ホームホーム通関士養成私の合格体験記アーカイブ › まず計画を立てそれを実行、臨機応変に修正をかけ、半年での合格を達成

まず計画を立てそれを実行、臨機応変に修正をかけ、半年での合格を達成

~時間管理とモチベーション維持が勝因~

平成29年度通関士養成通信教育講座、スクーリング、特別答練受講(受験1回)

全国通関士模試受験

S・Kさん

私は製造業で物流・輸出部門に所属していますが、カミや法律の領域は協力会社に丸投げで、職場でも理解している人も少なくモヤモヤしていました。そのため「体系だった知識」「周りに納得される箔(資格)」がほしいという純不純両面の理由で通関士試験にチャレンジすることにしました。

知識ゼロからのスタートです。しかし、やるからには1発で受かる(箔は早く欲しい)、そして今後に結び付く確かな知識をつけたいと考え、独学でなく多少のお金はかけようと、関税協会の通信講座を活用させていただきました。

 

・目標、スケジュール

勉強開始に当たり、受験勉強の目標を立てました。

①  標準勉強時間300時間+初受験で受かるため更に100時間⇒最低400時間は勉強する。目標500時間。(毎日、勉強時間をexcel入力。朝テキスト60、昼ドリル30、夜ゼロ申90等)

②  どんな試験も試験直前直後は不安になる。それを避けるため、8月の関税協会模試では合格水準に持っていく。(本番は余裕で合格する)

 

スケジュールは下記で立てました。

4月~7月:通信教育のスケジュール通り確実に進める → 基礎知識を固める

7月後半~8月模試:問題演習、申告書の訓練、過去問にチャレンジ → 出題形式を覚える

9月~本番:弱点対策、模試、過去問 → 知識の補充・定着、本番に向けての訓練

 

・勉強実績(4月~8月模試)  *勉強時間 4月65h、5月70h、6月75h、7月90h、8月55h

4月~7月:通信講座のスケジュール通りの箇所を、テキスト読む+対象箇所の問題集(2周)

1週目  理解できなくてもいいからテキストを読み切る。

問題集も、わからなくても1問解き解答を見て、解説もわからなくても読む。

何が書いてあるかわからない、問題も全く解けず辛い…。でも根性でやる! 

2週目  1周目でどのあたりの話をしているか把握できているので、今度はじっくり読む、解く。

半分くらいは問題が解けるようになりました。

通信課題は提出後、回答・講評・返信の都度もう一度解き、解説を読むことを繰り返しました。

 

通信講座完了後、過去問を解いたところ、3科目とも点数は5~6割でした。特に関税法等が弱かったため、問題演習と申告書の訓練の比重を計画より減らし、協会のテキスト2冊(関税法、関税定率法)をもう1回(3周目)読み直しました。

迎えた8月の関税協会の模試では、業法・関税法等では6割を超えましたが、実務では4割という結果でした。原因は申告書です。出題形式、解き方はわかっていたつもりですが、会場で受けるという環境、初めて見る問題に飲まれました。しかし真の原因は、問題を解く訓練の不足です。

 

・勉強実績(8月模試~本番直前)  *勉強時間 8月25h、9月125h

目標の8月模試で合格水準が未達成のため、本番までのスケジュールを再検討しました。

通関業法⇒テキストをもう1周+まるわかりノートで知識の定着と維持

関税法等⇒まるわかりノートで曖昧な知識を再度、理解する+評価・手続ドリル

通関実務⇒ゼロからの申告書(2周)を毎晩輸出入それぞれ1題ずつ、計算問題ドリル

休日には3年分の過去問、模試(協会の全国とオンライン・TAC)をそれぞれ2回ずつやりました。

 

・本試験と結果

通関業法9割、関税法等8割、通関実務8割で点数だけ見れば余裕を持った合格になりますが、それでも自己採点するまでは不安でした。結果だけ見れば、勉強時間は過剰だったかもしれません。今年は合格率が高かったこともあるでしょう。しかしこれだけやっていれば49回、50回のような難易度の年でも合格できたと自信を持っています。

試験問題の良し悪しに左右されるのも嫌ですから、やはりこれくらい目指すべきだったと思います。

 

・よかったところ

  • テキストをしっかり読み込んだこと
  •  
  • 模試・過去問を繰り返したこと
    •  
  • 勉強時間の目標を立て、記録しておいたこと

模試等の点数以外にも、これだけはやるんだ! (やったんだ!) と総勉強時間の目標時間を決めることでやる気の維持ができ、本試験での自信になりました。また通勤時間などの隙間時間はついつい「たった10~20分だし今日はいいか」となりがちですが、「時間を記録することで、目標勉強時間に加算できる。」と考えたらサボることがなくなりました。

  • 本番を想定して訓練する
  • 月模試の失敗から、申告書は対策をしました。解く手順を徹底的に訓練し(1.統計品目表に①~⑮を振りながらどんな項目があるかざっと見る、2.問題文 記の加算控除などポイントに○を付けながら読み、為替を確認、3.少額判断基準価格を計算、4.類注があれば目を通す、5.インボイスに品目番号を振る、6.同品目、少額を合算する、7.申告価格の計算)解答時間も本番を想定し、輸入は30分、輸出は20分で解くようにしました。また通関実務全体の解く順番を決め(1.第3問~第17問 50分以内、2.輸入申告書、3.輸出申告書、4.残り5分になったら途中でも見直し)、配点が5点の輸出申告書は最悪、捨てる覚悟で時間配分しました。
  •  

 

・最後に

私は時間をかけることができました(勉強時間500時間)。でもプライベートを犠牲にしたとは思いません。半年の受験期間中、飲み会やゴルフ、旅行にも行けました。それでも時間の確保が出来たのは勉強時間の記録とモチベーション維持があったからです。

モチベーションはそれぞれあると思います。私の場合は、通関士試験を受けるきっかけが「知識を付ける」「箔をつける」の純不純2つの動機でしたが、伸び悩んだときはむしろ純な動機(知識を付ける)が邪魔をしました(こんな知識で受かるよりもう1年じっくり勉強した方が将来役立つ、と言いわけ)。しかしその際に、不純な動機(箔をつける)で持ち直しました(来期、会社の資格欄に書きたい)。

 その他にも、来年も試験を受けられるだろうか(海外出張が入るかも、試験日に冠婚葬祭、家庭・仕事の状況が変わり勉強時間の確保が難しい)、今年かけたお金を講座・テキスト代以外に勉強時間も仮に時給換算したら100万円以上の損失では、と考え震え立たせました。

 

他社の教材は模試と立ち読みしか見てないので、ざっくりとした印象ですが、関税協会の教材・講座は体系だって中身が充実しており、最も生きた知識が身につくと感じました。受験のテクニックなどはもしかしたら他社の方が持っているかもしれませんが、基本に忠実に知識をつけたかった私には、関税協会が最も相応しかったと思っています。

使える時間もモチベーションも人それぞれでしょうが、ただ一つ言えることはこの教材で、時間をかければ半年でも受かれる、ということです。今年1年(or半年)、頑張ってください。