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中国の「非市場経済国」の扱いを巡りパネル設置を決定(WTO)

●WTO

2017年4月3日に開催された世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関(DSB)特別会合において、中国は、同国のWTO上の「非市場経済国」としての扱いについての欧州連合(EU)の対応を不服として紛争解決小委員会(パネル)の設置を要請し、その設置が合意されました。パネルでの審査は一連の紛争解決手続において裁判での第一審に相当します。本件パネル設置要請は、先月3月21日に開催された紛争解決機関において中国が第一回目の設置要請を行ったものですが、欧州連合の反対で設置が見送られた経緯があります。

 

中国は、パネル設置要請の理由として、2001年のWTOへの同国の加盟条件等を定めた議定書ではダンピング防止関税の調査の際のダンピング・マージンの算定方法について非市場経済国として特例が定められたが、この措置は加盟から15年間適用される時限的な措置で、昨年12月11日にすでに失効していること、欧州連合はダンピング防止関税に関する規則でこの扱いを継続しており、さらに規則の改正も進められていること等、欧州連合の対応はWTOのルールに違反していることをあげています。

 

これに対して、欧州連合代表は、ダンピングに関する欧州連合の基本規則をどのような内容にするかについては、目下域内において審議中で、今後どのように改定がなされるかわからない状況にあること、このような状況において中国がこの問題を審査するためにパネルの設置を要請することはその必要性がなく、実りのある成果を期待できるものではないとして反論しました。

 

米国代表は、欧州連合の立場を支持し、中国のWTO加盟議定書での非市場経済国としての扱いは、事実としてその正当性が認められる限りはこの扱いは継続することができ、中国が市場経済国に必要な改革が実際に行われたことが示されれば欧州連合は市場経済国として中国を扱うべきであろうが、現状は市場経済国からは程遠い状況にあり、欧州連合は中国を市場経済国として扱う必要はないと述べました。さらに、米国代表は3月29日米国の商務省が、中国から輸入されるアルミフォイルについてのダンピング調査との関連で、中国の非市場経済国としての地位について審議するとの声明を出したことに触れ、中国に参加を呼びかけました。

 

また日本も欧州連合及び米国のそれぞれの立場を支持し、ダンピング調査での価格差の算定に際して中国の輸出価格を第三国の同種製品の価格と比較するとの扱いは継続することができると述べ、さらに欧州連合の規則内容が将来どうなるかわからない段階で欧州連合の措置を問題とすることは紛争解決になじまないとの立場を述べました。

 

パネル設置要請については、紛争解決機関において第一回目の要請が否決された場合であっても、再度要請が出された場合は、関係国・地域はこれを拒否することができないとされており、今回二度目の中国の要請に対してパネルの設置が決定されました。

 

本件については加盟国の関心が高く、豪州、ブラジル、カナダ、コロンビア、エクアドル、インド、インドネシア、日本、カザフスタン、韓国、メキシコ、ノルウェー、ロシア、台湾、トルコ、米国がパネルに参加できる第三国としての権利を留保しました。

 

(出典:2017年4月3日付けの世界貿易機関のプレスリリースより)

 

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2017年1月5日「中国が「市場経済国」認定を巡り、米国、EUにWTO協議を申し入れ(WTO)」