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G20による貿易制限の規模が3,360億ドルに(2018年10月~2019年5月)(WTO)

●WTO

2019年6月24日、世界貿易機関(WTO)はG20の貿易措置に関する調査報告書を発表した。

 

報告書によれば、2018年10月16日~2019年5月15日の調査期間に導入された新たな貿易制限措置の貿易カバレッジは3,359億ドル(約35兆9千億円)に上る。この規模は前回の調査(2018年5月~10月)の4,809億ドル(約51兆5千億円)に次ぐ2番目に大きな額で、2012年5月に貿易カバレッジを含む調査を開始して以降の平均値の3.5倍に達している。なお、貿易措置に関する調査が開始されたのは2009年からで、今回で21回目となる。

 

貿易制限措置の発動件数は20件で、前回調査期間に比べ減少したものの、そのカバレッジと適用関税率の高さに関しては前回を大きく上回っている。貿易制限措置には、関税の引上げ、輸入禁止、輸出品への新たな税関手続きが含まれる。

 

これらの措置の多くは、前回の調査期間に発動されたもので、さらに新たな措置も加わっている。今後発動することが検討されている措置もある。

 

同時に今回の調査期間には貿易促進のため29件の新たな措置も導入されている。その中には輸入関税や輸出関税の撤廃・軽減、輸出品への税関手続きの撤廃や簡素化が含まれる。貿易促進措置の貿易カバレッジは、3,972億ドル(約42兆5千億円)で、前回調査に比べ1.8倍の増加となった。

 

一方、ダンピング防止措置や相殺措置等の貿易救済措置に関しては、調査期間中に86件の調査が開始され、同一の発動件数が終了した。調査開始件数と終了件数が同一となったのはこの調査が始まって以来初めてのことである。貿易救済措置として最も頻繁に発動されたのはダンピング防止措置で、全体の三分の二以上を占めている。

 

報告書の発表に当たって、WTOのアゼべド事務局長は、現下の貿易の緊迫状態によって混乱が生じていることがこの報告ではっきり示された。金融危機以降約10年間安定的に推移した貿易は急激に拡大した貿易制限措置に取って代わられた。このような状況が続けば、不確実性が増し、投資は落ち込み、貿易の成長も弱まることとなろうと述べ、国際社会全体にとっての深刻な問題として受け取るべき問題で、G20がリーダーシップをとり緊張状態を緩和し、ルールに基づく国際貿易システムを遵守するよう強く呼びかけた。

 

G20は、アルゼンチン、豪州、ブラジル、カナダ、中国、欧州連合、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、英国及び米国の国・地域をいう。

 

(出典:2019年6月24日のWTO事務局のプレスリリース等)