ホーム通関士養成第47回通関士試験を振り返って › 今回も通関実務の壁は高かった

今回も通関実務の壁は高かった

今回も通関実務の壁は高かった

司会

本日は、講習会の通関実務特別答練に参加された18名の方(合格者5名)のうち、都合のつく14名の方にお集まりいただきました。1、2点が足らずに涙をのんだ方も多くいらっしゃいます。合格された方はおめでとうございます。惜しくも合格できなかった方には、再度挑戦され次回こそは栄冠を勝ち取られるよう期待しています。今日は後輩のためにいろいろご意見をいただきたいと思います。

まず、早速ですが、今回の試験の感想などをお聞かせいただきたいと思います。

Dさん 今回2回目の受験で合格できたのですが、最初の受験の感想としては結構なめて試験勉強をしてまして、1年で合格するのは無理やなと諦めており、通関業法で1点足りず、通関実務で4点足りなかったのです。1点と4点取ればいいんだと、今回受験しました。自己採点する前は全く自信がなかったのですが、自己採点したら結構とれていて逆にびっくりしました。
Eさん 今回は、残念ながら実務で1点足りなくて不合格となりました。悲しすぎるんですけど。また来年頑張ろうという思いもありまして、今日はここに参加しました。皆さんと有意義な意見の交換ができればと思っています。
Hさん 4月から勉強して参りました。試験は実務で2点足りなくて落ちました。問題量も解くのが少なかったし、当然かな、そんなに簡単には通らないかな、という風に思いました。
Iさん 受験は1回目なんですが、3科目目の実務が及びませんでした。
Jさん 長年3科目目に難儀しています。過去1点とか2点とか3点及ばなかったのですが、今回は勘違いがあったりして特に悪かったです。勉強のやり方というよりも、取組の考え方など聞ければと思ってここに来ました。
Kさん 試験は、実務が3点足りなくて落ちました。
Aさん 試験は1回で合格しました。(オー!!一同どよめき) はめられている問題が多かったように思います。私は一応関税法を扱うポストにおりまして、何となくそれが分かりました。文章のあやみたいなものを読み込んでいるつもりでいたので。これはヒッカケ問題だとか…が結構あったと思います。
Bさん 4回目でやっと何とか合格しました。3科目目でずぅーっと落ちてきたんです。2年目ぐらいに合格するつもりで頑張っていたんですが、3年目は結構がっくりきてボロボロになって、なんにもしたくなかったです。今年は発憤して関税協会の講座を受けて、頑張ってこの日を迎えました。
Lさん やはり第3科目目で落ちました。竹串Bamboo skewerや口銭の意味が全然わかりませんでした。
Cさん 私もいつも3科目目で泣き、加算と非加算要素で悩んでいて、結構悔しい思いをしてきたんです。前半は『ゼロからの申告書』が届いたら講義の始まる前も朝もやるようにして、後半は『TOKOTON関税評価』『TOKOTON計算問題』の練習をして追い込んで、毎日講師の言われたことをこなして、今年は合格することが出来ました。結構私も苦労してきたんで、何か私がやってきたことで使えることがあればと思って今回参加しました。
Mさん 今年は2回目の受験だったのですが、落ちました。反省として全く反復練習が足りなかったです。来年の試験を必ず合格したいなと思って、今日ここにやってきました。来年の目標は、合格と自分の会社の名刺に「通関士」と書きたいです(笑)。
Nさん 以前会社から受けるように言われたことはありましたが、今回は本気で受けました。残念ながら実務の価格の転記ミスで点数が足りなかったのです。原因は3科目目に重点を置き過ぎたがため、1科目、2科目目で余裕が持てなかったからだろうと自分で分析しています。何かしら精神的に追い詰められたところがあったのだろうと思います。皮肉な結果になりました。
Fさん 前回は入院していて受験できず本試験は今回が初めてです。残念ながら3科目目で落ちてしまいました。螺旋階段みたいなところがあって、ループですね、上向き思考の螺旋階段を歩みながら、来年も講習会でやってみたいなと思っている次第です。改めて、がっちりした知識を得るよう螺旋階段を上がっていきたいと思います。
司会

ありがとうございました。この場には講習会の参加者のうち、希望により8月、9月に土曜の午後2回の特別答練を開催し、14~5名の方が参加され、5名の方が合格されました。

実務の輸入申告書の問題で落とした方が多かったようですね。「口銭」の意味が分からなかったりして。若い方は口銭の意味を分かっていない方がいたようですよ。通達まで読み込んでおれば別ですけどね。WEBの2ちゃんねるでも話題になっていました。「口銭」とは賄賂かと思ったとか。「口銭」とは、手数料、コミッションのことですよね。受講生の合格状況ですが、協会では通信教育講座で21%の方が合格しています。講習会でも6名が合格され、同じく21%の合格率となります。

 

 

《ヒッカケ問題》
司会

第47回の問題で、引っかけなどで注意しなければならなかったものなどを少し見ていきましょう。

第47回通関士試験の問題で、第2科目「関税法等」の語句選択式問題をご覧ください。

第1問 2 (2)賦課課税方式が適用される輸入郵便物であって日本郵便株式会社から税関長に提示されたものについては、(  )の属する日

つまり、適用法令はいつの日かを問われているのですね。選択肢は、名宛人に交付された時か、提示された時か。これは、カチっと覚えておけばどうということのない得点源になる問題です。複数肢選択式問題のように、5設問の全部を正解しないと1点取れないのとでは大違いですね。まさに、基本知識による容易な得点源です。 同じく第5問ですね。関税定率法の第4条の3国内販売価格に関するものですが、迷うところはあります。2を読んでみますと、

2 製造原価に基づく課税価格の計算は、輸入貨物の製造原価を確認することができる場合であって、当該輸入貨物を輸入しようとする者と当該輸入貨物の(ハ 生産者)との間の当該輸入貨物に係る(ニ 取引)に基づき当該輸入貨物が(ホ 本邦に到着する)こととなるときに限り行うことができる。

例えば、ニについてみれば選択肢は正解の「取引」であろうと「輸入取引の条件」であろうと意味は通じます。でも条文では「取引」です。正確に覚えておくことが大切です。

 

 

《Bamboo Festival》
司会

英語に相当強い人でも参ったでしょうね。“Bamboo”の単語が仕入書の9つの品目にすべて付いているんです。これらを解答するために、輸出統計品目表の分類で5つに分けるんです。

Bさん 私は全部を5種類に分けるしかないんだから、大きい値段のものだけ3つを調べて、後は少額合算できそうなものだけを調べて解答しました。でも、輸入は逆にそのようなやり方で失敗しましたが…(笑)。輸出はそのやり方で時間が節約できました。
司会 皆さん、Bさんが今言っている意味はわかりますか?仕入書記載の品目の金額の大きい順にいくつかを分類をして行って、2点でも3点でも短時間で取る。仮に、途中の品目と合算して金額の大きい順が違ってくると間違いが発生しますが、過去問ではあまりそのような例はないので。時間があれば後で見直す。あくまでも90分の時間内でいかに少しでも点数を得るかという戦術と思いますが…。輸入ではその方法が外れたといっていますが…、一つの戦術としては知っていてもいいのかなと思います。

 

 

《検査費用を重量按分で考えるのはおかしい》
司会

輸入申告書の問題も引っかかった人が多かったと思います。輸出国において行われた検査費用は、加算か非加算かという問題です。

記8 「輸入者は、当該申告に係る貨物が国内販売規格に合致しているかを検査するために輸出者に自社の立会者(技術者)を派遣してその費用として320,000円を負担する。立会者の作業内容は貨物を引き渡す際の品質の確認である。

記9 上記8の費用を申告価格に算入する場合の申告価格への振り分けは重量按分(KG)とする。

とあるわけです。

引っかけというのは、記8では、基本的な知識のある方は、これは輸出者のための検査費用か、輸入者のための検査費用かを考えるのです。説明文からは、多分「輸入者は、当該申告に係る貨物が国内販売規格に合致しているかを検査するために…」とあるから輸入者のため、つまり非加算と思いたくなるのですが。ところが、記9では、上記8の費用を申告価格に算入する場合の申告価格への振り分け方法を書いてあるわけです。そこで、これは多分加算要素であるのかと迷って、罠に引っかかってしまう。こんな方が多かったと思います。

司会 記9の記述なんて、それはないだろうと思いませんか。加算要素かと思うでしょう。
Dさん 私は最初は加算でやったんですよ。そうしたら少額のところで20万円を超えてしまったので、これは困ったと思って、この検査費用を外して計算しました。実務はこの計算で失敗してはだめだと思って、時間がかかっても仕方がないと思いました。それで計算し直しました。
Eさん この検査費用を重量按分で考えるのはおかしいと思いましたし、これは非加算でありヒッカケだなと思いました。
Nさん 私は両方計算しました。私も国内規格への合致かどうかの検査が、重量按分というのはいかにもおかしいので、試験で無理やり作ったのではないでしょうか。
司会 このような問題に対する試験場での対応は何かありますかね。
Bさん 記8、9が、おやおや変だなとか、20万円を超えるとか、重量按分はおかしいとか、と思い付くのは、『ゼロからの申告書』を繰り返した者には、気付くことが多かったのではないでしょうか。私は何回か受験しましたが、それまで重量按分のことは知らず、今回初めて『ゼロからの申告書』を勉強して、重量按分のことも知ったのですが…。
Eさん 私は、これは非加算で正解しました。でも実務は1点足りなくて、それは引っかけではなくて、トチリでしたが。chilled tomatoesを冷凍トマトと勘違いしました。冷蔵トマトとすべきであるにも関わらず。くやしい!(笑)
司会

次に、納期限に関する問題です。正誤のこれも引っかけ問題です。

通関実務 第3問

1 輸入の許可後にされた更正に係る更正通知書に記載された納付すべき税額については、当該更正通知書の送達を受けた日の翌日から起算して1月を経過する日までに納付しなければならない。

 

「1月」とありますから何となく正解臭いのですが、「当該通知書の送達を受けた日の翌日から」ではなく、正解は「発送の日の翌日」からですよね。生半可に覚えておくと、「1月」と読んだだけで、手拍子で「正しい」ときそうな問題です。他の4つの設問を正解していても、この問題は点を失うということになりますね。

皆さんの感想としては、総じて言うと、第1科目、第2科目は初受験の方を含め講義や問題集などにより頑張って何とかなったが、やはり第3科目(通関実務)に涙をのんだようですね。