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トランプ大統領がWTOでの中国等の途上国扱いを見直すようUSTRに指示(White House)

●White House(米大統領府)

トランプ米大統領は、2019年7月26日、中国、韓国等経済発展の進んだ国が世界貿易機関(WTO)で途上国として特別扱いを受けていることについて、これを見直すための措置に取り組むよう通商代表部(USTR)に指示した。大統領はその理由を次のように説明している。

 

1995年のWTO発足以来、WTOでは先進国と途上国とを分け、加盟国の三分の二近くは自らを途上国に指定して特別な扱いを認められ、義務も軽減されている。その中には途上国としての指定が適切な国もあるが、現在の経済状況に照らすと明らかに支持できない国もある。

 

なかでも特に問題なのは中国で、2001年のWTO加盟以来、途上国の地位を主張し、WTOルールの下で特別扱いを受けている。あらゆる経済指標は中国の主張が偽りであることを示しており、米国は中国の主張をこれまで受け入れていない。中国は、GDPでみて米国に次ぐ2番目に大きな国で、貨物の世界輸出額の13%近くを占め、2009年以来世界で最大の輸出国である。しかも、低賃金労働によるものに限らず、ハイテク製品の最大の輸出国であり、ハイテク分野の輸出だけをとっても1995年~2016年の間に3,800%も増加した。また外国直接投資の分野でも際立っており、さらに世界の大企業上位500社のうち120社が中国に拠点を置いている。国防費の額や人口衛星の数は米国に次ぐ。

 

さらに、一人当たりのGDP(購買力平価ベース)で世界のトップ10の中の7か国・地域(ブルネイ、香港、クウェート、マカオ、カタール、シンガポール及びアラブ首長国連邦)が途上国としての地位を主張し、G20及びOECD加盟国のメキシコ、韓国及びトルコの3か国も途上国の地位を求めている。

 

このように経済的に発展した国・地域が途上国を装い、他の加盟国を犠牲にして、多くのWTOルール(セーフガード措置、関税引下げ、輸出補助金、紛争解決手続等)上で有利な扱いを受けている。さらに、WTO交渉でも他の加盟国より緩和された扱いを求めており、そのため交渉の進捗が阻害されている。また、WTOルールの下で最も基本的な義務である通報要件を履行しない口実として途上国の地位を利用している。

 

このような国が義務を全面的に果たさなければWTOの前進は図れない。そのためにも自己申告すれば途上国として特別扱いを受けることができるWTOの現行の扱いについて、より自由で、公正な、互恵的な貿易が実現するようあらゆる手段を使って変革しなければならない。作業に当たっては、米国に同調する加盟国と協力して作業を進める。

 

今後のステップについてはUSTRは60日以内に本件の進捗状況を大統領に報告し、90日以内にWTOの変革について実質的な進展がないと判断すれば、国内の関係機関等と協議の上、途上国として特別扱いを受けるのが不適当とされた国・地域についてその扱いを停止し、このような国がOECD加盟国である場合は、OECDの加盟国の地位にあることを支持しないこととする。

 

同日、USTRのライトハイザー代表は、あまりにも長い間、豊かな国がWTOを悪用し、WTOルール上の免除を受けてきた。このような不公正な扱いは、ルールに基づいて行動している米国民に不利益をもたらし、WTOでの交渉を阻害し、不公平な競争の場を作ってきたとし、今後大統領の指示にしたがってWTOにおいて公正な扱いと責任を求めると述べた。

 

一方、中国外交部の華春瑩報道局長は、2019年7月29日、WTOでの途上国の見直しに関するトランプ大統領の提案に対して次の3点を挙げて反論した。

 

・WTOは一部の国が所有しているものでも、支配しているものでもない。途上国の特別扱いはWTOの核心的な価値、基本的な原則を反映しているものである。
・途上国としての地位は一部の国によって決められるものではなく、加盟国間で広く協議して決定すべきもので、特に途上国の意見は尊重されるべきである。
・中国は最大の途上国として国際的な責任を果たしており、WTOの交渉においてもその能力と開発のレベルに応じた貢献をしている。

 

その上で同局長は、米国は「世界最大のパワー」にふさわしい行動をとっているとはいえず、最近中国では「米国がするようにしてはならない」というキャッチフレーズが流行していると述べ、米国に対して理解を求めた。

 

出典:2019年7月26日のホワイトハウスの発表、7月29日の中国外交部のホームページ等より)