第47回 通関書類の作成要領(解答・解説)・・・時間1時間30分

第47回 通関書類の作成要領(解答・解説)・・・時間1時間30分

通関業法関係(問題) 関税法等(問題) 通関書類の作成要領(問題)
通関業法関係(解答・解説) 関税法等(解答・解説) 通関書類の作成要領(解答・解説)
第1問 輸出申告(竹製品等)

《正解》
(a)②、 (b) ④、 (c)⑮、 (d)⑤、 (e) ⑭

〈解説〉

1.各貨物の統計品目番号の決定

設問の「竹製品等」は、別冊の輸出統計品目表(抜すい)に掲げられている範囲の第7類(第07.06項、第07.09項及び第07.10項)、第20類(第20.05項)及び第44類(第44.02項、第44.09項、第44.17項、第44.19項及び第44.21項)また、第46類(第46.01項及び第46.02項)及び第96類(第96.03項)を参考に分類することとされており、そのうちから選択肢に掲げられた統計品目番号を選択して、解答の番号とする。

(1) 仕入書第1項「Fresh bamboo shoot」 ⇒ 0709.99-0002
生鮮のたけのこは、たけのこが地下茎(rhizome)から出てくる芽であり、「根(Roots)」ではないので、第07.09項の「その他の野菜(生鮮のもの・・・に限る。)に該当し、「−その他のもの」のうち第0709.99号の「−−その他のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「2」となる。

(2) 仕入書第2項「Bamboo stick」⇒ 4421.90-0000
竹製のスチック(棒状のもの)は、特定の木製品(用途)の記載がなく、別冊の品目表のうち最後に属する第44.21項の「その他の木製品」に該当し、第4421.90号の「−その他のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「0」となる。

(3) 仕入書第3項:「Boiled bamboo shoot, not frozen(packed in 1kg container)」⇒ 2005.91-0001
たけのこをゆでて1kg詰めの容器に入れ冷凍をしていないものは、保存に適する処理をしたものとして、別冊の第7類の食用の野菜には該当せず、第20.05項の「調製し又は保存に適する処理をしたその他の野菜(冷凍してないものに限る・・・)」に該当し、「−その他の野菜・・・」のうち、第2005.91号の「−−たけのこ」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「1」となる。

(4) 仕入書第4項:「Bamboo charcoal」⇒ 4402.10-0006
竹の炭は、第44.02項の「木炭(・・・)」に該当し、第4402.10号の「−竹製のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「6」となる。

(5) 仕入書第5項「Bamboo basket work」⇒ 4602.11-0004
竹製のかご細工物は、第46.01項の竹製の組物材料から製造されており、第46.02項の「かご細工物・・・(組物材料から直接造形したもの及び第46.01項の物品から製造したものに限る。)・・・」に該当し、「−植物性材料製のもの」のうち、第4602.11号の「−−竹製のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「4」となる。

(6) 仕入書第6項「Bamboo skewer」⇒ 4421.90-0000
竹製の串(焼き串)は、食卓用及び台所用との限定がなく、別冊の品目表では「4421.90-100」に「1竹製のくし」を掲げており、第44.21項の「その他の木製品」に該当し、第4421.90号の「−その他のもの」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「0」となる。

(7) 仕入書第7項:「Bamboo brush」⇒ 9603.10-0006
竹製のブラシは、第96.03項の「ほうき、ブラシ(・・・)・・・」に該当し、第9603.10号の「−ほうき、ブラシ(・・・)」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「6」となる。

(8) 仕入書第8項:「Bamboo broom」 ⇒ 9603.10-0006
竹製のほうきは、第96.03項の「ほうき、ブラシ(・・・)・・・」に該当し、第9603.10号の「−ほうき、ブラシ(・・・)」に分類され、細分番号は「000」、NACCS用コードは「6」となる。

(9) 仕入書第9項:「Bamboo charcoal」 ⇒ 4402.10-0006

上記(4)の竹の炭と同じ内容の貨物であり同一分類とする。
なお、無償の商品であっても申告の対象となる。
(関税法基本通達67-1-4(輸出申告書に記載すべき価格))
仕入書第9項の価格(無償の商品)
個数200 単価US$5.00 小計US$1,000.00

 

2.同一統計品目番号のまとめ

上記1から、仕入書第2項「Bamboo stick:US$1,500.00」及び第6項「Bamboo skewer:US$250.00」の品目番号は「4421.90-0000」であり、仕入書第4項「Bamboo charcoal:US$2,000.00」及び第9項「Bamboo charcoal:US$1,000.00」の品目番号も「4402.10-0006」となり、また、仕入書第7項「Bamboo brush:US$5,000.00」及び第8項「Bamboo broom:US$7,500.00」の品目番号は「9603.10-0006」と、これらは同一の品目番号であり、申告事項登録画面作成の注意事項(以下「注意事項」という。)の記1から、これらを各々合算する。合算後の仕入書価格は各々「4421.90-0000:US$1,750.00」、「4402.10-0006:US$3,000.00」及び「9603.10-0006:US$12,500.00」となる。

 

3.大額貨物/少額貨物の判断

注意事項の記2により、品目番号が異なるものごとの申告価格が20万円以下の場合については、これらを申告価格が最も大きいものの統計品目番号に一括して一覧にまとめ、10桁目のNACCS用品目コードを「X」とする。

このため、上記1により、品目番号を決定した各品目について、申告価格が20万円以下となるかどうか判断するため、少額判断基準価格を計算する。

申告価格の算出に当たって、注意事項の記4の費用が「算入」と認められるものかどうかの判断を行う。この場合に、CPT条件価格による契約(運送費込み(Carriage Paid To)条件価格で、売主は指定された場所(積地のコンテナーヤード等)において商品を運送人に渡すまでのリスクと海上運賃を負担し、それ以降のコストとリスクは買主が負担する。)に基づくことに注意する。

なお、当該費用の申告価格への振分けは価格按分となる。(注意事項の記4の設定から)  

記4:

売手の工場から輸出港までの運賃5%加算済み………………… 認 定
輸出港における貨物の船積みに要する費用5%加算済み……… 認 定
目的地(輸入港)までの海上運賃10%加算済み……………… 否 認

 

以上から、申告価格(FOB価格)は、仕入書価格のうち、上記の記4の「ハ」を否認することになるので、少額判断基準価格は、少額貨物の基準価格(20万円)を仕入書価格の否認割合(申告価格総額÷仕入書価格総額)で割って、それを適用レートで除し、米ドル価格を算出する、これが少額判断基準価格である。

(注)
CPT(Carriage Paid To (named place of destination)):指定仕向地運送費込み条件)

CPT価格とは、「指定仕向地運送費込み条件価格」のことである。「指定仕向地輸送費込み条件価格」においては、売手は、当事者間で合意された場所において、売手が自ら指定した運送人その他の者に貨物を引渡し、かつ、指定仕向地へ運送するために必要な運送契約を締結し、その運送費用を支払わなければならない。保険契約を締結することを要しない。
売手は、輸出のために貨物を通関することを要し、その費用を負担する。

(1) 少額判断基準価格の計算
少額貨物の基準価格:200,000円

仕入書価格総額(CPT):US$168,500.00………………………………………………………
ⅰ. 売手の工場から輸出港までの運賃5%:  
  US$168,500.00×0.05 = US$8,425.00……………………………………………………
ⅱ. 輸出港での貨物の船積み費用5%:US$168,500.00×0.05 = US$8,425.00…………
ⅲ. 輸入港までの海上運賃10%:US$168,500.00×0.10 = US$16,850.00………………
ⅳ. 申告価格総額:イ−ニ = US$151,650.00…………………………………………………

 

少額判断基準価格
  200,000円×{US$168,500÷US$151,650}÷95.00円/US$(*) = US$2,339.18
(*)適用為替レート:下記【参考】を参照

したがって、US$2,339.18が少額判断基準価格となり、この価格より各統計品目番号の仕入書価格が小さければ少額貨物と判断することができる 。

(2)判断結果
本設問では、4419.00-9000(仕入書第2・6項:US$1,750.00)及び
      4602.11-0004(仕入書第5項:US$2,250.00)
が少額貨物となる。なお、上記2.により、仕入書第9項は、第4項と同一品目番号となるので、少額判断基準価格以下であっても一括するとその額を超えるので少額貨物として扱わない。また、注意事項の記2に従い、申告価格の大きい4602.11-0004にまとめ、10桁目を「X」とすると、統計品目番号は4602.11-000X、仕入書価格はUS$4,000.00となる 。

 

4.申告欄の決定及び各品目の選択肢番号の決定

上記3.までにより、統計品目番号を決定したならば、申告欄への記入順序を決定する。申告欄の順序は、注意事項の記3により、申告価格の大きいものから順に決定し、少額貨物を一覧にまとめたものについては、最後の欄とする。
ここで、仕入書決済価格(CPT価格)には、注意事項の記4による費用が、どの品目にも同率で加算されることから、仕入書価格のまま申告価格の大小を判断してもかまわない。
各統計品目番号ごとの仕入書価格を大きい順に並べると、次のようになり、申告欄への記入もこの順番となるので、それに従って、各統計品目番号の選択肢の番号を解答する 。

①US$100,000.00 〔仕入書第1項〕 :0709.99-0002 →第1欄(a) ②0709990002
②US$50,000.00 〔仕入書第3項〕 :2005.91-0001 →第2欄(b) ④2005910001
③US$12,500.00 〔仕入書第7・8項〕 :9603.10-0006 →第3欄(c) ⑮9603100006
④US$3,000.00 〔仕入書第4・9項〕 :4402.10-0006 →第4欄(d) ⑤4402100006
⑤US$4,000.00 〔仕入書第2・5・6項〕 :4602.11-000X →第5欄(e) ⑭460211000X

 

【参考】輸出申告価格の計算

輸出申告価格は、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格(FOB価格)である。(関税法施行令第59条の2第2項)
また、その価格が外国通貨により表示されている場合における本邦通貨への換算は、当該輸出貨物に係る輸出申告の日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の週間平均値をもって行う。(関税法施行令第59条の2第4項、関税定率法第4条の7及び同法施行規則第1条)
輸出申告年月日は、平成25年10月1日であるので、その日の属する週「平成25年9月29日~10月5日」の前々週「平成25年9月15日~9月21日」における平均値「95.00円」を適用する。
なお、決済金額は、CPT(Carriage Paid To:運送費込み)US$であって、これに一括加算されている「売手の工場から輸出港までの運賃及び輸出港での貨物の船積み費用」は算入とし、「輸入港までの海上運賃」については不算入として、各品目の申告価格(FOB価格)を算出することになるので、次のように計算する。

(上記3.(1)の数値を参照)
申告価格 FOB(US$) = 各品目の仕入書価格(CPT)×{申告価格総額ホ÷仕入書価格総額(CPT)}
     FOB(円) = 各品目の仕入書価格(CPT)×0.9×95.00円US$
1 登録画面第1欄(a):仕入書第1項
  仕入書価格(CPT) = US$100,000.00
  FOB\=US$100,000.00×0.9×95.00円/US$ = \8,550,000
2 登録画面第2欄(b):仕入書第3項
  仕入書価格(CPT) = US$50,000.00
  FOB\=US$50,000.00×0.9×95.00円/US$ = \4,275,000
3 登録画面第3欄(c):仕入書第7項及び第8項
  仕入書価格(CPT) = US$5,000.00+US$7,500.00 = US$12,500.00
  FOB\=US$12,500.00×0.9×95.00円US$=\1,068,750
4 登録画面第4欄(d):仕入書第4項及び第9項
  仕入書価格(CPT) = US$2,000.00+US$1,000.00 = US$3,000.00
  FOB\=US$3,000.00×0.9×95.00円US$ = \256,500
5 登録画面第5欄(e):仕入書第2項、第6項及び第5項(異なる統計品目番号の少額合算)
  次の計算のように、異なる統計番号ごとの貨物の申告価格は20万円以下のものである。
 (1)第2項及び第6項の貨物の申告価格の計算
    仕入書価格(CPT) = US$1,750.00
    FOB\=US$1,750.00×0.9×95.00円US$=\149,625
 (2)第5項の貨物の申告価格の計算
    仕入書価格(CPT)=US$2,250.00
    FOB\=US$2,250.00×0.9×95.00円US$=\192,375
    これらを合算して第5欄にまとめる。
    仕入書価格(CPT)=US$(1,750+2,250)=US$4,000.00
    FOB\=US$4,000×0.9×95.00円=\342,000

第2問 輸入(納税)申告(冷凍野菜等)

《正 解》
(a)⑭、(b)⑧、(c)⑨、(d)⑦、(e)⑤ (f)1197000、(g)0664650、(h)0419947、
(i)0308437、(j)0347130

〈解 説〉

1.各貨物の品目番号

設問の米国からの輸入貨物「冷凍野菜等」は、別冊の実行関税率表(抜すい)に掲げられている範囲の第7類(注1~4、第07.01項、第07.02項、第07.04項及び第07.10項)並びに第20類(注1~6、号注1~3、第20.04項及び第20.05項)を参考に分類することとされており、そのうちから選択肢に掲げられた品目番号を選定して、解答の番号とする。
これを踏まえた各品目ごとの品目分類は、次の通りである。

(1)仕入書第1項「Frozen Broccoli (half cut, cooked by boiling in water)」⇒ 0710.80-0101(協定6%)
ブロッコリーを半分にカットし蒸気により調理し冷凍したものは、第07.10項の「冷凍野菜(調理してないもの及び蒸気又は水煮による調理をしたものに限る。)」に該当し、第0710.80号の「その他の野菜」に区分され、「2その他のもの」のうち「−ブロッコリー」に分類され、細分番号「010」、NACCS用コードは「1」となる。

(2)仕入書第2項「Frozen Cooked Potatoes (fried potato, added salt)」 ⇒ 2004.10-2203(協定9%)
加塩のポテトフライを冷凍したものは、第20.04項の「調製し又は保存に適する処理をしたその他の野菜(冷凍したものに限る・・・)」に該当し、第2004.10号の「ばれいしょ」に入り、「2その他のもの」の「(2)その他のもの」に分類され、細分番号「220」、NACCS用コードは「3」となる。

(3)仕入書第3項「Chilled Tomatoes」 ⇒ 0702.00-0003(協定3%)
冷蔵のトマトは、第07.02項(第0702.00号)の「トマト(生鮮のもの及び冷蔵したものに限る。)」に分類され、細分番号「000」、NACCS用コードは「3」となる。

(4)仕入書第4項「Frozen Pumpkins (uncooked, half cut)」 ⇒ 0710.80-0904(協定6%)
かぼちゃを半分にし調理してない状態で冷蔵したものは、第07.10項の「冷凍野菜(調理してないもの・・・)」に該当し、第0710.80号の「その他の野菜」に区分され、「2その他のもの」のうち「−その他のもの」に分類され、細分番号「090」、NACCS用コードは「4」となる。

(5)仕入書第5項「Frozen Sweet corn (uncooked)」 ⇒ 0710.40-0003(協定10.6%)
スイートコーンを調理してない状態で冷凍したものは、第07.10項の「冷凍野菜(調理してないもの・・・)」に該当し、第0710.40号の「スイートコーン」に分類され、細分番号「000」、NACCS用コードは「3」となる。

(6)仕入書第6項「Frozen Carrot (dice cut, cooked by steaming)」⇒ 0710.80-0904(協定6%)
にんじんをサイコロ状にカットし蒸気により調理後冷凍したものは、第07.10項の「冷凍野菜(調理してないもの及び蒸気又は水煮により調理したものに限る。)」に該当し、第0710.80号の「その他の野菜」に区分され、「2その他のもの」のうち「−その他のもの」に分類され、細分番号「090」、NACCS用コードは「4」となる。

(7)仕入書第7項「Chilled Cauliflowers」⇒ 0704.10-0003(協定3%)
カリフラワーを冷蔵したものは、第07.04項の「キャベツ、カリフラワー・・・(生鮮のもの及び冷蔵したものに限る。)」に該当し、第0704.10号の「カリフラワー」に分類され、細分番号「000」、NACCS用コードは「3」となる。

 

2.同一品目番号のまとめ

上記1.から、仕入書第4項「Frozen Pumpkins (uncooked, half cut):US$2,560.00(協定6%)」及び第6項「Frozen Carrot (dice cut, cooked by steaming):US$1,650.00(協定6%)」は同一品目番号(0710.80-0904)となるので、注意事項の記1から、これらを合算する。
合算後の仕入書価格は「0710.80-0904:US$4,210.00」となる。

 

3.大額貨物/少額貨物の判断及び少額合算

先ず、注意事項の記6~記8に記述されている費用の各貨物の申告価格への算入の要否を検討して、次に、各貨物の申告価格を算出する。
(1)注意事項の記6~記8に記述されている費用の申告価格への算入の要否
本設問の仕入書価格は、米ドル建のCIF価格であるので、仕入書に記載されている各輸入貨物の申告価格(課税価格)を算出する場合には、注意事項の記6~記8に記述されている費用が関税定率法第4条第1項各号(加算要素)に規定する加算要素等の費用であるかどうかを検討する。
① 注意事項の記6の費用(ブロッコリー及びスイートコーンの種の費用)
i.ブロッコリー及びスイートコーンの種の費用
注意事項の記6の後段の費用は、仕入書第1項(ブロッコリー)及び第5項(スイートコーン)の種であり、買手(輸入者)がこの種を提供しなければ、ブロッコリー及びスイートコーンを輸入することができないところから、ブロッコリー及びスイートコーンの原材料の無償提供に要した費用(取得及び提供の費用)である。したがって、ブロッコリー及びスイートコーンの原材料の無償提供に要した費用(取得及び提供の費用)は、ブロッコリー及びスイートコーンの申告価格(課税価格)に次のように加算する(関税定率法第4条第1項第3号イ)。
・仕入書第1項(ブロッコリー)への加算分 :120,000円 及び
・仕入書第5項(スイートコーン)への加算分:80,000円
ⅱ.ブロッコリー及びスイートコーンの種の買付手数料
注意事項の記6の前段の費用は、買手(輸入者)が仕入書第1項(ブロッコリー)及び第5項(スイートコーン)の種の買付けを行う代理人に対して支払う手数料であり、輸入貨物(ブロッコリー及びスイートコーン)の買付手数料ではない。
この買付手数料(10,000円)は、買手(輸入者)が輸入貨物の原材料を調達して売手に提供するために、その原材料の買付業務を他の者に委託した場合に支払う手数料(関税定率法第4条第1項第3号の輸入貨物生産用の原材料提供に要する費用)であって、当該輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して買手が無償で又は値引きをして提供する物品(原材料)に要する費用に該当するので、当該輸入貨物(ブロッコリー及びスイートコーン)の課税価格に次のように加算する(関税定率法第4条第1項第3号イ)。

・仕入書第1項(ブロッコリー)への加算分 120,000円×5% = 6,000円
・仕入書第5項(スイートコーン)への加算分 80,000円×5% = 4,000円

 

② 注意事項の記7の費用(売手口銭)
この売手口銭は、買手(輸入者)が、売手(輸出者)に対して仕入書価格の支払に加えて、輸入貨物(冷凍野菜等)に係る取引の状況その他の事情からみて当該輸入貨物の輸入取引をするために買手(輸入者)から売手(輸出者)に対して支払われる別払金であり、当該輸入貨物の現実支払価格を構成するので、当該輸入貨物の課税価格に算入しなければならない(関税定率法第4条第1項本文、同法施行令第1条の4本文、同法基本通達4-2の2-(1))。
なお、仕入書に記載された各輸入貨物の価格按分により算入する(注意事項記7から)。

③ 注意事項の記8の費用(買手が輸出国において自己のために行う検査費用)
買手(輸入者)が輸入貨物の輸出国へ自社の立会者(技術者)を派遣して、当該立会者(技術者)に当該輸入貨物が国内販売規格に合致しているかの検査をさせるための費用は、買手(輸入者)が自己のために行った検査に要した費用であり、当該輸入貨物の現実支払価格を構成しないので、当該輸入貨物の課税価格に算入しない(関税定率法基本通達4-2の3(2)本文)。

(2)各品目の申告価格の算出
上記(1)の加算要素について、申告価格を算出するためには、注意事項の記4から「課税価格には、別紙1の仕入書に記載された価格を本邦通貨に換算した後の価格に下記6~8までの費用のうち申告価格に算入すべきものを加算した額を記入する」こととされているので、これにより算出する。
その結果、少額貨物かどうかの判断は、各々の貨物ごとに加算した後の価格と少額基準額20万円とを比較して行われる。
〔注〕為替レート:輸入申告年月日が平成25.10.1であるので、その日の属する週「平成25.9.29~平成25.10.5」の前々週「平成25.9.15~平成25.9.21」における平均値「¥95.00」を適用する。

各品目の申告価格の算出
仕入書第1項 :ブロッコリーの仕入書価格( = 1+5%の口銭)に種の無償提供に要した費用(取得及び提供の費用)及び種の買付手数料を加算
{CIFUS$5,400×95円/US$}×(1.05)+120,000円+6,000円 = 538,650円+120,000円+6,000円 = 664,650円
仕入書第2項 :{CIFUS$12,000×95.00円US$}×1.05 = 1,197,000円
仕入書第3項 :{CIFUS$1,680×95.00円/US$}×1.05 = 167,580円
仕入書第4項及び第6項:{(CIFUS$2,560+CIFUS$1,650)×95.00円/US$}×1.05 = 419,947.5円
仕入書第5項 :スイートコーンの仕入書価格( = 1+5%の口銭)に種の無償提供に要した費用(取得及び提供の費用)及び種の買付手数料を加算
{CIFUS$2,250×95.00円/US$}×(1.05)+80,000円+4,000円 = 224,437.5円+80,000円+4,000円 = 308,437.5円
仕入書第7項:{CIFUS$1,800×95.00円US$}×1.05 = 179,550円

(3)少額貨物の判断
上記(2)の計算から、仕入書各項の品目の申告価格が20万円以下のものをみると、次の項目が該当する。
①仕入書第3項の貨物 0702.00-0003(協定3%)(167,580円)
②仕入書第7項の貨物 0704.10-0003(協定3%)(179,550円)
本問では、少額貨物については、注意事項の記2により、申告価格が最も大きいものの品目番号に一括したうえで、10桁目を「X」とすることになっている。
したがって、申告価格が最も大きい「0704.10-0003(協定3%):179,550円」に一括して合算する。合算後の品目番号は「0704.10-000X」、仕入書価格は「347,130円」となる。

4.各品目番号の申告価格

本設問の各品目番号の申告価格は、上記3.(2)で算出している。
(1)0710.80─0101 = 664,650円   (仕入書第1項)
(2)2004.10─2203 = 1,197,000円(仕入書第2項)
(3)0704.10─000X = 347,130円   (仕入書第3項及び第7項)
(4)0710.80─0904 = 419,947円   (仕入書第4項及び第6項)
(5)0710.40─0003 = 308,437円   (仕入書第5項)

5.申告欄の決定

上記3.及び4.の結果から、注意事項の記3及び4にしたがって申告欄を決定すると、(a)から(e)の選択肢番号及び(f)から(j)の申告価格は、次のようになる。

申告欄 仕入書 解答欄 選択肢番号 解答欄 申告価格(円)
第1欄 2 (a) ⑭2004102203 (f) 1197000
第2欄 1 (b) ⑧0710800101 (g) 0664650
第3欄 4・6 (c) ⑨0710800904 (h) 0419947
第4欄 5 (d) ⑦0710400003 (i) 0308437
第5欄 3・7 (e) ⑤070410000X (j) 0347130
【選択式】
第3問 (関税の確定及び納付)

《正解》
2、4

〈解説〉
(正=2、4)

2 関税法の規定により関税の担保を提供しようとする者は、建物を当該担保として提供することができることとなっている(関税法第9条の6において準用する国税通則法第50条)。

4 延滞税額の計算にあたって、その基礎となる未納関税額が1万円未満である場合には、延滞税の納付を要しないこととなっている(関税法第12条第3項)。

(誤=1、3、5)

1 輸入の許可後にされた更正に係る更正通知書に記載された納付すべき税額については、当該更正通知書が発せられた日(「送達を受けた日」ではない。)の翌日から起算して1月を経過する日までに納付しなければならないこととなっている(同法第9条第2項第5号)。

3 税関長は、賦課課税方式が適用される貨物の関税を徴収する場合には、納税義務者に対して納税告知書を送達して納税の告知を行うこととなっているが、設問の入国者が別送して輸入する貨物は、商業量に達する貨物であり、入国の日から1年後に輸入されることになっている(賦課課税方式を適用する貨物は、入国後6月以内に輸入する貨物で商業量に達しないものとなっている。)ことから、納税の告知の対象とはならないこととなっている。したがって、その入国者は別途、当該貨物を申告納税方式の対象貨物としての納税申告をし、確定した関税を当該貨物を輸入する日までに納付することとなる(同法第6条の2第1項第2号イ、同法施行令第3条第1項、同法第8条第4項前段かっこ書)。

5 保税展示場に入れられた外国貨物のうち、当該保税展示場における販売を目的とするものに関税を課す場合の課税物件の確定の時期は、当該貨物を保税展示場に入れることの承認がされた時(「当該貨物が販売された時」ではない。)の現況によることとなっている(同法第4条第1項第3号の2)。

第4問(課税価格の決定の原則による課税価格の計算の可否)

《正解》
2、4

〈解説〉
(該当=2、4)

2 買手が売手との売買契約に基づき購入して輸入する貨物であって、売手の指示に従って当該貨物を展示用としてのみ使用させることを条件として実質的に価格が引き下げられているものは、その現実支払価格に歪み(ひずみ)があり、当該輸入貨物の仕入書価格は本来の現実支払価格を表さないので、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則により課税価格を決定することができない(関税定率法第4条第2項第1号、同法基本通達4-1の2(2))。

4 売手の代理人が売手との代理契約に基づき当該売手に所有権が存続した状態で輸入する貨物であって、当該貨物の輸入後に当該売手により本邦の買手に販売されるものは、本邦に拠点(住所、居所、本店、支店、事務所、事業所その他これらに準ずるもの。)を有する者が買手として貨物を本邦に到着させることを目的として売手との間で行った売買により輸入するものではないので、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則により課税価格を決定することができない(同法第4条第1項、同法基本通達4-1の2(1)ハ)。

(非該当=1、3、5)
1 買手が売手との売買契約に基づき購入して輸入する貨物であって、当該売手から買手に対し、本邦の特定の地域のみで販売するとの制限がされているものについては、買手は、その制限をされた地域において自由に販売することができるので、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則により課税価格を決定することができる(同法第4条第1項、同法施行令第1条の7第1号、同法基本通達4-16(1))。

3 輸入貨物に係る輸入取引について、買手が特定の数量の他の貨物を売手から購入することを条件として売手が値引きをして当該輸入貨物の価格を設定している場合において、当該値引きに係る額が明らかにすることができるときは、当該条件は、当該輸入貨物の課税価格の決定を困難とする条件には該当しないので、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則により当該貨物の課税価格を決定することができる(同法第4条第2項第2号、同法基本通達4-17(2))。

5 本邦で輸入貨物の再販売等をする買手は、本邦の法令により又は国若しくは地方公共団体により課される制限を当然に受認する義務があるところから、本邦の法令により又は国若しくは地方公共団体により課される販売等の制限は、輸入貨物の販売等を制限する制限に該当しないので、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則により課税価格を決定することができる(同法第4条第2項第1号かっこ書、施行令第1条の7第2号)。

第5問(関税定率法別表の所属の決定)

《正解》
2、5

〈解説〉
(該当=2、5)

関税率表の解釈に関する通則3(b)によれば、混合物、異なる材料からなる物品、異なる構成要素で作られた物品及び小売用のセットにした物品で、通則3(a)の規定により所属を決定することができないものは、通則3(b)の規定を適用することができる限り、当該物品に重要な特性を与えている材料又は構成要素から成るものとしてその所属を決定することとされている。また、小売用のセットにした物品は、次の3要件を満たす必要がある。
(a)異なる項に属するとみられる二以上の異なった物品から成るもの
(b)ある特定の必要性を満たすため又はある特定の活動を行うため、共に包装された産品又は製品から成るもの
(c)再包装しないで、使用者に直接販売するのに適した状態に包装されている物品

2 設問に掲げられている物品は、理髪活動に必要な電気式バリカン、はさみ、ブラシなどを取り揃えセットにしたもので、上記の小売用のセットにした物品に関する3要件を満たしている。当該物品の中で重要な特性を与えている物品は、価格、役割などからはさみと判断され、当該物品は、はさみから成るものとして第82.13項に分類された。

5 設問に掲げられている物品は、スパゲッティ料理に必要なスパゲッティ、袋入りチーズなどを一の小売用の紙箱に収めたもので、上記の小売用のセットにした物品に関する3要件を満たしている。当該物品の中で重要な特性を与えている物品は、スパゲッティ料理に不可欠なスパゲッティと判断され、当該物品は、スパゲッティから成るものとして第19.02項に分類された。

(非該当=1、3、4)

1 設問に掲げられている物品は、双眼鏡を双眼鏡用ケース(長期の使用に適するもの)に収納したもので、このまま販売される蓋然性が高いことから双眼鏡として第90.05項に分類された(通則5(a))。

3 設問に掲げられている物品は、水酸化ナトリウム(カセイソーダ)を蒸留水に溶かしたもので、第28類注1(b)の規定により第28類に含まれ、水酸化ナトリウム(カセイソーダ)の水溶液として第28.15項に分類された(通則1)。

4 設問に掲げられている物品は、第09.04項から第09.10項の香辛料の混合物であり、第9類注1(b)の規定により「この類の注1(b)の混合物」として第09.10項に分類された(通則1)。

第6問(関税定率法別表の所属の決定) 

《正解》
2、4、5

〈解説〉
(正=2、4、5

2 冷蔵のさば及びフィレを冷凍にしたものは、いずれも第3類に分類される(冷蔵さば:第03.02項、フィレを冷凍にしたもの:第03.04項)。

4 ばれいしょの粉及びばれいしょでん粉は、いずれも第11類に分類される(ばれいしょの粉:第11.05項、ばれいしょでん粉:第1108.13号)。

5 甘しゃ糖及び化学的に純粋なしょ糖は、項及び注の規定によりいずれも第17類に分類される(第17.01項、第17類注1(b))。

(誤=1、3)

1 第8類に分類されるぶどうから得られた発酵していないぶどうの搾汁は、第8類には分類されず、果実のジュースとして第20類に分類される(生鮮のぶどう:第08.06項、発酵していないぶどうの搾汁:第20.09項)。

3 第1類の鶏(ガルルス・ドメスティクス)から生まれたふ化用の受精卵は、第1類には分類されず、殻付きの鳥卵として第4類に分類される(鶏(ガルルス・ドメスティクス):第01.05項、ふ化用の受精卵:第0407.11号)。

第7問(特恵関税制度)

《正解》
2、4、5

〈解説〉
(正=2、4、5)

2 一の特恵受益国において完全に生産された物品以外の物品をその原料又は材料(以下「非原産品」という。)の全部又は一部としてこれに実質的な変更を加えるものとして財務省令で定める加工又は製造(すなわち、特恵関税の適用を受けようと物品の該当する関税定率法別表(以下「関税率表」という。)の番号の項が当該非原産品の該当する同表の番号の項と異なることとなる加工又は製造)により生産された物品は、当該一の特恵受益国を原産地とする物品となる(これを原産地の認定に係る「実質的な変更」に関する『関税分類変更基準』という。以下同じ。)が、非特恵受益国であるA国を原産地とする塩(同表第25.01項)とこしょう(同表第09.04項)とを、特恵受益国であるB国において、非原産品の単なる混合を行ったものについては、「関税分類変更基準」に該当し項の番号が異なることとなったとしても、特恵受益国であるB国の原産品とはならないこととなっている(関税暫定措置法施行令第26条第1項第2号、同法施行規則第9条第1項ただし書)。

4 一の特恵受益国において非原産品を材料として製品を製造する際に生じた“くず”は、当該受益国において完全に生産された物品とされているので、特恵受益国であるB国において生じた“くず”を包装容器に詰められたものは、B国の原産品となることとなっている(同法施行令第26条第1項第1号、同法施行規則第8条第9号)。

5 一の特恵受益国において、生産された物品が「関税分類変更基準」に該当する場合であっても、関税暫定措置法施行規則別表の中欄に掲げる物品にあっては、それぞれ同表下欄に掲げる加工又は製造によって、原産品としての資格が与えられることとなっている。したがって、同表第18類の中欄に掲げる「ココア及びその調製品(関税率表第18.05項に属するココア粉も含まれる。)」は、下欄において「(非原産品である)カカオ豆からの製造」となっていることから、その製造に使用された非特恵受益国(A国)で収穫されたカカオ豆(関税率表第18.01項)の総重量が特恵受益国(B国)で製造されたココア粉の総重量の20%のものであっても、この重量割合とは関係なく、B国において製造された当該ココア及びその調製品(ココア粉)は、B国の原産品となる(同法施行令第26条第1項第2号、同法施行規則第9条)。

(誤=1、3)

1 特恵受益国であるB国において、特恵受益国でないA国で採捕された水産物を輸送のため塩水漬けにすることによって「関税分類変更基準」に該当する場合であっても、当該塩水漬けされた水産物は、B国の原産品とはならないこととなっている(同法施行令第26条第1項第2号、同法施行規則第9条第1項ただし書)。

3 特恵受益国でないA国を原産地とするこんにゃく芋(関税率表第12類)を原料として特恵受益国であるB国において製造されたこんにゃく(同表第21.06項)は、「関税分類変更基準」に該当するが、当該こんにゃくは、関税暫定措置法施行規則別表第21.06項の中欄(調製食料品の2(ⅱ)-4)に該当し、その下欄において「(非原産品である)第12類又は第21類に該当する物品以外の物品からの製造」となっていることから、当該特恵受益国(B国)の原産品とはならないこととなっている。これはB国を原産地とするこんにゃく芋から製造されたこんにゃくでないとB国の原産品とは認められないこととなる(同法施行令第26条第1項第2号、同施行規則第9条)。

【計算式】
第8問 (修正申告により納付すべき関税額の計算)

《正解》
4300円

〈解説〉
修正申告により納付すべき関税額は、修正申告後の関税額(本来納付すべき関税額)から修正申告前の関税額(過少に納付した関税額)を控除して得た額である。

1.修正申告前の関税額(過少に申告し又は納付した関税額)
A 64,550円 ▼ 千円未満の端数切捨て
     64,000円 × 5.5% = 3,520円
B 73,120円 ▼ 千円未満の端数切捨て
     73,000円 × 10.8% = 7,884円
∴ Aの税額3,520円 + Bの税額7,884円 = 11,404円
百円未満の端数切捨て ▼
                           11,400円

2.修正申告後の関税額(本来納付すべき関税額)
A 74,380円 ▼ 千円未満の端数切捨て
               74,000円 × 7.5% = 5,550円
B 85,920円 ▼ 千円未満の端数切捨て
               85,000円 ×  12.0% = 10,200円
∴ Aの税額5,520円 + Bの税額10,200円 = 15,720円
百円未満の端数切捨て ▼
                           15,700円

3.修正申告により納付すべき関税額

  本来の関税額   納付済み関税額  
修正申告により納付する関税額 = 15,700円 11,400円 = 4,300円
第9問 (納付すべき過少申告加算税額の計算)

《正解》
87,500円

〈解説〉

1.過少申告加算税額の計算方法(計算の順序)
過少申告加算税額を計算する場合には、まず、修正申告により納付すべき不足関税額(過少申告加算税の計算の基礎となる増差税額)を算出し、次に納付すべき過少申告加算税額を計算する。

2.修正申告により納付すべき不足関税額の計算
① 修正申告前の関税額(過少に納付した関税額)
  2,468,950円 ▼ 千円未満の端数切捨て
       2,468,000円×6.2% = 153,016円 ▼ 百円未満の端数切捨て
                       153,000円
② 修正申告後の関税額(本来納付すべき関税額)
  12,586,952円 ▼ 千円未満の端数切捨て
       12,586,000円×7.2% = 906,192円 ▼ 百円未満の端数切捨て
                         906,100円
③ 修正申告により納付すべき不足関税額
  修正申告による納付関税額=906,100円−153,000円 = 753,100円

3.納付すべき過少申告加算税額の計算
イ.当初の納税申告により納付した関税額      153,000円
ロ.修正申告により納付すべき不足関税額(増差税額)753,100円
① 基準額の確認
当初納税申告関税額153,000円<(足切額)500,000円
(足切額)500,000円の方が多いので、これを基準額とする。
② 過少申告加算税額
ⅰ.基本過少申告加算税額(基本過少申告加算税率10%)
  増差税額753,100円 ▼ 1万円未満の端数切捨て
          750,000円×10% = 75,000円
ⅱ.加重過少申告加算税額(加重過少申告加算税率5%)
  増差税額753,100円>基準額500,000円
  増差税額が基準額よりも多いので、増差税額のうち基準額を超える部分の額には、5%の加重過少申告加算税が課される。
  基準額超の増差税額=753,100円−基準額500,000円 = 253,100円
  基準額超の増差税額253,100円 ▼ 1万円未満の端数切捨て
               250,000円×5% = 12,500円
ⅲ.納付すべき過少申告加算税額
  (基本10%分)75,000円+(加重5%分)12,500円 = 87,500円

第10問 (課税価格の決定の原則による課税価格の計算)

《正解》
6,330,000円

〈解説〉

1.当該輸入貨物の輸出価格・EXW価格(2-イ)
200台×25,000円/台 =                     5,000,000円……

2.輸入貨物の生産に必要な外国開発の技術の無償提供費用(2-ロ、ハ、3)
B国のYが開発した技術                      1,000,000円……
輸入者(買手)Mは、輸入者と特殊関係にあるYがB国において開発した技術を取得して製造者(売手)に無償で提供しているので、その開発費を課税価格に算入する(関税定率法施行令第1条の5第3項及び第4項第1号)。

3.製造者(売手)の工場から輸出国A国の国内運賃(4-イ)              100,000円……
輸入貨物の本邦の輸入港までの運賃は、課税価格に算入する(同法第4条第1項第1号)。

4.輸出国A国における輸出の際の輸出通関手続費用(4-ロ)              10,000円……
輸入貨物の本邦の輸入港までの運賃等その他運送に関連する費用は、課税価格に算入する(同法第4条第1項第1号、同法基本通達4-8(5)ロ)。

5.輸出港から輸入港までの運送に係る運賃(4-ハ)          200,000円……
輸入貨物の輸出国の輸出港から本邦の輸入港までの運賃は、課税価格に算入する(同法第4条第1項第1号)。

6.輸入港から輸入者Mの国内工場までの運賃(4-ニ)          不算入
輸入貨物の輸入港到着後の国内運送費用は、課税価格に算入しない(同法第4条第1項第1号、同法施行令第1条の4第3号)。

7.輸出港から輸入港までの運送に係る保険料(4-ホ)         20,000円……
輸入貨物の輸出国の輸出港から本邦の輸入港までの保険料は、課税価格に算入する(同法第4条第1項第1号)。

8.当該精密機器の輸入者Mの国内工場への据付作業費(4-ヘ)             不算入
輸入貨物の輸入申告後の据付費用は、課税価格に算入しない(同法第4条第1項第1号、同法施行令第1条の4第2号)。

合計(課税価格)(①+②+③+④+⑤+⑥)           6,330,000円 

第11問(課税価格の決定の原則による課税価格の計算)

《正解》
7,340,000円

〈解説〉

取引の当事者の間において、当該取引に係る仕入書等に表示されている価格を、当該当事者間で合意された外国為替相場により、その表示において用いられている通貨とは異なる通貨に換算し、当該通貨により支払うことが取り決められている場合で、当該通貨により現実に支払が行われるときは、当該通貨による価格に基づいて課税価格を計算する。
☆ 外国通貨により表示されている価格が当事者間で合意された外国為替相場により本邦通貨に換算され、本邦通貨により現実に支払われる場合は、当該本邦通貨による価格に基づいて課税価格を計算する(関税定率法基本通達4の7-2)。
例 (仕入書価格) (当事者間で合意された外国為替相場) (支払価格)
  10,000米ドル            1米ドル = 120        1,200,000円

1.当該輸入貨物の輸出価格・CIF価格(2-イ、ハ)
(300個×200US$/個=60,000US$)×110円/US$= 6,600,000円……
取引の当事者(買手と売手)の間において、当該取引に係る仕入書等に表示されている価格を、当該当事者間で合意された外国為替相場により、その表示において用いられている通貨とは異なる本邦通貨に換算し、本邦通貨により現実に支払が行われるので、「1米ドル=110円」で換算する(同法基本通達4の7-2)。

2.無償提供のデザイン入りの生地の取得費用(2-ロ、3)
生地代500,000円+デザイン代150,000円 =       650,000円……
買手が自己と特殊関係のない者から取得した鞄の製造に必要な生地を売手に対して直接に無償で提供した場合には、その取得費用を当該輸入貨物の課税価格に算入しなければならない(同法第4条第1項第3号、同法施行令第1条の5第2項第2号、同法基本通達4-12(5))。

3.無償提供した生地の提供費用(4)
運賃70,000円+保険料20,000円 =            90,000円……
買手が自己と特殊関係のない者から取得した鞄の製造に必要な生地を売手に対して直接に提供するために、その提供費用を負担した場合には、当該輸入貨物の課税価格に算入しなければならない(同法第4条第1項第3号イ、同法施行令第1条の5第2項)。

合計(課税価格)①+②+③                7,340,000円  

第12問 (課税価格の決定の原則による課税価格の計算)

《正解》
5,330,000円

〈解説〉

甲と乙との間で貨物を本邦へ到着させることを目的として締結された売買契約に基づいて外国から本邦へ向けて貨物が輸出された後、本邦への運送途上において、乙と丙との間で当該貨物を本邦に到着させることを目的とした売買契約が締結され、丙により輸入された場合は、乙と丙との間の売買が「現実に当該貨物が本邦に到着することとなった売買」であることから、乙と丙との間の売買が輸入取引となる(関税定率法基本通達4-1(2)ロ(洋上転売))。

1.輸入貨物・事務用機器を本邦に到着させるための洋上転売価格
200台×25,000円台 =            5,000,000円……
輸入貨物である事務用機器は、本邦所在の商社NとA国の輸出者Xとの間で締結された売買契約により、本邦に向けて輸出された後、本邦への運送途上において、本邦所在の輸入者Mと商社Nとの間で当該事務用機器を本邦に到着させることを目的とした売買契約(売買単価25,000円/台)により転売され、輸入者Mにより本邦に輸入されることになった(同法基本通達4-1(2)ロ(洋上転売))。

2.輸入貨物・事務用機器を本邦に到着させるための輸入港までの運賃
商社N負担200,000円+輸入者M負担100,000円 =  300,000円……
事務用機器の輸出国の輸出港から本邦の輸入港までの運賃は、課税価格に算入する(同法第4条第1項第1号)

3.輸入貨物・事務用機器の保証料         30,000円……
売手・商社Nと買手・輸入者Mとの間で輸入貨物・事務用機器の輸入取引に係る契約とは別に、売手が買手に対して輸入貨物・事務用機器に係る保証を履行する契約を締結し、買手が売手に対して事務用機器の代金と当該保証の費用を各々支払う場合において、事務用機器に係る取引の状況その他の事情からみて、売手が買手に対して事務用機器の輸入取引をするために当該保証契約の締結を義務付けているので、当該保証料は課税価格に算入しなければならない(同法基本通達4-2の4(3))。

4.輸入港における輸入貨物・事務用機器の船卸費用(5-イ)      不算入
事務用機器の輸入港における船卸費用は、輸入港到着後の費用であるので、課税価格に算入しない(同法第4条第1項第1号、同法施行令第1条の4第2号、同法基本通達4-8(7)イ)。

5.商社Nの国内倉庫における輸入貨物・事務用機器の整備費用(5-ロ) 不算入
輸入申告後の事務用機器の整備費用は、課税価格に算入しない(同法第4条第1項第1号、同法施行令第1条の4第1号)。
計(課税価格)(①+②+③)                 5,330,000円

第13問(輸入通関)

《正解》

〈解説〉
(正=1)

1 経済連携協定において関税の譲許が一定の数量を限度として定められている物品について、その譲許の便益の適用を受けて当該物品を輸入しようとする場合には、政府が行う割当てに係る関税割当証明書の交付を受けた者の名をもって、輸入申告をしなければならないことになっている(関税暫定措置法第8条の6第1項、第2項)。

(誤=2、3、4、5)

2 課税価格が20万円を超える郵便物であっても、当該郵便物が寄贈物品である場合には、輸入申告を要しないことになっている(関税法第76条第1項、同法施行令第66条)。

3 税関長は商標権を侵害する物品について、当該物品が輸入されようとする場合には当該物品を没収して廃棄し、または当該物品を輸入しようとする者にその積戻しを命ずることができることになっている(同法第69条の11第2項)。

4 輸入申告に際し、税関長が輸入の許可の判断のために必要があるとして、提出を求める仕入書は、仕出国の荷送人が仕向国の荷受人に貨物の発送を通知するために作成する書類で一般に貨物の品名、種類、数量等が記載されているものをいうと規定されており、設問のような、限定記述等は求められていない(同法第68条、同法基本通達68-3-1)。

5 輸入貨物の課税価格の合計が10万円以下の輸入貨物に対する関税の率は、当該貨物を輸入しようとする者が当該簡易税率の適用を希望しない旨を税関に申し出た場合には、当該税率は適用されないことになっている(関税定率法第3条の3第1項ただし書)。

第14問 (課税価格の決定の原則)

《正解》

〈解説〉
(正=0)
(誤=1、2、3、4、5)

1 輸入貨物の「保険料」とは、輸入貨物の輸入港までの運送に関して実際に要した保険料をいい、当該輸入貨物の輸出港までの運送に係る保険料を含むが、輸入貨物に保険が付されていない場合には、通常必要とされる保険料を見積もって課税価格に算入してはならない(関税定率法第4条第1項第1号、同法基本通達4-8(4)イ)。

2 輸入貨物の輸入取引の契約がCFR(Cost and Freight(named port of destination):指定仕向港運賃込み条件)契約であって、当該輸入貨物を船舶により本邦の輸入港まで運送するための運賃を売手が負担することになっていたが、当該輸入貨物の運送を航空機運送に変更して本邦の輸入港まで運送することにした場合において、この運送方法の変更に伴う増加運送費用を売手が負担するときは、売手による当該負担額は現実支払価格に含まれているものとして取り扱うものとされている(同法第4条第1項第1号、同法基本通達4-8(6)ハ(イ))。

3 輸入貨物の買手が、当該輸入貨物の売手に無償で提供したのは当該輸入貨物を生産するために必要な金型である(この金型の生産ために、本邦で開発された役務が使用されていたとしても、金型を生産するために役務を提供したのではない。)。このように、買手によって(売手に対して)提供された金型を生産するために他の物品又は役務(本邦において開発されたものを含む。)が使用された場合において、買手が直接又は間接に当該他の物品又は役務の費用を負担しているときは、当該他の物品又は役務の費用を含む総額をもって、売手に提供した金型の費用とするものとされている(同法第4条第1項第3号ロ、同法基本通達4-12(6)ロ)。

4 買手が従業員を輸入貨物の製造作業に従事させるために派遣した場合には、当該製造業務を行う者に係る費用(渡航費(支度金を含む。)、滞在費及び賃金等(直接労務費に相当する費用)は、売手のために行われた間接支払に該当するので、当該輸入貨物の課税価格に算入しなければならない。(同法第4条第1項、同法施行令第1条の4本文、同法基本通達4-2の3(3)ただし書)。

5 輸入取引において、買手が売手から提示された当初取引価格について売手と値引き交渉を行って『値引き』を受けた場合には、値引き後の価格が現実支払価格となるので、値引き後の価格に基づいて課税価格を決定する(同法第4条第1項本文、同法施行令第1条の4本文)。
なお、買手が売手との間で輸入取引する輸入貨物の価格について数量値引き(貨物の取引数量に応じた当該貨物の価格の割引き)を交渉し、数量値引きを受けた場合であって、当該輸入貨物に係る輸入(納税)申告の際に当該値引きが行われることが確定しており、かつ、当該値引き後の価格が買手から現実に支払われるときは、当該値引き後の価格が現実支払い価格となるので、値引き後の価格に基づいて課税価格を決定する(同法基本通達4-3本文)。
しかし、設問の場合には、輸入貨物について輸入(納税)申告をし関税を納付して引き取った後に、買手と売手との間での数量値引きをする旨の合意がされたものであり、当該輸入貨物に係る輸入(納税)申告の際には、当該値引きが行われることが確定しておらず、かつ、当該値引き後の価格を買手から現実に支払われることにはなっていないので、数量値引き後の価格をもって課税価格を計算することはできない。

第15問(関税定率法別表の所属の決定)

《正解》

〈解説〉
1.表の右欄に掲げる物品と左欄に掲げる関税定率法別表の類との関係は、次のとおりである。

  関税定率法別表の類 物      品 関税定率法別表の項
第4類 酪農品、鳥卵、天然はちみつ及び他の類に該当しない食用の動物性生産品 a ヨーグルト
b プロセスチーズ
c アイスクリーム
第04.03項
第04.06項
第21.05項
第48類 紙及び板紙並びに製紙用パルプ、紙又は板紙の製品 a 古紙
b カーボン紙
c トイレットペーパー
第47.07項
第48.09項、第48.16項
第48.03項、第48.18項
第64類 履物及びゲートルその他これに類する物品並びにこれらの部分品 a スキー靴
b アイススケートを取り付けたスケート靴
c レスリングシューズ
第64.02項、第64.03項
第95.06項
第64.02項~第64.04項
第87類 鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び附属品 a トラクター (自走式のもの)
b 戦車(自走式のもの)
c ブルドーザー(自走式のもの)
第87.09項
第87.10項
第84.29項
第95類 がん具、遊戯用具及び運動用具並びにこれらの部分品及び附属品 a クリスマス用品
b 釣りざお
c 幼児用自転車
第95.05項
第95.07項
第87.12項

アイススケートを取り付けたスケート靴:第64類注1(f)及び第95類注1(g)参照
幼児用自転車:第87類注4及び第95類注1(o)参照

2.左欄に掲げる関税定率法別表の類に含まれない右欄の物品の正しい組合せは、上記表のとおり4(A-c、B-a、C-b、D-c、E-c)となる。

第16問(関税定率法別表(関税率表)の類注)

《正解》

〈解説〉
(誤=0)
(正=1、2、3、4、5)

1 一般的には、象牙をアイボリーと称しているが、関税率表において、アイボリーとは、象、かば、せいうち等のきばと、さい角及びすべての動物の歯をいうと規定されている(第5類注3)。

2 巡回サーカスの設備の一つとして輸入される象、トラなどは、生きている動物として第1類には含まれず、巡回サーカスの設備として第95類に分類される(第1類注1(c)、第95.08項)。

3 ズボンが2点以上ある男子用スーツのズボンは、1点のみスーツの下半身用の構成部分とみなされ、他のズボンは、スーツの構成部分に該当しないことからズボンとして分類される(第61類注3(a))。

4 関税率表において、ガラスには、二酸化けい素、酸化アルミ、酸化ほう素などから成るガラスの他に二酸化けい素のみから成る石英ガラスを含むとされている(第70類注5)。

5 蒸留水、伝導度水その他これらに類する純水は、主としてバッテリーの電解液、半導体の洗浄水、理化学実験用の溶媒、電気伝導度率の精密測定などに使用されることから飲料として第22類には含まれず、無機化学品として第28類に分類される(第22類注1(c)、第28.53項)。

第17問(事前教示)

《正解》

〈解説〉
(誤=5)

5 関税率表の適用上の所属に係る教示を求めようとする者(以下「照会者」という。)は、税関に「事前教示に関する照会書」及び資料を提出するとともに、照会内容の審査の際に、審査に必要な追加的な資料を提出することとなるが、照会者は、この資料として当該教示の対象となる貨物の見本(サンプル)のみならず、これに代わる写真、図画その他参考となるべき資料を提出することができることとなっている(関税法基本通達7-18(2)ロ及び(3)ロ(ロ))。

=1、2、3、4)

1 照会者(納税義務者その他の関係者)が申告納税方式の適用される貨物を輸入しようとするときに、当該申告について必要となる関税率表の適用上の所属について、あらかじめ税関に照会し、教示を求めるものであることから、実際に輸入の予定の無い架空の貨物に係る照会はできないこととなっている(同法基本通達7-18(2)イ)。

2 関税率表適用上の所属に係る教示に関し、税関から文書により行われた教示の内容について照会者が再検討を求める場合には、当該教示に係る回答書の交付又は送達を受けた日の翌日から起算して2月以内に、「事前教示回答書(変更通知書)に関する意見の申出書」を当該教示を行った税関に提出して行うこととなっている(同法基本通達7-18(7)イ)。

3 関税率表適用上の所属区分等の適用の透明性の向上を図っていく観点から、文書により行われた照会貨物の内容及び教示の内容は、回答後原則として公開することとなっているが、照会者から一定期間内につき公開しないことを求める申出があったものについては、当該申出に係る期間後に公開することとなっている(同法基本通達7-18(5)ロ)。

4 文書による関税率表適用上の所属に係る教示を求める場合の照会は、原則として、税関の本関において受け付けることとなっているが、その照会者が遠隔の地にある者等の場合には、本関以外の税関官署で受け付けることができることとなっている(同法基本通達7-18(3)イ)。