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カナダ政府が米国の貿易救済措置の運用等に関してWTO協議を申入れ(カナダ)

●カナダ

2018年1月10日の世界貿易機関(WTO)事務局の発表によれば、カナダ政府は、2017年12月20日米国のダンピング防止関税や相殺関税の貿易救済措置がWTOのルールに違反しているとして、WTOの紛争解決手続きに基づき米国との二国間協議を申し入れた。この協議の申入れはWTOの紛争解決手続きの最初に求められる手続きで、60日以内に二国間協議が不調に終われば、提訴した国(カナダ)は、本件についての裁決を求めるため裁判の第一審に相当する紛争解決小委員会(パネル)の設置を求めることができる。

 

カナダ政府は、この申入れの中で米国のダンピング防止関税及び相殺関税について、その算定方法やそれに伴う関税の徴収、還付、さらにはその決定のプロセス等に関する米国の手続きや運用はWTOのルールに違反しているとしている。

 

具体的には、米国のダンピング防止税や相殺関税についてWTOで不利な裁定が出された場合にその裁定の内容を適切に実施していないこと、輸入の増加によって危機的な状況が発生したとする決定(予備的)があった場合の遡及適用(暫定的)に係る問題、補助金の算定に関連して原材料への輸出課徴金や輸出割当て等の外国の輸出管理措置を補助金として扱うやり方、政府が物品を提供した場合の相殺関税算定上での当該物品の扱い、利害関係者に対して証拠等を提出する「十分な機会」を与えているとはいえない扱い等の問題点を上げている。

 

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は2018年1月10日、カナダ政府のWTO協議申入れについてコメントし、カナダの要請内容は米国の貿易救済制度に対する間違った攻撃であり、米国は公正な貿易を確保するために貿易救済措置を発動している。カナダの主張には根拠がなく、カナダとの互恵的な関係を揺るがすものであると述べ、さらにカナダの主張が仮に受け入れられたとしてもこれによって利益を受けるのはカナダ以外の国になろう。例えば、米国の貿易救済措置が撤回された場合には、中国等からの輸入の激増によってカナダからの輸入は何十億ドルもの減少に見舞われることとなろう。カナダの主張はカナダ自身のためになるものではないと述べた。

 

カナダと米国の間では2017年12月20日米商務省がカナダのボンバルディア社の旅客機(100席~150席)についてダンピング防止関税79.82%、相殺関税212.39%の適用を決定している。国内産業の被害状況を調査している国際貿易委員会(ITC)が、被害ありとして今後「クロ」の判定を出せば、併せて292.21%のダンピング防止関税及び相殺関税が発動される。

 

米商務省の発表では、2017年1月20日~今年1月9日までのほぼ1年間に商務省は82件のダンピング防止関税及び相殺関税に係る調査を行っており、2016年の52件の調査件数と比較すると58%増となる。ダンピング防止関税及び相殺関税に関する命令で現在適用されている件数は418件に上る。

 

(出典:2018年1月10日付けのWTO事務局、USTRのプレスリリース等より)