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関税法
[No.1]

「看做」とは何と読むのでしょうか。また、法令上はどういうことを意味しますか。

「看做」は「みなし」と読みます。動詞にすると「看做す」となります。
「看做す」とは、「“A”ということとは、もともと性質が全く違う“B”ということを、法律上全く“A”と同一に取扱う」ということです。
極く俗な言葉で言えば、当事者間でそれは事実とは全く異なると言っても、法律の力で「白を黒であると、言いくるめてしまう」ということです。例えば、ある法律において「人間について、ズボンをはいている者は、男と看做す」とされた場合には、その法律の適用においては、女性であってもズボンをはいていれば、そのズボンをはいた女性は、全て男として取扱われるということになります。
したがって、「看做内国貨物」とは、その貨物はもともと内国貨物ではないけれども、内国貨物と看做されたことにより、以後は「内国貨物」として取り扱われるということです。
[No.2]

「許可」と「承認」とは、どのように違うのでしょうか。

「許可」とは、もともとは自由に行える行為を、国等が一定の目的から自由に行うことを禁止して、国等の公の機関が特定の場合に解除して、適法に且つ自由に行えるようにすることです。
これに対して、「承認」とは、国等の公の機関が、一定の行為を行うことを法的に認めることです。
[No.3]
排他的経済水域とは何ですか。

国連海洋法条約(94年発効、96年批准)により、「各沿岸国の領海基線<最大干潮時の海岸線から12海里>から200海里<370km>までの海域は、生物資源及び海底資源の採取や管理等に関して、当該沿岸国の主権的権利が及ぶ」とされましたが、それがこの海域です。
なお、関税法においては、「排他的経済水域は、広義の公海である。」として取り扱われます。
[No.4]
公海、本邦又は外国の排他的経済水域、外国の領海において、本邦船舶が採捕した水産物を、本邦に引き取る場合には、どういう場合が輸入になるのかわかりません。

本邦の船舶が「公海で採捕した水産物は、内国貨物である」ので、これを本邦に引き取る場合には、輸入とはなりません。
関税法においては、「本邦の排他的経済水域も外国の排他的経済水域も、共に広義の公海である。」として取り扱われます。
これにより、本邦の船舶が、「本邦の排他的経済水域又は外国の排他的経済水域で採捕した水産物は、公海で採捕した水産物となり、内国貨物である」ので、これを本邦に引き取る場合には輸入とはなりません。
これに反し、本邦の船舶が、「外国の領海で採捕した水産物は、外国貨物である」ので、これを本邦に引き取る場合には輸入となります。
[No.5]
「附帯税」という言葉の意味と、関税法上、具体的に何を指すのか理解できません。

「附帯税」とは、「本税である関税」が法定納期限までに納付されなかった場合において、「本税である関税」を法定納期限後に納付する場合において、「本税である関税」に附帯して納付する税である、という意味です。
関税額は、貨物の輸入者すなわち納税義務者が行う納税申告により確定することを原則としております(申告納税方式)。これにより、輸入貨物の関税について、正しい納税申告を行って法定納期限まで納付した納税義務者と、そうでない納税義務者との課税の公平を図る必要があります。この課税の公平を図るため、正しい納税申告を行わなかった納税義務者に対して課されるのが、「延滞税」「過少申告加算税」「無申告加算税」という附帯税です。
「延滞税」は、関税の納税義務者が、輸入・納税申告において正しい納税申告をすることなく、正しい関税額を法定納期限までに納付しなかった場合において、法定納期限までに納付されなかった関税額について「国に対する履行遅延の損害賠償」として課される税です。
「過少申告加算税」は、関税の納税義務者が、輸入・納税申告をしたものの、正しい納税申告することなく、正しい関税額を法定納期限までに納付しなかった場合において、法定納期限までに納付されなかった未納関税額について「行政制裁=ペナルティ」として課される税です。延滞税のほかに、課されます。
「無申告加算税」は、関税の納税義務者が、輸入・納税申告をして関税額を納付すべきであるのに、この輸入・納税申告を全く行わなかった場合において、法定納期限までに納付されなかった未納関税額について「行政制裁=ペナルティ」として課される税です。
延滞税のほかに課されます。
[No.6]
「特定災害における被災者以外の者に対する期限の延長」の具体例を教えて下さい。

関西大震災の場合を考えて見て下さい。
例えば、関税定率法第17条第3項《輸入地税関に対する再輸出の届出》により再輸出免税貨物を輸入した者は、当該貨物を輸出の許可の日から1年以内に再輸出した場合には、再輸出許可の日から1月以内に輸入地税関に「再輸出免税貨物の再輸出の届出」をしなければならないこととされております。
大阪市に居住する再輸出免税貨物の輸入者が、輸入地である神戸市にある神戸税関に対して、この「再輸出免税貨物の再輸出の届出」をする場合おいて、神戸市が震災による交通が途絶等により、所定の期間内に届出をすることができない場合です。
[No.7]
許可と承認とは、どのように異なるのですか。

「許可」とは、もともとは自由に行える行為を、国等が一定の目的から自由に行うことを禁止して、国等の公の機関が特定の場合に解除して、適法に且つ自由に行えるようにすることです。
これに対して、「承認」とは、国等の公の機関が、一定の行為を行うことを法的に認めることです。
[No.8]

蔵入承認を受けた貨物、又は、総保入承認を受けた貨物に限り、その適用法令が、輸入申告後輸入の許可(輸入許可前引取承認を受ける場合には、その承認)がされる前に、法令の改正があった場合には、輸入の許可又は引取承認の日の法令を適用するのは何故ですか。

保税蔵置場又は総合保税地域においては、長期<蔵入承認を受けた日から通算した2年、総保入承認を受けた日から2年>にわたって、外国貨物を関税の課税を留保したまま<保税のまま>蔵置することが出来るので、法令の改正等により関税率の引上等が見込まれる場合には、法令の改正前に輸入申告をし、又は輸入許可前引取の承認申請をして、関税を納付することなく、又は所要の担保を提供しないで長期間蔵置した上で、法令改正前の低税率等の適用を受けて輸入<引取>することが可能となるので、こうした弊害をなくして、一般の輸入の場合との均衡を保つ必要があることによります。
[No.9]

「託送品」とは、どういうものですか。

「託送品」とは、字が示すように、「他人に、託して送る品物(貨物)」という意味です。
例えば、海外の子会社に出張した者が、海外の子会社の課長なりから、「○○君、すまないが、この品物(貨物)を日本本社の××部長に届けてくれないか。」というように、預かって持ってくる品物(貨物)が託送品です。
[No.10]
貨物の輸入者が、何故「評価申告」をする必要があるのでしょうか。

貨物の輸入者は、税関長に対して、輸入申告書を使用して、貨物の課税標準(課税価格、課税数量)その他の事項、税額等を申告しなければなりません。
この場合において、輸入者が申告すべき課税価格は、輸入者が輸入貨物について輸出者に対して現実に支払った又は支払うべき支払の総額により決定することになっております。
貨物の輸入者が、輸入貨物について輸出者に対して貨物代金等を幾ら支払うべきを最もよく知っているのですから、その知っているところによって、「税関長殿、今回、私が輸入する貨物については、仕入書(インボイス)に記載してある金額の外に、仲介手数料をこれだけ支払うことになっております。これは、間違いありません。」等ということを申告することが、評価申告です。即ち、輸入者が、自ら課税価格が正しいことを積極的に立証するための申告です。
[No.11]
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(1)
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「更正請求の効果」について、「先の納税申告又は更正により、既に確定している納付すべき税額に係る部分については、影響を及ぼさない」とあるが、どういうことですか。 |
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(2)
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「修正申告の効果」について、「先の納税申告又は更正により、既に確定している納付すべき税額に係る部分については、影響を及ぼさない」とあるが、どういうことですか。 |

(1)「更正請求」は、納税申告を行った者(輸入者)が、税関長に対して、「先に、私が納税申告した税額が、又は、税関長がした更正の税額が、本来納付すべき税額よりも過大であるので、その過大になっている分の税額を返戻<還付>して欲しい。」と、税額を減額することを請求することです。
こうして、納税申告を行った者(輸入者)が更正請求をした場合には、更正請求を受けた税関長は、その請求が正しいかどうかを調査して、その請求が正しい場合に限り、その過大となっている税額を返戻<還付>します。
これにより、「更正請求」は、税関長に対して税額を減額することを請求したただけであるので、「先の納税申告又は更正により、既に確定している納付すべき税額に係る部分については、影響を及ぼさない」となります。
(2)「修正申告」は、納税申告を行った者(輸入者)が、税関長に対して、「先に、私が納税申告した税額が、又は、税関長がした更正の税額が、本来納付すべき税額よりも過少であるので、その過少になっている分の税額を追加納付します。」と、増額変更のための納税申告をすることです。
修正申告という増額変更のための納税申告をすると、その納税申告により増加した部分の税額が自動的に確定します。
こうして、修正申告という増額変更のための納税申告をしても、「先の納税申告又は更正により、既に確定している納付すべき税額に係る部分については、影響を及ぼさない」となります。
[No.12]

「差押先着手主義」とは、どういうことですか。

(国である)税関は、輸入した貨物の未納の関税額が納期限までに完納されない場合には、その関税額を徴収するため、滞納処分として、輸入者<納税義務者>の一般財産(例えば、預貯金、動産、家屋又は土地等の不動産)を差押えて、これを公売等し、その売却代金<換価代金>の中から未納の関税額を徴収します。
しかしながら、輸入者<納税義務者>の一般財産を差押えて公売等する場合には、関税の徴収順位は、国税徴収法及び地方税法に規定する租税の徴収順位と同じ順位になります(関税法第9条の5第2項)。
そこで、租税の中での徴収順位を明確にしないと、租税の徴収権を持っている機関<国税局、税関、税務事務所等>のなかで争いが発生しかねないので、具体的な手続においては、未納の租税の徴収権をもっている機関が、その未納の租税の徴収のために、輸入者<納税義務者>の一般財産を差押えた場合には、その一般財産を差押さえた租税が、その差押えた財産の売却代金については、他の租税に優先して徴収できることにしております。これを、「差押先着手主義」といいます。
[No.13]

「国税徴収の例による」とは、どのようなことですか。

(国である)税関は、輸入した貨物の未納の関税額が納期限までに完納されない場合には、その関税額を徴収するために、納税義務者(輸入者)に対して、納期限から20日以内に督促状を発し、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納されないときは、滞納処分として、輸入者<納税義務者>の一般財産<例えば、預貯金等の動産、家屋又は土地等の不動産>を差押えて、これを公売等し、その売却代金<換価代金>の中から未納の関税額を徴収します。
これを、「国税徴収の例による」徴収といいます。
[No.14]
関税の法定納期限と、関税の納期限との違いを教えて下さい。

「関税の法定納期限(関税法第12条第7項)」は、関税関係法令により「関税を納付すべき本来の期限」であり、延滞税の計算上の始期、関税の徴収権の消滅時効の原則的な起算日、及び、更正等の期間制限の原則的な起算日となる期限です。
「関税の納期限(関税法第9条第1項)」は、この期限が到来するまでの間は関税の強制徴収<国税徴収の例による徴収>を行わないという期限の利益を与えるための具体的納期限です。
(参考)
関税の納期限は、「納付すべき税額の通知がどのような通知書類によって行われるか」とを覚えると、「納期限」は、正確に且つ簡単に覚えることが出来ます。
関税の納期限の延長の承認を受けた場合には、延長された期限が納期限であり、同時に法定納期限です。
[No.15]

「不要船・機用品の取卸」とは、具体的には、どういうことですか。

日本と外国との間を往来する船舶・航空機には、その船舶・航空機が航海中に使用する燃料油、水その他の航行に必要な機材を、また、その船舶・航空機に乗る旅客及び乗組員のために食料、食器、寝具その他の物品を積み込みます。こうした物品を船・機用品といいます。
こうして、積み込んだ船・機用品であっても、当然のことながら、その船舶・航空機で使用しなくて不要となるものが出て来ます。このように、その船舶・航空機で不要となった船・機用品を、その船舶・航空機から取り卸すことを「不要船・機用品の取卸」といいます。
(1)日本と外国との間を往来する船舶・航空機に、本邦産の食料品(米、味噌、醤油、キリンビール等)、寝具等、すなわち「内国貨物」を船・機用品として積み込む場合には、輸出の許可を受ける必要がなく、税関長に対して内国貨物船・機用品積込承認申告をして承認を受けます。
こうして積み込んだ船・機用品が、その船舶・航空機で不要となった場合には取り卸しますが、この船・機用品は積込時に輸出となっていないので、依然として内国貨物のままですので、内国貨物不要船・機用品を取り卸すことになり、関税等が徴収されません。
(2)一方、日本と外国との間を往来する船舶・航空機に、保税地域に搬入して蔵置しておいた輸入許可を受けていないビール(例えば、バドワイザービール)(輸入許可を受けていないので外国貨物である)等を船・機用品として積み込む場合には、外国貨物の積戻しの許可を受ける必要がなく、税関長に対して外国貨物船・機用品積込承認申告をして承認を受けます。
こうして積み込んだ外国貨物船・機用品が、その船舶・航空機で不要となった場合には、外国貨物不要船・機用品を取り卸すことになり、「外国貨物は保税地域以外に搬入して蔵置することができない」ので、保税地域に搬入します。
この保税地域に搬入した外国貨物不要船・機用品を国内に引き取る場合には、輸入となるので、輸入手続が必要となりますが、その納付すべき関税は、専ら税関長の処分によって決定される賦課課税方式の関税です。
[No.16]
保税蔵置場の許可期間は、10年を超えることができないが、10以内の期間を定めてこれを更新することが出来る、とされておりますが、保税蔵置場の許可を受けた者は、許可後10年経ったら、また許可申請しなければならないという意味ですか。
そうであったら、その理由は何でしょうか。

「保税蔵置場の許可を受けた者は、許可後10年経ったら、また許可申請しなければならない。」ということです。
なお、この場合の期間の更新は、単純な期間の更新ではなく、期間の満了に際して行う新たな許可の性格をもつものです。
[No.17]

保税地域において、外国貨物が、亡失(災害その他已むを得ない事由により亡失した場合を除く)した場合には、その保税地域の許可を受けた者から関税が徴収されます。このようにして、関税が徴収されたのに、なぜ看做内国貨物とされないのですか。

外国から本邦に到着した貨物又は(税関長から)輸出許可を受けた貨物であって、(税関長から)輸入の許可を受けていない貨物は、外国貨物であり、外国貨物として関税法の規定の適用を受けます。
ところで、看做内国貨物は、関税法第74条《輸入を許可されたと看做すもの》及びこれを受けた同法施行令64条の2《輸入を許可されたと看做すもの》の規定により、輸入許可を受けた貨物、すなわち内国貨物と看做される貨物です。
これらの看做内国貨物は、形式上関税法により(税関長から)輸入の許可を受けていないものですが、関税法に規定する所定の手続を経て適法に国内に引き取られるものであって、関税法の規制の対象とする必要がありません。
したがって、(税関長から)輸入の許可を受けた貨物と同様に取り扱うべき貨物であるので、内国貨物になったと看做して、外国貨物としての関税法の適用を除外します。
これに反して、質問のあった「保税地域内で亡失した外国貨物又は保税運送指定期間の経過した外国貨物」は、保税地域内には存在しない又は貨物の到着地に存在しないということに因り、倉主責任又は運送者責任を追及されて関税が徴収されただけであって、上で説明した看做内国貨物のように関税法に規定する所定の手続を経て適法に国内に引き取られた貨物でないばかりでなく、国内に引き取られたかどうかも全く不明な貨物です。従って、税関は、これらの貨物については、取りあえず関税を徴収した上で、犯罪事実の有無を調査する対象とする必要があるので、看做内国貨物としないのです。
[No.18]
「保税展示場において、販売・消費又は有償で観覧・使用されものは、保税の状態で「展示」又は「使用」することができない。」と「保税展示場において、販売・消費又は有償で観覧・使用されるものについては、蔵置場所について制限をし・・・」とではどちらが正しいのでしょうか。

どちらも、正しいのです。
先ず、「保税展示場において、販売され、消費され、又は有償で観覧若しくは使用に供される貨物は、国際博覧会条約においても一時免税(関税の課税留保=保税)の便益を享受できないことになっているので、関税の課税留保(保税)の状態、即ち外国貨物のままで展示又は使用することができず、蔵置、積卸、運搬(移動)、内容点検、改装、仕分その他の手入れができるだけです《関税法第62条の2第3項、同法施行令 第51条の3第2項》。
したがって、「保税展示場において、販売され、消費され、又は有償で観覧若しくは使用に供される貨物」は、原則として、保税展示場に搬入する前に、正式の輸入手続<税関長に対し、輸入・納税申告して輸入許可を受ける>を行っておく必要があります。
次に、「保税展示場において、販売され、消費され、又は有償で観覧若しくは使用に供される貨物は、国際博覧会条約においても一時免税(関税の課税留保=保税)の便益を享受できないことになっているので、関税の課税留保(保税)の状態、即ち外国貨物のままで展示又は使用することができません。
しかしながら、保税展示に参加する国又は地域の実情によっては、正式な輸入手続を終えることは適当でない場合があるので、手続の便宜のため場内での蔵置を認めています。
この場合において、これらの貨物が保税展示場内に何等の規制もなしに無秩序に散在するようになると、関税等の徴収の確保及び取締上適当でないので、その蔵置場所を制限することができることにしたのです《関税法第62条の4第1項》。
[No.19]

通関士試験問題集にある「保税展示場に入れられた外国貨物について、展示等を行うことにつき税関長の承認を受ける前に内容の点検を行おうとする場合には、予め税関長に届出しなければならない。」との問題については、第8回の解答、第30回の解答とでは正否が全く異なっていますが、どちらが正しいのでしょうか。

保税展示場に入れられた外国貨物について、税関長から展示等承認を受けるまでの間<税関長から、展示等承認をしない通知があった貨物であって、搬出等を命じられた貨物については、その搬出期間を経過するまでの間>に、保税展示場において内容の点検等をする場合には、税関長に届出をする必要がありません。
但し、この場合においては、保税展示場の許可を受けた者は、これら内容の点検等の事績を記帳する義務があります(関税法第62条の7で準用する第61条の3、関税令第51条の7)。
[No.20]
「予備申告ができる時期」は、輸入申告の時期と同じになると思うのですが、違いますか。

輸入申告することができる時期は、輸入貨物が保税地域又は他所蔵置場所に搬入された後です。
これに対して、予備申告は、輸入貨物が保税地域に搬入される前であって、
(1)輸入予定申告日の外国為替相場が税関長から公示されており、かつ、
(2)予備輸入申告に係る輸入貨物の船荷証券が発行された日
以後であれば、輸入貨物が保税地域に搬入されるまでの間はすることができます。

[No.21]
輸入申告時期の特例のうち「搬入前申告扱」おける、「保税地域搬入前に申告しなければならない已むを得ない事情」とは、具体的に何でしょうか。

「搬入前申告扱」おける、「保税地域搬入前に申告しなければならない已むを得ない事情」とは、「関税率の改正、関税の減免税措置の廃止等が行われる場合等において、貨物を積載した外国貿易船・機が改正法令の改正前に本邦の開港に到着しているが、当該外国貿易船・機から貨物を取り卸して保税地域に搬入した後輸入申告したのでは、適用法令との関係から改正後の高税率が適用される場合等不利な取扱を受けるようになるような場合」です。
[No.22]
輸入者が予備申告を行うことが出来る時期は、輸入申告することが出来る時期以前の次の日(省略)以降であるとありますが、次の日(省略)以降であると、遅くなって予備申告の意味がないように思われます。
また、予備輸入申告を本輸入申告に切り替えるとありますが、申告書を二つ作成しなければならないのでしょうか。

遅くなって予備申告の意味がなくなるということは、全くありません。
本来、輸入申告することができる時期は、輸入貨物が、保税地域又は他所蔵置場所に搬入された後です。
これに対して、予備申告は、輸入貨物が、保税地域に搬入される前であって、
(1)輸入予定申告日の外国為替相場が税関長から公示されており、且つ、
(2)備輸入申告に係る輸入貨物の船荷証券が発行された日
以後であれば、輸入貨物が保税地域に搬入されるまでの間は、することができます。
この予備申告することができる時期を、図に示すと次のようになります。

なお、予備輸入申告を本輸入申告に切替えるは場合には、本輸入申告書を作成しなければならないので、申告書を二つ作成しなければならないことになります。
[No.23]
保税工場で、「国産等の内貨原材料」と「関税の課税が留保された(保税の状態の)外貨原材料」とを使用して出来た製品を国内引取(輸入)する場合において、原料課税の適用を受けて国内引取(輸入)する場合には、輸入申告書に記載する輸入数量は、外貨原材料の数量ではないのですか。

保税工場で、「国産等の内貨原材料」と「関税の課税が留保された(保税の状態の)外貨原材料」とを使用して出来た製品は、「外国から本邦に到着した貨物、即ち外国貨物と看做されます」。
従って、この「外国から本邦に到着した貨物、即ち外国貨物」と看做された製品を国内引取(輸入)する場合には、「外国貨物である製品を国内引取(輸入)」として製品の数量について輸入申告します。
しかし、関税は、原料課税により、その国内引取(輸入)する製品の製造に使用された外貨原材料について課税されます。このために、輸入申告書(の記事欄)には、使用した外貨原材料の数量及び価格等を記載することになっています。
[No.24]

関税法第73条の規定において、内国貨物と外国貨物を区分しているのはなぜでしょうか。

関税法第73条の規定による輸入の許可前における貨物の引取りの制度は、引取りを急ぐような貨物について、担保を提供して輸入の許可を受ける前に貨物を引き取ることができるものです。そのためには、輸入申告後において税関長の承認を受ける必要があり、税関長の承認を受けるといつでも貨物を国内に引き取ることができ、輸入の許可を受けたものと同じように国内で自由に処分、使用等ができます。
しかし、当該貨物はまだ輸入の許可を受けたものではなく、納税の手続き等が残っており、すべて内国貨物として扱うわけにはいかないので、同法第73条第3項の規定により特定の条文については外国貨物として適用することとしています。その他の条文は、内国貨物として一切関税法は適用しないということです。
[No.25]

「郵政官署から名宛人に交付された郵便物」とは、何のことでしょうか。

国際郵便により、外国から日本にいる者<名宛人=受取人>に対して送付されてきた郵便物(貨物)は、国際郵便局の中にある税関の検査を受けた後、郵便局<郵政官署>の職員によって、日本にいる者<名宛人=受取人>に配達<交付>されます。
このように、「郵政官署から名宛人に交付された郵便物」とは、「外国から日本にいる者に対して送られて来た郵便物(貨物)が、郵便局員によって、その受取人に配達された」ということです。
[No.26]

「国庫に帰属した貨物」とは、どういう貨物ですか。

「国庫に帰属した貨物」とは、「国家の所有になった貨物」ということです。
外国から日本に到着した貨物であっても、例えば、日本の社会、経済又は国民を混乱させ又は安全を脅かすような貨物、例えば、麻薬・拳銃・偽造紙幣等は、(国である)税関によって、没収されます(関税定率法第21条第2項《輸入禁制品の没収、廃棄》)。
(国である)税関によって、没収された貨物は、没収された段階から、その所有権は国に移ります。このように、「国家の所有になった貨物」のことを、「国家に帰属した貨物」といいます。
[No.27]
「郵政官署から(税関に)到着通知がない郵便物」は現実にあるのでしょうか。

郵政官署は、外国から到着した郵便物については、信書以外の郵便物を全て税関に通知<提示>するので《関税法第76条第3項》、質問にあったような、「郵政官署から税関へ受け取った旨の通知がされないで輸入された郵便物」はあり得ません。
[No.28]
「郵便物を受け取った旨の通知の規定による通知がされたとき」とは、誰が、何処に通知をするのですか。

税関長は、輸出又は輸入される郵便物中にある信書以外の郵便物については、税関職員に必要な検査をさせますので、郵政官署は、信書以外の郵便物を受け取ったときは、その旨を税関に通知しなければならないことになっております《関税法第76条第3項》。
[No.29]

「留置権者又は質権者」とは、どのようなものをいうのでしょうか。

外国貿易船又は外国貿易機から取卸した外国貨物は、保税地域に搬入して蔵置します。保税地域を管理する者は、その外国貨物について善良なる管理者の注意をもって保管するき義務を負いますが、一方において、その外国貨物の所有者等に対して保管料を請求する権利<留置権>(貨物の保管料の支払を受けない限り、保管している貨物を引き渡さない、という権利)を有することになります。
従って、貨物の留置権者とは、保税地域を管理する者のことです。
また、貨物は質入れされることがあります。貨物が質入れされた場合に、その質入れを受けた者が、質権者です。
[No.30]
「留置権に担保された債権額に達するまで・・」とは、どういうことか解りません。

税関長は、収容した外国貨物を公売等した場合において、その公売等代金の残金を「留置権等に担保された債権額に達するまでの金額を交付する」とは、
先ず、税関長は、その公売等代金を
| (1)公売に要した費用 |
→ 税関が(国の金から)支払った費用 |
| (2)収容に要した費用 |
→ 税関が(国の金から)支払った費用 |
| (3)収 容 課 金 |
→ 税関が貨物の所有者から徴収すべきペナルティ |
| (4)関税及び内国消費税 |
→ 税関が貨物の所有者から徴収すべき税金 |
に充当します。
次に、こうして充当してきて、まだ公売等代金に残金がある場合には、その残金の中から「留置権者<外国貨物の保管料請求権を有している保税地域の管理者>に対して、保管料の支払<充当>をするが、この場合における支払<充当>は、その留置権者が貨物の所有者に対して請求することができる保管料総額までである。余分には、支払<充当>をしない。」ということです。
[No.31]
関税法第91条《関税等不服審査会に対する諮問》に規定する「税関長の処分又は通知」以外の処分等の取消の訴えは、税関長に対する異議申立をすることなく、いきなり提起することができるでしょうか。
それとも、税関長に対して異議申立をした後ででなければ、処分等の取消の訴えはできないでしょうか。

関税法第91条《関税等不服審査会に対する諮問》に規定する「税関長の処分又は通知」以外の処分等の取消の訴えは、税関長に対する異議申立をすることなく、いきなり提起することができません。
関税法その他関税に関する法律に基づく税関長の処分又は通知が、違法の処分等である場合には、取消訴訟を提起することができるが、そうでない処分等(いわゆる不当な処分等)の取消訴訟の提起は、税関長に対する異議申立をすることなく、いきなり提訴することはできないとされております。
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