第48回 通関書類の作成要領(解答・解説)・・・1時間30分

第48回 通関書類の作成要領(解答・解説)・・・1時間30分

通関業法関係(問題) 関税法等(問題) 通関書類の作成要領(問題)
通関業法関係(解答・解説) 関税法等(解答・解説) 通関書類の作成要領(解答・解説)
第1問 輸出申告(ジュース類)

《正解》
(a)⑫、 (b) ②、 (c)⑥、 (d)⑭、 (e) ⑪

〈解説〉

1.各貨物の統計品目番号の決定

設問の「ジュース類」は、別冊の輸出統計品目表(抜すい)に掲げられている範囲の第20類(注4、第20.02項及び第20.09項)を参考に分類することとされており、そのうちから選択肢に掲げられた統計品目番号を選択して、解答の番号とする。

(1) 仕入書第1項:「Fresh carrot juice(Brix8)」  → 2009.89-0002
生鮮の人参ジュース(ブリックス値8)は、第20類の「野菜、果実等の調製品」であり、第20.09項の「果実又は野菜のジュース(・・・)」に該当し、「-その他の果実又は野菜のジュース(二以上の果実又は野菜から得たものを除く。)」のうち、第2009.89号(2009.89-0002)の「--その他のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「2」となる。

(2) 仕入書第2項:「Fresh orange juice(Brix 18)」 → 2009.12-0002
生鮮のオレンジジュース(ブリックス値18)は、第20類の「野菜、果実等の調製品」であり、第20.09項の「果実又は野菜のジュース(・・・)」に該当し、「-オレンジジュース」のうち、第2009.12号(2009.12-0002)の「--冷凍してないもの(ブリックス値が20以下のものに限る。)」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「2」となる。

(3) 仕入書第3項:「Fresh pineapple juice(Brix15)」 → 2009.41-0001
生鮮のパインアップルジュース(ブリックス値15)は、第20類の「野菜、果実等の調製品」であり、第20.09項の「果実又は野菜のジュース(・・・)」に該当し、「-パインアップルジュース」のうち、第2009.41号(2009.41-0001)の「--ブリックス値が20以下のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「1」となる。

(4) 仕入書第4項:「Fresh lemon juice(Brix8)」 → 2009.31-0004
生鮮のレモンジュース(ブリックス値8)は、第20類の「野菜、果実等の調製品」であり、第20.09項の「果実又は野菜のジュース(・・・)」に該当し、「-その他のかんきつ類の果実のジュース(二以上の果実から得たものを除く。)」のうち、第2009.31号(2009.31-0004)の「--ブリックス値が20以下のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「4」となる。

(5) 仕入書第5項:「Fresh lime juice(Brix6)」 → 2009.31-0004
生鮮のライムジュース(ブリックス値6)は、第20類の「野菜、果実等の調製品」であり、第20.09項の「果実又は野菜のジュース(・・・)」に該当し、「-その他のかんきつ類の果実のジュース(二以上の果実から得たものを除く。)」のうち、第2009.31号(2009.31-0004)の「--ブリックス値が20以下のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「4」となる。

(6) 仕入書第6項:「Fresh lemon and lime juice(Brix7)」 → 2009.90-0001
生鮮のレモンとライムのジュース(ブリックス値7)は、第20類の「野菜、果実等の調製品」であり、第20.09項の「果実又は野菜のジュース(・・・)」に該当し、第2009.90号(2009.90-0001)の「-混合ジュース」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「1」となる。

(7) 仕入書第7項:「Fresh tomato juice, the dry weight content of which is 10%」 → 2002.90-0001
生鮮のトマトジュースで含有するトマトの乾燥重量が全重量の10%のものは、第20類の「野菜、果実等の調製品」であり、同類の注4から第20.02項に属し、同項の「調製し又は保存に適する処理をしたトマト(・・・)」に該当し、ジュース状のものであることから第2002.90号(2002.90-0001)の「-その他のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「1」となる。

(8) 仕入書第8項:「Fresh tomato juice, the dry weight content of which is 5%」 → 2009.50-0006
生鮮のトマトジュースで含有するトマトの乾燥重量が全重量の5%のものは、第20類の「野菜、果実等の調製品」であり、同類の注4から第20.02項に属さないものであり、第20.09項の「果実又は野菜のジュース(・・・)」に該当し、第2009.50号(2009.50-0006)の「-トマトジュース」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「6」となる。

(9) 仕入書第9項:「Mixtures of fresh vegetable juices」 → 2009.90-0001
生鮮の混合野菜のジュースは、第20類の「野菜、果実等の調製品」であり、第20.09項の「果実又は野菜のジュース(・・・)」に該当し、第2009.90号(2009.90-0001)の「-混合ジュース」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「1」となる。

 

2.同一統計品目番号のまとめ

上記1から、仕入書第4項「Fresh lemon juice:US$2,400.00」及び第5項「Fresh lime juice:US$2,700.00」の品目番号は「2009.31-0004」であり、また、仕入書第6項「Fresh lemon and lime juice:US$1,800.00」及び第9項「Mixtures of fresh vegetable juices:US$2,880.00」の品目番号も「2009.90-0001」と、各々同一の品目番号であり、申告事項登録画面作成の問題文(以下「問題文」という。) の記1から、これらを各々合算する。合算後の仕入書価格は各々「2009.31-0004:US$5,100.00」及び「2009.90-0001:US$4,680.00」となる。

 

3.大額貨物/少額貨物の判断

問題文の記2により、品目番号が異なるものごとの申告価格が20万円以下の場合については、これらを申告価格が最も大きいものの統計品目番号に一括して一欄にまとめ、10桁目のNACCS用品目コードを「X」とする。

このため、上記1により、品目番号を決定した各品目について、申告価格が20万円以下となるかどうか判断するため、少額判断基準価格を計算する。

申告価格の算出に当たって、問題文の記4の費用が「参入」と認められるものかどうかの判断を行う。この場合に、CPT条件価格による契約(運送費込み(Carriage Paid To)条件価格で、売主は指定された場所(仕向地のコンテナーヤード等)において商品を運送人に渡すまでのリスクと海上運賃を負担し、それ以降のコストとリスクは買主が負担する。)に基づくことに注意する。

なお、当該費用の申告価格への振分けは問題文の記4の設定から価格按分となる。

記4:

売手の工場における貨物の包装に要する費用5%加算済み……… 認 定
売手の工場から輸出港までの運賃7%加算済み…………………… 認 定
目的地(輸入港)までの海上運賃10%加算済み…………………… 否 認

 

以上から、申告価格(FOB価格=指定船積港本船甲板渡し条件価格)は、仕入書価格のうち、上記の記4の「ハ」を否認することになるので、少額判断基準価格は、少額貨物の基準価格(20万円)を仕入書価格の否認割合(申告価格総額÷仕入書価格総額)で割って、それを適用レートで除し、米ドル価格を算出する、これが少額判断基準価格である。

(注)
CPT(Carriage Paid To(named place of destination)): 指定仕向地運賃込み条件

CPT価格とは、「指定仕向地運賃込み条件価格」のことで、売手は、当事者間で合意された場所において、売手が自ら指定した運送人その他の者に貨物を引渡し、かつ、指定仕向地へ運送するために必要な運送契約を締結し、その運送費用を支払わなければならない。保険契約を締結することを要しない。
売手は、輸出のために貨物を通関することを要し、その費用を負担する。

(1) 少額判断基準価格の計算
少額貨物の基準価格:200,000円

仕入書価格総額(CPT):US$50,898.00…………………………………………………
ⅰ. 売手工場での貨物の包装費用5%:US$50,898.00×0.05=US$2,544.90……
ⅱ. 手工場から輸出港までの運賃7%:US$50,898.00×0.07=US$3,562.86……
ⅲ. 輸入港までの海上運賃10%:US$50,898.00×0.10=US$5,089.80……………
ⅳ. 申告価格総額:イ-ニ = US$45,808.20……………………………………………

 

少額判断基準価格の算出
  =200,000円×{US$50,898÷US$45,808.20}÷102.00円/US$(*)=US$2,178.64
(*)適用為替レート:下記【参考】を参照

したがって、US$2,178.64が少額判断基準価格となり、この価格より各統計品目番号の仕入書価格が小さければ少額貨物と判断することができる。

(2)判断結果
本設問では、2009.12-0002(仕入書第2項:US$1,650.00)
      2009.41-0001(仕入書第3項:US$1,728.00)及び
      2009.50-0006(仕入書第8項:US$1,800.00)
が少額貨物となる。
また、問題文の記2に従い、これらを申告価格の大きい2009.50-0006にまとめ、10桁目を「X」とすると、統計品目番号は2009.50-000X、仕入書価格はUS$5,178.00となる。

なお、仕入書第6項は、第9項と同一統計品目番号となるので少額判断基準価格以下であっても問題文の記1にしたがい仕入書第9項と一括するので、少額判断基準価格を超えることから少額貨物として扱わない。

 

4.申告欄の決定及び各品目の選択肢番号の決定

上記3までにより、統計品目番号を決定したならば、申告欄への記入順序を決定する。申告欄の順序は、問題文の記3により、申告価格の大きいものから順に決定し、少額貨物を一欄にまとめたものについては、最後の欄とする。

ここで、仕入書決済価格(CPT価格)には、注意事項の記4による費用が、どの品目にも同率で加算されることから、仕入書価格のまま申告価格の大小を判断してもかまわない。

各統計品目番号ごとの仕入書価格を大きい順に並べると、次のようになり、申告欄への記入もこの順番となるので、それに従って、各統計品目番号の選択肢の番号を解答する。

①US$18,000.00 〔仕入書第1項〕 : 2009.89-0002→ 第1欄(a) ⑫2009890002
②US$17,940.00 〔仕入書第7項〕 : 2002.90-0001→ 第2欄(b) ②2002900001
③US$ 5,100.00 〔仕入書第4・5項〕 : 2009.31-0004→ 第3欄(c) ⑥2009310004
④US$ 4,680.00 〔仕入書第6・9項〕 : 2009.90-0001→ 第4欄(d) ⑭2009900001
⑤US$ 5,178.00 〔仕入書第2・3・8項〕 : 2009.50-000X→ 第5欄(e) ⑪200950000X

 

【参考】輸出申告価格の計算

輸出申告価格は、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格(FOB価格)である。(関税法施行令第59条の2第2項)
また、その価格が外国通貨により表示されている場合における本邦通貨への換算は、当該輸出貨物に係る輸出申告の日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の週間平均値をもって行う(関税法施行令第59条の2第4項、関税定率法第4条の7及び同法施行規則第1条)。
輸出申告年月日は、平成26年10月1日であるので、その日の属する週「平成26年9月28日~10月4日」の前々週「平成26年9月14日~9月20日」における平均値「102.00円」を適用する。
なお、決済金額は、CPT(Carriage Paid To:運送費込み)US$であって、これに一括加算されている「売手の工場における貨物の包装に要する費用及び売手の工場から輸出港までの運賃」は算入とし、「輸入港までの海上運賃」については不算入として、各品目の申告価格(FOB価格)を算出することになるので、次のように計算する。

(上記3.(1)の数値を参照)
申告価格FOB(US$)=各品目の仕入書価格(CPT)×{申告価格総額ホ÷仕入書価格総額(CPT)イ}
    FOB(円) =各品目の仕入書価格(CPT)× 0.9 × 102.00円/US$
1 登録画面第1欄(a):仕入書第1項
  仕入書価格(CPT)=US$18,000.00
  FOB\=US$18,000.00×0.9×102.00円/US$=\1,652,400
2 登録画面第2欄(b): 仕入書第7項
  仕入書価格(CPT)=US$17,940.00
  FOB\=US$17,940.00×0.9×102.00円/US$=\1,646,892
3 登録画面第3欄(c):仕入書第4項&第5項
  仕入書価格(CPT)=US$2,400.00+US$2,700.00=US$5,100.00
  FOB\=US$5,100.00×0.9×102.00円/US$=\468,180
4 登録画面第4欄(d):仕入書第6項&第9項
  仕入書価格(CPT)=US$1,800.00+US$2,880.00=US$4,680.00
  FOB\=US$4,680.00×0.9×102.00円/US$=\429,624
5 登録画面第5欄(e):仕入書第2項、第3項及び第8項(異なる統計品目番号の少額合算)
  次の計算によりこれら統計番号ごとの貨物の申告価格は20万円以下である。
 (1)第2項の貨物の申告価格の計算
    仕入書価格(CPT)=US$1,650.00
    FOB\=US$1,650.00×0.9×102.00円/US$=\151,470
 (2)第3項の貨物の申告価格の計算
    仕入書価格(CPT)=US$1,728.00
    FOB\=US$1,728.00×0.9×102.00円/US$=\158,630
 (3)第8項の貨物の申告価格の計算
    仕入書価格(CPT)=US$1,800.00
    FOB\=US$1,800.00×0.9×102.00円/US$=\165,240
    これらを合算して第5欄にまとめる。
    仕入書価格(CPT)=US$(1,650+1,728+1,800)= US$5,178.00
    FOB\=US$5,178.00×0.9×102.00円 = \475,340

第2問 輸入(納税)申告(水産物等)

《正 解》
(a)⑪、(b)②、(c)⑭、(d)⑧、(e)④
(f)01369600、(g)00663400、(h)00489400、(i)00331700、
(j)00378780

〈解 説〉

1.各貨物の品目番号

設問の米国からの輸入貨物「水産物等」は、別冊の実行関税率表(抜すい)に掲げられている範囲の第3類(第03.06項及び第03.07項)及び第16類(注1、号注2及び第16.05項)を参考に分類することとされており、そのうちから選択肢に掲げられた品目番号を選定して、解答の番号とする。
これを踏まえた各品目の品目分類は、次の通りである。

(1)仕入書第1項:「Frozen Boiled shelled Snow crabs(Chionoecetes spp.,)」  → 1605.10-0291(基本9.6%)
水煮による調理をしたむき身のずわいがにで冷凍したものは、殻付きではないことから第03類に入らず第16.05項の「甲殻類・・・(調製し又は保存に適する処理をしたものに限る。)」に該当し、第1605.10号の「かに」の「2 その他のもの」のうち「-その他のもの」に分類され、細分番号「029」、NACCS用コードは「1」となる。
(参考:関税率表解説第03.06項の「除外欄」参照)

(2)仕入書第2項:「Frozen Boiled Snow crabs,(Chionoecetes spp., Shell on, half cut section)」 → 0306.14-0203(協定4%)
水煮による調理をした殻付きのハーフカットずわいがにで冷凍したものは、殻付きであり、第03.06項の「甲殻類(・・・)・・・、蒸気又は水煮による調理をした殻付きの甲殻類(・・・)・・・」に該当し、「冷凍したもの」のうち、第0306.14号の「かに」に区分され、「2 その他のもの」のうち「-ずわいがに」に分類され、細分番号「020」、NACCS用コードは「3」となる。

(3)仕入書第3項:「Frozen Boiled shelled King crabs.(Paralithodes spp.,)」 → 1605.10-0291(基本9.6%)
水煮による調理をしたむき身のたらばがにで冷凍したものは、殻付きでないことから第03類に入らず、第16.05項の「甲殻類・・・(調製し又は保存に適する処理をしたものに限る。)」に該当し、第1605.10号の「かに」の「2 その他のもの」のうち「-その他のもの」に分類され、細分番号「029」、NACCS用コードは「1」となる。

仕入書第4項:「Frozen Boiled King crabs.(Paralithodes spp., Shell on, half cut section)」 → 0306.14-0100(協定4%)
水煮による調理をした殻付きのハーフカットたらばがにで冷凍したものは、殻付きであり、第03.06項の「甲殻類(・・・)・・・、蒸気又は水煮による調理をした殻付きの甲殻類(・・・)・・・」に該当し、「冷凍したもの」のうち、第0306.14号の「かに」に区分され、「2 その他のもの」のうち「-たらばがに」に分類され、細分番号「010」、NACCS用コードは「0」となる。

(5)仕入書第5項:「Smoked Whole Oysters.(shell off)」 → 0307.19-2900(協定6.7%)
むき身の全形のかきでくん製のものは、第03.07項の「軟体動物(・・・)、くん製した軟体動物(殻を除いてあるかないか・・・問わない。)・・・」に該当し、「かき」のうち第0307.19号の「その他のもの」の「2 くん製したもの」に属し「-その他のもの」に分類され、細分番号「290」、NACCS用コードは「0」となる。

(6)仕入書第6項:「Dried Scallops.(Chlamys)」 → 0307.29-2005(基本15%)
乾燥したスキャロップ(クラミュス属)は、第03.07項の「軟体動物(・・・乾燥し・・・たものに限るものとし・・・)・・・」に該当し、第0307.29号の「その他のもの」の「3 その他のもの」に分類され、細分番号「200」、NACCS用コードは「5」となる。

(7)仕入書第7項:「Frozen American Lobsters.(Homarus spp., Whole.)」 → 0306.12-2003(協定1%)
全形のアメリカンロブスター(ホマルス属のもの)で冷凍したものは、第03.06項の「甲殻類(・・・冷凍し・・・たものに限るものとし・・・)・・・」に該当し、「冷凍したもの」のうち、第0306.12号の「ロブスター(ホマルス属のもの)」に区分され、「2 その他のもの」に分類され、細分番号「200」、NACCS用コードは「3」となる。

 

2.同一品目番号のまとめ

上記1.から、仕入書第1項「Frozen Boiled shelled Snow crabs):US$1,800.00(基本9.6%)」及び第3項「Frozen Boiled shelled King crabs):US$2,400.00(基本9.6%)」は同一品目番号(1605.10-0291)となるので、申告事項登録画面作成の問題文(以下「問題文」という。)の記1から、これらを合算する。
合算後の仕入書価格は「1605.10-0291:US$4,200.00」となる。

 

3.大額貨物/少額貨物の判断及び少額合算

先ず、問題文の記6~記8に記述されている費用の各貨物の申告価格への算入の要否を検討して、次に、各貨物の申告価格を算出する。
(1)問題文の記6~記8に記述されている費用の申告価格への算入の要否
本設問の仕入書価格は、米ドル建のCIF価格であるので、仕入書に記載されている各輸入貨物の申告価格(課税価格)を算出する場合には、問題文の記6~記8に記述されている費用が関税定率法第4条第1項各号(加算要素)に規定する加算要素等の費用であるかどうかを検討する。
① 問題文の記6の費用(水煮して冷凍したむき身のずわいがに及びむき身のたらばがにを包装する際に使用する食品保存用のドライアイスの費用)
問題文の記6の費用は、仕入書第1項(ずわいがに)及び第3項(たらばがに)の包装時に使用する食品保存用ドライアイスの費用40,000円であり、買手(輸入者)がこれを提供することにより、ずわいがに及びたらばがにを売手が安全に鮮度を維持し買手に輸出することができるところの買手による安全包装のための原材料の無償提供に要した費用(取得及び提供の費用)である。したがって、この費用(取得及び提供の費用)は、ずわいがに及びたらばがにの申告価格(課税価格)に次のように加算する(関税定率法第4条第1項第3号イ)。
・ 仕入書第1項(ずわいがに)への加算分 :20,000円 及び
・ 仕入書第3項(たらばがに)への加算分 :20,000円

② 問題文の記7の費用(買手が検査機関に依頼して自己のために行う検査費用)
買手(輸入者)が輸入貨物の輸出国の検査機関Nに依頼して、当該輸入貨物が売買契約に定めた品質規格に合致しているかの検査をするための費用89,520円は、買手(輸入者)が自己のために行った検査に要した費用であり、当該輸入貨物の現実支払価格を構成しないので、当該輸入貨物の課税価格に算入しない(関税定率法基本通達4-2の3(2)本文)。

③ 問題文の記8の費用(買手によるA社への業務委託費用)
この業務委託費用は、買手(輸入者)がA社に委託して行う技術者の派遣に伴うものであり、売手との取決めによって売手のために行われるものであり、技術者は生産活動に従事していることから、買手が負担する技術者の派遣費用149,200円は、製造原価の一部として現実支払価格を構成するので、当該輸入貨物の課税価格に算入しなければならない(関税定率法第4条第1項本文、同法施行令第1条の4本文、同法基本通達4-2の2-(1))。
なお、問題文の記9により、当該費用の仕入書に記載された各輸入貨物への按分は、次の価格按分比に依り計算する。    各仕入書貨物価格への按分比R=(149,200円÷US$29,840.00)= 5円/US$

(2)各品目の申告価格の算出
上記(1)の加算要素について、申告価格を算出するためには、問題文の記4から「課税価格欄には、別紙1の仕入書に記載された価格を本邦通貨に換算した後の価格に下記6~8までの費用のうち申告価格に算入すべきものを加算した額を記入する」こととされているので、これにより算出する。
その結果、少額貨物かどうかの判断は、各々の貨物ごとに加算した後の価格と少額基準額20万円とを比較して行われる。
〔注〕為替レート:輸入申告年月日が平成26.10.1であるので、その日の属する週「平成26.9.28~平成26.10.4」の前々週「平成26.9.14~平成26.9.20」における平均値「¥102.00」を適用する。

各品目の申告価格の算出
仕入書第1項及び第3項:むき身の「ずわいがに」と「たらばがに」の仕入書価格に業務委託費用(価格按分比R=5円/US$)を加算し、更に、無償提供に要した費用(取得及び提供の費用)を加算する。
(CIFUS$1,800+CIFUS$2,400)×(102円/US$+5円/US$)+ 40,000円
=CIFUS$4,200×107円/US$+40,000円=489,400円
仕入書第2項:{CIFUS$1,680×107.00円/US$}=179,760円
仕入書第4項:{CIFUS$1,860×107.00円/US$}=199,020円
仕入書第5項:{CIFUS$3,100×107.00円/US$}=331,700円
仕入書第6項:{CIFUS$12,800×107.00円/US$}=1,369,600円
仕入書第7項:{CIFUS$6,200×107.00円/US$}=663,400円

(3)少額貨物の判断
上記(2)の計算から、仕入書各項の品目の申告価格が20万円以下のものをみると、次の項目が該当する。
①仕入書第2項の貨物 0306.14-0203(協定4%)(179,760円)
②仕入書第4項の貨物 0306.14-0100(協定4%)(199,020円)
本問では、少額貨物については、いずれの貨物も有税品であり、かつ同一税率であるので、申告価格が最も大きいものの品目番号に一括したうえで、10桁目を「X」とする(関税法基本通達67-4-17(1)ロ)。
したがって、申告価格が最も大きい「0306.14-0100(協定4%)(199,020円)」に一括して合算する。合算後の品目番号は「0306.14-010X」、仕入書価格は「378,780円」となる。

4.各品目番号の申告価格

本設問の各品目番号の申告価格は、上記3.(2)で算出している。
(1)1605.10-0291 = 489,400円 (仕入書第1項及び第3項)
(2)0306.14-010X = 378,780円 (仕入書第2項及び第4項)
(3)0307.19-2900 = 331,700円 (仕入書第5項)
(4)0307.29-2005 =1,369,600円 (仕入書第6項)
(5)0306.12-2003 = 663,400円 (仕入書第7項)

5.申告欄の決定

上記3及び4の結果から、問題文の記3及び4にしたがって申告欄を決定すると、(a) から (e)の選択肢番号及び(f)から(j)の申告価格は、次のようになる。

申告欄 仕入書 解答欄 選択肢番号 解答欄 申告価格(円)
第1欄 (a) ⑪0307292005 (f) 01369600
第2欄 (b) ②0306122003 (g) 00663400
第3欄 1・3 (c) ⑭1605100291 (h) 00489400
第4欄 (d) ⑧0307192900 (i) 00331700
第5欄 2・4 (e) ④030614010X (j) 00378780
【選択式】
第3問(関税の課税標準の端数計算)

《正解》
1、4、5

〈解説〉

1 従価税の関税が賦課される輸入貨物の課税標準額の端数計算は、千円未満の端数があるとき、又は課税標準額の全額が千円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てることとされている(関税法第13条の4、同法基本通達13の4‐1(1))。
 よって、設問の事例1は正しい端数処理が行われているが、事例2の端数処理後の課税標準額は0円であり、誤りである。

2 従量税の関税が賦課される輸入貨物(酒税、揮発油税、石油ガス税及び石油石炭税が課税されるものを除く)の課税標準となる数量の端数処理は、以下の方法によることとされている。

(1) 税率が円位以上2けたまでの場合は整数位までとし、それ未満は切り捨てる。 (設問の事例3と事例5が該当し、事例3の端数処理の方法は誤りであり、事例5は正しい端数処理である。)

(2) 税率が円位以上3けたの場合は小数点以下1位までとし、それ未満は切り捨てる。 (設問の事例4が該当する。)

(3) 税率が順次円以上nけたの場合は小数点以下(n-2)位までとし、それ未満は切り捨てる。
(同法第13条の4、同法基本通達13の4‐2(2)ロ)

第4問(課税価格の決定)

《正解》
3、4

〈解説〉
(正=3、4)

3 輸入取引に係る契約において輸入貨物の輸入港までの運賃を売手が負担することとされている場合には、当該運賃は現実支払価格に含まれているものとして取り扱い、当該輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用の額を確認することを要しないこととされている(関税定率法第4条第1項本文、同法基本通達4-8(6)イ)。

4 買手が運送業者に支払う輸入貨物の運賃に当該輸入貨物が本邦の輸入港に到着した後の国内運送に要する運賃が含まれている場合において、当該国内運送に要する運賃の額を明らかにすることができないときは、運送業者に支払う総額が課税価格に算入される(同法第4条第1項、同法基本通達4-8(7)ただし書)。

(誤=1、2、5)

1 輸入貨物に保険が付されていない場合には、当該輸入貨物の課税価格の計算にあたって、通常必要とされる保険料を見積もることとはならない(同法第4条第1項、同法基本通達4-8(4)イ)。

2 輸出国での輸出の際の税関手続に要した費用は、輸入貨物の輸入港までの運送に付随して発生する積卸しその他の役務の対価として支払われる費用に該当し、輸入貨物の課税価格に算入される(同法第4条第1項、同法基本通達4-8(5)ロ)。

5 輸入貨物の運送途上において天災が発生したことにより運送契約どおりの運送を行うことが出来なかったため、当該輸入貨物の実際に要した運賃の額が通常必要とされる輸入港までの運賃の額を著しく超えるものである場合には、当該実際に要した運賃の額ではなく、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃の額が課税価格に算入される(同法第4条第1項、同法基本通達4-8(8)イ)。

第5問(関税定率法別表の所属の決定)

《正解》
2、3、4

〈解説〉
(該当=2、3、4)

2 視力矯正用眼鏡(第90.04項)

3 羅針盤(第90.14項)

4 医療用注射器(第90.18項)

(非該当=1、5)

1 デジタルカメラ(第85.25項)

5 タイムレコーダー(第91.06項)

第6問(関税率表の適用上の所属に係る教示)

《正解》
4、5

〈解説〉
(正=4、5)

4 税関は、納税申告の適正な実施のために、納税義務者等(照会者)から輸入貨物に係る関税率表の適用上の所属について教示を求められた場合には、適切な教示に努めることとなっている。しかし、照会者及び利害関係者が照会に係る貨物の当該関税率表適用上の所属区分等について、不服申立て又は訴訟中である等紛争が生じている貨物については、教示を求めることができない(関税法第7条第3項、同法基本通達7-18(2)ハ(イ))。

5 照会者が、インターネットによる関税率表の適用上の所属に係る教示の求めを文書による教示の求めに準じた取扱いに切り替えた場合には、当該教示に係る回答書は、文書により行われた教示と同様に、輸入申告の際、尊重される取扱いとなる(同法第7条第3項、同法基本通達7-19-2(5)ハ(ロ)、7-18(8)イ、ロ)。

(誤=1、2、3)

1 照会者が、インターネットによる関税率表の適用上の所属に係る教示の求めを文書による教示の求めに準じた取扱いに切り替える手続については、電子メール本文に必要事項を記入して税関に送信するのではなく、「インターネットによる事前教示に関する照会書」に必要事項を記載し、押印又は署名の上、これらを画像情報とした電子メールを、税関に送信することにより行うことになっている(同法第7条第3項、同法基本通達7-19-2(3)ロ(ニ))。

2 関税率表の適用上の所属に係る教示を求めるインターネットによる照会を文書による照会に準じた取扱いに切り替えることができるのは、具体的な貨物に係る照会であり、見本の提出を要することなく(「見本の提出を要する場合であっても」ではない。)、税関が文書で回答することが可能であると認められる場合に限られている(同法第7条第3項、同法基本通達7-19-2(5)ロ)。

3 関税率表の適用上の所属に係る教示の求めは、輸入しようとする貨物の輸出者はもちろんのこと、当該貨物の輸入者並びに製法、性状等を把握している利害関係者又はこれらの代理人が行うことができる(同法第7条第3項、同法基本通達7-18(1))。

第7問(特恵関税制度における原産地の意義)

《正解》
1、3

〈解説〉
(正=1、3)

1 一の特恵受益国において収穫された植物性生産品(小麦)は、当該一の特恵受益国の原産品である(関税暫定措置法施行令第26条第1項第1号、同法施行規則第8条第2号)。

3 一の特恵受益国において動物(生きているものに限る。)から得られた物品(生きている鶏から得られた卵)は、当該一の特恵受益国の原産品である(同法施行令第26条第1項第1号、同法施行規則第8条第4号)。

(誤=2、4、5)

2 一の特恵受益国において生まれ、かつ、成育した動物(生きている牛)は、当該一の特恵受益国の原産品となるが、当該特恵受益国以外の国で成育した生きている牛は、当該一の特恵受益国の原産品とはならない(同法施行令第26条第1項第1号、同法施行規則第8条第3号)。

4 特恵受益国以外の国から得られた冷凍サーモン(関税定率法別表の第03.03項)で、一の特恵受益国において解凍されたサーモン(同別表第03.02項)は関税分類変更基準(関税率表の項の番号の変更に伴う実質加工品の認定基準)に該当するが、当該サーモンは、関税暫定措置法施行規則別表の中欄(第3類の魚)に該当することから、当該一の特恵受益国で得られた魚(サーモン)でないと原産品とはならない(同法施行令第26条第1項第2号、同法施行規則第9条第1項、別表第3類)。

5 特恵受益国以外の国から得られたオレンジジュースで、一の特恵受益国において単なる瓶詰めにされたオレンジジュースは、当該一の特恵受益国の原産品とはならない(同法施行令第26条第1項第2号、同法施行規則第9条第1項ただし書)。

【計算式】
第8問(過少申告加算税)

《正解》
30,000円

〈解説〉

1. 過少申告加算税額の計算方法(計算の順序)
過少申告加算税額を計算する場合には、まず、修正申告により納付すべき不足関税額(過少申告加算税の計算の基礎となる増差税額)を算出し、次に納付すべき過少申告加算税額を計算する。

2.修正申告により納付すべき不足関税額の計算

① 修正申告前の関税額(過少に申告して納付した関税額)
4,686,552円 ▼ 千円未満の端数切捨て
     4,686,000円 × 8.1% = 379,566円 ▼ 百円未満の端数切捨て
                       379,500円………①

② 修正申告後の関税額(本来納付すべき関税額)
7,413,784円 ▼ 千円未満の端数切捨て
     7,413,000円 × 9.3% = 689,409円 ▼ 百円未満の端数切捨て
                       689,400円………②

③ 修正申告により納付すべき不足関税額(増差税額)
② - ① = 309,900円

3.過少申告加算税額の計算

 

① 修正申告により納付すべき増差税額 × 10%(過少申告加算税率)

309,900円 ▼ 1万円未満の端数切捨て
     300,000円 × 10% = 30,000円

② 修正申告により納付すべき増差税額が、修正申告前の関税額又は50万円のいずれか多い方の額を超えていないので、加重過少申告加算税は課されない。
(関税法第7条の14、第12条の2、第13条の4)

 

第9問(修正申告)

《正解》
84,900円

〈解説〉

1 修正申告前の関税額(過少に申告して納付した関税額)
A品目  285,897円 ▼ 千円未満の端数切捨て
         285,000円 × 5.3% = 15,105円
B品目  234,566円 ▼ 千円未満の端数切捨て
         234,000円 × 12.8% = 29,952円
A品目とB品目の合計
     15,105円 + 29,952円 = 45,057円 ▼ 百円未満の端数切捨て
                        45,000円………①

2 修正申告後の関税額(本来納付すべき関税額)
修正申告は、過去に行われた申告内容を修正するものであり、当初申告日後の関税率改正は、修正申告に係る関税率には影響を与えないので、本件計算にあたっては考慮する必要はない。
A品目  548,862円 ▼ 千円未満の端数切捨て
         548,000円 × 5.3% = 29,044円
B品目  788,358円 ▼ 千円未満の端数切捨て
         788,000円 × 12.8% = 100,864円
A品目とB品目の合計
     29,044円 + 100,864円 = 129,908円 ▼ 百円未満の端数切捨て
                        129,900円………②

3 修正申告により納付すべき関税額(増差税額)
② - ① = 84,900円(関税法第7条の14、第13条の4)

第10問 (課税価格)

《正解》
770,000円

〈解説〉

1 委託加工契約により生産された輸入貨物の価額を積算する。
イ 生地の価額(最初にMがXに提供した生地分:設問3)
                300円/メートル × 800メートル = 240,000円………①
ロ 上記生地の提供費用(運賃)(設問3)                50,000円………②
ハ 追加した生地の価額(設問5)400円/メートル × 50メートル =   20,000円………③
二 加工賃(設問2イ)     500円/枚 × 800枚 =       400,000円………④

2 輸入貨物の引渡し条件がXの工場渡し条件であるため、本邦輸入港までの運送費用を 加算する必要がある。Mが負担した60,000円の中には、輸入港到着後の運送に要する費用も含まれているが、当該額が明らかでないため、この額を含めた額が加算の対象となる(関税定率法第4条第1項第1号、同法施行令第1条の4第1号、同法基本通達4-8(7)ただし書)(設問6)
                                    60,000円………⑤

3 シャツのデザインに係る開発費用は、当該デザインが本邦で開発されたものであるため、加算する必要はない(同法施行令第1条の5第3項)(設問4)。また、Zが生地の生産に要した費用は、本件計算とは無関係の情報である(設問3)。

4 課税価格 = ① + ② + ③ + ④ + ⑤ =        770,000円

第11問(課税価格)

《正解》
242,000円

〈解説〉

1 本件CDに記録されている音楽は、関税定率法基本通達4-5(1)イの「ソフトウエア」には該当しないので、本件CDの輸入に対しては、同通達4-5(2)の規定は適用にならない。(したがって、設問2のイからハに記載された事項は、解答にあたっては考慮する必要はない。)

2 課税価格の計算
イ 輸入貨物の価格(FOB価格)2,400円/枚×80枚 = 192,000円………①
ロ 運賃及び保険料                    50,000円………②
合計                 ① + ② = 242,000 円

第12問(課税価格)

《正解》
8,665,000円

〈解説〉

1 輸入貨物(120台)の価額(A国の工場渡し価格)(設問2)    
イ  1台~50台の単価及び価額(70,000円)      × 50台 = 3,500,000円  
ロ 51台~100台の単価及び価額(70,000円×0.95) × 50台 = 3,325,000円  
ハ 101台~120台の単価及び価額(70,000円×0.9) × 20台 = 1,260,000円  
合計 8,085,000 円 ………①
2 仲介手数料(設問3) 350,000円 ………②
3 運送費用(設問5) 200,000円 ………③
4 保険料(払戻し額を控除した額)(設問5)50,000円-20,000円= 30,000円 ………④
5 A国で行った検査は、輸入者Mが自己のために行ったものであり、加算要素には該当しない。(不加算)
(関税定率法第4条第1項、同法基本通達4-2の3(2))(設問4)
6 延払金利は、課税価格に含まれないので、不加算である(同法施行令第1条の4第4号、同法基本通達4-4(3))。(設問6)
課税価格 = ① + ② + ③ + ④ = 8,665,000円  
第13問(輸入貨物の課税価格の計算)

《正解》

〈解説〉
(正=4)

4 輸入貨物の仕入書価格が、売手と買手との間で合意された当該輸入貨物に係る売買価格から売手が買手に対して負っている債務の額を控除した額となっている場合には、当該仕入書価格に当該控除した額を加えた額が当該輸入貨物の課税価格であり、当該仕入書価格を現実支払価格として採用することはできない(関税定率法第4条第1項、同法基本通達4-2(3)ハ)。

(誤=1、2、3、5)

1 輸入貨物を輸入港まで運送するために使用するコンテナーについて、買手が運賃とは別に当該コンテナーの賃借料を船会社に支払う場合には、当該コンテナーの賃借料の額は当該輸入貨物の課税価格に算入されることとなっている(同法第4条第1項、同法基本通達4-8(3)イ(ハ))。

2 輸入貨物の仕入書価格を、売手と買手との間で合意された外国為替相場により、当該仕入書価格に用いられている通貨とは異なる通貨に換算し、当該異なる通貨により支払うことが取り決められている場合で、当該異なる通貨により現実に支払いが行われときは、当該異なる通貨による価格に基づいて当該輸入貨物の課税価格を計算することができる(同法基本通達4の7-2(2)及び(3))。

3 輸入後に本邦において輸入貨物の据付けが行われる場合に、当該据付けに係る作業として当該輸入貨物の輸入港到着前に本邦において据付け用土台の設置作業が行われ、買手が売手への輸入貨物に係る支払いとは別に当該設置作業の費用を負担しても、当該費用は当該輸入貨物の課税価格に算入されないこととされている(同法施行令第1条の4第1号、同法基本通達4-2(2)イ)。

5 輸入貨物の生産の過程で消費された触媒を買手が売手に対し無償で提供した場合で、当該触媒に係る費用を買手が負担している場合には、当該触媒が当該輸入貨物の生産の過程で消費されたものであっても、当該触媒に係る費用の額は当該輸入貨物の課税価格に算入されることとなっている(同法第4条第1項第3号ニ、同法基本通達4-12(3))。

第14問(関税定率法別表の部注又は類注)

《正解》

〈解説〉
(誤=0)
(正=1、2、3、4、5)

1 関税定率法別表の第11部注2(A)の規定によると、二以上の紡織用繊維から成る物品で構成する紡織用繊維のうち最大重量を占めるものがある場合には、最大重量を占めるもののみから成る物品とみなしてその所属を決定することとされていることから、第52類の綿繊維65%及び第55類のポリエステル短繊維35%から構成されている紡織用繊維の織物は、最大重量を占めている綿繊維のみから成るものとみなし、綿織物として第52類に属することとなる。

2 関税定率法別表の第16部注3の規定によると二以上の機械を結合して一の複合機械を構成するものは、文脈により別に解釈される場合を除き、主たる機能に基づいてその所属を決定するとされていることから、第84類の散布機能を有する機械と第85類の真空式掃除機とが結合した複合機械は、真空式掃除機が主たる機能を有していると認められれば、真空式掃除機として第85類に属することとなる。

3 とうがらし属又はピメンタ属の果実について、生鮮のもの及び冷蔵したものは、第7類の食用野菜に属するが、これらを乾燥し、破砕し又は粉砕したものは、関税定率法別表の第7部注4の規定により第7類から除かれ、香辛料として第9類に属することとなる。

4 関税定率法別表の第22類注3の規定によると第22.02項において、「アルコールを含有しない飲料」とは、アルコール分が0.5%以下の飲料をいうこととされているが、アルコール分が0.5%以下の果実のジュースは、第22.02項の規定により当該項には属さず、アルコールを加えていないジュースとして第20.09項に属することとなる。

5 関税定率法別表の第95類注5の規定によるとその意匠、形状又は構成材料から専ら動物用と認められるものは、第95.03項には含まれないものとされていることからプラスチックを構成材料とするペット用のがん具は、プラスチック製品として第39類に属する。

第15問(関税定率法別表の所属の決定)

《正解》

〈解説〉
(該当=2)

2 純塩化ナトリウム及び海水は、いずれも第25類(第25.01項)に属する。

(非該当=1、3、4、5)

1 コーヒーは、第9類(第09.01項)に属し、コーヒーエキスは、第21類(第21.01項)に属する。

3 男子用ズボン(紡織用繊維をメリヤス編みにしたもの)は、第61類(第61.03項)に属し、男子用ズボン(紡織用繊維の織物類を製品にしたもの)は、第62類(第62.03項)に属する。

4 自動車用の車体は、第87類(第87.08項)に属し、自動車に使用する種類の腰掛は、第94類(第94.01項)に属する.

5 頭髪用のシャンプーは、第33類(第33.05項)に属し、せっけんは、第34類(第34.01項)に属する。

第16問(アセアン包括協定における締約国原産地証明書等)

《正解》

〈解説〉
(正=3)

3 課税価格の総額が20万円以下の貨物である場合、アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書及び運送要件証明書のいずれも提出の必要がないものとされている(関税法第68条、同法施行令第61条第1項第2号イ、ロ)。

(誤=1、2、4、5)

1 アセアン包括協定においてベトナム社会主義共和国の原産品とされる貨物については、アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書の様式に代えて、経済上の連携に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の協定に基づく締約国原産地証明書の様式を使用することはできない。アセアン包括協定に定める様式を使用しなければならないものとされている(同法第68条、同法施行令第61条第1項第2号イ、同法基本通達68-5-11)。

2 アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、アセアン包括協定に基づく原産品である旨を記載し、かつ、輸出者が署名したインボイスで代用することはできない。締約国原産地証明書はアセアン包括協定において当該原産地証明書の発給につき権限を有する機関が発給したものでなければならないものとされている(同法第68条、同法施行令第61条第1項第2号イ、同法基本通達68-5-14)。

4 関税法第43条の3第1項(外国貨物を置くことの承認)の承認を受けようとする貨物に係るアセアン包括協定に基づく運送要件証明書については、有効期間を定める規定はない。なお、関税法施行令第61条第5項において、締約国原産地証明書の有効期間は発給の日から1年を経過したものであってはならない旨が規定されている。

5 アセアン包括協定に基づく締約国原産地証明書は、輸入申告の際に提出が必要とされているほか、関税法第43条の3第1項(外国貨物を置くことの承認)の申請の際にもその提出は必要である。外国貨物を置くことの承認を申請する際に、当該承認を受けようとする貨物がアセアン包括協定に基づき関税について特別の規定による便益を受けようとするものである場合には、当該申請の際に締約国原産地証明書を提出することとされ、この場合においては輸入申告の際には当該証明書の提出は要しないこととされている(同法施行令36条の3第3項、同法基本通達43の3-2(2))。

第17問(スイス協定における締約国原産地証明書等)

《正解》

〈解説〉
(正=0)

(誤=1、2、3、4、5)

1 スイス連邦から第三国を経由して本邦へ向けて運送されたスイス連邦の原産品とされる貨物について、スイス連邦から本邦の輸入港に至るまでの通し船荷証券の写し(運送要件証明書)を税関に提出した場合であっても、スイス協定における関税についての特別の規定による便益を受けるためには、締約国原産地証明書の提出を要するものとされている(関税法第68条、同法施行令第61条第1項第2号イ、ロ)。

2 税関長の承認を受けて輸入の許可前に引き取ろうとする貨物に係るスイス協定に基づく締約国原産地証明書については、当該輸入申告又は審査後相当と認められる期間内に提出することができるものとされており、当該承認に係る申請書の提出に併せて提出しなければならないものではない(同法第68条、同法施行令61条第4項、同法基本通達73-3-2-(3)ロ)。

3 スイス協定においてスイス連邦の原産品とされる郵便物の輸入については、当該協定に基づく締約国原産地証明書を提出することなく、当該協定における関税の便益を受けることができない。郵便物であっても当該協定における関税の便益を受けるものについては、締約国原産地証明書を提出することとされている(同法第76条第1項、同法施行令第61条第4項)。

4 スイス連邦から第三国を経由して本邦へ向けて運送されたスイス連邦の原産品とされる貨物であって、当該第三国において運送上の理由による積替え及び一時蔵置以外の取扱いがなされたものについては、スイス連邦の原産品としての資格を失い、スイス協定に基づく締約国原産地証明書が提出される場合であっても、当該協定における関税の便益を受けることはできない(同法第68条、同法施行令第61条第1項第2号ロ(1))。

5 スイス連邦から第三国を経由して本邦へ向けて運送されたスイス連邦の原産品とされる貨物であって、当該第三国において運送上の理由による積替え及び一時蔵置以外の取扱いがなされたものについては、スイス連邦の原産品としての資格を失い、課税価格の総額が20万円以下であってもスイス協定に基づく関税の便益を受けることはできない(同法第68条、同法施行令第61条第1項第2号ロ(1))。