ホーム海外トピックス › ボーイング777Xの開発・製造への支援はWTOルール違反―WTOパネル報告―(WTO)

海外トピックス

Jtrade

貿易統計Web検索システム ジェイ・トレード

FAX&COPYサービス

統計品目番号を記して申し込めば、後はFAXを待つだけ!

貿易統計
データ提供サービス

貿易統計データを表計算ソフトに取り込み二次加工が容易に!

ボーイング777Xの開発・製造への支援はWTOルール違反―WTOパネル報告―(WTO)

●WTO

2016年11月28日、世界貿易機関(WTO)の紛争解決小委員会(パネル)は、米国ワシントン州がボーイング社に対して行っている税優遇措置はWTOルールが禁止している補助金に当たるとして提訴していた欧州連合(EU)の申立てを審査した結果をとりまとめた報告書を公表しました。

 

本件は、2014年12月にEUが、ボーイング社の次期大型旅客機(777X)の開発、製造及び販売に関連してワシントン州より条件付きの税の優遇措置が取られているとして米国に対して協議を申し入れたことに端を発しています。EUは、この優遇措置はWTOの補助金・相殺措置に関する協定の補助金に該当するもので、協定に違反しているとして米国側に申し立てましたが、協議が不調に終わったため、2015年2月EUは紛争解決機関に対して紛争解決小委員会(パネル)の設置を要請し認められました。

 

EUが問題としたのは、2013年にワシントン州が定めた州法に関係するもので、この州法において航空宇宙産業への様々な税の軽減、免除、税額控除等の優遇措置が設けられていることでした。これらの優遇措置は、国産品を優先的に使用することを条件とする措置で、協定上禁止されている措置であるとしています。

 

このEUの主張に対してパネルの報告書では、航空宇宙産業への租税措置は事実上ワシントン州政府からの財政的な支援であり、航空宇宙産業に利益が供与されているとして、WTOの補助金・相殺措置協定に規定されている補助金に該当すると結論付けています。

 

このパネル報告を受けて、欧州委員会の通商担当マルムストロム委員は「本日のWTOの決定は欧州連合とその航空産業界にとって大きな勝利である。ワシントン州からボーイング社に供与された57億ドルという巨額の補助金は明確に違法とされた。米国がルールを尊重し、公正な競争を守り、遅滞なくこれらの補助金を撤廃することを期待する」と述べています。

 

なお、WTOでは、本件とは別に、エアバス社とボーイング社に係る補助金等についても争われており、明年にはパネルでの審査が終了すると予想されています。

 

(出典:2016年11月28日付けの欧州委員会のプレスリリース及び同日発表のWTOパネル報告書より)