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2年目の通関実務にはスタンスを変えて臨みました

~1年目の敗因を分析して心に決めた私の5カ条~

平成25年度・関士養成通信教育講座受講(受験2回)
Y.T.さん

第47回通関士試験に、受験2回目にして合格することが出来ました。
つたない文章ですが、私の勉強法が、少しでも、これから通関士資格取得を目指す皆さまのお役にたてれば幸いです。

<はじめに>
私は、通関業界にいる友人の話を聞いて興味が湧き、通関士試験を受けようと思ったものの、貿易関連の職に就いたこともなく、法律関連の勉強をしたこともないまったくの素人でした。
インターネット等で色々調べたところ、やはり、通関士資格取得には第一人者である日本関税協会がベストだと思い、通信教育講座に申し込みました。
ちなみに、勉強時間は、1年目は1,000時間程度、そのうち600時間ほどを実務試験の勉強に費やしています。
2年目は、仕事が忙しかった為、200時間程度です。

■1年目

【通関業法、関税法等】
テキスト等一式が届き、まず関税法のテキストを開いてみたのはよいものの、用語もわからず、法律独特の固い文章にも慣れておらず、最初は全く内容が理解できませんでした。
ビデオ通信教育講座に申し込んでいたので、まずは一講義ずつDVDを見て、『通関士試験問題・解説集』(以下、『問題集』)を解き、わからないところはテキストを読みました。
100%理解しようとすると先へ進めなくなり、通関士試験の勉強そのものを投げ出してしまいそうだったので、まずは全体の流れを掴むことを目標に、3週間程度で通関業法、関税法、関税定率法等を一通り終わらせました。
早めに実務試験の勉強を始めたかったことも理由の一つです。
2周目は、DVDを見る → テキストを読む → 『問題集』を解くことで理解を深め、3周目はテキストの重要語句に赤ペンを引き、緑のプラスチック下敷きで隠しつつ、音読した後に『問題集』を解きました。
テキスト音読は効果がありました。黙読よりも五感を使う方がはるかに頭に入りやすく、効果的に勉強できます。
また、関税協会のテキストはできる限り法文に忠実に、かつ分かりやすく解説されているため、テキスト自体を穴埋め問題のように読むことで、語句選択式問題をかなりの確率で得点できるようになりました。
本試験では、通関業法・関税法等は、1年目、2年目ともに8割以上を得点出来ていたため、関税協会のテキスト、『問題集』のみで十分対応可能だと思います。

【通関実務】
実務試験が一番の難関だと、たくさんの方が「私の合格体験記」に書いていたため、とにかく、「合格体験記」の中から、良さそうだと思った勉強法を全て取り入れてみることにしました。

  • 『ゼロからの申告書』
    申告書問題はできる限り多くの問題を解いて、慣れることが必要です。
    過去問と通信教育の課題問題だけでは足りないので、輸出入合わせて30問が掲載されている本書は非常に役に立ちました。輸出入申告書ともに、後半の数問は、1問に30分以上かけても全く解けないような、歯ごたえのある問題ばかりでした。
    受験までに6回ほど解き直しました。申告書問題に慣れてくると、ストップウォッチで時間を測り、1問を15分以内で解くことを目標としていました。
  • 計算問題
    7月以降は、毎日2~3問ずつ解いていましたが、『問題集』の過去問と実務テキスト掲載分しかなかったため、問題数が少ないことが悩みでした。
    現在は『TOKOTONドリル(計算問題)』が発売されている為、これから勉強される方は参考になるかと思います。
    申告書問題と計算問題を解くことは非常に楽しく、実務の勉強を始めてから、当初は苦しかった試験勉強が面白くなってきました。
    私は気分転換やモチベーションを上げることを兼ねて、勉強の合間に解くようにしていました。
    通関士試験のハイライトは実務ですので、変則的ですが早めに実務にとりかかることをお勧めします。
    関税定率法は特に、関税率法の通則や課税価格の決定など申告書問題等を解く為に必要なので、実務の勉強をすることで、相乗効果のように覚えることができます。
  • 関税率表
    実務のテキスト後半の関税率表を全てコピーし、項ごとに切り取って、単語カードに貼り付けました。
    それをリングにまとめ、あるいはランダムに並べ替え、表面(項の品名)を見て、裏面(項の番号)が当てられるようになるまで、繰り返しめくりました。
    また、類注も、別途ノートに貼り付け、重要な例外品目をまとめました。
    ちなみに、単語カードに張り付ける作業はものすごく大変で手が回らず、最終的に家族に手伝ってもらいました。
    自分もやってみようと思われた方は、出来れば最初から、コピー用紙ではなく透けない程度の厚紙に直接コピーすることをお勧めします。
    勉強法としてはかなり効果があったと思います。
    実務の勉強を始めた当初、申告書問題を解く時は、まずは仕入書の品名を見て、同じ表記のものを関税率表から探す作業を行っていましたが、品名を見ると同時に、実行関税率表のどの類及び項に含まれるか、あたりをつけられるようになり、申告書問題を解く時間が大幅に短縮されました。品目分類が、ほぼ得点できるようになりました。
    また、類に含まれない品目についても、仕入書の品名を見ると同時に解かるようになりました。
    平成23年度の輸出申告書のような、膨大な量の類注を読まなければならない問題を解く場合、時間短縮はアドバンテージになります。
  • 関税評価303
    受験までに3回ほど読みました。回答を間違えた箇所や、現実支払価格に含まれるのか加算要素として算入されるのか等の根拠が答えられない箇所には付箋を貼り、何度も読み返しました。

全国通関士模試オンライン模試
初受験ということもあり、あまり自信がないまま受験しましたが、結果は全国順位3位という好成績でした。
信じられませんでしたが、同時に励みにもなりました。
後述しますが、通関士試験は冷静な気持ちで受験することが大切であり、場慣れすることも大事です。
特に会場模試は、是非とも受けてみることをお勧めします。
ここで弾みをつけて、「今年必ず受かろう!」と思い立ちました。
8月末の協会模試以降、自由になる時間はほぼ勉強に費やしました。

【本試験】
全国通関士模試オンライン模試、他社の予備校模試でいずれもA判定を取っていたことから、緊張こそしていましたが自信を持って臨みました。
通関業法、関税法は余裕を持って終わらせることが出来ましたが、実務試験にはかなり戸惑いました。
複数選択式問題がかなり難しかったこと、申告書問題は分類こそ易しかったものの、各費用を加算するのか非加算とするのか迷うばかりで、どんどん時間が過ぎて行きました。
複数選択式問題と申告価格の計算を落とすと20点しかない、20点しかないと合格点の18点までぎりぎりになってしまうというあせりから、輸入申告書を解くことにかなりの時間を費やし、手ごたえがないまま終わりました。

【1年目の敗因】
本試験の焦りとプレッシャーから来るものが主な原因でした。
一言で言うと、あれだけ勉強したのだからなんとか受かりたいという気持ちが強すぎて、時間配分を誤ったまま全ての問題を解こうとしたこと、結果、解けるはずの問題を落としてしまったことにつきます。
合格体験記に、「全ての問題を解かなくても、18点の合格点をとればいい」と書いている方が何人もおり、受験前に何度も目を通していたにも関わらず、いざ本番、自分のこととなると、どうしても焦りが生まれます。
解答速報が発表され、再度問題を見直したときには信じられないようなケアレスミスがいくつもあり、いかに自分が平静さを失ったまま受験していたのかを痛感しました。
そこで、2年目は、実務試験に対するスタンスを変えました。

  1. 難しい問題は解かない。
  2. ケアレスミスは必ずある。
  3. 輸入申告書の申告価格計算は、取れないものと思っておく。
  4. 近年の傾向を分析し、出やすい問題はかならず押さえておく。
  5. 模試は本試験だと思い、本試験こそ模試だと思い、冷静かつ気楽に受験する。

 

実務試験は18点取ればよいと心に決め、ケアレスミスを含め20点取ることを目標に、難しい問題は解かずに、自分に解ける問題を解くことにしました。
また、申告価格の計算は毎年違う要素が必ず出てくるため、どれだけ勉強しても正答できるとは限りません。
残りの25点中、20点を取れる勉強をすべきだと割り切りました。
また、特恵関税制度、課税価格の決定の原則、経済連携協定については、形を変えて毎年のように出題されていたため、
勉強すれば確実に点を取れると判断しました。

 

■2年目

1年目の本試験で、業法、関税法等はいずれも9割前後取れていたため、復習程度にとどめ、実務試験の勉強にできる限りの時間を割くことにしました。
勉強法は1年目と同じく、関税協会の通信教育講座、協会模試を利用したため省略、新たに行ったことのみ記載します。

  • ヒューマンアカデミー 『通関実務集中対策問題集』
    『ゼロからの申告書』は何度も解き直し、既に問題を暗記してしまっていたので購入しました。
    近年の難化傾向に合わせた申告書問題が掲載されており、本試験までに3回ほど解き直しました。
  • 税関ホームページ
    関税評価、特に事例のページは非常に参考になりました。
    手持ちの『関税評価303』が旧版だったので、最新の事例に触れるため、また現実支払価格と加算要素の違いを徹底的に覚えるために、各PDFファイルをダウンロードして何度も読み返しました。
    さらにインコタームズ2010を調べ直し、仕入書価格の条件に関わらず、FOB、CIF条件に調整できるよう再勉強しました。

【本試験】
通関業法、関税法については、昨年と同じく余裕を持って終えることができました。
通関実務については、まずは計算問題4問を20分、複数選択式/択一式問題の10問を15分で解き、残り55分で申告書2問に挑みました。
輸出申告書から解きましたが、竹製品がずらりと並んだ申告書に面食らったものの、焦らず、取れる問題を取ればいいと自分に言い聞かせました。
計算問題の5問目は判断に迷い、時間がかかりそうだったため、回答せず、申告書を解き終わった後の残り時間10分を見直しに費やしました。
結果、それでもケアレスミスはありましたが、複数選択式/択一式問題が10問中9問正答できたこともあり、合格点に達することができました。

 

<最後に>
1年目に、不合格だとわかった時は物凄く落ち込みました。
勉強したことが全部無駄だったと感じ、もう1年勉強を続けるかどうか迷いました。
しかし今は、1年目の手痛い失敗があったからこそ、2年目に合格することが出来たのだと思っています(もちろん、初受験で受かればベストなのですが)。
2年目の合格発表の日、官報で自分の名前を見つけた時は、自分の努力が結果となって返ってきたことが本当に嬉しかったです。勉強時間が全てではありませんが、努力した分だけ、費やした時間の分だけ確実に実力はついているはずです。
どうか、最後まで諦めず、自分を信じて頑張ってください。皆様の合格を心よりお祈りしております。