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トランプ政権の2019年の通商政策アジェンダ(USTR)

●USTR

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、2019年3月1日、2019年のトランプ政権の通商政策アジェンダ及び2018年の通商協定等に関する年次報告書を議会に提出した。これらの報告書等は通商法によって毎年3月1日までに議会に提出することが求められている。

 

今回の発表では、トランプ政権下の2年間の経済実績等を高く評価し、2019年の課題として「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の議会承認及び日本、欧州連合(EU)、英国との新たな貿易交渉の開始、さらに中国の長年にわたる不公正な貿易慣行への取組み、世界貿易機関(WTO)での米国に利益の保護、国内法の積極的な執行等をあげ、「我々のゴールは、勤勉や技術革新が報われる一方、不公正な貿易慣行や違法な政府補助金が罰せられること」であると述べている。

 

2019年の通商政策上の課題を取り上げた通商政策アジェンダでは、トランプ政権が引き継いだ世界貿易制度上の欠陥、米国勤労者のための通商政策の推進、米国の通商関係の是正(rebalance)のための新たな貿易ディールと執行面の強化の3本の柱から成っている。

 

世界貿易制度の欠陥に関しては、現行の北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓自由貿易協定(KORUS)が時代にそぐわず、バランスを欠いているため米国民は経済機会を失っていること、WTOでは重要な多角的協定を新たに成立させることができず、また紛争解決機関の上級委員会の活動に大きな問題があること、中国を念頭に不公正な貿易措置、過剰供給をもたらした非市場的な政策及び米国の技術革新や知的財産への攻撃等、さらには一部の国にみられる児童労働等の問題や環境上の義務、科学的根拠に基づくスタンダードの軽視等が挙げられている。

 

このような状況を打破し、競争が公平な条件下で行われ、より公正で、効率的な世界経済を構築するため米国がこれまでに結んだ通商協定の大幅な改訂に取り組みNAFTAの再交渉やKORUSの改訂を進め、米国の利益に沿う内容になったとし、特に米国、カナダ及びメキシコ政府の間でNAFTAに替わるUSMCAの合意は、将来の貿易協定の模範となるもので、労働、環境保護、為替条項、知的財産及び電子商取引等の重要な分野について米国がこれまでに交渉した貿易協定のなかでも最も進んだものであると述べ、2019年の最優先課題の一つとしてUSMCAの議会での承認をあげている。

 

執行面に関しては、公正で、強い米国経済を実現するため利用できるあらゆる手段を使って対応するとし、具体的には米国の知的財産に対する中国の扱いに関する通商法301条に基づく調査の結果中国の不公正な貿易措置、政策、慣行を撤廃させるため関税を課すことが必要と判断されたことをあげている。また中国の不公正な措置等に関して米国と懸念を共有するEU及び日本と緊密に協力していることや技術移転の強要、知的財産の保護、非関税障壁、サイバー侵入、サービス、農業等の分野に関して中国が構造改革を行うよう交渉していることにも言及している。さらに、輸入増加によって国内製造業が被害を受けている場合のセーフガード措置として太陽光発電用のパネルや大型家庭用洗濯機への関税引上げ措置、ダンピング防止措置や相殺関税の発動の強化、受益国を含め特恵関税措置の運用等についての見直しにも触れている。

 

WTOの課題に関しては、WTO協定上の義務は履行するとしつつ、加盟国が合意していない新たな義務を課すような紛争解決機関の上級委員会の対応は認められないと強く反発している。さらに、WTO協定に基づく補助金等に関する通報制度や透明性に係る義務に関してはその実効性が確保される必要があること、またWTOにおいて「特別かつ異なる待遇」を享受できる開発途上国としてのステータスが加盟国の自主申告に任されているため開発が進んだ国も途上国のステータスから卒業しようとしないことに問題があるとして、この問題に取り組むための提案を行っているところであるとも述べている。

 

最後の米国の貿易関係の是正に向けた新たな貿易ディールに関しては、米国経済を強化し、国家の安全保障を図るために必要なリソースを生み出せるよう集中的に取り組むとし、今後日本、EU及び英国との新たな貿易交渉の開始を含め、戦略的パートナーとの新たな貿易ディールを求めるとしている。

 

(出典:2019年3月1日のUSTRのプレスリリース、アジェンダ等より)