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中国が「市場経済国」認定を巡り米、EUにWTO協議を申入れ(WTO)

●WTO

2016年12月12日付けの世界貿易機関(WTO)のプレスリリースによれば、中国政府は、米国及び欧州連合(EU)が中国をいわゆる「非市場経済国」として取り扱う措置を継続しているとしてWTOの紛争解決手続きに基づき正式に協議を申し入れました。

 

中国政府が協議を申し入れた内容は、米国とEUに対して実質的には同じような内容のものとなっています。

 

中国政府が、米国及びWTOの紛争解決機関議長に提出した通報の内容によれば、中国が2001年12月11日にWTOに加盟した際、その加盟議定書において加盟後15年間にわたりダンピング調査の際のダンピング差額の算定において通常用いられる方式とは異なる方式を取ることを受け入れ、輸入価格のダンピングの有無を認定するに当たって中国において消費者に向けられる同種価格の通常取引における価格(正常価格)との比較ではなく、その代わりとなる第三国における価格等との比較でダンピング差額を決めることを認めてきたが、この措置は中国がWTOに加盟したのち15年で失効し、2016年12月11日からは市場経済国に対して通常用いられる方式を適用してダンピング差額の算定をしなければならないとし、米国がこれまでと同じ方式を適用する意向を示していることに対して強く抗議しています。

 

米国については、同国の関税法において「非市場経済国」として中国が指定され、ダンピング差額の調査を担当する米国商務省が「非市場経済国」の認定を取り消さなければ、その認定は継続されることとなっており、最近では2006年に中国を「非市場経済国」と決定し、この決定は依然として継続されていると述べています。

 

一方、EUに対しても別途協議の申し入れがなされ、その通報の中でEU規則では「非市場経済国」とされる国についてのダンピング調査において正常価格を算定するに際して、輸出貨物の生産者がその生産や販売等について市場経済の条件が浸透していることを立証して初めて通常の手続きが適用されるとされており、この立証ができなければその代わりとなる第三国における価格等がダンピング差額算定のベースとして使われることになるとしています。

 

同日、中国商務部の高虎城部長は声明を出し、中国はWTOへの加盟以来、世界最大の開発途上国として貿易や投資の自由化、円滑化を約束し、多角的貿易体制に多大な貢献をしてきているとし、この多角的貿易体制やそのルールを守ることが経済繁栄の礎になると述べたうえで、今回中国がとった措置について中国のWTO加盟議定書に定められている問題となっている措置は加盟後15年で失効するもので、2016年12月11日以降は中国製品についてのダンピング調査は通常のルールに従って行われなければならないと述べています。

 

同部長は、さらにWTOメンバーの多くはすでに通常の方式の適用に賛同しているが、一部の加盟国が、自国の論理で市場経済国としての条件を適用しており、また過剰生産、過剰供給の問題を絡めて正当化していると批判し、市場経済についての定義は詳しくは定められておらず、冷戦時代につくられた概念であるとも述べています。そして、過剰生産、過剰供給の問題はすべての国が直面している問題で、すべての国が力を結集して解決すべき課題であるとし、WTOルールの義務の履行を引き延ばす理由としてはならないとも述べています。さらに、同部長はWTOの義務を履行しようとしない国に対しては中国の正当な利益を断固守るためにさらなる措置を取る権利を留保するとも述べています。

 

(出典:2016年12月12日付けのWTOのプレスリリース及び中国商務部のプレス発表より)