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欧州委員会がダンピング防止関税等に関する制度改正を提案(EU)

●EU

欧州委員会は、11月9日、欧州連合(EU)域外の第三国から欧州連合に輸出される貨物について、その国において市場に重大な歪みがあり、又は経済への国家の影響が浸透している場合には、そのような国からの輸出品についてのダンピングマージン等を算定するに当たっては新たな方式を採用するとの提案を行いました。今回欧州委員会が提案した新たな方式は、世界貿易機関(WTO)の法的な義務に抵触するものではなく、特に鉄鋼製品等の過剰供給に見られる国際貿易の実態に対応することができる貿易防衛措置を確保するためのものであると説明されています。

 

ダンピング防止関税の適用についての現行ルールによれば、正常な市場とされる場合には、国内価格と輸出価格との価格差であるダンピングマージンは欧州連合への域外の第三国からの輸出価格とその輸出国における国内価格又は製造コストとの比較で算出されることになっています。一方、一部の非市場経済国においては国家の介入によって価格やコストが人為的に抑えられ正常な市場価格が形成されていないケースがあり、このような国内価格はダンピングマージンを算定する上で輸出価格との比較のベースとはされず、当該国以外の市場経済国の価格を算定の基礎として採用することとされています。

 

今回提案された方式は、WTOの加盟国については市場経済国と非市場経済国とを区別することなく同一の扱いとなる点が大きく異なることになります。したがって、WTO加盟国についてはすべての国が一律に扱われることになりますが、適用に当たっては一部のWTO加盟国に見られる経済への国家介入による重大な市場の歪みがある場合にはこの点を勘案することになります。この市場の歪みを判断するに当たっては、いくつかの基準を用いるとされ、例えば国家の政策やその影響、国有企業の存在、国内企業を優遇する差別的措置、金融セクターの独立性等の有無がその基準として挙げられています。そのため、今後、欧州委員会において市場の歪みが認められる場合には国またはセクターについて個々に報告書を作成することとなろうとも述べられています。

 

なお、WTO非加盟国で、非市場経済国とされる国については、特例扱いの必要性がないことが立証されるまではこれまでの扱いに変更はないとされています。

 

また、現在実施されているダンピング防止関税等の貿易防衛措置及び調査中のケースについては、現行のルール通りに適用されるとの経過措置の規定も設けられています。さらに、相殺関税の適用に関連する補助金に関しては、それが輸出者等に不当な利益を与え、欧州連合の製造者等に被害をもたらすものであれば、このような補助金に関する調査の方式も変更することが提案に盛り込まれています。

 

この欧州委員会提案は、今後欧州連合の通常の立法手続きにしたがって欧州議会及び閣僚理事会で審議され、採択されれば発効することになります。

 

(出典:2016年11月9日付けの欧州委員会のプレスリリース等より)

 

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2016年8月5日付けの「欧州委員会が中国の「市場経済国」認定問題を審議(EU)」