不服申立書
9 依頼を受けたこと
10 料金

関係条項
 通関業法第22条(記帳、届出、報告等)、同法施行令第8条(記帳及び書類の保存)



〔短答式〕

第1問(定義) 

正解 5

解説
他人の依頼により、外国貨物を保税蔵置場において見本として展示することの許可申請をすることは、通関業法第7条の規定により、通関業務に先行する関連業務とされている。従って、5は、誤っている記述である。
これに対し、1、2、3及び4は、次の規定により、いずれも正しい記述である。
 1 同法第2条第1号ロ(通関書類の作成)
 2 同法第2条第1号イの(3)(税関官署に対してする主張又は陳述)
 3 同法第2条第4号(通関士)
 4 同法第2条第1号イの(1)の(三)(船用品(機用品)の積込承認申告)

第2問(通関業の許可及び許可の基準) 

正解 3

解説
b及びcは、次の規定により、いずれも正しい記述である。従って、記述の正しいものの組合せは3(b、c)である。
 b 通関業法第5条第2号(人的構成に関する基準)
 c 同法第3条第2項及び第3項(通関業の許可に附する条件)
これに対し、a、d及びeは、次のように、いずれも誤っている記述である。
 a 通関業の許可を受けようとする者は、同法第4条第1項第1号(許可の申請)の規定により、その者の氏名(又は名称)をもって通関業の許可の申請をしなければならない。
 d及びe 設問のような趣旨の規定はない。 

第3問(許可の申請) 

正解 3

解説
通関業の許可申請書に記載しなければならないこととされているのは、通関業法第4条第1項第3号の規定により、通関業務を行なおうとする営業所ごとに置こうとする通関士の数(従業者の数ではない。)とされている。従って、3は、誤っている記述である。
これに対し、1、2、4及び5は、次の規定により、正しい記述である。
 1 同法第4条第2項(許可の申請)、同法施行規則第1条第6号(通関業許可申請書の添付書類)
 2 同法第4条第1項第2号(許可の申請)
 4 同法第4条第1項第5号(許可の申請)
 5 同法第4条第2項(書面の添付)

第4問(変更等の届出) 

正解 2

解説
a及びcは、次のように、いずれも誤っている記述である。従って、記述の誤っているものの組合せは2(a、c)である。
 a 設問のような趣旨の規定はない。
 c 通関業者が破産の宣告を受けた場合の届出義務者は、同法施行令第3条第3号(許可の消滅に関する届出義務者)の規定により、破産管財人とされている。
これに対し、b、d及びeは、次の規定により、いずれも正しい記述である。
 b 同法第12条第1号(変更等の届出)、第4条第1項第1号
 d 同法第12条第1号(変更等の届出)、第4条第1項第5号
 e 同法第12条第3号(変更等の届出)、施行令第3条第1号(許可の消滅に関する届出義務者)

第5問(通関士の審査等) 

正解 3

解説
外国貨物運送申告書は、通関業法第14条(通関士の審査等)、同法施行令第6条(通関士の審査を要する通関書類等)の規定による通関士にその内容を審査させることを要する書類とはされていない。従って、通関士にその内容を審査させることを要しないものは、3である。
これに対し、1、2、4及び5は、次の規定により、いずれも通関士にその内容を審査させることを要する書類である。
 1 同法施行令第6条第1号(特例輸入者承認申請書)
 2 同法施行令第6条第4号(関税更正請求書)
 4 同法施行令第6条第2号(異議申立書)
 5 同法施行令第6条第1号(外国貨物船用品積込承認申告書)

第6問(更正に関する意見の聴取) 

正解 2

解説
a及びdは、次のように、更正をする場合において、通関業法第15条(更正に関する意見の聴取)の規定に基づき、いずれも税関長が通関業者に対して意見を述べる機会を与えることを要するものである。従って、意見を述べる機会を与えることを要するものの組合せは、2(a、d)である。
 a 関税に関する法令(減免税条項)の適用上の解釈相違に基因する関税の増額更正
 d 関税率表の適用上の所属の相違に基因する関税の増額更正
これに対し、b、c及びeは、次のように、いずれも意見を述べる機会を与えることを要しないものである。
 b 暫定税率を適用すべきところ基本税率を適用したことに基因する関税の増額更正
 c 減額更正である。
 e 外国通貨により表示された価格の本邦通貨への換算レートの適用の誤りは、同法第15条ただし書に規定する「計算又は・・・の誤りその他客観的に明らかな誤り」に基因するものである。

第7問(検査の通知) 

正解 5

解説
d及びeは、次のように、いずれも正しい記述である。従って、その記述の正しいものの組合せは、5(d、e)である。
 d 通関業法第16条(検査の通知)の規定に基づく検査の通知は、口頭又は書面のいずれでも差し支えないものとされており、その通知は、検査票の交付をもって代えることができることとされている。(通関業法基本通達16−1(検査の通知の取扱い)
 e 関税法第63条第2項(保税運送の承認の際の検査)の検査は、同法第16条、同法施行令第7条(通知を要する検査の範囲)において、税関長が通関業者又はその従業者の立会いを求めるために通知を要する検査とはされていない。
これに対し、a、b及びcは、次のように、いずれも誤っている記述である。
 a 通関業法第16条(検査の通知)の規定により、通知を要する検査の範囲は、関税法第67条(輸出又は輸入の許可)の検査に限られていない。
 (外国貨物の積戻し申告、蔵入承認申請等があった場合に行われる検査が含まれる。同法施行令第7条(通知を要する検査の範囲)参照。)
 b 通関業法第16条(検査の通知)の規定に基づく通知は、同条の規定により、通関業者に対してしなければならないこととされている。
 c 通関業法第16条(検査の通知)の規定に基づく検査の通知は、口頭又は書面のいずれでも差し支えないものとされている。(通関業法基本通達16−1(検査の通知の取扱い)

第8問(通関業者の届出又は報告の義務) 

正解 1

解説
a及びdは、次のように、いずれも誤っている記述である。従って、その記述の誤っているものの組合せは、1(a、d)である。
 a 設問のような趣旨の規定はない。
(通関業務を行う営業所の責任者を変更することとなった場合には、通関業法第12条第1号(変更等の届出)の規定により、通関業者は、遅滞なくその旨を税関長に届け出ればよい。)
 d 毎年4月1日から翌年3月31日までの間に二以上の事業年度が終了する通関業者は、同法施行令第10条第1項かっこ書の規定により、これらを通じた期間(報告期間)ごとに税関長に定期報告をしなければならないこととされている。
これに対し、b、c及びeは、次の規定により、いずれも正しい記述である。
 b 同法第22条第2項(届出)、同法施行令第9条第1項(従業者等に関する届出)
 c 同法第22条第2項(届出)、同法施行令第9条第2項(従業者等に関する届出)
 e 同法第22条第3項(報告)、同法施行令第10条第2項(定期報告書の添付書類)

第9問(通関士の資格) 

正解 5

解説
通関士が、通関業法第35条第1項(通関士に対する懲戒処分)の規定により通関業務に従事することを禁止されたときは、同法第6条に規定する「欠格事由に該当する者」となるので、同法第32条第2号(欠格事由該当)の規定により、通関士は、その資格を失うこととされている。従って、5は、正しい記述である。
これに対し、1、2、3及び4は、次のように、いずれも誤っている記述である。
 1 通関業者は、通関士の設置を要しない地域にある営業所に通関士を置く場合であっても、同法第31条第1項(確認)の規定により、税関長の確認を受けなければならない。
 2 通関士が、通関業法第31条第1項(確認)の確認を受けた通関業者の通関業務に従事しないこととなった場合には、同法第32条第1項第1号の規定により、通関士は、その資格を失う。
 3 通関士が、同法第35条第1項(通関士に対する懲戒処分)の規定により戒告処分を受けたとしても、通関士はその資格を失うことはない。(同法第32条第1項各号参照。)
 4 通関士が、同法第35条第1項(通関士に対する懲戒処分)の規定により通関業務に従事することを1年間停止されたとしても、通関士はその資格を失うことはない。(同法第32条第1項各号参照。)

第10問(通関業者に対する監督処分又は調査の申出) 

正解 3

解説
税関長は、法人である通関業者の通関業務を担当する役員につき、関税法の規定に違反する行為があった場合において、当該通関業者の責めに帰すべき理由があるときは、通関業法第34条第1項第2号(通関業者に対する監督処分)の規定により、当該通関業者に対し、監督処分をすることができる。従って、3は、誤っている記述である。
これに対し、1、2、4及び5は、次の規定により、いずれも正しい記述である。
 1 通関業法第34条第1項第1号(通関業者に対する監督処分)
 2 同法第34条第1項第2号(通関業者の責めに帰すべき理由がある場合の監督処分)
 4 同法第34条第2項(処分の公告)
 5 同法第36条(調査の申出)



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