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米国とメキシコ両政府がNAFTA見直しで大枠合意(USTR)

●USTR

米通商代表部(USTR)は、2018年8月27日、米国とメキシコ両国政府が北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉の結果、協定内容を見直し、大枠で暫定的な合意に達したことを発表した。この協定見直しの再交渉は2017年8月16日に開始されたもので、合意内容は多岐にわたっている。合意された主な項目には、原産地ルール、物品の市場アクセス、繊維品、農産品、知的財産、デジタル貿易、少額貨物の扱い、金融サービス、労働、環境の分野が含まれ、USTRはその発表の中で合意内容の中には現行のNAFTAや環太平洋パートナーシップ(TPP)協定を越えるものもあるとしている。

 

両国間の再交渉において最も注目を集めた自動車関係の輸出入については、関税無税の適用のための原産地ルールが新たに合意され、その主な内容としては、米国及びメキシコで製造された自動車用部材の原産品の使用比率を現行協定の62.5%から75%に引き上げること、自動車用部材の40%~45%は時給16米ドル以上の労働者によって作られたものとすること、原産地ルールの証明や検証の手続きの合理化、簡素化を図り、執行面を強化すること等が規定された。

 

物品の市場アクセス分野では、原産品への関税無税の維持、輸出税その他の課徴金等の禁止、輸出入手続きの透明性の向上、暗号法を含んだ商品の輸入制限を禁止すること等の規定が設けられ、また農産品に関しては関税無税扱いの維持やバイオ技術についての新たな基準の設定等が含まれた。

 

知的財産の分野に関しては、海賊版商品や模倣品の疑いのある物品の輸出入の防止、映画の盗撮への効果的な刑事罰等の適用、衛星信号やケーブル信号の窃取に対する民事、刑事面での罰則の適用、国有企業によるものも含め営業秘密の窃取に対する保護の強化、さらに営業秘密についてはこれまでの協定にない強い基準の設定、イノベーターへの保護としては、著作権についての完全な形での内国民待遇の供与、特許の強力な保護、医薬品や農業関係のイノベーターに対する保護の強化、音楽実演者等の著作物の著作権保護期間の延長(少なくとも75年間)、デジタル音楽や映画、書籍等の著作物についての技術的保護手段等を通じた保護、知的財産を保護しているインターネットサービスプロバイダーのための著作権上のセーフハーバーとしてノティス・アンド・テークダウン制度の設定、地理的表示の認定に関し米国の生産者が一般名称を使える形で地理的表示の保護の基準を設定すること、著名商標を含む商標保護の強化、バイオ技術を使った医薬品データの保護期間を10年間とし、その保護の対象を拡大すること等が合意されている。

 

デジタル貿易に関しては、電子書籍、ビデオ、音楽、ソフト、ゲーム等電子的に配信されるデジタル製品への関税や差別的措置の禁止、データの越境移転やデータ保存・加工の場所の制限の最小化、電子認証や電子署名の使用制限の除去、コンピュータのソースコードやアルゴリズムの政府による開示制限、サイバーセキュリティ対策等の措置が規定されている。

 

また、関税や内国税を無税とし、最小限の輸入手続きをとれば輸入が認められる少額貨物の基準については、特に中小規模の企業の輸出入を支援し、また小口の貨物を扱う宅配業者等のコスト削減や効率化に寄与するため、これまでの50米ドルから100米ドルに引き上げることについても合意された。

 

 

メキシコとの大枠合意を踏まえ、トランプ大統領は、2018年8月31日、2015年貿易促進権限法(ファストトラック権限法)に基づいて上院及び下院の両議長あてに書簡を送り、2018年11月末までにはメキシコとの協定に署名することを伝えた。また、NAFTA加盟国であるカナダについては合意がタイムリーにできれば同国との間でも通商協定を締結する意図を有することを明らかにした(2018年9月20日現在、カナダとは交渉継続中である)。貿易促進権限法の規定では署名の90日前までには議会に合意内容を通知することが求められる。

 

(出典:2018年8月27日のUSTRの発表及び8月31日のホワイトハウスの発表より)