ホーム海外トピックス › USTRがトランプ政権の「2018年通商政策アジェンダ」を発表―TPPに関しては、これまでの方針への言及に留まる―(USTR)

海外トピックス

Jtrade

貿易統計Web検索システム ジェイ・トレード

FAX&COPYサービス

統計品目番号を記して申し込めば、後はFAXを待つだけ!

貿易統計
データ提供サービス

貿易統計データを表計算ソフトに取り込み二次加工が容易に!

USTRがトランプ政権の「2018年通商政策アジェンダ」を発表―TPPに関しては、これまでの方針への言及に留まる―(USTR)

●USTR

2018年2月28日、米通商代表部は、2018年の貿易政策の方針となる「2018年貿易政策アジェンダ」を発表した。このアジェンダ及び同時に発表された「2017年報告書」は、修正1974年通商法に基づいて通商代表が毎年3月1日までに議会に提出するよう求められているものである。

 

2018年のアジェンダは5本の柱から成っている。

 

先ず、国家の安全保障を支えるための貿易政策として、米国の経済力を削ぐような外国の貿易政策、米国の信頼を裏切るような外国の貿易政策には与しない。国家の主権を守り、米国が同意できない義務を押し付けられないようにする。中国、ロシア等の敵対的な政策から国益を守り、不公正な競争者にはあらゆるツールを使って対抗する。市場を基盤とした政策を執り、互恵関係にある国は真の友好国として扱うが、不公正な慣行等を執り、互恵関係を拒む国に対しては米国の利益を守るための措置を執るとしている。

 

2本目の柱の貿易政策による米国経済の強化について、昨年12月に成立した「税制改革法」によって法人税率は35%から21%に引き下げられ、主要な貿易相手国とは対等の条件で競争できるようになったとし、これによって米国経済を強化し、世界市場での競争力を高め、さらにビジネス上の障害となる規制を撤廃するとしている。

 

3本目の柱の貿易協定については、北米自由貿易協定(NAFTA)、米韓自由貿易協定(KORUS)の改訂交渉を進める。さらに欧州連合離脱後の英国との貿易・投資に関する協定交渉を検討し、インド太平洋地域、アフリカ地域との二国間貿易交渉を進めるとしている。この中で、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定についても触れ、トランプ大統領は選挙公約として掲げたTPPからの離脱を決定し、民主・共和両党からの反対が根強い協定にこれ以上時間を無駄にすることを避けることができた。この離脱によってTPP交渉に参加した11か国とはこれまで以上に有利で、公正な関係を築くことができる。米国はこの11か国のうち6か国(カナダ、豪州、メキシコ、チリ、ペルー、シンガポール)とはすでに自由貿易協定(FTA)を結んでおり、残る5か国(日本、ベトナム、マレーシア、ニュージーランド及びブルネイ)のうち日本については2017年2月のトランプ大統領と安倍総理との会談で、米国は日本とより緊密な貿易関係を求めるとの立場を明確にした。さらに、トランプ大統領が先のダボス会議で、成果が大幅に改善される内容の協定であれば、他のTPP諸国と、個別に又はグループとして交渉する用意があることを表明したことには触れたが、それ以上に踏み込んだ今後の方針は示されていない。

 

4本目の柱とされる米国の通商関係法の積極的な執行に関しては、米国を公正に扱い、現行の貿易協定のルールに従って競争できるよう通商関係法や国際的な執行措置をこれまで通り活用すると述べている。具体的にこれまで取られた措置として、通商法301条に基づく中国の技術移転、知的財産、技術革新に関係する措置等についての通商代表部の調査、通商法201条のセーフガード措置に基づく中国、韓国等からの太陽光パネルや大型の家庭用洗濯機の輸入についての国際貿易委員会の調査、通商拡大法232条に基づく国家安全保障上の理由による中国等からの鉄鋼やアルミニウムの輸入についての商務省の調査等を挙げている。さらに、ダンピング防止関税や相殺関税の発動について、現政権の1年間で84件の調査が開始され、前年に比べ59%も件数が増加したこと、昨年11月には商務省は中国から輸入されるアルミシートの輸入についてダンピング防止関税及び相殺関税の調査を自らの判断で開始したこと等を挙げている。また、世界貿易機関(WTO)等の国際協定に基づく措置として、中国政府の市場歪曲措置等、インドネシアの輸入ライセンス制度、インドの農産品の輸入禁止措置、欧州連合との長年にわたる係争案件となっている民間航空機への補助金支給の問題等について触れている。

 

最後のWTO改革については、WTOの重要性を強調し、WTOは市場志向型の政策を進めるうえでの決定的に重要なツールを備えているとしながらも、この20年間にわたる活動を見ると十分な機能を果たしているとはいえないこと、紛争解決制度が本来の形で機能していないこと、また現在の世界経済にとって必要とされる協定が合意できないこと等を挙げ、今後このような課題に取り組む用意があるとしている。

この報告書の発表に際し、ライトハイザー通商代表は、トランプ大統領は、欠陥のある環太平洋パートナーシップ(TPP)協定からの離脱、NAFTAの再交渉、米通商関係法の強力な執行等、国民との約束を守っており、政権公約の成果はすでに目の当たりにしていると述べた。

 

(出典:2018年2月28日発表の「2018 Trade Policy Agenda」等より)