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鉄鋼過剰生産問題を協議するグローバル・フォーラムがスタート(USTR、EU)

●USTR、EU

米通商代表部(USTR)は、2016年12月17日付けのプレスリリースで、鉄鋼の世界的な過剰生産問題を協議するため2016年12月16日ドイツのベルリンにおいてグローバル・フォーラムの初会合が開催されたことを発表しました。
このフォーラムは、G20や経済協力開発機構(OECD)の加盟国の併せて30か国を超える鉄鋼生産国が参加して開催されたもので、参加国の鉄鋼生産に占める比率は90%に達するとされています。

 

USTRのフロマン代表と米商務省のフリッカー長官は、17日声明を出し、このフォーラムは本年9月に杭州市において開催されたG20のサミット会合での約束に基づくもので、世界的な鉄鋼危機によって米国を始め多くの国の鉄鋼メーカーやその労働者に深刻な影響をもたらしている課題に対して体系的に取り組むことが必要であるとの各国の決意の表れであり、市場を歪める様々な国家の支持的な措置を含め、鉄鋼の過剰生産問題の根本的な原因の解明に取り組むため、情報を交換し、効果的な措置を取れるよう迅速な対応を求めたいとし、来年2月の会合において、健全な市場の機能を鉄鋼セクターにおいて回復させるために必要な解決策を見出すよう期待したいと述べています。

 

この会合は、2017年についてはドイツが議長を、中国と米国が副議長を務めることとされています。G20に対しては今後3年間にわたって毎年フォーラムでの協議結果が報告がされます。

 

USTRの発表によれば、鉄鋼の過剰生産は2000年から2014年の間でその供給能力は2倍以上に膨らみ、現在においてもこの傾向が続いているとされています。そのため、価格の下落、工場の閉鎖、多くの雇用の喪失といった危機的な状況が発生し、オバマ政権下ではバイ、プルリ、マルチ等の会議において一貫してこの問題に取り組んでいること、さらに鉄鋼製品を含め外国の不公正な貿易措置に対しては140件を超えるダンピング防止関税や相殺関税等を発動してきたこと、さらに世界貿易機関(WTO)の場でも紛争解決手続きに基づきこれまでにない多くの提訴を行ってきたこと等を説明し、本件の取組みの重要性、緊急性を強く訴えています。

 

欧州委員会も、2016年12月16日、鉄鋼過剰生産問題に取り組むための新たなグローバル・フォーラムが設置されたことを歓迎する声明を発表しました。欧州委員会の通商問題担当委員のマルムストロム委員は「EU域外の国の政府が市場を歪曲するような方法を使って自国産業を支持するような政策をとっている限り、EUは域内の鉄鋼メーカーが諸外国と同一の条件下で競争ができるよう利用できるあらゆるツールを使うこととなろう。しかし我々は同時にグローバルな鉄鋼産業における過剰生産問題の根本原因に取り組まなければならない。これが、世界の鉄鋼市場における悪影響を軽減する上で最良の方法といえる」と述べ、この新たなグローバル・フォーラムは、協力に基づく新たなガバナンスの一つの形態になるとして期待を表明しています。

 

欧州委員会は、中国がその要因の多くをつくったとされる深刻な鉄鋼の過剰生産からEUの産業を守るため、不公正な貿易に対してはダンピング防止関税や相殺関税の発動といった貿易防衛措置を通じて対応してきたが、このような措置は対症療法的なもので過剰生産がもたらすその結果に対処しているにすぎず、その根本にある原因にまでは対処することはできない。過剰生産問題は補助金や国家の支持政策によってもたらされている面があり、市場の果たす役割を高め、産業構造を変えることによってこの問題に取り組むことが必要であるとして、このフォーラムでこの根本的な原因に取り組むことに大きな期待を寄せています。

 

なお、EUでは、これまで15年間にわたって維持されてきた貿易防衛措置は今日の経済実態に適合しなくなってきていること等の理由から、新たな措置の導入の検討が進められています。特にダンピング防止関税や相殺関税の適用に関する欧州連合の現行規則を改正することが必要であるとして、不公正な外国の貿易慣行に対して、より迅速且つ効果的に対応できるよう欧州委員会がまとめた規則改正案をベースに、理事会及び欧州議会との3者間での協議を行うこととなっています。

 

(出典:2016年12月16日付けの欧州委員会及び2016年12月17日付けのUSTRのプレスリリースより)