第35回 通関書類の作成要領(解答・解説)・・・時間1時間30分

第35回 通関書類の作成要領(解答・解説)・・・時間1時間30分

通関業法関係(問題) 関税法等(問題) 通関書類の作成要領(問題)
通関業法関係(解答・解説) 関税法等(解答・解説) 通関書類の作成要領(解答・解説)
〔記述式〕

輸出申告書の作成問題(第1問)模範解答の補足説明

○品名及び統計品目番号
設問の輸出貨物は、「フロート板ガラス」で吸収層、反射層又は無反射層を有しないものである。仕入書の品名欄の第1項の板ガラスは、透明なフロート板ガラスで厚さ6mm以下のものであることから「7005.29-100」に分類される。品名欄の第2項及び第3項の板ガラスは、色つきのフロート板ガラスで厚さ6mm以下のものであることから「7005.21-100」に分類される。品名欄の第4項の板ガラスは、金属の線を入れた板ガラスであることから、「7005.30-000」に分類される。

○申告価格
輸出申告価格は、関税法施行令第59条の2第2項の規定により、本邦の輸出港における本船甲板渡し価格(FOB価格)とされており、また、その価格が外国通貨により表示されている場合における本邦通貨への換算については、同条第4項の規定により、「輸入貨物につき課税価格を計算する場合の例による。」こととされているので、関税定率法第4条の7及び同法施行規則第1条の規定により、輸出申告の日(設問では平成12年10月10日)の属する週の前々週の実勢外国為替相場の週間平均値によることとされている。このため、当該輸出申告価格に適用される一米ドル当りの換算レートは、119.00円となる。なお、仕入書価格のCIF価格からFOB価格の算出は、CIF価格が東京港におけるFOB価格の10%に相当する額の海上運賃及び海上保険料が加算されたものであるので、1.1で除して算出する。

○計算例
仕入書の品名欄の1
 46,875.00米ドル/ 1.1 × 119.00円/米ドル = 5,071,022円
仕入書の品名欄の2及び3
 (29,250.00 + 10,500.00) 米ドル / 1.1 × 119.00円/米ドル = 4,300,227円
仕入書の品名欄の4
 45,900.00米ドル / 1.1 × 119.00円/米ドル = 4,965,545円

輸入申告書の作成問題(第2問)模範解答の補足説明

○品名、関税率表番号及び統計細分
設問の輸入貨物は、第6204項「女子用のスーツ、アンサンブル、ジャケット、ブレザー、ドレス、スカート、キュロットスカート、ズボン、胸当てズボン、半ズボン及びショーツ(水着を除く。)」に分類される。
仕入書の品名欄の「Women's Trousers」のうち、
 ① Type‐Aは設問の「羊毛40%・アクリル30%・ポリエステル30%の構成割合の交織織物より製造されたものである」より合成繊維の重量が最大となるので「合成繊維製のもの」として「6204.63-200」に、
 ② Type‐Bは設問の「羊毛60%・アクリル30%・ポリエステル10%の構成割合の交織織物より製造されたものである」より羊毛の重量が最大となるので「羊毛製のもの又は繊獣毛製のもの」として「6204.61-200」に、
 ③ Type‐Cは設問の「羊毛50%・アクリル30%・ポリエステル20%の構成割合の交織織物より製造されたものである」より羊毛と合成繊維の重量が等しくなるが、数字上の配列において最後となる項(合成繊維)に属するものとみなされるので「合成繊維製のもの」として「6204.63-200」に、
それぞれ分類される。

○申告価格
仕入書価格は、CIF価格であって、建値はITL(イタリア・リラ)である。価格が外国通貨により表示されている場合における本邦通貨への換算については、関税定率法第4条の7(価格の換算に用いる外国為替相場)及び同法施行規則第1条(価格の換算に用いる外国為替相場)の規定により、輸入申告の日(設問では、平成13年10月11日)の属する週の前々週の実勢外国為替相場の週間平均値によることとされている。このため当該輸入申告価格に適用される100イタリア・リラ当たりの換算レートは、5.50円となる。

○関税率
当該貨物の原産国であるイタリアは、協定税率適用国であることから、協定税率を適用することができる。
設問の貨物について、基本税率と協定税率を比較すると、協定税率が低いので、協定税率10.6%を適用する。

○消費税率
 消費税4%及び地方消費税(消費税の25%)が課される。

○計算例
 6204.63 ITL47,250,000+16,000,000=63,250,000
 ITL63,250,000÷100 ⇒ 632,500 × 5.50円 = 3,478,750円
 関税 10.6% 3,478,000 × 10.6% = 368,668
 消費税 4% 3,478,750 + 368,600 = 3,847,350
 3,847,000 × 4% = 153,880
 地方消費税(消費税額の25%) 153,800 × 25% = 38,450

 6204.61 ITL32,500,000÷100 ⇒ 325,000 × 5.50円 = 1,787,500円
 関税 10.6% 1,787,000 × 10.6% = 189,422円
 消費税 4% 1,787,500 + 189,400 = 1,976,900円
 1,976,000 × 4% = 79,040円
 地方消費税(消費税額の25%) 79,000 × 25% = 19,750
したがって
 関税   368,668円+189,422円= 558,090円 ⇒ 558,000円
 消費税 153,880円+ 79,040円= 232,920円 ⇒ 232,900円
 地方消費税   38,450円+ 19,750円= 58,200円 ⇒ 58,200円
 

〔短答式〕

第1問(関税率の適用)

正解 4

解説 
設問の貨物は、協定税率適用国である米国を原産地とする貨物であり、米国から特恵受益国のタイに輸出された後に、特恵受益国であるタイで何らの加工もされず、そのままの状態で本邦に輸入されているところから、その原産地には変更がなく、依然として米国が原産地であるので、特恵税率は適用されない。
従って、設問の貨物に適用される関税率は、協定税率、暫定税率、基本税率のいずれかとなる。
関税率は、原則として、特恵税率、協定税率、暫定税率、基本税率の順に優先して適用され、協定税率は、それが暫定税率又は基本税率よりも低い場合に適用される。
関税率の適用の優先度及び各税率の高低を考慮し、設問の各貨物に適用される関税率についてみると次表のようになる。従って、設問の貨物に適用される関税率の正しい組合せ(誤っている関税率を含まない組合せ)は、4である。

関税率の組合せ 適用される関税率
5% 4% 3% 10% ×
5% × 3% × 7%
× 4% × 10% 7%
5% 4% 3% 10% 7%
5% 4% 3% × ×
(注)×印
×印は、設問の貨物には適用されない「誤っている関税率」を示す。

第2問(修正申告により納付すべき関税額)

正解 31,400円

解説 
1.修正申告前に納付した関税額(過少納付した関税額)
修正申告前に納付した関税額は、当初の輸入(納税)申告時の課税標準を端数処理(関税法第13条の4において準用する国税通則法第118条第1項の規定により、千円未満切捨て)し、適用税率を乗じたものを端数処理(関税法第13条の4において準用する国税通則法第119条第1項の規定により、百円未満切捨て)したものである。

A 端数処理後 3,574,000円 × 3.5% = 125,090円
B 端数処理後  263,000円 × 2.7% = 7,101円
(A+B) (端数処理)
125,090円+7,101円= 132,191円  ⇒ 132,100円
2.修正申告後の関税額(本来納付すべき関税額)
修正申告後の関税額は、修正申告時の課税標準を端数処理(関税法第13条の4において準用する国税通則法第118条第1項の規定により、千円未満切捨て)し、適用税率を乗じたものを端数処理(関税法第13条の4において準用する国税通則法第119条第1項の規定により、百円未満切捨て)したものである。
A 端数処理後 4,376,000円 × 3.5% = 153,160円
B 端数処理後  384,000円 × 2.7% = 10,368円
(A+B) (端数処理)
153,160円+10,368円= 163,528円  ⇒ 163,500円
3.修正申告により納付すべき関税額
  (修正申告後の関税額)  (修正申告前に納付した関税額)
    163,500円  -   132,100円   =  31,400円

第3問(輸出通関)

正解 3

解説 
無償の貨物を輸出する貨物の申告価格は、関税法第67条(輸出の許可)、同法施行令第58条第1号(数量及び価格等)及び第59条の2第2項(申告すべき価格)の規定により、当該貨物が有償で輸出されるものとした場合の本邦の輸出港における本船甲板渡し価格とされている。従って、3は、正しい記述である。
これに対して、1.2.4及び5は、次のように、いずれも誤った記述である。
 1 関税関係法令以外の法令の規定により輸出に関して許可又は承認その他の行政機関の処分等を必要とする貨物については、関税法第70条第1項(他法令の出入規制解除の証明)の規定により、当該貨物の輸出申告の際に、当該他法令の規定による許可又は承認その他の行政機関の処分等を受けていることを証明しなければならない。  
 2 輸出の許可を受けた貨物は、関税法基本通達63-16(輸出又は積戻し貨物の運送)の規定により、輸出申告書を提出することにより、輸出申告と保税運送申告とを併せて行うことができる。
 4 輸入の許可を受けた貨物は、関税法第2条第1項第4号《内国貨物の定義》の規定により内国貨物とされているので、内国貨物を外国へ向けて送り出す場合には、同法第67条(輸出の許可)の規定により、税関長に輸出申告(積戻し申告ではない)をしなければならない。
 5 完成品であって一のコンテナーに詰め込むため分解されているものの輸出申告に当たっては、輸出統計品目表の解釈の通則2(a)(未完成品、分解してあるものの分類)の規定により、分解された部品ごとではなく、完成品として所属を決定する。

第4問(輸入通関)

正解 4

解説 
b、d及びeは、次のようにいずれも誤っている記述である。従って、記述の誤っているものの組合せは、4(b、d、e)である。
 b 関税関係法令には、設問のような趣旨の規定はない。
 《関税法第98条(臨時開庁)、第100条第1項(手数料)、同法施行令第87条第1項第5号(臨時開庁を必要とする事務等)、税関関係手数料令第6条(臨時開庁についての承認手数料)参照。》
 d 予備的に審査を受けようとする輸入者は、輸入通関における予備審査制に関する財務省通達(平成12年3月31日「蔵関第251号」)2(2)の規定により、当該外国貨物の蔵置予定場所を管轄する税関官署の長 に、予備輸入申告書及び所定の添付書類を提出しなければならない。
 e 分割輸入を制限する旨の規定はない。
これに対して、a及びcは、次の規定により、いずれも正しい記述である。
 a 関税法第71条第1項(原産地を偽った表示等がされている貨物の輸入)
 c 同法第67条の2第1項及び第2項(輸入申告時期の特例)及び同法施行令第59条の3第1項第1号(輸入申告時期の特例) 

第5問(輸入貨物の課税価格の計算)

正解 16,000,000円

解説 
1.課税価格の計算
20,000㎏ × 800円/㎏ =   16,000,000円

2.参考事項
(1)保税転売
設問の貨物は、本邦到着後、保税地域に蔵置中に1㎏当たり850円で転売されているが、この転売は国内取引であるので、課税価格の決定に際しては、考慮しない。
(関税定率法基本通達4-1(3)参照。)
(2)保税蔵置場での保管費用
「保税蔵置場での保管費用」は、契約価格とは別途支払らわれる費用であるが、当該貨物の本邦到着後の保管費用であり、関税定率法第4条第1項第1号から第5号まで(課税価格に算入する輸入取引に関して買手が負担する費用=限定列挙加算要素)に規定する輸入貨物の課税価格に算入すべき費用以外の費用であるので、課税価格に算入しない。

第6問(輸入貨物の課税価格の計算)

正解 21,500,000円

解説 
1.課税価格の計算
   (仕入書価格)   (出荷奨励金) (輸入港到着までの運賃)
   20,000,000円 + 300,000円 + 1,200,000円 = 21,500,000円

2.参考事項
(1)出荷奨励金
「出荷奨励金」は、関税定率法第4条第1項第2号イ(課税価格に算入する仲介料その他の手数料)の規定により、課税価格に算入する。 
  20,000,000円 × 1.5% = 300,000円

(2)輸入港到着までの運賃                             
Aは、今回の輸入において輸入港到着後における運送に要する費用を支払っているが、輸入港到着後における運送に要する費用の額が明らかであるので、関税定率法施行令第1条の4第2号(課税価格に算入しない国内運送の費用)の規定により、Aが支払った「輸入港到着後Aの倉庫までの運賃等を控除して、同法第4条第1項第1号(課税価格に算入する輸入港までの運賃等)の規定により、輸入港到着までに要する運賃のみを、課税価格に算入する。 
  (支払われた運賃の総額) (輸入港到着後の運賃)
  1,400,000円  -  200,000円  =  1,200,000円
                        
第7問(輸入貨物の課税価格の計算)

正解 3,500,000円

解説 
1. 課税価格の計算
(フロッピーディスクの現実支払価格)
 (100円+150円+50円=300円/枚) ×  10,000枚  =  3,000,000円
(フロッピーディスクの現実支払価格) (運賃及び保険料)  (フロッピーディスクの課税価格) 
  3,000,000円    +    500,000円    =    3,500,000円

2.参考事項
(1)フロッピーディスクの課税価格
仕入書価格に、「ソフトウエアであるプログラム費用」が、「フロッピーディスク自体の費用」及び「プログラムのフロッピーディスクへ記録する費用等」と明確に区分されている場合には、「ソフトウエアであるプログラム費用」は、フロッピーディスクの課税価格に算入してはならない。
(2)フロッピーディスクの現実支払価格
①フロッピーディスク1枚当たりの現実支払価格

イ. プログラム自体の費用 4,700円 不算入
ロ. フロッピーディスク本体の価格   100円 算 入
ハ. フロッピーディスクへのプログラムの記録費用   150円 算 入
ニ. フロッピーディスクの梱包費用   50円 算 入
    計 300円  

②フロッピーディスク(10,000枚)の現実支払価格
 10,000枚 × 300円/枚 = 3,000,000円

(3)輸入港までの運賃及び保険料
「輸入港までの運賃及び保険料」は、関税定率法第4条第1項第1号《課税価格に算入する輸入港までの運賃等》の規定により、課税価格に算入する。

第8問(関税率表の所属の決定)

正解  3

解説
1.関税率表の所属の決定
イは「アイスクリーム」が第21.05項に、ロは「ぶどう酒」が第22.04項に、ハは「せっけん」が第34.01項に、ニは「整形外科用の履物」が第90.21項に、ホは「ブルドーザー」が第84.29項に、それぞれ分類される。

2.参考事項
第64類(履物及びゲートルその他これに類する物品並びにこれらの部分品)注1
この類には、次のものを含まない。
(e) 整形外科用の履物その他の機器及びその部分品(第90.21項参照)

第9問 (関税率表の所属の決定)

正解  4

解説
1.関税率表の所属の決定
a は第84.71項に、c は第62.15項に、dは第42.02項に分類されることから、いずれも誤った記述である。これに対し、bは第16類注2の規定により、eは第40.15項に分類されることから、正しい記述である。

2.参考事項
第16類(肉、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水生無脊椎動物の調製品)注2
ソーセージ、肉、くず肉、血、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水生無脊椎動物の一以上を含有する調製食料品で、これらの物品の含有量の合計が全重量の20%を超えるものはこの類に属する。この場合において、これらの物品の二以上を含有する調製食料品については、最大の重量を占める成分が属する項に属する。

第10問 (関税率表の所属の決定)

正解  3

解説
1.関税率表の所属の決定
a、c及びdは、次のようにいずれもA欄の物品と異なる関税率の類に分類される。従って、C欄の物品がA欄の物品と異なる関税率の類に分類されるものの組合せは、3(a、c、d)である。
aの豚の筋肉層のない脂肪(第02.09項)から抽出し豚脂とした場合、第15.01項に分類される
cの露光した写真用の紙(第37.04項)を現像し写真とした場合、第49.11項に分類される
dの正方形の綿織物(第52類)を対角線に沿って裁断し、三角形の綿織物とした場合、第63.07類に分類される
これに対して、
bの小麦調製品(パン用の生地)(第19.01項)をオーブンで焼き、パンとした場合、第19.05項に分類され、eのアルミニウムの塊(第76.01項)を圧延し板にした場合、第76.06項に分類されるため、いずれもA欄の物品と関税率表の類は変らない。

2.参考事項
第2類(肉及び食用のくず肉)注1
この類には、次の物品を含まない。
(c) 動物性脂肪(第15類参照。第02.09項の物品を除く。)

第11部(紡績用繊維及びその製品)注7
この部において「製品にしたもの」とは、次の物品をいう。
(a)長方形(正方形を含む。)以外の形状に裁断した物品

第11部注8
第50類から第60類までにおいては、次に定めるところによる。
(a) 第50類から第55類まで、第60類及び、文脈により別に解釈される場合を除くほか、第56類から第59類までには、7に定義する製品にしたものを含まない。