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今年しか勉強しない覚悟で望んだ6ヶ月

~家族を巻き込んでの勉強時間の確保~

 

平成28年度・通関士養成通信教育講座、スクーリング、特別答練受講(受験1回)
全国通関士模試受験
藤原 彰子さん

1.はじめに

仕事、家事、勉強のどれをとっても片手間でできるものではありません。仕事と家事だけで十分忙しいです。特に家事はきりのない仕事ですし、子供に対してはいくら時間をかけても足りないような、そんな気がしてしまいます。それでも、自分の世界を持ちたい、勉強したいときがチャンスだと思い、通関士の勉強を始めることにしました。

決めたからには「絶対に一発で合格する!」と心に決めました。そのためにまず、効率的な勉強法とはどのようなものか本を読み、通関士試験の概要をつかむため書店で一番読みやすそうな本を一冊買ってきて読みました。

2.時間の確保

合格までの勉強時間が300時間以上は必要だと聞いていたので、平日75分、休日180分以上はやることに決めました。となると、今までしていたこと何かをやめなくては時間の確保ができないと思ったので、次の3つをやめることにしました。

①Facebookのチェック - あまりUPもせず友人の近況ばかりみていたから
②時間のかかる料理 - 試験が終わるまでおあずけ
③朝の雑用 - やり始めるときりがないので

また、家族にも協力を得なければ乗り切れないと考えましたので、何か手伝ってほしいと頼み相談して以下のようになりました。

夫へは、
•手洗いの食器洗いや洗濯物干し - 元々一日分の食器を食洗機に入れるのが担当
•子供の勉強をみる - もっと子供と関わってもらいたい

子供へは、
•ゴミだしのまとめるところからゴミ袋セットまで - 元々ゴミ出し担当
•ちょっとした家事や掃除 - 玉ねぎの皮むきやテーブル下の掃き掃除など
•自分のことは自分でやるように

もともと家事は家族みんなの関わることだと考えていたので、よい機会になりました。

そして隙間時間も活用しようと、必ずでかけるときに勉強できるものをもつようにして、少しの待ち時間や電車が遅れたとき、子供が安全に遊んでいて目を離せるときなどに勉強できるものがある状態にしておきました。

切羽詰ってからは会社の昼休みの30分、通勤時間の駅までの歩く間も活用しました。
こうして平日は家族が起きる前の5時から6時の間、帰りの電車は座れる線を選び30分の勉強時間を確保しました。

3.学習

いよいよ教材が届き勉強が始まりました。

通信教育だったので今どこをやればいいのか一目でわかるようになっており、やりやすいです。「初めて学習される方に」と題して学習計画表があるので基本的にはそれに沿って進めました。日頃から子供の勉強をみていて素直に前向きに取り組む姿勢が大事だと思っていたので、自分も先生が作ってくださったカリキュラムどおりに勉強を進め、品目分類の暗記をし、スクーリングや特別答練前は指示された課題を必ずやるように心がけました。スクーリングや答練のスケジュールにこの部分をテストすると書いてあるので、そこで満点をとれることを目標にしました。また課題提出の際、一度目は自分で解き、その後参考書を調べながら自分なりの解答をみつけてから提出するようにしました。

時間帯ですが、休日は家事の間に一時間を3回やったり、子供と一緒に図書館に行き子供は読書、自分は過去問を解いたりしていました。

スクーリングや答練では懇親会にも出席させていただき、心強い同志を得ることもできましたし先生や事務局の方とお話できたことは最後まで私のモチベーションをUPさせてくれました。

こんな風に順調に勉強は続いていたのですが、3回の模試を受けて現実の壁の高さを思い知らされました。

4.模試~本試験

関税協会の模試に向けて合格判定をもらえるようにスケジュールをたててやっていたつもりでしたが、最大の難関である通関実務は合格点に遠く及びませんでした。私の一番の弱点は問題を解くのが遅いこと、そしてまだまだ知識が足りないことに気づき目が覚めました。

そこから本試験までの一ヶ月あまりまで毎日泣きそうになりながら勉強に励みました。あやふやな知識は語呂合わせやリズムをつくり、通勤中の駅まで歩く数分の間にブツブツ唱えて忘れないようにしました。また、次が本番というのは自信がなかったので友人に情報をもらい通関業連合会とTACの模試にも申し込みました。帰宅してから本当は子供の宿題をみなければいけないところ、本試験までは自分の勉強を優先させてもらい、家事は最低限しかやらず日々部屋が汚れていきました。本当になりふり構っていられなかったです。

「間に合わないかもしれない」「ここまでの勉強してきた時間が無駄になるかもしれない」
とマイナスの考えが思い浮かぶたび、
「最後まであきらめない!」

わからない問題にであっては
「よかった、本番でなくて」
また特別答練担当の先生がおっしゃっていた「ラッキー!わからない問題ゲット」
と前向きに考えるようにしました。懇親会で知り合いになった方々と励まし合いもしました。

解く時間の遅さについては、常に時間を意識し、最後の一ヶ月は会社の昼休みの30分を利用して、申告書問題を輸出10分、輸入20分で解くようにしました。また解く順番についても自分なりにどのようにするのがいいか模試を受けながら試し、
通関業法と関税法等では択一→穴埋め→複数選択
通関実務では択一→計算問題→複数選択→輸出申告→輸入申告
という順番にしました。

それでも結局試験前一ヶ月を切った最後の模試でも合格ラインに届いていない状況でした。唯一合格ラインに届いていたのは通関業法でしたが、油断して本番で足をすくわれてはいけないと思い、毎日問題を解くことは欠かさないようにしていました。

「やりきる」
もうそれしか考えていませんでした。悔いのないように少しの時間も無駄にしないように勉強に励みました。

試験日の前、三日間は事前に有休をとっていました。最後の最後で子供が熱をだし学校を休み、そこで本当に心が折れそうになりましたが、子供ももう大きいこともありそれほど重症にもならずうちにいるものの手もかからず、勉強時間も確保できて無事試験日を迎えることができました。

試験当日、直前まで過去問の星印(星印は出題頻度の高い問題なのですが)と計算問題をやっていました。私の場合どの教科も時間との勝負であることがわかっていたので、直前まで問題に触れることで解答にたどりつくまでの時間を少しでも短縮したかったのと、一点二点で泣くことが多い試験だと思いましたので最後の最後までみたことがある問題を増やしたほうが有利だと考えました。

最後まであきらめなかったことが功を奏したのか、通関業法と関税法等は手ごたえを感じ、もっとも苦手とする通関実務の試験になりました。やはり時間が押し気味になったので配点の高い輸入申告の問題から解こうと問題文に目を通したのですが、そこで一度も目にしたことのない言葉(歩留まり率)に出会ってしまい、問題を理解できないまま分類のみして計算し始めたのですが、金額がどうしてもおかしくこれ以上やっても無駄と思い、金額の欄は白紙のまま輸出申告に移りました。最後にもう一度輸入申告の問題を読んだのですが、やはり理解できず、他の問題の見直しをして試験終了となりました。

二科目目まで「やってやるぞー」と思っていた気持ちはすっかり消えて、帰り道は呆然としていました。輸入申告の金額で丸々10点がとれなければ絶対に合格することは不可能だと思っていましたし、分類の難しい問題が出るだろうと思っていましたが、意味のわからない言葉がでるとはまったく予想していなかったのでショッキングでした。仲間とLINEでやりとりしているうちに言葉の意味がだんだんわかってきてうちに帰って問題を解いたところ、意味さえわかればそれほど難しくなかったことに気づき、さらに落ち込みました・・・。

試験が終了して一週間以内には、解答速報がネットに出始めます。とにかく結果のめどが知りたかったので自己採点したところなんとか合格ラインの6割に達していたことがわかりました。結果をみて本当にほっとしました。点数がぎりぎりだったので通知がくるまで安心はできなかったですが…

5.役に立ったこと

スクーリング
初心者の私にとっては基本的な内容で非常に有意義でした。テストを行って、優秀な人は名前を呼ばれたりしますが小学生時代のような気恥ずかしいでもうれしい気分を味わうことができ、モチベーションがUPします♪勉強法の説明もあります。またグループ学習で品目分類の語呂合わせをみんなで考えたのがのちのち自分で考えるときに役に立ちました。

課題
前述したように一度自力で解いて、その後自信がないものは調べて解いて提出し、解答が返ってきたときにもう一度見直しをしたことで計3回やっていました。このことが基本的知識を固めたようでした。

まるわかりノート
当初通信教育でテキストを読むだけだと頭に入らないので、重要な部分をA4用紙にまとめて書いていったので、そこに自分の弱い部分等に色をつけて使っていくつもりでしたが、そのやり方が初めてでうまく目次が作れず探したい場所にたどりつくのに時間がかかってしまったので、友達に持ち歩きによいと聞いたまるわかりノートを8月終わりから使い始めました。問題で間違えたところや語呂合わせなど書き込んで使いました。

通関士試験 問題・解説集
大量の問題がのっています。テキストの学習が終わった8月からやり始めました。毎朝語句穴埋め2問、○×問題10問と決めてやっていました。語句穴埋めは問題に赤ペンで解答を書き込み、赤いシートで解答を隠して、声を出して解答するようにしていました。○×問題はすべてやりきれないので星印しかやっていません。間違えたところは解説をよく読み理解、暗記するようにしました。語句穴埋めはすべてやるようにし、これを中心に2度ほど繰り返しました。

ゼロからの申告書
初心者でもわかりやすく書いてあります。コピーして3回は解いたと思います。

特別答練
ここでもテストが多くて本番さながらの緊張が味わえます。他人の計算機の音が気になることがわかったり、解くのが早い人がたくさんいて刺激になりました。申告書問題でテキストだけでは理解できないことがでてきたので先生に聞くことができました。ここでも懇親会に出席し、「みんなでがんばるぞー」と盛り上がりました。

計算問題ドリル
すべてをやったわけではなく、苦手なものは初心者レベルから、理解しているものは本試験レベルから、と使い分けていました。計算問題はパターンがだいたい決まっていて確実に点数がとれるので必ずやったほうがいいです。

3回の模試
年に一度しかない本試験のため場慣れすることは非常に大事ですし、解く順番を試したりできます。またどこも本番対策にとても考えられた問題を出題してきますので役立ちました。

英語分類の演習問題
英語の品名からどこに分類するか練習するもの。初歩的なものから間違えやすいものやわかりにくいものが出ているので、間違えたものにしるしをしておき、間違えたものを正確に分類できるようにしておきました。申告書問題は何が出るか予想がつかず、分類に手間取ると時間がなくなります。この演習問題をやることで不安を解消することができました。

6.最後に

振り返ってみると、記憶の定着は覚えたあとに何度思い出すかだと思います。覚えられないものは語呂をつくり、その語呂を覚えるまで何度か思い出すようにしました。作りっぱなしだとすぐ忘れます。また先生がおっしゃっていた試験当日までにどれだけ皿が回っているか。これも非常に大事だと思います。このために試験前に三日休みをとり思い出すことに集中できたことがよい結果を生んだと思います。

試験が終わっても忙しい日々は続いていきます。勉強の時間が終わったらその空いた時間に何をしようかとわくわくしていたのですが、結局始められたのは朝のラジオ体操くらいです。目標を持つとさらに忙しくなりますが、ちゃんと始めなければ何も得られないのだと痛感しています。私もそろそろ勉強を再開したいと思います。お互いによい結果を出せるようにがんばりましょう。