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USTRが中国に対する22兆円規模の追加制裁措置の対象品目を公表(USTR)

●USTR

2018年7月10日、米通商代表部(USTR)は中国からの2,000億ドル(約22兆円)相当の輸入品に対して10%の関税上乗せの対象となる品目を公表した。

 

米国政府は2018年7月6日中国の知的財産侵害等不公正な貿易慣行に対して340億ドル(約3兆7,400億円)相当の輸入品818品目に25%の追加関税措置を発動したが、これに対して中国政府が不公正とされる貿易慣行の是正措置をとらず即座に同一規模の報復措置をとったことに対する措置とされる。今回発表された品目数は6,031品目にも及ぶもので、今後関係先から出されるコメント等を勘案して最終品目リストを確定する。

 

制裁措置の対象となる品目の種類は、2018年7月6日の対象品目が最先端分野の産業政策や強制的な技術移転等に関係したハイテク関連の品目を中心としたものであったのに対して、今回の対象品目には衣類や食料品、住宅関連製品、自動車用部品、金属製品等幅広い分野の商品が含まれている。

 

今回の措置も、2018年7月6日の第一弾の制裁措置と同様、米通商法301条に基づく措置とされる。

 

ライトハイザー通商代表は、今回の発表に関してコメントし、中国の不公正な政策や慣行によって米国のイノベーターは中国で事業を行うための代償として技術やノウハウを中国側に引き渡すことを強要されている。また、米国企業の買収には政府の資金等が使われ、さらに中国政府は米国の技術の窃取をあからさまに支援している。このような慣行によって米国にとって最も重大な比較優位と米国経済の将来、米国の知的財産と技術が脅威にさらされていると述べ、その上で同代表はこれまで同様米国は中国の不公正な貿易慣行の是正、中国市場の開放等に取り組む用意があるとしつつも、当面は公正で、互恵的な条件で競争するための対策をとることになると述べた。

 

中国商務省は、2018年7月12日、米国政府の発表について声明を出し、不公正な貿易慣行との中国に対する誹謗中傷は事実を歪曲したもので根拠がないとし、米国政府が不公正な貿易慣行としてあげている諸点について反論をしている。先ず、米中間の貿易が不均衡であるとの主張に対し、その内容は誇張されたもので、原因の多くは米国側にあるとし、米国の貯蓄率の低さ、ドルが国際通貨であること、両国間には産業競争力や国際労働分業の違いがあること等をあげている。知的財産を窃取しているとの主張については、中国は知的財産権の保護のため本格的な法制度を整備したこと、さらに知的財産権に関連したロイヤルティの支払額は2017年には286億ドルに上り、WTO加盟の2001年と比較して15倍にも増えたとしている。また技術移転を強要しているとの主張に対しては、中国政府はこのような要求を外国企業に行ったことはなく、中国と外国の企業間の協力等は自主性に基づいて行われているとし、さらに「中国製造2025」その他の産業政策に関しては中国政府の指針として市場経済原理に基づき実施されているもので、すべての外国企業にも開放されているとし、農業や製造業に対して巨額の補助金を支給しているのは皮肉にも米国の方であると述べている。

 

以上の他、中国が米国の要求に対して積極的に是正措置をとっていないこと、中国の対抗措置には国際的に法的な根拠がないこと等の米国の主張についてもそれぞれ反論し、中国の対抗措置は国家や世界の利益を守るためにとったやむを得ない選択肢で、正当なものであり、合法的なものであると述べている。その上で、米国は中国に対して「貿易戦争」を仕掛けたに留まらず、全世界との「貿易戦争」を開始しており、世界経済を危険な状況に引きずり込んでいると述べ、中国はこれまでの方針に基づいて断固として改革、開放を推し進め、世界の諸国と協働して自由貿易及び多角的貿易制度を支持するとしている。

 

前回の340億ドル相当の制裁措置に対しては、中国政府は即座に同一規模の対抗措置をとったが、今回の2,000億ドル規模の制裁措置に対しては中国の正当な権利や利益を守るためにも対抗措置をとることになろうと述べるにとどまり、具体的な内容については今後商務省を中心に検討を進めるとしている。

 

(出典:2018年7月10日のUSTRのプレスリリース、7月12日の中国商務省の声明等より)