ホーム国内トピックス › 金密輸の対策について

国内トピックス

AEO研修

AEO事業者には定期的な研修が義務づけられています!

Jtrade

貿易統計Web検索システム ジェイ・トレード

FAX&COPYサービス

統計品目番号を記して申し込めば、後はFAXを待つだけ!

貿易統計
データ提供サービス

貿易統計データを表計算ソフトに取り込み二次加工が容易に!

金密輸の対策について

2017年12月14日掲載

 

1.金地金の密輸の緊急対策について

財務省関税局は、平成29年11月7日に「『ストップ金密輸』緊急対策」を発表しました。

 

近年、金地金の密輸が多発し、大きな問題となっていますが、密輸によって得られた利益は国外に持ち出され、新たな金地金の購入資金に充てられていると考えられています。また、このような金地金の密輸は多くの場合、組織的に行われていると考えられ、その密輸を通じて得られた利益は犯罪組織の資金源になっている可能性があると指摘されています。

 

その対策の方針として策定された「『ストップ金密輸』緊急対策」では、

①旅客や貨物に対して、一層厳格な取り締まりを行うため徹底した検査を実施すること
②摘発した金地金密輸事件については、処罰を強化すること
③金地金密輸を阻止するため、税関が入手している情報の分析力を強化すること

が掲げられました。

 

(金地金密輸の仕組み)

 

 

金地金の密輸は、消費税を申告・納付せずに国内持ち込んだ金地金を国内の金買取業者(金買取店)に売却することよって、消費税額相当分を利益として獲得することを目的に行われていると考えられます。

 

例えば、本体価格500万円/kgの金地金5kg(2,500万円)を輸入する場合、本来であれば輸入時に税関で200万円(2,500万円×8%)の消費税を納付する必要があります。しかしながら、密輸を企てる者はその消費税納付を行うことなく金地金を国内に持ち込み、そうして密輸した金地金を市中の金買取業者に消費税込みの価格で売却することによって、この消費税相当分を利益として得ることとなります。

 

2.金密輸の罰則強化について

財務省関税局は、平成29年11月29日の「関税・外国為替等審議会 関税分科会」における方針において、罰則強化の具体的内容を公表しました。

 

 

改正の方向性

金の密輸入に対する抑止効果を高め、密輸入者等を一層厳正に処分するため、無許可輸出入等の罪及び密輸品譲受等の罪の罰金額を以下のとおり引上げる。

 

・無許可輸出入等の罪(関税法第111条)
罰金500万円以下
⇒罰金1,000万円以下(貨物の価格の5倍が1,000万円超の場合、価格の5倍まで)

 

・密輸品譲受等の罪(関税法第112条)
罰金300万円以下
⇒罰金500万円以下(貨物の価格の3倍が500万円超の場合、価格の3倍まで)

 

改正の考え方

関税法の無許可輸出入等の罪の法定刑は、同じく輸出入に関する規制である外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」)第69条の7(無許可輸出入等の罪)を参考に設定。2017年10月1日、安全保障上の懸念国との不正貿易等を防止するため外為法上の罰金額が引上げられた。

 

(参考)外為法第69条の7:懲役5年以下・罰金1,000万円以下(貨物の価格の5倍が1,000万円超の場合、価格の5倍まで)

 

この改正は金以外の貨物にも罰則強化の効果が及ぶが、必要性は金に限られるものではない(例:プラチナ、高級時計等の密輸入の可能性)。

 

今後の見通し

上記の関税局が公表した資料をもとに、関税・外国為替等審議会での審議を経て、平成30年度関税法改正案に盛り込まれたうえで国会に上程されるものと思われます。