通関実務対策(続)

通関実務対策(続)

司会

これまで、講習会の特別答練出席者の皆様から、受験の動機、勉強の全体計画、第1科目(通関業法)、第2科目(関税法等)、それから第3科目(通関実務)の学習対策についてお話を聞いて参りました。これからは、第3科目についてもう少し続けて、また、スランプ脱出法や直前対策などについて具体的なお話をお願いしたいと思います。

 

新規! 特別答練
司会

今年(平成25年度)は通関実務分野強化の観点から、受講生からの提案を受け、試みとして終盤期、土曜日の午後2回通関実務について特別答練を開催しました。比較的皆さんの評価もよく、平成26年は今回のものを中身を濃くして実施することを考えています。つきましては、思い出などお話ししていただきたいと思います。

Bさん

私は他の専門学校を含め4年間勉強をしましたが、一番強い思い出は関税協会の特別答練の講座でした。まずよかったのは、同じ志を持つ者同士が知り合いになれたことです。講習会で、ごく近くの席に座っている人でも、何となく話しにくいものです。本試験さながらの90分間のテストもありましたが、数人で班を組み協力して分類の品名を覚えるための語呂合わせの取組みもしました。知恵を作るとともに、仲間との親近感も増しました。

司会
 

班別に「類」の語呂合わせや今後の学習対策に頭をひねりました。

そうでしたね。4人一組で例えば、「36類(火薬類、マッチ)と93類(武器、銃砲弾)」の語呂合わせ作り、

三郎(36)さんマッチでやけど、兵衛さん(93)は銃弾のけが」とか。

例えば、「40類(ゴム、同製品)」では、

アラフォー(40)過ぎたら、ゴムチューブ体操始めよう!」とか。

私はアラフォーとは何かと思ったら、「アラウンドフォーティー」を意味し、40才くらいであることを知りました。

以下はその後Bさんから聞いた話ですが、この手法を分類以外にも、特例輸入者の承認をしないことの要件を覚えるために活用していました。

通告処分3年、禁錮2年、罰金2年、暴力団5年、取消より3年を経ないとAEOの承認を通常取れません。

(3)(2)(2)(5)馳走さん(3)」

と覚えていました。

語呂合わせを作る過程が大切なんですね。作っている段階で、脳に何度も刷り込みの作用をしていると思うんです。自分で考えながら作ることが大切ですね。このための時間は、復習していると同じなのでもったいなくはないと思います。

Oさん

平成26年度も特別答練を開催するのですか。

司会

開催します。受講対象は、講習会と通信教育(ビデオを含む)講座の受講生です。講習会の受講生には土曜日終日2回。通信教育の受講生の場合はスクーリングが2回ありますが、そのうち後半の1回(1.5日)です。定員はそれぞれ54名です。ただ通信教育の場合、希望者が定員をオーバーする場合には、54名とします。選定の方法は、全部で7回課題を提出してもらうのですが、そのうち前半の1~5回の成績により参加者を決めたいと思っています。

Oさん

通信教育の場合は、スペースの関係で、希望者全員が受講できるとの保証がなく、課題の成績順となるということでしょうが、それはそれで、合格を目指す方には第2科目、第3科目の対策強化にもなりますね。

司会

今年の講習会の場合は、午後わずか4時間だったので、90分間の問題取組みと、簡単な解説、それから受講者同士の対話による学習法の披露、士気の高揚、記憶術の学習等で終わりました。
平成26年度は、時間を増加したので、内容について充実していくことを考えています。

Hさん

私は、特別答練の時もらった原寸大の過去7年分の申告書問題をコピーして、繰り返し活用しました。

Kさん

初めての者にとっては「ゼロ申」(『ゼロからの申告書』)とは何かとか、分からないことが多いですね。わたしの場合、本を配布されるまでの4月、5月位までは全く知らない状況でした。第1回目の中間テストなどは全く点の取れない状況で、ようやく7月くらいでこれは大変なことだと思いました。通関実務はもう少し早くから取り組めばよかったと思います。講習会では、7月にならないと申告書の作成要領なども講義が始まらないんですよね。

Aさん

土曜の特別答練のことですが、実務についていろいろテクニックがあるなということが分かりました。実務の通常の講座が始まったころに1円の誤差が出るということを聞きました。自分でやってみて1円の誤差が出ていたのですが、1円が合わなくてもほったらかしていたのですよ。1円が違っていても○が付くのだろうと(笑)全然試験を知らないので。授業の時に、割ってから掛けるので、電卓の桁数の制約で1円足りなくなることがある、ということを聞きました。電卓の限界は知っていたのですが、そのことがこの1円につながるということについては全然気が付かなかったのです。

土曜の特別答練でこの他にもテクニックがあったと思いますが、このようなテクニックがあるということは、集中的にやって覚えられると思います。

最初私は試験を受ける気はなかったと言ったのですが、夏が終わるぐらいにはやっぱり受けようかと思いはじめて、通関業法とか、実務とかの勉強を始めたのですが、そんなタイミングでテクニックを教えてもらえるというのはよかったですね。

通関実務の方は、時期はともかく、どこかで集中的にやった方がいいと思います。時期はその人その人の状況にもよるし、何年目の人もいると思うので、一概には言えないと思います。集中的にやって、その時にテクニックなども教えてもらえればいいと思います。ものすごく身に付く気がします。

司会

通関実務にはテクニックを教えてもらうタイミングが大切だということが分かりました。

Bさん

わたしたちと全く違うアプローチと思ったのですが、コツコツやるならやはり”ゼロ申”とかを早めにやるのがいいと思うのですが。1年目に合格まで完結できる方は、7月、8月位に申告書をやっても大丈夫かもしれませんが、それを知ってびっくりしました。

Aさん

毎日の仕事で切羽詰まる時もあり、切羽詰まりながら法令を読んでいるので、同じような気持ちで問題にも対応しているのではないかという気がします。

 

 

申告書 品目分類消去法
司会

ところで、申告書作成問題で選択肢①~⑮の品目番号を試験問題(別冊)の実行関税率表(抜粋)の品目番号付近に①~⑮を付している方は何人いますか。挙手をお願いします。(別紙4 参照)(挙手)
一人以外全部ですか。そんなに多いとは意外でした。

一同 あの方法はいいですよ。
司会 あの方法については、3年ほど前、私どもの方から発信したのが、全国で初めてではないでしょうか。品目分類に苦手の方が、何とか限られた時間の中で、正解の品目番号に辿り着くために考えたものです。現場の実務には通用しませんが、試験問題を解くために消去法の一方法として考えたものです。コロンブスの卵みたいなもので、その方法を聞けば、なあんだ!と思いますが。わたしは3年ほど前あるときハタと気が付いた次第です。番号をつけるのに最初は6、7分かかりますが。第45回の難しかった輸出申告書作成の「肥料等」などの問題には特に役に立つと思いましたが。
Lさん 申告書問題の別冊の実行関税率表(抜粋)に15個の番号を振るのに慣れたら5分もかからずできますよ。
Eさん 今回の輸出申告書のbamboo祭りはそれで救われました。英語の方の照らし合わせが15個で済むのでそれで乗り切りました。
司会 この問題はネットの2チャンネルで、bamboo festivalとして話題になっていましたね。
Lさん 申告書問題に提示される別冊の輸出統計品目表(抜粋)なり実行関税率表(抜粋)は最近はとてもページ数が多くなりましたから、仕入書の1品目をそれから探し出すのは大変ですよね。それからもう一つの傾向として、類の数が多くなりましたね。前は2、3個だけだったと思いますが。
司会 実行関税率表に①~⑮の番号を付して検討の対象を絞らなければ、よほどの分類通でないとさばききれないと思いますね。

 

 

語呂合わせ
司会

私は、第3科目の中心をなす分類の対策の対象としては、3つあって、①「解釈通則(1~6))、②「類の197類」、③「注」のうち過去出題された120あまりのもの、を把握することが大切だと思います。

Oさん 注のうち過去出題されたものは120あまり、といいましたが、それはどこに示されているのですか。
司会

通関実務のテキストの後半にあり、すべての「注」のうち過去出題のものはゴシックで示しています。

例えば解釈通則についてみると、通則3(b)が何を意味しているのか分からないと答えようがありません。通則1~6は基本のキということになります。講義でこの覚え方の例を示しましたね。小売用のセットにした物品の分類の例です。この小売用のセットにした物品は、生スパゲティ(第19.02項)、すりおろしチーズ(第19.02項)及びトマトソース(第21.03項)から構成されており、スパゲッテイ料理に使用するため小売用のセットとして紙箱に詰められたものは第19.02項に分類するというものです。特別答練で語呂合わせ作りの時間でも紹介しましたね。

賛美3(b))する重要特性(いくつかの類の品目のうち、重要な特性をもつ)スバゲティー。」

つまり、上記の小売セットは、重要な特性のあるスパゲティーに分類するという、語呂合わせですね。(別紙5 参照)

今年の試験の第3科目の第5問を見てみましょう。

次の記述は、関税定率法別表の所属の記述に感ずるものであるが、それぞれの物品の所属の決定に関して関税率表の解釈に関する通則3(b)が適用されたものはどれか、すべてを選び、その番号をマークしなさい。

という問題です。
通則3(b)が何であるか分からないと手の施しようがありません。

Bさん

申告書が課題であると考えていたので、『ゼロからの申告書』を毎日1問だけでも解くことにしました。勉強のうちに「注」を読んでおこうと思って、試験問題として出るかどうかわからないのですが、スケート靴にアイススケート又はローラースケートが付いていると95類だけどこれらがついていないと64類になるということが分かりました。それも64類の「注」に書いています。『ゼロからの申告書』を勉強しながら、分類の問題の対策にもつながるなと思いました。最初は気付かなかったんですが、そういえばそうだという風に思うようになりました。

また、『ゼロからの申告書』の輸出問題15問、輸入問題15問を繰り返すと、少なくともそこに出てくる類について、理解が深まります。1~97類を覚える際にも大変役に立ちました。

Nさん 来年も受けますが、余裕を持って臨み10回受ければ9回受かるぐらいの気合いで…。輸入申告書の問題で、関税評価の加算、非加算要素では過去問にないものが出てくる傾向がありますのでこれに注意しようと思います。また昨年まで税関によく出向いていて、インコタームズの話がよく出るのでこれからのポイントになるのではないかと勝手に思っています。
司会 他の方のご意見はありませんか。

 

 

楽しみながら1~97類を覚える カードシャッフル法
司会

今年通信教育の受講生からの合格体験記に紹介されていたのですが、これはすごいアイデアだと思うのがありましたので、紹介します。

先ほども申し上げましたが、通関実務の最も重要なところは分類で、それは①解釈通則の1~6までの理解と②1~97類までの対象品目と除外品目とその行き先の類番号並びに③部、類、項の注を覚えることです。そして早くこの3つを確実に自分のものにすることであり、そうしたら皆が苦手とする分類の問題を解くのが楽しくなる、と繰返し申してきました。

ご紹介しようとするのは、私が仮に名前を付けたのですが、”カードシャッフル法”と呼ぶ方法です。

まず、部の21の名称を覚える、次に類の1~97類を覚える方法です。この方法で楽しみながら自然に覚えると思います。皆さんに配りました紙はA3で3枚あります。(別紙6 参照)

1枚目は「部」、2~3枚目は「類」のためのものです。

それらの紙の表現は、合格体験記に書いていることをそのまま具現化したのです。部の紙はA3の紙に4×5の20のマス目を作る。それぞれに1~20まで番号を振ります。最後のマス目には最後の部である「21」を追加して書きます。別に単語カードを買ってきて、表に「第1部1~5類」、裏に「動物(生きているものに限る。)及び動物性生産品」と書きます。順次21部まで作ります。そのカードの裏を上にしてシャッフルします。そして、裏の名称を見ながら、A3の20のマス目に置いていくのです。何回も置いているうちに自然に覚えていくという方法です。体験記には書かれていないのですが、片方の上方を小さく三角形に切り取って取り除いておくと、各カードの裏表がちぐはぐにならずに揃い便利だと思います。

ひとつづつ頭の中で覚えようとすると頭の中でごちゃごちゃしますけど、この方法だとあまり苦労はないですよね。

 

 

来年受験される方で、お配りの紙を使うようでしたらどうぞご利用ください。

実際に試験に出るのは、部の方ではなくて、1~97類の「類」の方です。2枚目、3枚目の方です。A3の紙を縦横で10×5の枠を入れています。1類から50類まで用と51類から97類まで用です。それぞれのマス目に部の場合と同じように1~50、51~97までの番号を入れます。

Oさん 1~21部は覚えなくていいですか。
司会

品目の全体を掴むには覚えておいた方がよいです。木を見て森を見ずという諺がありますが、品目全体である森が見えてきます。

「類」について一応作ってみたのですが、カードを置いていくにはちょっと狭いかなと思います。半ページに切ってそれを倍に伸ばして糊で貼って大きくしてもいいですね。

「類」の場合のカードの作り方を説明します。カードの表に「1類」と書く。そして、裏には、「1類 生きている動物」と除外する商品の例を書く。生きているいせえび・かたつむり・なまこ(3類)、培養微生物(30類)、巡回サーカス用の動物(95類)と書きます。
これらの品名は通関実務のテキストに表になっていますね。

 

Oさん

除外する商品を単品ごとにカードにする方法もありますよね。

司会

よいことに気がつきました。よく例に出すのですが、除外する商品のカードの作り方は、表に「巡回サーカス用の動物」と書き、裏に「95類」と書けばよいですね。最初は、生きている動物だから1類かなと思ってカードを1類に置こうと思ったら、間違いだと分かります。次からはきっと95類に置くことになるでしょう。

 

 

ゲーム感覚で覚えるわけです。皆さん、これからこのゲームをやっていけば講座の開始する春までには覚えちゃうでしょう(笑)

「注」なんかも工夫したらいいと思いますね。注は全体で600くらいあると思いますが、受験用に大事な「注」は130位だと思います。テキストにゴシックで案内していますから分かります。

それから、「注」の記述にはよく「参照」という言葉が使われていますが、「参照」と書かれている場合は、その除外されている品名の行き先を示していますよね。たとえば、次のようにです。

 

第3類 魚並びに甲殻類、軟体動物及びその他の水棲脊椎動物

1 この類には、次の物品を含まない。
(d)キャビア及び魚卵から調整したキャビア代用物(第14.04項参照)

 

とあります。テキストではこの(d)をゴシックで書いてあります。これをカード化することも考えられますね。

つまり、キャビアは3類に含まない。どこに含まれるかというと「参照」と記されている第14.04項に含まれるということになります。

疲れた頭には一番よいのではないでしょうか。使う脳の部分が違うんじゃないかと思いますね。遊びながら、お酒を飲みながらでもできそうですよね。法律を読んでいくときに使う脳と違いますよ、きっと。

合格された方は、マス目の用紙はもういらないでしょうからここに置いて行って下さい(笑)